25 / 94
二章
15 浴槽の動悸、脱衣所にて瀕死
しおりを挟む
透き通った湯に浸かりながら、ヴォルデマーはほっとため息をついていた。今だ動悸はおさまらなかったが一先ずここまで無事に辿り着けて良かったと安堵する。
泡まみれにされた小一時間。本当に浴場には他には誰も入って来ず、結局ヴォルデマーとミリヤムは二人だけで過ごす事となった。
その二人の入浴タイムは今小休止に入っていた。すっかり身奇麗になったヴォルデマーは広い浴槽に一人浸かっている。ミリヤムはといえば、使用した洗い場周辺をせっせと掃除している。
ヴォルデマーは洗いあがった時点で(気力を消耗した様子で)「もう後は一人で出来るゆえ」と、断りを入れたのだが、ミリヤムはそれを受け入れなかった。ミリヤムに言わせれば、入浴後の乾燥とブラッシングもとても重要で、彼女に引き下がる気配は微塵も無かった。
「……よし、こんなものかな……」
ミリヤムは汗を拭いながら綺麗になった周囲のタイルの上を見渡した。傍にある木桶の中にはミリヤムがヴォルデマーの身体からせっせと採取?し、タイルの上から掻き集めた毛玉の塊が入っている。乾かしたらふわふわのボールになりそうだ、とミリヤムはちょっと和む。
一息ついたミリヤムは洗い場を点検するように見渡して、それから並ぶ石鹸が以前よりは減っていることに安堵する。
「…うん、生き生きしてる。適度な湿り気、潤い感、柔らかそうな白い丸み。うんうん、これでこそ」
大小様々な大きさの石鹸達に向かってミリヤムは満足げに頷く。
以前のここの石鹸達は、悲しいほどに使われた形跡も無く乾燥して硬くなっていた。それに比べると今は大分その待遇は改善されている。
「戦友よ! 良かったね!!」
己が「痴女」呼ばわりされた事も無駄ではなかった、とミリヤムはその小さな存在に賛辞を送る。
ミリヤムは軽い足取りでヴォルデマーのいる浴槽の方へ歩いて行った。傍へ行くと湯煙の中に腕を組んでじっと目を閉じている人狼の姿を見つけた。ミリヤムはうっとりした。濡れてなんだかいつもよりほっそりして見える姿もなんだか堪らないと思った。
本当は、もうとうに正気に戻っている。
毛並みに手を差し入れて泡立てていた時、その冷静沈着な砦長の普段見せぬ表情を目撃したミリヤムは、再びはたと我に帰った。恥ずかしげに落とされた視線、緊張したように倒された耳、そしてその肉体にじかに触れ濡れた彼の毛が己の手に絡み付いている様を目にしたミリヤムは、一瞬気が遠のきかけた。
しかし、そこでヴォルデマーから逃げ出す、もしくは世話を放り出すなどということは使用人としての名折れだと思った。あってはならない事だ。ヴォルデマーにも迷惑を掛けてしまう。
(……半端に洗って毛根に石鹸カスなんか残したらヴォルデマー様の背中が雑菌の温床に……綺麗な背中が荒れてしまわれる……!!)
と、思ったらなんとか踏みとどまることが出来た。手は震えたし、内心では何度も悲鳴を上げた。冷や汗なのか羞恥の汗か、全身自分でも笑えるくらい汗をかいた。顔は引き攣り真っ赤だったが、幸い「足と腹は自分でする」というヴォルデマーのお陰で主に背中を担当していたミリヤムはヴォルデマーにその気配を悟らせる事はなかった。(ヴォルデマーもそれどころではなかった)
(徹せよ使用人、やり遂げろミリヤム・ミュラー!!)
