ヒロインのシスコンお兄様は、悪役令嬢を溺愛してはいけません!

あきのみどり

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108 父娘の再会

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 グステルが改まって、しっかり父の目を見て帰宅を告げると。公爵は一瞬ぽかんとして、まるで魂が抜けたような顔をしていた。だがその直後、父の顔は見る見るうちに上気して、青白かった顔に血の気が通ったようになった。

「……信じられん……夢だとばかり………………」

 父が自分を見て涙ぐむことがあるなど思いもしなかったグステルは、つい戸惑ってその反応に見入ってしまった。
 てっきり冷淡にあしらわれるのかと思っていた。
 ギョッとして、なぜ今頃帰ってきたとなじられ、どうしてもっと早くに助けに来なかったのだと責められるのかと。
 だからこんな……。
 父が瞳にキラキラと生気を蘇らせて、単純な再会の喜びを見せるなんて。
 その変化は、雄弁に何かを語られるよりもずっと、父の気持ちをグステルに伝えた。

(──愛情を、持っていてくれたの…………)

 そう感じた途端、胸の奥から複雑な想いが迫り上がってきた。
 もし、父のそんな気持ちを知っていたら。
 家出をする前に、その気持ちを父が示してくれていたら。
 今は少し違ったかもしれない。

(──いえ、違う)

 グステルは、後悔するまいと自分を諌める。
 この人生の道筋でしか、出会えなかったものがきっとある。

 その脳裏に浮かぶのは、やはりヘルムートの顔だった。


 彼女が、そんな彼との約束を反故にしてまで、公爵の元へ急いだのは、父の異変を感じ取ったからである。
 領地のすさみ具合は、公爵としての自分に高い高いプライドを持っていた父らしからぬことだし、領都で聞き込みをしても、誰もが最近公爵の姿を最近ほとんど見なくなったと口を揃えた。

 ──これはおかしいと思った。

 父は領地経営については疑り深い。
 自分の知らないところで配下たちが不正を働き、税金をかすめ取ったりすることは絶対に許せないタチで、しつこくしつこく視察をする人間だった。
 そんな父の姿が、領民に目撃されないことはありえないのだ。

 それでも。幾人かは、公爵を見たという者にも出会った。
 しかし、それはかなりの遠目だったり、本当に顔を見たのだろうかと怪しい話ばかり。
 グステルがそれを指摘すると、街の者たちは『さてねぇ……』と肩をすくめ、皆、あまり公爵の動向には興味を持っていない様子。
 誰もが、それは偏屈な公爵が奥方が出ていってさらに偏屈になり、領地の統治のことも放っておいて邸の奥に引きこもっているからでは? とか。いや、やけっぱちになった公爵が、何もかもを妹に任せ、憂さ晴らしのために豪遊の旅に出たのだとか曖昧な話をした。
 そう話す領民たちの顔は、どれも呆れ顔で領主であるグステルの父を明らかに軽視していた。
 この状態自体が、グステルの目には奇異に映った。
 彼女の知る父は、傲慢ではあったが、己の君臨する領地が自分と同じく立派で、高貴な自分に相応しい豊さを備え続けることを追い求めていた。
 父は、領民に讃えられること、豊な領地を他の領主たちに羨ましがられることを誇りに思っており。そのために家族は大いに蔑ろにしたが、領地の管理をおろそかにしたことはなく、そのための労力は惜しんでいなかった。
 ゆえに家出をする前、グステルは、父にとって家族は二の次で、領地のほうがずっとずっと大切なのだなと幾度も感じたもの。
 そんな父が……母が出ていったからといって、領地を荒れ果てさせ、領民たちに白い目で見られるようなことをするとはどうしても思えなかったのである。

 そしてさらに言うならば……グステルが出ていく前、顔を合わせるたびグステルのことを『小賢しい娘ねぇ』と煙たがり、兄である公爵にたびたび金をせびっていたグリゼルダが、現在領地で聖母のように語られているのが、どうにも奇妙。

 ゆえにグステルは、父の無事を確かめることを優先した。
『自分がいないところで危険なことをしないでほしい』と言ってくれたヘルムートとの約束を守りたかったが、まず何より、父の身が案じられた。
 もしやとっくに天に召されたとか、意思の疎通ができないような状態だったらどうしようと不安だった。
 もちろんそれで父に対するわだかまりが消えたわけではなかったが……それでも、やはり。娘としては、穏やかではいられなかったわけである。

