ヒロインのシスコンお兄様は、悪役令嬢を溺愛してはいけません!

あきのみどり

文字の大きさ
上 下
119 / 170

118 グステルは、兄が心底めんどうだった…

しおりを挟む
 
 老いては子に従えとは、先人の言葉。
 まあ、グステル的にはそんな気はさらさらないのだが。

 しかし、部屋のまんなかのソファに座らされて、自分を取り囲む人々を眺めていると、しみじみとこんな思いがうかんでくる。

(……息子に叱られるって、こんな感じなのかしら……いや、孫……?)

 現在、グステルの右ななめ前には、泣き怒っているヴィムが地団駄をふんでいて、左側には呆れ顔のエドガー。
 目の前には、ズドンと大きな兄フリードが、腕組みで仁王立ち。
 もし彼らがグステルの息子なら、間違いなくフリードが長男で、エドガーが次男。ヴィムは甘ったれの末っ子といったところだろう……なんてことをぼんやり考える。たぶん、現実逃避である。

 ともかく。
 その三名の息子(もしくは孫)ならぬ、青年たちは、かわるがわる、くどくど、くどくどとグステルの無謀をお説教中。
 これには、はじめこそ『いや、ちゃんと、割と、まあ、そこそこ……? 勝算あっての行動です!』と、いいきって(?)いたグステルも、しまいにはちょっとしょんぼりしてきて今に至る。

「ステラさん! 無理しないって……無理しないって約束したじゃないですかぁ!」
「俺がいうのもなんだが、あなたはちょっと自分の命を軽んじすぎでは?」
「……貴様……なぜこの俺様を忘れていた……」

 ……若干一名、ぜんぜん違うことをムカついている男もいるが……まあそれはともかく。
 少し疲れてきたグステルは、顔に女神の微笑を貼り付けそれぞれにいった。

「ヴィムさん……もう泣かないで。ね、私は無事ですから」
「エドガー様、お父様を無事脱出させてくださって本当にありがとうございます。まあ、命燃やしてこその人生ですよ、ふふ」
「お兄様──うるさい」
「なんだと⁉︎」

 最後に切って捨てるようにいわれた兄は、とたん鬼のような形相をした。
 ヴィムなんか、よしよしと頭までなでられていたというのに、実兄たる自分が冷たくあしらわれることが納得いかないらしく、フリードはヴィムをぎりィッと音がしそうな程の視線で睨んでいる。
 だが、グステルは怯えるヴィムの頭をかばうように引きよせて、兄に向けては眉間にしわをよせて見せる。

 今回ここに駆けつけてくれたことには感謝しているが……。
 グステルは正直、昔からこの尊大で乱暴な兄のことが苦手だ。
 子供の頃、こいつとは何度母に隠れて取っ組み合いのケンカをしたかわからない。
 物語中の令嬢グステルはしとやかだったが、彼女に転生したグステルは当時、外見は幼女でも、中身はすでに大人。
 兄に小突かれても、絶対に服従しなかったし、家の中でわがまま放題の王子様状態だった兄には、普通にムカついた。
 ゆえに、自分の幼い外見にも構わず、彼のことはよく叱りつけたものだから……この高慢なフリードとはしょっちゅうケンカに発展したものだ。
 だがもちろん、口では勝てても、兄とはこの体格差である。
 グステルはいつも兄妹ケンカでは負け、腹立たしい思いを募らせていた。が、そこは大人の対応で、恨みは抱くまい、と、思っていたのだが……。
 見たところ、その頃から、兄はあまり性格が変わっていないような気がした。
 グステルは、自分にすがってくるヴィムを抱きしめながら兄を睨む。

