ヒロインのシスコンお兄様は、悪役令嬢を溺愛してはいけません!

あきのみどり

文字の大きさ
上 下
113 / 170

112 高慢なるものとの交渉

しおりを挟む
 

 アルマンたちの行方を追って、グステルがそこへ駆けつけると。ロイヒリンは椅子に縛り付けられ、アルマンに短刀を突きつけられているところだった。
 すでに数発殴られたのか、頬が赤く、口の端が切れている。
 ロイヒリンはうなだれて苦しそうに呻いていたが、無情な男は容赦なく彼に迫る。

「言え! 公爵はどこだ! 家族の命がどうなってもいいのか⁉︎」

 わめくアルマンの声には焦りと苛立ちがうかがえた。
 胸ぐらを掴まれたロイヒリンは、怯えた表情でアルマンに慈悲を乞うて、やってきた彼女にも気がつく余裕もない。
 グステルは強く奥歯を噛む。
 彼女は、彼らを若者と捉えてはいるが、それでも、五十過ぎた身体がそう丈夫ではないことくらい分かっている。怯えたふりで寝首をかいてやろうか、それとも今度は本当に火でも放って陽動するか……などと考えていたが。思っていたよりもずっとアルマンは悪党で、事態は緊急を要すと察する。
 銀の刃を押し付けられたロイヒリンの首に赤い横筋が走り、そこから血が滴っているのを見たグステルは、ついカッとなってしまった。

「やめなさい!」

 その一喝に、部屋の中にいた者たちが振り返った。
 開け放たれた戸口に黒髪の娘が立っている。部屋の中にいた数人の男たちは、その姿を見て瞳をパチパチと瞬いた。
 現れた娘は見るも無惨な姿だった。
 歳は若そうで、着ているメイド服は所々燃やされたように黒焦げ。そのせいで、スカートはまるでスリットが入ったように裂け上っていて。太ももがかなり上まで露わになっている。
 だが、その足で仁王立った娘の顔は、怒りと強い気概に満ちていた。やめろと命じる口調にはためらいがなく堂々としていて、ボロボロの衣装と風格が見合わず、実に奇妙だった。

「……なんだ……お前は……」

 アルマンが怪訝な顔をすると、手下の一人が気がついて「あ!」と叫ぶ。

「アルマンさんこいつです! 公爵の部屋の前に、ボヤが出たと言ってやってきた女は!」
「……なんだと……?」

 配下の訴えを聞いて、アルマンの顔に深い警戒の色が浮かぶ。
 と、ここでやっと重そうに頭を上げたロイヒリンが、グステルの顔を見て叫んだ。

「お嬢さん⁉︎」

 その声には、窮地に希望の光を見た安堵と、どうしてここに? という焦りが混じり合っていた。
 アルマンは、そんな男の反応に片眉を上げ、現れた女をじろじろと見た。自分をまっすぐに見る茶色の瞳を見たときに、彼は気がつく。この生意気な目には覚えがあった。

「お前は……確か侯爵家の使者と共にいた……」

 アルマンは、変装したグステルとは、すでに宿屋で顔を合わせている。
 彼女が侯爵家の人間と知って彼はさらに警戒を強め、その人間が、自分の支配する邸の使用人たちが身につける制服を着ている違和感に顔をしかめる。
 ……が、彼が一番不愉快だったのは。その使用人如きが、自分を恐れのない視線で射抜いてくることだった。
 それでも彼は、この奇妙な乱入者が誰の使いでこの公爵領に現れたのかを思い出し、すぐにこの事態とそれを重ね合わせ、得心が行ったと苦虫を噛み潰したような顔をする。

「……そうか……さては貴様、公爵夫人の回し者だな……?」

 アルマンは、娘の恐れのない様子を、公爵夫人の後ろ盾があるゆえと考えた。
 公爵夫人からすれば、ここは自分の夫の所有する邸。別居中とはいえ、誰か手の者を侵入させることにはためらいなどないだろう。
 だが、アルマンからすれば煩わしいことこの上ない。