心の中でそう繰り返し……どうにかこうにか今に至る。
ミリヤムは改めて湯の中のヴォルデマーを見た。静かに湯に身を沈めている様を見るとほっとした。あの綺麗な黒の毛並みを清潔に出来たかと思うと逃げ出さなかった自分を褒めてやりたい気分だった。
だが、ふと、どうしてかヴォルデマーの顔色がおかしい様な気がした。実際には顔“色”などというものは、その毛むくじゃらの顔では判別しようがないのだが、どこか彼が此処に来る前よりも疲れている様な気がしてミリヤムは怪訝に思う。いつもに増して丁重に扱ったつもりであったが、もしや何か失態を犯したか。
心配になったミリヤムはじりじりとヴォルデマーの浸かる湯の方へ足を近づけていった。本当は少し離れている方が精神安定的には良かったのだが。
「……あ、あの……ヴォルデマー様……」
「……どうした?」
呼びかけるとそっとその目が開かれて、湯煙の向こうから金の瞳がミリヤムの方を見た。しかし──それは直ぐに逸らされて。たったそれだけの事にミリヤムは衝撃を受ける。失態確定か、と思われたが──直ぐにヴォルデマーの声がそれに続く。
「ミリヤム……スカートを戻しなさい」
「え」
指摘されたミリヤムは己を見下ろし、ペロンとむき出しの自身の足に気がついた。そういえば洗い場のタイルを軽く磨いた際に、エプロンとスカートをたくし上げてウエストのところに挟んであった。足は太ももの中間くらいまでは露わである。「すみません」と言って慌ててそれを正すと、やっとヴォルデマーの視線が己に向いてミリヤムはほっと胸を撫で下ろした。
「あの……ヴォルデマー様……お疲れになったんですか? 私何か粗相しましたでしょうか……」
恐る恐る訊ねると、ヴォルデマーは一瞬間を置いて、首を振った。
「……いや、これは私の問題だ。私もまだまだだという事だな……」
「ヴォルデマー様が……?」
首を捻っていると手招きされて、ミリヤムは浴槽の端まで傍に寄った。何とかあまりその身体が目に入らぬように角度に気をつけながら。そうすると自然、身を低くして浴槽の淵に手と顔を添える形になって、ミリヤムはそこからヴォルデマーの顔を覗いた。浴室の床は濡れていたがかまわず膝をついた。今ヴォルデマーの裸体を目にしてしまうくらいなら服が濡れた方がマシだと思った。(今更)
ヴォルデマーの側からはミリヤムの顔が半分だけ見えて。浴槽の淵を挟んでいるから実際には彼にそれは見えないが、その必死の体勢が想像出来て、ヴォルデマーは小さく笑う。
「……ヴォルデマー様……お笑いですか。お笑いですね、必死な私めを……」
「いや、すまん」
愛らしくて、と頭を撫でられたミリヤムは一瞬びくりと身体を震わせる。
「……なんという衝撃……」
「……」
少し頭に触れただけで、浴槽の縁に手だけ残して撃沈したミリヤムに、ヴォルデマーは苦笑した。さっき散々自分を洗い倒した張本人なだけに。
そうして身悶えしていたミリヤムは、一頻りその感覚に呻いていたが、不意に勢いよくむくりと立ち上がり「脱衣所にてお待ちしております!」と短く叫び、そそくさと浴場を後にしようとした。顔は真っ赤だった。
だが浴槽を離れようとした瞬間──黒く長い腕がそれを引き止めた。
ミリヤムは反射的に振り返り、引き寄せられて思わず浴槽の淵に手をついた。と──同時に、水音と、後頭部にそっと添えられる手の感触、そして──唇にさらりとした感触を感じ、栗色の瞳が大きく見開かれた。
そうしていつの間にか傍に迫っていた金色にぽかんとしていると、その主は甘い吐息に苦笑を混ぜて囁いた。
「……このくらいは、許して欲しい……」
「………………ゆ!? め……めっ……めぇっ!! ……うわあああああっ!!!」
ミリヤムは走り去って行った。(ヴォルデマーの毛の詰まった木桶は忘れなかった)
残されたヴォルデマーは、「ゆ」(許す)、「め」滅相も無い……なんだろうな、と、浴槽の淵に座して微笑んでいる。胸も頭も焦げ付くように熱かったが、それが湯の熱さのせいでない事は勿論分っていた。
ヴォルデマーは湯の中に再び身を沈めると、やれやれと濡れた手で顔を上から下へ拭い、再び苦笑する。
