5 / 22
5.離宮の中のエイミー
しおりを挟む
「あなたの魔法陣、気に入りました。あなたは今後わたくしの庇護下に入ります」
とんでもなく美しい人に、意味の分からないことを言われた。その人はこの国の王妃だった。
「詳しいことはマヤに聞きなさい」
王妃様はエイミーの返事を聞くことなく立ち去った。
いつものように家で魔法陣を作っていると、エイミーは王城に連れて行かれた。あれよあれよという間に、王妃様と対面し、離宮で暮らすことになった。なぜなのか。
「まあ、何がなんだか分からないと思うけど、要はあなたの魔法陣を野放しにしておけないってこと」
マヤはエイミーの護衛らしい。侍女も兼ねてるからなんでも頼んでいいそうだ。言葉づかいは、エイミーが頼み込んでタメ口にしてもらった。丁寧にしゃべろうとすると、途中で、何言いたかったんだっけってなるから。
「わたしの魔法陣、すっごくささやかなのに?」
「魔力が少なくても発動できるから危ないって、ニコール王妃殿下は考えられたみたい。使い方次第で国を揺るがすって」
エイミーが腑に落ちない顔をしていると、マヤが小声で続ける。
「ライアン第一王子殿下はね、少し前から声が幼児みたいになってる。どの果物も酸っぱくて、肉はいつも生焼けなんだって。それに、インクがボタッとなるらしい」
エイミーの顔がサーッと青ざめる。
「心当たりあるよね? そういうこと。まあ、色々気にせず、今まで通りに魔法陣作ってよ。こちらで管理しながら、売ったりできるし、お給金も出るし。自由はなくなるけどさ、それは諦めて」
そういうわけで、エイミーは恐ろしく豪華な離宮でささやかな魔法陣を作ることになった。
エイミーは棚にぎっしり詰まった高価な魔導書を眺める。今まで買いたくても手が出なかった魔導書が、なんと全てエイミーの物らしい。思わずニンマリしてしまう。
エイミーは深く考えるのをやめた。おいしいごはんが食べられて、魔導書が読み放題で、魔法陣も作れる。自由がないぐらい、我慢しよう。今のところは。
エイミーは、家から持ってきてもらった髪の束をじっくり吟味する。
テルマさんのおかげで、大量の髪の毛が手に入った。これだけあれば、多少複雑な魔法陣でも縫える。
エイミーは、髪の毛で布に魔法陣を刺繍するのだ。色々試した結果、人の髪が最も効果があると分かった。だから、エイミーの髪はいつも短い。
「わー、この黒髪、長くて魔力たっぷり!」
エイミーはつややかな黒髪をウットリ眺める。優しくて力強い魔力が黒髪からあふれている。
「こんな魔力、聖女様ぐらいしか持ってないと思うんだけど……。まさかね」
エイミーはとんでもない、と首をフルフルする。
「なに作ろっかなー」
エイミーは魔導書をパラパラめくる。窓から風が吹いてきて、目にゴミが入った。エイミーは目をこすりながら、考える。よし、これにしよう。
最後の紋様を縫い終わり、エイミーは伸びをした。
「できたの?」
声をかけられて、エイミーはビクッとする。すっかりマヤの存在を忘れていた。
「できた。似たような術式で二種類作ったよ」
エイミーは『逆まつげに悩まされる』と『気がつくと抜けたまつげが目に入ってゴロゴロする』の魔法陣を誇らしげに見せる。
「風の魔法を使ってるの、こんな術式今まで考えもしなかった」
エイミーはニコニコしながら魔導書の術式を手で示す。
「そうか、あいにく私は魔術はさっぱり。そしたらこれ、ニコール様に確認してもらう」
マヤが魔法陣に手を伸ばす。エイミーは慌てて魔法陣を背中側に隠した。
「ダメ! ちゃんと試験してからでないと渡せない。魔法陣が正しく発動するか確認しないと」
「なるほど。では私にかけてみて」
「う、うん……」
「あ、忘れてた。この魔石使って。魔力がなくなったら補充するから」
エイミーはホッとした。もう魔力が残り少なかったのだ。
魔力が込められた魔石を持つと、魔法陣の真ん中にマヤの髪をのせる。
「でも、しばらく目が痛くなるけど、本当にいいの?」
「……しばらくってひと月ぐらい? そうか、それは困るなあ。今まではどうやって試験していた?」
「浮気された奥さんとかに許可もらって、旦那さんにかけたりしてた」
「なるほど……私に心当たりがある。少し待ってて」
マヤは足早に出ていき、すぐに侍女らしき人と一緒に戻った。
「ちょっとした仕返しができるって本当なの?」
女性は思い詰めたような顔で聞く。
「はい、うまくいけば、それなりに」
「わたしの夫、近衛騎士なの。最近、わたしの義妹と浮気してるみたいで。今朝、夫の上着のポケットからこれを見つけて」