「お兄様、ヴィムさんを睨むのやめてください」
「なんなんだお前は……! 何年ぶりの再会だと思っているんだ⁉︎ もっと! この兄に何かないのか⁉︎」

 言って兄はなぜか両腕を広げて見せる。
 どうやら……兄は、感動的な兄妹の再会の抱擁を求めているらしい……。
 ええ……とは思ったが。まあ、来てくれた恩もある。
 グステルは、とっても面倒くさかったし、実の兄妹ゆえの抵抗感もあったが、しぶしぶ立ち上がって兄の求めに応じた。
 と、兄は大きい身体に妹を招き入れ、満足げに微笑んでいる。その顔が、どこかヴィムに対して勝ち誇ったような表情に見えるのは気のせいだろうか……。
 ともあれ兄のその喜びは、どうやら本物のようだ。
 しかしそれを素直に受け取れないグステルは、こんな自分の中にも反抗期っぽい感情があったんだなぁと、なんだかとてもしみじみしてしまった。

 あの後。
 アルマンは、ヘルムートとグステルの兄フリードの協力のもと捕らえられた。
 彼は現在、手下たちとともに公爵邸の敷地内にある地下牢に連行されている。
 今のところこの事態は外にはもらされおらず。父を保護した兵や、アルマンを捕らえることに関わった兵、何かを見聞きした使用人たちにも箝口令が敷かれ、ことは一応の収束を見た。

 グステルを抱きしめてご満悦な兄の話によると、他領で遊学中だった彼は、母からの要請を受けてここに駆けつけてくれたらしい。
 そして、その母に救援を依頼したのがヘルムートなのだだと聞いて。グステルは、胸が震えるほどにありがたかった。

 彼は、グステルに勧められてこの領都を発ったとき、同時にグステルの母に伝令を飛ばしていたらしい。
 はじめは状況が分からず、父がすべての元凶という可能性もあったため、グステルは母を頼らなかったが……ふたを開けてみれば、この事態において、母以上に対処に適任な人物はいなかっただろう。
 アルマンの内部支配によって、ずっと外部者に硬く門を閉ざしていた公爵家だが、まさか女主人たる母の帰還を拒むわけにはいかない。
 嫡男フリードを含む大勢の男たちを背後に引き連れた公爵夫人の突然の帰還には、アルマンから『許可なくば何人も通すな!』と厳しく命じられていた門番たちも、さすがに慌ててその道をあけたらしい。

 そうして数年ぶりに堂々正門から本邸に戻った母は、先ほどグステルの無事を確認すると、今は病に伏せている父に付き添いに行った。
 父の体調にもよるだろうが……。きっとあちらも母に、長年つもりつもったうっぷんをくどくどと聞かされているに違いない……。

(……この機会に、わだかまりが溶けて仲直りしてくれるといいんだけれど……)

 グステルは、そう願わずにはいられなかった。

 こうして、ひとまず実家の問題はひと段落ついた。
 まだまだ問題は山積みだし、王都のラーラと王太子の件、偽物令嬢と叔母のグリゼルダのことも心配だが。そちらは体制を整え直してからということになるだろう。

 グステルは、やっと気が済んできたらしく、くすんくすんと鼻をすすっているヴィムの顔をハンカチで拭いてやりながら彼に訊ねる。

「あの……それでヴィムさん……」
「はい……?」

 なんですか? と、顔を上げる青年に、グステルは一瞬チラリと部屋の入り口のほうを見て。そのどこか不安そうな、心許なさそうな顔に、ヴィムが不思議そうに首を傾けた。

「どうしたんですか? 傷が痛みますか?」
「いいえ、そうではなく……その……ヘルムート様は今どちらに……?」

 そうなのだ。
 あれから、ヘルムートの姿がどこにも見当たらない。
 騒動直後は慌ただしく医者のもとへ連行されてしまい、それもやむなしとは思っていたが。
 それにしても、あれからもう一時間ほどはたっている。
 それなのに、いつまでたっても彼は彼女の前には戻ってこなかった。
 これには、グステルはとても不安になった。
 ただ、ヴィムの話では、彼女をかばってアルマンに刺された彼は、もうすでに怪我の手当てを終えたとのこと。
 
(……でも……なら、なんでお顔を見せてくださらないのかしら……)