 だからこうして、父の顔を直接見ることができて。その生存を確認できて。グステルは、ひとまずはほっと胸をなで下ろした。
 お父様、と、グステルは、先ほどの問いを繰り返す。

「いつからお加減が悪いのですか……?」

 優しい声で訊ねると、グステルが幻となって消えたりはしないと知った父は少しだけ落ち着いて、「さて……」と、質問にぼんやりとした目をする。

「どうだったか……お前の母が出ていってから割合早かったような気はするが……」

 もうよく覚えていないと言って、それよりよく顔を見せなさいと、父はグステルの手を握り返す。その力が、覚悟していたよりは多少は力強くて、グステルはほんの少し安心した。
 彼女が、父が自分を見やすいように少し身体を伸ばすと、父は薄目でグステルの顔を見てふっと笑った。

「なんとまあ……子供の頃からそのままではないか。やれやれ……」

 言って父は、これまでの日々を思い返すような目で息を吐く。
 だがまだ問いの答えをもらえていないグステルは、「お父様……」と、困り顔。
 すると父は弱々しくはあったが、愉快そうに肩を揺する。

「やれそう急かすな。……最近はあまり口をきく機会もないのでな……うまく言葉が出てこん」
「……」
「……お前は信じないかもしれないが……お前がいなくなり、母と喧嘩別れをして。自分でも理解できぬほどに気力がなくなった。そこへ妹が手伝いうといって邸に来たのだがな……わからん、その数日後には気がつくともうここに寝そべっていた。医者は急に倒れたのだというが、本当かはわからんな……」

 父の深々としたため息を、グステルは険しい顔で聞いた。

「一度眠りから目覚めた時、グリゼルダが医師を脅しているのを聞いた。あやつは私を眠らせ続けろと言い、倒れたことは外には漏らさぬよう命じた。その隣には一人の中年男がいて……もし外に話が漏れたら、お前の家族の命はないと脅迫していたな……確か、あれはグリゼルダがトーアから連れてきた男だった……」

 それを聞いたグステルの脳裏には、当然執事アルマンの顔が浮かぶ。苦々しく思っていると、父はふっと諦めの表情。

「しかしそれきりだな……それきり。私はどうやらかなり長い間眠り続けていたらしく、気がついた時にはもう足が衰えていて立つこともできん……。思うに何か薬でも盛られていたのだろう。もう随分ここから出ておらぬし、看護人以外の人間の顔は見ていない。看護人は世間話にも応じぬしな……」

 それを聞いたグステルは、ではやはり先ほど彼女が拘束した白い服の女は父の看護人だったのだと思った。父の世話をしてくれていた者なら、口を塞いで縛ったのは申し訳なかったか……とも思ったが。父とは口も聞かぬと聞いて、まあいいかと気持ちが冷えた。
 寝台の上からずっと動くことのできない病人に、ささやかな会話の喜びさえ与えてくれなかった人間に慈悲を与える気はない。
 と、父が不安そうな声。

「家は……どうなっている? お前はどうしていた? 母は? お前の兄はどうしている?」

 父はよほど心配なのか、矢継ぎ早に訊ねて悲痛な表情をする。グステルは、自分の手を堅く握りしめる父の手をなでさすりながら答えた。

「……公爵家は、グリゼルダ叔母が牛耳っているようです。邸の中の人間はほぼ入れ替えられていて、お父様に忠実な者はほぼ残っていません。私は……別の街で暮らしていましたが、つい先日ある人から家の異変を聞いて戻って参りました。お母様は別邸でお元気にお過ごしです。お兄様のことは……私もよく知りません。ただ、お母様は、領地経営の勉強のために他領にいるとおっしゃっていました。お母様の話では、年に数回顔を見せに別邸にいらっしゃるそうなので、きっとお元気なのでしょう」

 グステルは、ひとまず父にそう簡単に伝えた。
 色々と調べ回った邸や領地の荒れた現状や、例の偽物のグステルの件については、今は話すのはやめておこうと思った。
 今の衰えた父にそれを伝えることには不安がある。きっと動揺は身に毒。この様子を見る限りでは、父は偽物のことは知らない可能性が高い。
 グステルがその話を呑み込んでいると、話を聞いた父はまたため息を吐く。

「……そうか……」

 おおよそは予想がついていたのだろう。それとも長い年月無力で過ごし、とうに諦めていたのか。
 話を聞いた父が取り乱すことがなかったことには安堵したが、その表情からは、昔のような野心も、妹に対する怒りすらも感じられず……。
 グステルは、なんだかとてもとても悲しくなった……。


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