「さすがに、ずっと公にも“娘”にも会わせなかったゆえ疑念を抱いたか……? 領地の端に追いやられておいて、いつまでも公爵の財にしがみつく厚かましい女め……」

 もはやアルマンは執事の仮面をかぶっていない。
 男はロイヒリンの胸ぐらから手を離すと、今度はグステルに歩み寄ってその襟首をわしづかみにした。

「っ」

 襟首を乱暴に引き、その頬に一発くれてやると、あっさり口の端が切れ、娘は一瞬苦しそうな顔をした。アルマンは、もう一度手を振り上げて「言え!」と迫る。

「公爵をどこにやった! 夫人の企みはなんだ⁉︎」

 その剣幕には、グステルよりも驚いたものがあった。すでにアルマンの無情な手のひらによって、頬をしたたか打ち据えられていたロイヒリンである。その手加減のない骨身に響くような痛烈さを知っていたからこそ、彼は自分の娘と同じような年頃のグステルを殴らせたくなかった。

「やめてくださいアルマンさん! そ、そ……その方は! 公爵閣下の御令嬢なんですよ!」

 慌てたロイヒリンは咄嗟にいってしまって。と、その言葉を聞いたアルマンの動きがぴたりと止まる。

「…………今……なんといった……?」
「その方は! 公爵が外にお作りになられたお嬢様なのです! 乱暴なことはおやめください!」

 彼女を殴らせまいと必死に説明するロイヒリンを、アルマンは険しい顔で振り返り、そしてもう一度目の前の娘の顔を見下ろした。今聞かされた情報を、よく吟味しようとしている顔だった──が。
 アルマンは鼻で笑う。

「馬鹿なことを言うな。公爵には愛人はいたが、公とその女たちの間に娘は生まれていない」
「え……」

 ぽかんとしたロイヒリンを、アルマンは哀れで愚かな者を見る目で笑った。つかんでいるグステルの襟元をさらにきつく捻りあげる。

「そうか、そんな戯言でこの男に近づいたのか……──馬鹿馬鹿しい!」

 彼は見せかけの執事だが、公爵に昔愛人が複数いたことは知っている。
 だが、愛人には娘などいない。その辺りは公爵家の財が減ることには敏感なグリゼルダがきっちり把握していて。
 彼女は公の愛人が妊娠すると、公爵には内緒で女たちに大金を積み堕胎させた。その過去は、情人であるアルマンにも当然のように漏らしている。
 アルマンはもう一度ロイヒリンを振り返り、酷薄に笑う。

「お前は、この女に騙されたのだ」

 その言葉に、しかしロイヒリンは反論。

「そんな……そんなはずありません! この方は証明するものをお持ちでした!」
「ふん! そんなものは偽造したに決まっている。愚か者め、悪人に騙されて公を謀るとは。それなりの罰を覚悟しておくがいい!」

 アルマンに一蹴され、ロイヒリンは慌ててグステルを見る。自分を騙したのかと問いかけてくる視線に、グステルは沈黙。少々事情は異なるが、確かに彼女は彼を騙した。
 そんな彼女の様子を見て、ロイヒリンは呆然と言葉を失った。そんな男を、アルマンがまた嘲笑う。

「ふん、おおかた、夫人から公爵に金の無心でもしろと言われてきたのだろう? 面会を許可されなかったから、強硬な手段に出たか? どうだ? 違うか?」

 アルマンがゴミを見るような眼差しで娘の襟首を締め上げる。──と、男の顔に怪訝そうな表情が広がった。
 驚いたことに、娘がにこりと笑みを浮かべたのだ。
 赤く腫れ上がりはじめた頬を持ち上げ、襟首を締め上げられておきながら。まるで何事も起こっていないような顔で、笑いかけてくる姿が奇怪で。アルマンは思わず眉間にしわを寄せた。

「おい……何がおかしい……?」
「アルマンさん」

 娘は問いには答えず言った。

「私と取引しませんか」
「取引……?」

 アルマンの目がバカにしたような色を滲ませる、が。娘は平気な顔で続けた。こんな男に嘲笑われようとも、痛くもかゆくもない。

「私、商店会をよくよぉーく調査したんです。あなた……ミス・グリゼルダ・メントラインに、知られては困る秘密がおありですよね?」

 その言葉には、アルマンが一瞬短く息を呑んだ。
 男は咄嗟に振り返って、そこでまだ呆然とし、何も聞いていなさそうなロイヒリンを確認。次に配下の顔を見た。を知っている配下たちは、皆一様に驚きの表情で、不安げにアルマンを見ている。
 グリゼルダに寄生する彼らにとって、それは重大な秘密であった。
 アルマンは、娘を睨む。何をどこまで知っているのかを探るような目つきだった。