ハンカチに包まれた女性の下着だ。えーヤダ……エイミーは引いた。
「下着にアンジェラって刺繍がしてあるの。義妹の名前なの」
女性はプルプルと震えてる。
「分かりました。義妹さんに呪いかければいいですか? 下着があるからできますよ」
「このハンカチ、夫のものなの。ふたりにかけてもらえる?」
エイミーはうなずいた。無事にふたつの魔法陣はキラキラと輝きを放つ。
◆◆◆
「アンジェラ、急ぎのドレスの仕上げは済んだのかい?」
「あ、女将さん。今、今やろうと思って」
「なんだって、まだ手をつけてなかったのかい? 昨日の夕方に大至急って言って割り増しの賃金払っただろう。どうして昨日のうちにやらなかったの」
「き、昨日は急用が入ってしまって」
「……あんたさ、人の男にばっかり手を出すの、いい加減にやめた方がいいよ」
「え?」
「ローラが昨日あんたが男と歩いてるの見たって。しかもあんたの義姉の旦那なんだって? よくやるよ。……なんだよ、なんであんたが泣くんだい? 泣きたいのはあんたの義姉だろうさ」
「目、目が痛くて……。逆まつげが入ったみたい」
「もう、今日は帰んな。ドレスはこっちでやるよ。明日から来なくていいから、荷物まとめて出ていきな」
◆◆◆
「おい、次の騎士団対抗戦の代表者決めるぞ。皆、訓練所に集まれ」
「よう、ダニー。今度こそ俺が勝ってやる」
「ほざけ、ブルース。俺は今まで一度も代表の座を譲ったことはない」
「だけど、お前、腰がふらついてんぞ。昨日やりすぎたんだろう。いいよなー、お前の嫁さん美人だもんなあ。俺もあんな美人で優しい嫁がほしーー」
「……欲しけりゃやろうか……?」
「おいおい、何言っちゃってんの、お前。冗談でもそういうこと言うなよ」
「始め!」
「勝負あり! 勝者、ブルース」
「よっしゃーーーーー! へっへっへ。見たか、俺のすさまじい一刀を」
「クッ……目にまつ毛が入って集中できなかった。もう一度勝負しろ」
「バカじゃねーの。お前、戦場でもそれ言うつもりかよ。さっさと家帰って、嫁さんに慰めてもらえよ。コンチクショーー」
とんでもなく美しい人に、意味の分からないことを言われた。その人はこの国の王妃だった。
「詳しいことはマヤに聞きなさい」
王妃様はエイミーの返事を聞くことなく立ち去った。
いつものように家で魔法陣を作っていると、エイミーは王城に連れて行かれた。あれよあれよという間に、王妃様と対面し、離宮で暮らすことになった。なぜなのか。
「まあ、何がなんだか分からないと思うけど、要はあなたの魔法陣を野放しにしておけないってこと」
マヤはエイミーの護衛らしい。侍女も兼ねてるからなんでも頼んでいいそうだ。言葉づかいは、エイミーが頼み込んでタメ口にしてもらった。丁寧にしゃべろうとすると、途中で、何言いたかったんだっけってなるから。
「わたしの魔法陣、すっごくささやかなのに?」
「魔力が少なくても発動できるから危ないって、ニコール王妃殿下は考えられたみたい。使い方次第で国を揺るがすって」
エイミーが腑に落ちない顔をしていると、マヤが小声で続ける。
「ライアン第一王子殿下はね、少し前から声が幼児みたいになってる。どの果物も酸っぱくて、肉はいつも生焼けなんだって。それに、インクがボタッとなるらしい」
エイミーの顔がサーッと青ざめる。
「心当たりあるよね? そういうこと。まあ、色々気にせず、今まで通りに魔法陣作ってよ。こちらで管理しながら、売ったりできるし、お給金も出るし。自由はなくなるけどさ、それは諦めて」
そういうわけで、エイミーは恐ろしく豪華な離宮でささやかな魔法陣を作ることになった。
エイミーは棚にぎっしり詰まった高価な魔導書を眺める。今まで買いたくても手が出なかった魔導書が、なんと全てエイミーの物らしい。思わずニンマリしてしまう。
エイミーは深く考えるのをやめた。おいしいごはんが食べられて、魔導書が読み放題で、魔法陣も作れる。自由がないぐらい、我慢しよう。今のところは。
エイミーは、家から持ってきてもらった髪の束をじっくり吟味する。
テルマさんのおかげで、大量の髪の毛が手に入った。これだけあれば、多少複雑な魔法陣でも縫える。
エイミーは、髪の毛で布に魔法陣を刺繍するのだ。色々試した結果、人の髪が最も効果があると分かった。だから、エイミーの髪はいつも短い。
「わー、この黒髪、長くて魔力たっぷり!」
エイミーはつややかな黒髪をウットリ眺める。優しくて力強い魔力が黒髪からあふれている。
「こんな魔力、聖女様ぐらいしか持ってないと思うんだけど……。まさかね」
エイミーはとんでもない、と首をフルフルする。