 不安は次第に募っていって。初めはヴィムの話を信じたグステルも、だんだん(もしや、本当はヘルムート様の怪我はとてもひどかったんじゃ……)と、焦燥感をいだきはじめていた。
 けれどもグステルの問いに、涙目の青年はキョトンとした顔。

「え……ヘルムート様…………」

 ヴィムは、ぽかんとして背後をキョロキョロと見回し主人を探している。
 どうやら彼は、ずっとヘルムートがここにいると思っていたようだ。が、そこに主人の姿がないことに気がついて、あれ⁉︎ と、いう顔。
 ……どうやら彼は、グステルとの再会に感情的になりすぎて、今の今まで主人の不在に気がついていなかったらしい。今更慌てている可愛らしきうっかり青年はオロオロと言った。

「あ、えっと……! 確かさっきはお医者様とお話しされていたのですが……」

 だが彼は、その後のヘルムートの所在を知らない様子だった。
 慌てるヴィムに、と、そこで、エドガーが助け舟を出すように口を開く。

「……ステラさん」
「え?」

 呼ばれたグステルが彼に視線をやると、青年はいつも通り冷静な顔でグステルを見ていた。だが、口調には、どこか小さなためらいがあるように感じられて。グステルは少し怪訝に思った。

「……エドガー様?」
「……、……ヘルムートのやつですが。……どうやら……あいつはすでに領都を出たようです」

 その言葉には、グステルは思わず目を見開いてエドガーの顔を凝視してしまった。



しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

【完結】「君を手に入れるためなら、何でもするよ?」――冷徹公爵の執着愛から逃げられません」

21時完結
恋愛
「君との婚約はなかったことにしよう」 そう言い放ったのは、幼い頃から婚約者だった第一王子アレクシス。 理由は簡単――新たな愛を見つけたから。 (まあ、よくある話よね) 私は王子の愛を信じていたわけでもないし、泣き喚くつもりもない。 むしろ、自由になれてラッキー! これで平穏な人生を―― そう思っていたのに。 「お前が王子との婚約を解消したと聞いた時、心が震えたよ」 「これで、ようやく君を手に入れられる」 王都一の冷徹貴族と恐れられる公爵・レオンハルトが、なぜか私に異常な執着を見せ始めた。 それどころか、王子が私に未練がましく接しようとすると―― 「君を奪う者は、例外なく排除する」 と、不穏な笑みを浮かべながら告げてきて――!? (ちょっと待って、これって普通の求愛じゃない!) 冷酷無慈悲と噂される公爵様は、どうやら私のためなら何でもするらしい。 ……って、私の周りから次々と邪魔者が消えていくのは気のせいですか!? 自由を手に入れるはずが、今度は公爵様の異常な愛から逃げられなくなってしまいました――。

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

白い結婚のはずでしたが、王太子の愛人に嘲笑されたので隣国へ逃げたら、そちらの王子に大切にされました

ゆる
恋愛
「王太子妃として、私はただの飾り――それなら、いっそ逃げるわ」 オデット・ド・ブランシュフォール侯爵令嬢は、王太子アルベールの婚約者として育てられた。誰もが羨む立場のはずだったが、彼の心は愛人ミレイユに奪われ、オデットはただの“形式だけの妻”として冷遇される。 「君との結婚はただの義務だ。愛するのはミレイユだけ」 そう嘲笑う王太子と、勝ち誇る愛人。耐え忍ぶことを強いられた日々に、オデットの心は次第に冷え切っていった。だが、ある日――隣国アルヴェールの王子・レオポルドから届いた一通の書簡が、彼女の運命を大きく変える。 「もし君が望むなら、私は君を迎え入れよう」 このまま王太子妃として屈辱に耐え続けるのか。それとも、自らの人生を取り戻すのか。 オデットは決断する。――もう、アルベールの傀儡にはならない。 愛人に嘲笑われた王妃の座などまっぴらごめん! 王宮を飛び出し、隣国で新たな人生を掴み取ったオデットを待っていたのは、誠実な王子の深い愛。 冷遇された令嬢が、理不尽な白い結婚を捨てて“本当の幸せ”を手にする