「私もまだまだだ」……とは言ったものの、どんな修行を積んでそれが消えるというのだ、とおかしかった。
「……消えてもらっては困る」
それは苦しいが、愛おしい苦しさだった。修行を積むというのなら、それは、
「せいぜい暴走せぬように、ということだな……」
ヴォルデマーはもう一度やれやれとため息をつき、じりついた感情を治めようと目を閉じた……所にバタンと大きな音が響いた。
「?」
不思議に思ったヴォルデマーが其方に顔を向けると、出て行った筈のミリヤムが脱衣所前の扉に真っ赤な顔で仁王立っていた。
「ミリヤム……?」
「あ…………有難き、しわわ……っっ! 違う! ああああ有難きしわあ、幸せにございますっ!!」
「……、……!?」
そう舌を噛み噛み言われたヴォルデマーは、寸の間目を見張って固まった。
その隙にミリヤムはもう一度転がるように脱衣所の方へ駆け戻って行った。色んなところにぶつかったり物を取り落としたらしい騒々しい物音が浴場の方にまで響いてくる。最後にびたんと音がした。
「……」
再び一人残されたヴォルデマーは……暫しの沈黙の後、湯気の狭間で呟いた。
「………………ミリヤム……お前は……なんと言う娘だ……」
ヴォルデマーは今まで感じたことの無いほどに我が身が熱い事に危険を感じた。それは色々な意味合いで。
「……いかん……茹で上がりそうだが出るに出られん……」
そうして脱衣所へ駆け込んで行ったミリヤムは──
「死、ぬ、る……っ、ヴォルデマー様に……ときめき死させられる……っ!!!!!」
床にへばりついて瀕死だった。
泡まみれにされた小一時間。本当に浴場には他には誰も入って来ず、結局ヴォルデマーとミリヤムは二人だけで過ごす事となった。
その二人の入浴タイムは今小休止に入っていた。すっかり身奇麗になったヴォルデマーは広い浴槽に一人浸かっている。ミリヤムはといえば、使用した洗い場周辺をせっせと掃除している。
ヴォルデマーは洗いあがった時点で(気力を消耗した様子で)「もう後は一人で出来るゆえ」と、断りを入れたのだが、ミリヤムはそれを受け入れなかった。ミリヤムに言わせれば、入浴後の乾燥とブラッシングもとても重要で、彼女に引き下がる気配は微塵も無かった。
「……よし、こんなものかな……」
ミリヤムは汗を拭いながら綺麗になった周囲のタイルの上を見渡した。傍にある木桶の中にはミリヤムがヴォルデマーの身体からせっせと採取?し、タイルの上から掻き集めた毛玉の塊が入っている。乾かしたらふわふわのボールになりそうだ、とミリヤムはちょっと和む。
一息ついたミリヤムは洗い場を点検するように見渡して、それから並ぶ石鹸が以前よりは減っていることに安堵する。
「…うん、生き生きしてる。適度な湿り気、潤い感、柔らかそうな白い丸み。うんうん、これでこそ」
大小様々な大きさの石鹸達に向かってミリヤムは満足げに頷く。
以前のここの石鹸達は、悲しいほどに使われた形跡も無く乾燥して硬くなっていた。それに比べると今は大分その待遇は改善されている。
「戦友よ! 良かったね!!」
己が「痴女」呼ばわりされた事も無駄ではなかった、とミリヤムはその小さな存在に賛辞を送る。
ミリヤムは軽い足取りでヴォルデマーのいる浴槽の方へ歩いて行った。傍へ行くと湯煙の中に腕を組んでじっと目を閉じている人狼の姿を見つけた。ミリヤムはうっとりした。濡れてなんだかいつもよりほっそりして見える姿もなんだか堪らないと思った。
本当は、もうとうに正気に戻っている。
毛並みに手を差し入れて泡立てていた時、その冷静沈着な砦長の普段見せぬ表情を目撃したミリヤムは、再びはたと我に帰った。恥ずかしげに落とされた視線、緊張したように倒された耳、そしてその肉体にじかに触れ濡れた彼の毛が己の手に絡み付いている様を目にしたミリヤムは、一瞬気が遠のきかけた。
しかし、そこでヴォルデマーから逃げ出す、もしくは世話を放り出すなどということは使用人としての名折れだと思った。あってはならない事だ。ヴォルデマーにも迷惑を掛けてしまう。
(……半端に洗って毛根に石鹸カスなんか残したらヴォルデマー様の背中が雑菌の温床に……綺麗な背中が荒れてしまわれる……!!)
と、思ったらなんとか踏みとどまることが出来た。手は震えたし、内心では何度も悲鳴を上げた。冷や汗なのか羞恥の汗か、全身自分でも笑えるくらい汗をかいた。顔は引き攣り真っ赤だったが、幸い「足と腹は自分でする」というヴォルデマーのお陰で主に背中を担当していたミリヤムはヴォルデマーにその気配を悟らせる事はなかった。(ヴォルデマーもそれどころではなかった)
(徹せよ使用人、やり遂げろミリヤム・ミュラー!!)
心の中でそう繰り返し……どうにかこうにか今に至る。
ミリヤムは改めて湯の中のヴォルデマーを見た。静かに湯に身を沈めている様を見るとほっとした。あの綺麗な黒の毛並みを清潔に出来たかと思うと逃げ出さなかった自分を褒めてやりたい気分だった。
だが、ふと、どうしてかヴォルデマーの顔色がおかしい様な気がした。実際には顔“色”などというものは、その毛むくじゃらの顔では判別しようがないのだが、どこか彼が此処に来る前よりも疲れている様な気がしてミリヤムは怪訝に思う。いつもに増して丁重に扱ったつもりであったが、もしや何か失態を犯したか。
心配になったミリヤムはじりじりとヴォルデマーの浸かる湯の方へ足を近づけていった。本当は少し離れている方が精神安定的には良かったのだが。
「……あ、あの……ヴォルデマー様……」
「……どうした?」
呼びかけるとそっとその目が開かれて、湯煙の向こうから金の瞳がミリヤムの方を見た。しかし──それは直ぐに逸らされて。たったそれだけの事にミリヤムは衝撃を受ける。失態確定か、と思われたが──直ぐにヴォルデマーの声がそれに続く。
「ミリヤム……スカートを戻しなさい」
「え」
指摘されたミリヤムは己を見下ろし、ペロンとむき出しの自身の足に気がついた。そういえば洗い場のタイルを軽く磨いた際に、エプロンとスカートをたくし上げてウエストのところに挟んであった。足は太ももの中間くらいまでは露わである。「すみません」と言って慌ててそれを正すと、やっとヴォルデマーの視線が己に向いてミリヤムはほっと胸を撫で下ろした。
「あの……ヴォルデマー様……お疲れになったんですか? 私何か粗相しましたでしょうか……」
恐る恐る訊ねると、ヴォルデマーは一瞬間を置いて、首を振った。
「……いや、これは私の問題だ。私もまだまだだという事だな……」
「ヴォルデマー様が……?」
首を捻っていると手招きされて、ミリヤムは浴槽の端まで傍に寄った。何とかあまりその身体が目に入らぬように角度に気をつけながら。そうすると自然、身を低くして浴槽の淵に手と顔を添える形になって、ミリヤムはそこからヴォルデマーの顔を覗いた。浴室の床は濡れていたがかまわず膝をついた。今ヴォルデマーの裸体を目にしてしまうくらいなら服が濡れた方がマシだと思った。(今更)
ヴォルデマーの側からはミリヤムの顔が半分だけ見えて。浴槽の淵を挟んでいるから実際には彼にそれは見えないが、その必死の体勢が想像出来て、ヴォルデマーは小さく笑う。
「……ヴォルデマー様……お笑いですか。お笑いですね、必死な私めを……」
「いや、すまん」
愛らしくて、と頭を撫でられたミリヤムは一瞬びくりと身体を震わせる。
「……なんという衝撃……」
「……」
少し頭に触れただけで、浴槽の縁に手だけ残して撃沈したミリヤムに、ヴォルデマーは苦笑した。さっき散々自分を洗い倒した張本人なだけに。
そうして身悶えしていたミリヤムは、一頻りその感覚に呻いていたが、不意に勢いよくむくりと立ち上がり「脱衣所にてお待ちしております!」と短く叫び、そそくさと浴場を後にしようとした。顔は真っ赤だった。
だが浴槽を離れようとした瞬間──黒く長い腕がそれを引き止めた。
ミリヤムは反射的に振り返り、引き寄せられて思わず浴槽の淵に手をついた。と──同時に、水音と、後頭部にそっと添えられる手の感触、そして──唇にさらりとした感触を感じ、栗色の瞳が大きく見開かれた。
そうしていつの間にか傍に迫っていた金色にぽかんとしていると、その主は甘い吐息に苦笑を混ぜて囁いた。
「……このくらいは、許して欲しい……」
「………………ゆ!? め……めっ……めぇっ!! ……うわあああああっ!!!」
ミリヤムは走り去って行った。(ヴォルデマーの毛の詰まった木桶は忘れなかった)
残されたヴォルデマーは、「ゆ」(許す)、「め」滅相も無い……なんだろうな、と、浴槽の淵に座して微笑んでいる。胸も頭も焦げ付くように熱かったが、それが湯の熱さのせいでない事は勿論分っていた。
ヴォルデマーは湯の中に再び身を沈めると、やれやれと濡れた手で顔を上から下へ拭い、再び苦笑する。
「私もまだまだだ」……とは言ったものの、どんな修行を積んでそれが消えるというのだ、とおかしかった。
「……消えてもらっては困る」
それは苦しいが、愛おしい苦しさだった。修行を積むというのなら、それは、
「せいぜい暴走せぬように、ということだな……」
ヴォルデマーはもう一度やれやれとため息をつき、じりついた感情を治めようと目を閉じた……所にバタンと大きな音が響いた。
「?」
不思議に思ったヴォルデマーが其方に顔を向けると、出て行った筈のミリヤムが脱衣所前の扉に真っ赤な顔で仁王立っていた。
「ミリヤム……?」
「あ…………有難き、しわわ……っっ! 違う! ああああ有難きしわあ、幸せにございますっ!!」
「……、……!?」
そう舌を噛み噛み言われたヴォルデマーは、寸の間目を見張って固まった。
その隙にミリヤムはもう一度転がるように脱衣所の方へ駆け戻って行った。色んなところにぶつかったり物を取り落としたらしい騒々しい物音が浴場の方にまで響いてくる。最後にびたんと音がした。
「……」
再び一人残されたヴォルデマーは……暫しの沈黙の後、湯気の狭間で呟いた。
「………………ミリヤム……お前は……なんと言う娘だ……」
ヴォルデマーは今まで感じたことの無いほどに我が身が熱い事に危険を感じた。それは色々な意味合いで。
「……いかん……茹で上がりそうだが出るに出られん……」
そうして脱衣所へ駆け込んで行ったミリヤムは──
「死、ぬ、る……っ、ヴォルデマー様に……ときめき死させられる……っ!!!!!」
床にへばりついて瀕死だった。
0
お読み頂き有難うございます(*^^*)後日談、「偏愛侍女は黒の人狼隊長を洗いたい。後日談」も現在更新中です。よろしくお願いいたします♪
お気に入りに追加
2,126
あなたにおすすめの小説
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定

白い結婚をめぐる二年の攻防
藍田ひびき
恋愛
「白い結婚で離縁されたなど、貴族夫人にとってはこの上ない恥だろう。だから俺のいう事を聞け」
「分かりました。二年間閨事がなければ離縁ということですね」
「え、いやその」
父が遺した伯爵位を継いだシルヴィア。叔父の勧めで結婚した夫エグモントは彼女を貶めるばかりか、爵位を寄越さなければ閨事を拒否すると言う。
だがそれはシルヴィアにとってむしろ願っても無いことだった。
妻を思い通りにしようとする夫と、それを拒否する妻の攻防戦が幕を開ける。
※ なろうにも投稿しています。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。


お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。