12 / 14
12.【外伝】ハリソンの回想
しおりを挟む
「お兄さん、また泣いてるの?」
「え?」
「はい、これで顔拭いたら? お兄さん昨日からずっと泣いてるね」
「俺の大切なふたりがやっと結婚したからな」
「あの王子様とお姫様? キレイだったなーふたりとも。あんなキレイな人、今まで見たことない。びっくりしちゃった」
「そうだな。殿下の心からの笑顔は十年ぶりだ」
***
ハリソンはテオドールの五歳上だ。子供の頃から、テオドールの侍従兼護衛となるべく鍛えられた。ハリソンは十歳のときから、テオドールの近くに見習いとして侍るようになった。テオドールとオリガの蜜月の二年間も間近で見ていた。
五歳のとき婚約したテオドールとオリガは、まるで魂の半身をみつけたかのように惹かれあった。始終べったりとひっつき、離そうとすると泣き叫ぶ。最初は微笑ましく見られていたが、徐々に行きすぎを心配する声が大きくなってきた。
テオドールとオリガが七歳になったとき、オリガの父親である宰相が決断した。
「テオドール殿下。十年、オリガと節度ある距離を保ってください。そうでなければ、婚約は解消させていただきます。陛下もご承認済みです」
テオドールはひと言も発しなかった。青ざめて、ただ宰相の顔を見つめ、しばらくしてうなずいた。
テオドールはそれからオリガを必要以上に遠ざけた。近くにいると愛情が隠せず止められないからだと、ハリソンにだけ教えてくれた。
オリガは泣いて泣いて泣き続けた。仕方なく陛下が、オリガの記憶をヌルでいじった。テオドールとの婚約をなかったことにしたのだ。
「オリガ、そなたの婚約者のテオドール第一王子殿下だよ、ご挨拶しなさい」
宰相がオリガをテオドールに引き合わせる。大人たちは固唾を飲んで見守った。
オリガはテオドールの顔をじっと見つめると満面の笑みを浮かべ、テオドールにトコトコ歩み寄ると、テオドールの手をキュッと握った。
「テオドール殿下、オリガです。初めまして」
テオドールは真っ白な顔をして固まっていたが、ようやく口を開いた。
「ああ。オリガ、初めまして。テオドールと呼んでくれ」
オリガはキラキラとした瞳でテオドールの目をのぞきこむと、明るく言った。
「テオドール、好きじゃ」
「ああ……」
テオドールは鋼の意志で耐えた。
ハリソンは王と宰相に直談判した。
「たった七歳の殿下に、なんという重荷を負わせるのですか。どうかお考えなおしください」
一度決めたことをすぐには撤回できないと、ハリソンの訴えは退けられた。
ハリソンは自室に戻って、テオドールの分も泣いた。テオドールは決して弱音を見せないのだから。
それから十年、十年もの間テオドールは耐えた。週に一度のお茶会と、ふたりで出席する夜会や公式行事だけが、テオドールの楽しみであった。感情を表に出さないよう、仮面をつけ、情欲を抑え込めた瞳でオリガを見つめた。
***
「キリアン殿下の件がなければ、求婚はオリガ様の誕生日の予定だったのだけど」
ハリソンは密かにキリアンに感謝している。
学園の生徒はテオドールとオリガの間に割ってはいるようなことは、決してしない。女生徒たちはオリガのことが大好きで、オリガの思いが早く報われることを祈っていた。
貴族の男子生徒は、入学前に家長から密かに告げられている。
「テオドール殿下の婚約者であるオリガ様は大層美しい。だが間違っても声をかけるな、距離をとれ。お家取りつぶしになりたくないであろう」
男子生徒は何か大きな力が働いていることを察知し、きっちりと距離をとった。
たまに事情を知らない平民男子がオリガに近づくと、速やかに貴族子息によって遠ざけられ、コンコンと言い含められた。
そんな環境に一石を投じたのがキリアンだ。十年のすれ違いをどう埋めていくか、決めあぐねていたテオドールの背中を押すには十分であった。
「もう待たぬことにした。オリガの婚礼衣装を大至急仕上げさせろ」
ハリソンは秘密裏にオリガの侍女ベルタと連絡をとり、超特急料金でテオドールと対になる婚礼衣装を作らせた。
「オリガ様の暴走はおもしろかったけど、大変だった……。オリガ様が殿下の執務室の天井に張りついてるのに気づいたときは、目が飛び出るかと思った」
テオドールが目ぶりで反応しないよう指示したので、必死でこらえたのだ。