「なに作ろっかなー」
エイミーは魔導書をパラパラめくる。窓から風が吹いてきて、目にゴミが入った。エイミーは目をこすりながら、考える。よし、これにしよう。
最後の紋様を縫い終わり、エイミーは伸びをした。
「できたの?」
声をかけられて、エイミーはビクッとする。すっかりマヤの存在を忘れていた。
「できた。似たような術式で二種類作ったよ」
エイミーは『逆まつげに悩まされる』と『気がつくと抜けたまつげが目に入ってゴロゴロする』の魔法陣を誇らしげに見せる。
「風の魔法を使ってるの、こんな術式今まで考えもしなかった」
エイミーはニコニコしながら魔導書の術式を手で示す。
「そうか、あいにく私は魔術はさっぱり。そしたらこれ、ニコール様に確認してもらう」
マヤが魔法陣に手を伸ばす。エイミーは慌てて魔法陣を背中側に隠した。
「ダメ! ちゃんと試験してからでないと渡せない。魔法陣が正しく発動するか確認しないと」
「なるほど。では私にかけてみて」
「う、うん……」
「あ、忘れてた。この魔石使って。魔力がなくなったら補充するから」
エイミーはホッとした。もう魔力が残り少なかったのだ。
魔力が込められた魔石を持つと、魔法陣の真ん中にマヤの髪をのせる。
「でも、しばらく目が痛くなるけど、本当にいいの?」
「……しばらくってひと月ぐらい? そうか、それは困るなあ。今まではどうやって試験していた?」
「浮気された奥さんとかに許可もらって、旦那さんにかけたりしてた」
「なるほど……私に心当たりがある。少し待ってて」
マヤは足早に出ていき、すぐに侍女らしき人と一緒に戻った。
「ちょっとした仕返しができるって本当なの?」
女性は思い詰めたような顔で聞く。
「はい、うまくいけば、それなりに」
「わたしの夫、近衛騎士なの。最近、わたしの義妹と浮気してるみたいで。今朝、夫の上着のポケットからこれを見つけて」
ハンカチに包まれた女性の下着だ。えーヤダ……エイミーは引いた。
「下着にアンジェラって刺繍がしてあるの。義妹の名前なの」
女性はプルプルと震えてる。
「分かりました。義妹さんに呪いかければいいですか? 下着があるからできますよ」
「このハンカチ、夫のものなの。ふたりにかけてもらえる?」
エイミーはうなずいた。無事にふたつの魔法陣はキラキラと輝きを放つ。
◆◆◆
「アンジェラ、急ぎのドレスの仕上げは済んだのかい?」
「あ、女将さん。今、今やろうと思って」
「なんだって、まだ手をつけてなかったのかい? 昨日の夕方に大至急って言って割り増しの賃金払っただろう。どうして昨日のうちにやらなかったの」
「き、昨日は急用が入ってしまって」
「……あんたさ、人の男にばっかり手を出すの、いい加減にやめた方がいいよ」
「え?」
「ローラが昨日あんたが男と歩いてるの見たって。しかもあんたの義姉の旦那なんだって? よくやるよ。……なんだよ、なんであんたが泣くんだい? 泣きたいのはあんたの義姉だろうさ」
「目、目が痛くて……。逆まつげが入ったみたい」
「もう、今日は帰んな。ドレスはこっちでやるよ。明日から来なくていいから、荷物まとめて出ていきな」
◆◆◆
「おい、次の騎士団対抗戦の代表者決めるぞ。皆、訓練所に集まれ」
「よう、ダニー。今度こそ俺が勝ってやる」
「ほざけ、ブルース。俺は今まで一度も代表の座を譲ったことはない」
「だけど、お前、腰がふらついてんぞ。昨日やりすぎたんだろう。いいよなー、お前の嫁さん美人だもんなあ。俺もあんな美人で優しい嫁がほしーー」
「……欲しけりゃやろうか……?」
「おいおい、何言っちゃってんの、お前。冗談でもそういうこと言うなよ」
「始め!」
「勝負あり! 勝者、ブルース」
「よっしゃーーーーー! へっへっへ。見たか、俺のすさまじい一刀を」
「クッ……目にまつ毛が入って集中できなかった。もう一度勝負しろ」
「バカじゃねーの。お前、戦場でもそれ言うつもりかよ。さっさと家帰って、嫁さんに慰めてもらえよ。コンチクショーー」
12
お気に入りに追加
345
あなたにおすすめの小説

【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。
可愛いだけの無能な妹に聖女の座を譲ろうと思います
あーもんど
恋愛
お馬鹿でワガママだけど、可愛いから何もかも許される妹とブスだけど、実力のある聖女の姉。
この双子はまさに正反対。本当に双子なのか?と疑うほど。
そんなある日、妹のルーシーが姉に強請った。
「ねぇ、お姉様─────────私に聖女の座をちょうだい?」
姉のノーラから、家族からの愛も婚約者も奪ったと言うのにルーシーは『まだ足りない』と言う。
姉のノーラは決心した。
聖女の座を妹に譲り、この国を去ろうと····。
────────本物の聖女を失った国は愚者と踊る。
これはそんなお話。
※hot&人気&恋愛ランキング1位ありがとうございます(2020/04/30)
※本編完結済み。時間がある時に番外編や後日談を更新したいと思っています。

《完結》国を追放された【聖女】は、隣国で天才【錬金術師】として暮らしていくようです
黄舞
恋愛
精霊に愛された少女は聖女として崇められる。私の住む国で古くからある習わしだ。
驚いたことに私も聖女だと、村の皆の期待を背に王都マーベラに迎えられた。
それなのに……。
「この者が聖女なはずはない! 穢らわしい!」
私よりも何年も前から聖女として称えられているローザ様の一言で、私は国を追放されることになってしまった。
「もし良かったら同行してくれないか?」
隣国に向かう途中で命を救ったやり手の商人アベルに色々と助けてもらうことに。
その隣国では精霊の力を利用する技術を使う者は【錬金術師】と呼ばれていて……。
第五元素エーテルの精霊に愛された私は、生まれた国を追放されたけれど、隣国で天才錬金術師として暮らしていくようです!!
この物語は、国を追放された聖女と、助けたやり手商人との恋愛話です。
追放ものなので、最初の方で3話毎にざまぁ描写があります。
薬の効果を示すためにたまに人が怪我をしますがグロ描写はありません。
作者が化学好きなので、少し趣味が出ますがファンタジー風味を壊すことは無いように気を使っています。
他サイトでも投稿しています。

望まない婚約破棄と望まない崩壊
岡暁舟
恋愛
誰も婚約破棄を望まない。そして、誰も帝国の崩壊を望まない。でも、少しほころびが出来てしまうと、簡単に崩れてしまう。令嬢だけど、本当は聖女。その力、無限大。前編、後編の2部構成です。

【完結】慰謝料は国家予算の半分!?真実の愛に目覚めたという殿下と婚約破棄しました〜国が危ないので返して欲しい?全額使ったので、今更遅いです
冬月光輝
恋愛
生まれつき高い魔力を持って生まれたアルゼオン侯爵家の令嬢アレインは、厳しい教育を受けてエデルタ皇国の聖女になり皇太子の婚約者となる。
しかし、皇太子は絶世の美女と名高い後輩聖女のエミールに夢中になりアレインに婚約破棄を求めた。
アレインは断固拒否するも、皇太子は「真実の愛に目覚めた。エミールが居れば何もいらない」と口にして、その証拠に国家予算の半分を慰謝料として渡すと宣言する。
後輩聖女のエミールは「気まずくなるからアレインと同じ仕事はしたくない」と皇太子に懇願したらしく、聖女を辞める退職金も含めているのだそうだ。
婚約破棄を承諾したアレインは大量の金塊や現金を規格外の収納魔法で一度に受け取った。
そして、実家に帰ってきた彼女は王族との縁談を金と引き換えに破棄したことを父親に責められて勘当されてしまう。
仕事を失って、実家を追放された彼女は国外に出ることを余儀なくされた彼女は法外な財力で借金に苦しむ獣人族の土地を買い上げて、スローライフをスタートさせた。
エデルタ皇国はいきなり国庫の蓄えが激減し、近年魔物が増えているにも関わらず強力な聖女も居なくなり、急速に衰退していく。

【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」
まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。
【本日付けで神を辞めることにした】
フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。
国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。
人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
アルファポリスに先行投稿しています。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!

「次点の聖女」
手嶋ゆき
恋愛
何でもかんでも中途半端。万年二番手。どんなに努力しても一位には決してなれない存在。
私は「次点の聖女」と呼ばれていた。
約一万文字強で完結します。
小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる