無能戦士市川

ルルル

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新人編

同期

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今日は入隊式の日だ。
通知が来て2日、憧れていた母と同じ大隊服を来て外に出る。

隊員専用の地下基地直通の地下鉄に乗る。
仮隊員証を警備に見せた。昔は母が見せているのを眺めるだけだが、今は自分がしている。本当に隊員になれたこを実感した。

電車の中には若い子共から70歳ぐいのおばさんもいる。

電車が止まり、案内にそって会場に向かった。

ちょっとした教室より少し広い部屋に通される。

部屋のなかにはパイプ椅子が規則正しく並んでいる。
椅子一つ一つに紙が置いてある。

座席表通りに座った。



数分後
隣に高校生くらいの歳の女性が座ってきた。
僕は一瞬であの公衆電話ボックスで会った女性だと気づいた。
彼女は以前と同じくオドオドしている。座っていても細い指で何かをぎゅっと握り震えている。

『あの?大丈夫ですか?』
あまりにもガタガタ震えているので聞いてしまった。

『は、はは、大丈夫てす』

『で、でもすごい震えていますけど?』

『は、はは本当だ、やっぱり怖いですね。あんな化け物に歯向かう仕事なんて私には無理。死ぬのやいや。う、ううう……』
彼女は静かに泣き始めてしまった。
『だ、大丈夫だよ僕たちは[ゴレム]を倒せるぐらいの力があるからここに来たんだよ。そんな人が沢山いれば、大丈夫だって』
焦って変なことを言ってしまった。

『何言ってんだよお前。大体の大隊員は1年を待たずに死ぬのはあたりまえだ!今の時点でこんな弱音吐くやつは足の一本切り落としてさっさと一般人に戻れ!足手まといだ!』
後ろから怒鳴られた。

後ろを向けば、高校生くらいの男がいた。男は僕の顔を見て不機嫌な顔をいっそう険しくした。

『なんでここに無能がいるのかな?』男は部屋中に聞こえるように言った。

みんなの視線がこちらに向かった。
男は続けて、
『こいつわな、無能力者のくせに[ゴレム]を撃破したとかほざく嘘つきだ。[ゴレム]を倒せるの俺たち能力者だけなのにできるわけないだろ』

みんなの僕に対する視線が冷たくなった気がした。

〈ガラララ、ラ〉
『おっし、お前らよく来た。これから大隊証の授与式と宿舎とかの案内をしていく。大人しく聞けよー早く寝たいからな』
扉を勢いよく開けて大隊服を着た男が陽気に部屋へ入って来た。

みんなの視線はそっちへ向き、怒涛を浴びせて来た男も自分の席に戻っていた。
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