「オリガ様、殿下の船室に忍び込むし。殿下もよく耐えられたものだ」
ハリソンはもちろん同行者は皆、オリガの潜入に気づいていた。見てみぬふりをするようテオドールから通達されていたのだ。
「十年ぶりにオリガ様を抱きしめることが叶って、殿下はお幸せそうだった。耐えるのは地獄だっただろうけど」
ハリソンは酒をぐっと飲み干すと、机に頭をのせる。そろそろ酔いが回ってきた。
「おふたりがお幸せになったことだし、俺もそろそろ結婚したいなあ」
侯爵家の四男であるハリソンはそれなりにモテる。だが、テオドールの侍従であるハリソンは、生半可な相手では許されない。
「だったら、アタシと遊ぼうよお兄さん」
さっきから酔っ払ってウダウダ呟いてるハリソンを、適当にあしらっていた飲み屋の女がハリソンを誘う。
ハリソンは涙と酔いでよく見えない目をゴシゴシとこすった。あだっぽいが、人の良さそうな女だ。ハリソンはちょっと迷ったが、首をふって断った。
「悪いな。俺、好きな人がいるんだ」
ハリソンはフーが届けてくれた、ベルタからの手紙をポケットから出す。ハリソンが結婚式の様子を細かく書いてベルタに手紙を送ったら、丁寧な返事がきたのだ。
「年上の女性なんだけど、仕事に対する姿勢が似てるっていうか、主に対する思いに通じるものがあるっていうか。あの人となら、仕事も家庭もうまくやっていける気がする」
「そしたらね、思いを告げるのにピッタリのものがあるよ。どうだい、この宝石、これぐらいの質のものは、王都でもなかなか手に入らないはずだよ」
女が抜け目ない笑顔で、布張りの箱に入った宝石を見せる。
「おいおい、ここで商売始める気かい? でも、そうだな……」
ハリソンは苦笑いしながら、ひとつの宝石を手に取った。傷もない美しい翡翠だ。
「これならベルタさんの瞳に合いそうだ」
ハリソンは酒と宝石の代金を払うと、よろりと立ち上がる。
王都に戻ったら、ベルタさんに思いを伝えてみよう。
オリガ様がいつも殿下に言うように、まっすぐに。
ハリソンは手の中の翡翠をしっかり握りしめた。
「え?」
「はい、これで顔拭いたら? お兄さん昨日からずっと泣いてるね」
「俺の大切なふたりがやっと結婚したからな」
「あの王子様とお姫様? キレイだったなーふたりとも。あんなキレイな人、今まで見たことない。びっくりしちゃった」
「そうだな。殿下の心からの笑顔は十年ぶりだ」
***
ハリソンはテオドールの五歳上だ。子供の頃から、テオドールの侍従兼護衛となるべく鍛えられた。ハリソンは十歳のときから、テオドールの近くに見習いとして侍るようになった。テオドールとオリガの蜜月の二年間も間近で見ていた。
五歳のとき婚約したテオドールとオリガは、まるで魂の半身をみつけたかのように惹かれあった。始終べったりとひっつき、離そうとすると泣き叫ぶ。最初は微笑ましく見られていたが、徐々に行きすぎを心配する声が大きくなってきた。
テオドールとオリガが七歳になったとき、オリガの父親である宰相が決断した。
「テオドール殿下。十年、オリガと節度ある距離を保ってください。そうでなければ、婚約は解消させていただきます。陛下もご承認済みです」
テオドールはひと言も発しなかった。青ざめて、ただ宰相の顔を見つめ、しばらくしてうなずいた。
テオドールはそれからオリガを必要以上に遠ざけた。近くにいると愛情が隠せず止められないからだと、ハリソンにだけ教えてくれた。
オリガは泣いて泣いて泣き続けた。仕方なく陛下が、オリガの記憶をヌルでいじった。テオドールとの婚約をなかったことにしたのだ。
「オリガ、そなたの婚約者のテオドール第一王子殿下だよ、ご挨拶しなさい」
宰相がオリガをテオドールに引き合わせる。大人たちは固唾を飲んで見守った。
オリガはテオドールの顔をじっと見つめると満面の笑みを浮かべ、テオドールにトコトコ歩み寄ると、テオドールの手をキュッと握った。
「テオドール殿下、オリガです。初めまして」
テオドールは真っ白な顔をして固まっていたが、ようやく口を開いた。
「ああ。オリガ、初めまして。テオドールと呼んでくれ」
オリガはキラキラとした瞳でテオドールの目をのぞきこむと、明るく言った。
「テオドール、好きじゃ」
「ああ……」
テオドールは鋼の意志で耐えた。
ハリソンは王と宰相に直談判した。
「たった七歳の殿下に、なんという重荷を負わせるのですか。どうかお考えなおしください」
一度決めたことをすぐには撤回できないと、ハリソンの訴えは退けられた。
ハリソンは自室に戻って、テオドールの分も泣いた。テオドールは決して弱音を見せないのだから。
それから十年、十年もの間テオドールは耐えた。週に一度のお茶会と、ふたりで出席する夜会や公式行事だけが、テオドールの楽しみであった。感情を表に出さないよう、仮面をつけ、情欲を抑え込めた瞳でオリガを見つめた。
***
「キリアン殿下の件がなければ、求婚はオリガ様の誕生日の予定だったのだけど」
ハリソンは密かにキリアンに感謝している。
学園の生徒はテオドールとオリガの間に割ってはいるようなことは、決してしない。女生徒たちはオリガのことが大好きで、オリガの思いが早く報われることを祈っていた。
貴族の男子生徒は、入学前に家長から密かに告げられている。
「テオドール殿下の婚約者であるオリガ様は大層美しい。だが間違っても声をかけるな、距離をとれ。お家取りつぶしになりたくないであろう」
男子生徒は何か大きな力が働いていることを察知し、きっちりと距離をとった。
たまに事情を知らない平民男子がオリガに近づくと、速やかに貴族子息によって遠ざけられ、コンコンと言い含められた。
そんな環境に一石を投じたのがキリアンだ。十年のすれ違いをどう埋めていくか、決めあぐねていたテオドールの背中を押すには十分であった。
「もう待たぬことにした。オリガの婚礼衣装を大至急仕上げさせろ」
ハリソンは秘密裏にオリガの侍女ベルタと連絡をとり、超特急料金でテオドールと対になる婚礼衣装を作らせた。
「オリガ様の暴走はおもしろかったけど、大変だった……。オリガ様が殿下の執務室の天井に張りついてるのに気づいたときは、目が飛び出るかと思った」
テオドールが目ぶりで反応しないよう指示したので、必死でこらえたのだ。
「オリガ様、殿下の船室に忍び込むし。殿下もよく耐えられたものだ」
ハリソンはもちろん同行者は皆、オリガの潜入に気づいていた。見てみぬふりをするようテオドールから通達されていたのだ。
「十年ぶりにオリガ様を抱きしめることが叶って、殿下はお幸せそうだった。耐えるのは地獄だっただろうけど」
ハリソンは酒をぐっと飲み干すと、机に頭をのせる。そろそろ酔いが回ってきた。
「おふたりがお幸せになったことだし、俺もそろそろ結婚したいなあ」
侯爵家の四男であるハリソンはそれなりにモテる。だが、テオドールの侍従であるハリソンは、生半可な相手では許されない。
「だったら、アタシと遊ぼうよお兄さん」
さっきから酔っ払ってウダウダ呟いてるハリソンを、適当にあしらっていた飲み屋の女がハリソンを誘う。
ハリソンは涙と酔いでよく見えない目をゴシゴシとこすった。あだっぽいが、人の良さそうな女だ。ハリソンはちょっと迷ったが、首をふって断った。
「悪いな。俺、好きな人がいるんだ」
ハリソンはフーが届けてくれた、ベルタからの手紙をポケットから出す。ハリソンが結婚式の様子を細かく書いてベルタに手紙を送ったら、丁寧な返事がきたのだ。
「年上の女性なんだけど、仕事に対する姿勢が似てるっていうか、主に対する思いに通じるものがあるっていうか。あの人となら、仕事も家庭もうまくやっていける気がする」
「そしたらね、思いを告げるのにピッタリのものがあるよ。どうだい、この宝石、これぐらいの質のものは、王都でもなかなか手に入らないはずだよ」
女が抜け目ない笑顔で、布張りの箱に入った宝石を見せる。
「おいおい、ここで商売始める気かい? でも、そうだな……」
ハリソンは苦笑いしながら、ひとつの宝石を手に取った。傷もない美しい翡翠だ。
「これならベルタさんの瞳に合いそうだ」
ハリソンは酒と宝石の代金を払うと、よろりと立ち上がる。
王都に戻ったら、ベルタさんに思いを伝えてみよう。
オリガ様がいつも殿下に言うように、まっすぐに。
ハリソンは手の中の翡翠をしっかり握りしめた。
20
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
悪『役』令嬢ってなんですの?私は悪『の』令嬢ですわ。悪役の役者と一緒にしないで………ね?