悪役令嬢になりたくない(そもそも違う)勘違い令嬢は王太子から逃げる事にしました~なぜか逆に囲い込まれました~

咲桜りおな
恋愛
 四大公爵家の一つレナード公爵家の令嬢エミリア・レナードは日本人だった前世の記憶持ち。 記憶が戻ったのは五歳の時で、 翌日には王太子の誕生日祝いのお茶会開催が控えており その場は王太子の婚約者や側近を見定める事が目的な集まりである事(暗黙の了解であり周知の事実)、 自分が公爵家の令嬢である事、 王子やその周りの未来の重要人物らしき人達が皆イケメン揃いである事、 何故か縦ロールの髪型を好んでいる自分の姿、 そして転生モノではよくあるなんちゃってヨーロッパ風な世界である事などを考えると…… どうやら自分は悪役令嬢として転生してしまった様な気がする。  これはマズイ!と慌てて今まで読んで来た転生モノよろしく 悪役令嬢にならない様にまずは王太子との婚約を逃れる為に対策を取って 翌日のお茶会へと挑むけれど、よりにもよってとある失態をやらかした上に 避けなければいけなかった王太子の婚約者にも決定してしまった。  そうなれば今度は婚約破棄を目指す為に悪戦苦闘を繰り広げるエミリアだが 腹黒王太子がそれを許す訳がなかった。 そしてそんな勘違い妹を心配性のお兄ちゃんも見守っていて……。  悪役令嬢になりたくないと奮闘するエミリアと 最初から逃す気のない腹黒王太子の恋のラブコメです☆ 世界設定は少し緩めなので気にしない人推奨。

【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています

21時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」 そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。 理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。 (まあ、そんな気はしてました) 社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。 未練もないし、王宮に居続ける理由もない。 だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。 これからは自由に静かに暮らそう! そう思っていたのに―― 「……なぜ、殿下がここに?」 「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」 婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!? さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。 「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」 「いいや、俺の妻になるべきだろう?」 「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」

モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します

みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが…… 余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。 皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。 作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨ あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。 やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。 この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です

hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。 夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。 自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。 すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。 訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。 円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・ しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・ はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

十三月の離宮に皇帝はお出ましにならない~自給自足したいだけの幻獣姫、その寵愛は予定外です~

氷雨そら
恋愛
幻獣を召喚する力を持つソリアは三国に囲まれた小国の王女。母が遠い異国の踊り子だったために、虐げられて王女でありながら自給自足、草を食んで暮らす生活をしていた。 しかし、帝国の侵略により国が滅びた日、目の前に現れた白い豹とソリアが呼び出した幻獣である白い猫に導かれ、意図せず帝国の皇帝を助けることに。 死罪を免れたソリアは、自由に生きることを許されたはずだった。 しかし、後見人として皇帝をその地位に就けた重臣がソリアを荒れ果てた十三月の離宮に入れてしまう。 「ここで、皇帝の寵愛を受けるのだ。そうすれば、誰もがうらやむ地位と幸せを手に入れられるだろう」 「わー! お庭が広くて最高の環境です! 野菜植え放題!」 「ん……? 連れてくる姫を間違えたか?」 元来の呑気でたくましい性格により、ソリアは荒れ果てた十三月の離宮で健気に生きていく。 そんなある日、閉鎖されたはずの離宮で暮らす姫に興味を引かれた皇帝が訪ねてくる。 「あの、むさ苦しい場所にようこそ?」 「むさ苦しいとは……。この離宮も、城の一部なのだが?」 これは、天然、お人好し、そしてたくましい、自己肯定感低めの姫が、皇帝の寵愛を得て帝国で予定外に成り上がってしまう物語。 小説家になろうにも投稿しています。 3月3日HOTランキング女性向け1位。 ご覧いただきありがとうございました。

処理中です...