「……、……いったいなんのことだ……?」

 十分考えてから、意味が分からぬという口調で返したが。娘はすべて知っていると言いたげな表情で笑っていた。それが男の気に障ると理解していて、あえてそうしているようだった。

「出会いは紫帳の館。青羽通り、北から四軒目の黒い屋根の家」

 弓形に曲がった娘の口元がそうつぶやいた瞬間、今度はアルマンの身が僅かに後ろにのけぞった。

「……そういえばお分かりでしょうか?」

 娘が提示した紫帳の館とは、領都の商店街の最奥にある娼館である。
 しかしアルマンは、思わす噴き出してヒステリーな大声で笑った。

「貴様……もしかして俺を脅す気なのか⁉︎」

 正気かと愉快そうに笑う男に、しかし娘は冷静だった。

「私も何も、あなたのような危険な方を相手に無策ではここまできません。私には他にも仲間がいて、私が戻らぬときには、あなたの秘密をしたためた封書を公表するよう頼んであります。きっとミス・グリゼルダ・メントラインの耳にも入ることでしょう」
「…………」

 言われたアルマンの脳裏には、先日この娘と一緒にいた怯えた顔の若者が浮かんだ。
 どうやら娘が本気で自分を脅そうとしていると知って。途端アルマンの顔から笑いが消え、殺気が噴き出した。
 額には青筋が浮かんだが、どんなに怒り狂っても、今この娘にそれをぶつけられはしないと悟り、余計に苛立った。

「…………取引と言ったな……それで? 何が望みだ?」

 怒りを抑えて絞り出すと、娘は淡々と言う。

「仲間を連れてこの公爵領から去ってください。いくら財産を持ち出しても構いません。そうしてくださるなら、封書は破棄し、秘密は私の胸に収めます」

 その提案を、アルマンは鼻で笑う。

「馬鹿馬鹿しい……そのようなことをするくらいなら、ああ、好きに公表するといいさ。グリゼルダなどいくらでも丸め込める」

 人間が持ち出せる財産などたかが知れていた。
 それと引き換えに、この豪勢な邸で大勢の人間の上にたち、ずっと吸い上げられる甘い汁を手放すわけがない。
 グリゼルダは自分に心底惚れていて、快楽を引き換えにすればどんなあやふやな話でも彼のいう通りに納得してきた。アルマンは、女を懐柔する自信を覗かせた。が──そんな男にグステルは、やれやれと首を振る。

「あーら本当にそうでしょうかアルマンさんや……女の嫉妬は怖いんですよぉ」

 反論する娘の口調は、まるでどこかのお節介な婆のようだった。実感がこもっていて、若者の青さを憐んでいる。……当たり前だ、グステルは前世で女の嫉妬にまつわる刃傷沙汰まで経験済み。おまけに彼女はその実感を口調や表情に表すのがうまかった。虚しさを漂わせる深々としため息は真に迫っていて、アルマンですらつい無言で聞き入った。
 グステルは、はぁ……と、小刻みに首を振る。

「多くのものを与え、従順に尽くしてきたのに……もうずっと愛しい人に長い間裏切られていて、おまけに浮気相手には子供もいるなんて……聞いただけでこっちまで悲しくなってきますよ。それを知ったとき、ミス・グリゼルダ・メントラインの感じる胸の裂けるような痛みはいくばくでしょうか……? 彼女はどうするでしょうね? お忘れかもしれませんが、あなたに大きな権力を与えているのはミス・グリゼルダ・メントラインです」

 つまり、いかにアルマンがグリゼルダを操っていようとも、本当の権力者はグリゼルダのほうなのだと娘は彼に突きつけた。
 公爵家の彼女の寵愛を失えば、お前なんかただの小悪党だと暗に示されて、アルマンは歯噛みしつつも沈黙。
 彼はもともと娼館で働いていた。そこに渦巻く数多の嫉妬には彼も相当苦しめられた経験があり、グステルにしみじみと諭されると、不安が首をもたげてくる。
 が、彼はそんな最底辺での暮らしが嫌で、当時客としてやってきたグリゼルダに近づいたのだ。
 グリゼルダは高慢が故に孤独な女で、常に周りが自分が求めるほどには愛情も、尊敬も与えてくれないと不満を持っていた。そこをうまく突き、存分に甘やかして依存させ、『お前と私は一心同体、夫婦のようなものだろう?』と惑わし、これまでなんでも言いなりに従わせてきた。
 本当は愛してなどいないし、若くもなくわがままな女を相手をするのにも、もう彼は飽き飽きしている。
 だからこそ彼は密かに若い女に走っていて、それをグリゼルダには硬く秘密にしてきた。
 グリゼルダは彼に従順だが、貴族という身分以上にプライドが高く、もしそれらがバレた時の女の反逆は想像に難くない。
 彼自身も、以前からずっとその点については気をつけていた。それなのに。

 目の前の娘はその秘密を確かにつかんでいる。
 先ほどの口調からすると、商店会の筋から調べられたのだろう。娼館も、街で商売をするからには商店会に属している。ただ、会員たちは皆口は硬いし、グリゼルダは自分を疑っている節もなく、そんなところに目をつけるほど賢くもないので油断していた。
 娘はどうでしょう? と、訊ねてくる。まるで単なる商談でもしているかのような冷静な口調だった。

「……」
「私にバラされて泥沼の争いの末、何もかもを失いますか? それともミス・グリゼルダ・メントラインには何も知らせず、十分な金銭を持って静かにここを去りますか?」

 選択を迫られた男は、数秒黙り込んだのち、冷酷な目で娘を見下ろした。
 確かに娘の言う通りに去った方が賢明だろう。……しかし、アルマンは気に入らなかった。この邸で長年君臨してきて、この男はプライドを大いに肥大化させてきてしまっていた。この公爵家すら思うままにしてきた有能な自分が、こんな薄汚い小娘に諭され、言いなりになるのが死ぬほど我慢がならない。ここがグステルが読み違える原因となった。
 彼女は何事にも冷静にことに対処することに慣れていて。まさかこんな大の大人が、そんな感情論で人生の重大な選択を。しかも誰の目にも明らかに誤っているほうへ舵を切るとは、思ってもみなかったのである。
 アルマンは目を細め、言った。

「……いや、それくらいならば……やはりこうしよう」

 途端男はグステルの襟首をつかんでいた腕を乱暴に振るった。
 グステルは床に叩きつけられ、見守っていたロイヒリンがあっと叫んだときには、アルマンは娘の横っ腹を足で容赦なく踏みつけていた。
 床の上で苦しそうに呻く娘を、男は満足げに見下ろす。

「……脅す相手を間違ったな小娘、俺は強欲なんだ。今更この愉快な暮らしを手放す気はない。何がなんでもだ」
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

白い結婚のはずでしたが、王太子の愛人に嘲笑されたので隣国へ逃げたら、そちらの王子に大切にされました

ゆる
恋愛
「王太子妃として、私はただの飾り――それなら、いっそ逃げるわ」 オデット・ド・ブランシュフォール侯爵令嬢は、王太子アルベールの婚約者として育てられた。誰もが羨む立場のはずだったが、彼の心は愛人ミレイユに奪われ、オデットはただの“形式だけの妻”として冷遇される。 「君との結婚はただの義務だ。愛するのはミレイユだけ」 そう嘲笑う王太子と、勝ち誇る愛人。耐え忍ぶことを強いられた日々に、オデットの心は次第に冷え切っていった。だが、ある日――隣国アルヴェールの王子・レオポルドから届いた一通の書簡が、彼女の運命を大きく変える。 「もし君が望むなら、私は君を迎え入れよう」 このまま王太子妃として屈辱に耐え続けるのか。それとも、自らの人生を取り戻すのか。 オデットは決断する。――もう、アルベールの傀儡にはならない。 愛人に嘲笑われた王妃の座などまっぴらごめん! 王宮を飛び出し、隣国で新たな人生を掴み取ったオデットを待っていたのは、誠実な王子の深い愛。 冷遇された令嬢が、理不尽な白い結婚を捨てて“本当の幸せ”を手にする

悪役令嬢になりたくない(そもそも違う)勘違い令嬢は王太子から逃げる事にしました~なぜか逆に囲い込まれました~

咲桜りおな
恋愛
 四大公爵家の一つレナード公爵家の令嬢エミリア・レナードは日本人だった前世の記憶持ち。 記憶が戻ったのは五歳の時で、 翌日には王太子の誕生日祝いのお茶会開催が控えており その場は王太子の婚約者や側近を見定める事が目的な集まりである事(暗黙の了解であり周知の事実)、 自分が公爵家の令嬢である事、 王子やその周りの未来の重要人物らしき人達が皆イケメン揃いである事、 何故か縦ロールの髪型を好んでいる自分の姿、 そして転生モノではよくあるなんちゃってヨーロッパ風な世界である事などを考えると…… どうやら自分は悪役令嬢として転生してしまった様な気がする。  これはマズイ!と慌てて今まで読んで来た転生モノよろしく 悪役令嬢にならない様にまずは王太子との婚約を逃れる為に対策を取って 翌日のお茶会へと挑むけれど、よりにもよってとある失態をやらかした上に 避けなければいけなかった王太子の婚約者にも決定してしまった。  そうなれば今度は婚約破棄を目指す為に悪戦苦闘を繰り広げるエミリアだが 腹黒王太子がそれを許す訳がなかった。 そしてそんな勘違い妹を心配性のお兄ちゃんも見守っていて……。  悪役令嬢になりたくないと奮闘するエミリアと 最初から逃す気のない腹黒王太子の恋のラブコメです☆ 世界設定は少し緩めなので気にしない人推奨。

【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています

21時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」 そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。 理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。 (まあ、そんな気はしてました) 社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。 未練もないし、王宮に居続ける理由もない。 だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。 これからは自由に静かに暮らそう! そう思っていたのに―― 「……なぜ、殿下がここに?」 「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」 婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!? さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。 「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」 「いいや、俺の妻になるべきだろう?」 「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」

モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します

みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが…… 余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。 皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。 作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨ あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。 やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。 この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です

hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。 夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。 自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。 すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。 訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。 円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・ しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・ はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

十三月の離宮に皇帝はお出ましにならない~自給自足したいだけの幻獣姫、その寵愛は予定外です~

氷雨そら
恋愛
幻獣を召喚する力を持つソリアは三国に囲まれた小国の王女。母が遠い異国の踊り子だったために、虐げられて王女でありながら自給自足、草を食んで暮らす生活をしていた。 しかし、帝国の侵略により国が滅びた日、目の前に現れた白い豹とソリアが呼び出した幻獣である白い猫に導かれ、意図せず帝国の皇帝を助けることに。 死罪を免れたソリアは、自由に生きることを許されたはずだった。 しかし、後見人として皇帝をその地位に就けた重臣がソリアを荒れ果てた十三月の離宮に入れてしまう。 「ここで、皇帝の寵愛を受けるのだ。そうすれば、誰もがうらやむ地位と幸せを手に入れられるだろう」 「わー! お庭が広くて最高の環境です! 野菜植え放題!」 「ん……? 連れてくる姫を間違えたか?」 元来の呑気でたくましい性格により、ソリアは荒れ果てた十三月の離宮で健気に生きていく。 そんなある日、閉鎖されたはずの離宮で暮らす姫に興味を引かれた皇帝が訪ねてくる。 「あの、むさ苦しい場所にようこそ?」 「むさ苦しいとは……。この離宮も、城の一部なのだが?」 これは、天然、お人好し、そしてたくましい、自己肯定感低めの姫が、皇帝の寵愛を得て帝国で予定外に成り上がってしまう物語。 小説家になろうにも投稿しています。 3月3日HOTランキング女性向け1位。 ご覧いただきありがとうございました。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

処理中です...