naturalsoft
恋愛
「悪役令嬢である貴様との婚約を破棄させてもらう!」
目の前には私の婚約者だった者が叫んでいる。私は深いため息を付いて、手に持った扇を上げた。
すると、周囲にいた近衛兵達が婚約者殿を組み従えた。
「貴様ら!何をする!?」
地面に押さえ付けられている婚約者殿に言ってやりました。
「貴方に本物の悪の令嬢というものを見せてあげますわ♪」
それはとても素晴らしい笑顔で言ってやりましたとも。
【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──
処刑された悪役令嬢は、時を遡り復讐する。
しげむろ ゆうき
恋愛
「このバイオレットなる者は王太子であるフェルトの婚約者でありながら、そこにいるミーア・アバズン男爵令嬢や隣国の王太子にロールアウト王国が禁止している毒薬を使って殺害しようとしたのだ。これは我が王家に対する最大の裏切り行為である。よって、これより大罪人バイオレットの死刑執行を行う」
そして、私は断頭台で首をはねられたはずだった
しかし、気づいたら私は殿下の婚約者候補だった時間まで時を遡っていたのだった……
母と妹が出来て婚約者が義理の家族になった伯爵令嬢は・・
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
全てを失った伯爵令嬢の再生と逆転劇の物語
母を早くに亡くした19歳の美しく、心優しい伯爵令嬢スカーレットには2歳年上の婚約者がいた。2人は間もなく結婚するはずだったが、ある日突然単身赴任中だった父から再婚の知らせが届いた。やがて屋敷にやって来たのは義理の母と2歳年下の義理の妹。肝心の父は旅の途中で不慮の死を遂げていた。そして始まるスカーレットの受難の日々。持っているものを全て奪われ、ついには婚約者と屋敷まで奪われ、住む場所を失ったスカーレットの行く末は・・・?
※ カクヨム、小説家になろうにも投稿しています
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
[完結]アタンなんなのって私は私ですが?
シマ
恋愛
私は、ルルーシュ・アーデン男爵令嬢です。底辺の貴族の上、天災で主要産業である農業に大打撃を受けて貧乏な我が家。
我が家は建て直しに家族全員、奔走していたのですが、やっと領地が落ちついて半年振りに学園に登校すると、いきなり婚約破棄だと叫ばれました。
……嫌がらせ?嫉妬?私が貴女に?
さっきから叫ばれておりますが、そもそも貴女の隣の男性は、婚約者じゃありませんけど?
私の婚約者は……
完結保証 本編7話+その後1話
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
お姉様のお下がりはもう結構です。
ぽんぽこ@書籍発売中!!
恋愛
侯爵令嬢であるシャーロットには、双子の姉がいた。
慎ましやかなシャーロットとは違い、姉のアンジェリカは気に入ったモノは手に入れないと気が済まない強欲な性格の持ち主。気に入った男は家に囲い込み、毎日のように遊び呆けていた。
「王子と婚約したし、飼っていた男たちはもう要らないわ。だからシャーロットに譲ってあげる」
ある日シャーロットは、姉が屋敷で囲っていた四人の男たちを預かることになってしまう。
幼い頃から姉のお下がりをばかり受け取っていたシャーロットも、今回ばかりは怒りをあらわにする。
「お姉様、これはあんまりです!」
「これからわたくしは殿下の妻になるのよ? お古相手に構ってなんかいられないわよ」
ただでさえ今の侯爵家は経営難で家計は火の車。当主である父は姉を溺愛していて話を聞かず、シャーロットの味方になってくれる人間はいない。
しかも譲られた男たちの中にはシャーロットが一目惚れした人物もいて……。
「お前には従うが、心まで許すつもりはない」
しかしその人物であるリオンは家族を人質に取られ、侯爵家の一員であるシャーロットに激しい嫌悪感を示す。
だが姉とは正反対に真面目な彼女の生き方を見て、リオンの態度は次第に軟化していき……?
表紙:ノーコピーライトガール様より
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる