53 / 100
53.サーシャ様
しおりを挟む
ようこそいらっしゃいませ、サーシャ様。わたくしエリザベートと申しますわ。
はい、きつねうどんと親子丼セットですね。かしこまりました。
はい、えぇ、聞きます聞きます。どういたしましたの? はぁ、ふんふん、なるほど、どこかに転生したけど、悪役令嬢ではなく、単なるモブキャラかもしれんのですか。
あら、ふむ、ほうほう、むむ。とにかく何もかもが平凡、そういうことですわね? 可もなく不可もない容姿、魔力もほどほど、家族もキャラが立ってないと。どこにでも埋没できる存在感のなさ、突出することなき没個性、まさにモブキャラと……。軽々と同意するのは、はばかられますが……まぁ、そういうきらいがなきにしもあらず……と言えないこともないような……。
え? 二重否定ばかりでごまかさず、はっきり言って? えええー、そんなこと言われてもー、こればっかりは原作者様の気持ち次第ですしー、色んな悪役令嬢がいらっしゃいますしー、サーシャ様がモブキャラと決めつけるのは早計だと思いまーす。
まぁ、悪役令嬢でもモブキャラでも、転生生活を満喫なさればよいではありませんか。ええっ、下手に目立ってヒロインに目をつけられたらお先真っ暗だから、ひっそりと目立たぬように生きていくですって? そんなぁ、せっかくの異世界での新しい人生ですのに……。
はっ、そういえば、わたくし鑑定スキルを持っておりますのよ。試してみますわね。
鑑定! えー、申し上げます。サーシャ、女、転生者、スキル平凡……。う、鑑定は万能ではございませんでして……。とはいえ、スキルが平凡ということは、きっとその平凡さは何かの役に立つということですわ、おそらく……。
え? 本当ですか? スキルを活かしてがんばるのですか? えーっと、どのように……? ははぁ、なるほど、前世は社畜で、働けど働けどでじっと手を見る状態であったと。今度こそ、そこそこ裕福で、それなりに幸せな、普通の生活を送りたいと。……なんといじらしい……。
わたくしに何かできることはないでしょうかしら? わたくし今日なんの役にも立っておりませんわ……。
ええっ、話しを聞いてくれただけで十分、そんなぁ……。え、平凡がスキルと分かって安心した? 地震もなく疫病もなく、ただ平凡な毎日がどれほど貴重か噛み締めている? 平凡スキルがあるということは、波瀾万丈ではない、つつましい毎日を送れるということで、それは何より望んでいたこと? ……そうですか、そう言っていただけると……はい、もったいないお言葉でございます。
ありがとうございました。
はい、きつねうどんと親子丼セットですね。かしこまりました。
はい、えぇ、聞きます聞きます。どういたしましたの? はぁ、ふんふん、なるほど、どこかに転生したけど、悪役令嬢ではなく、単なるモブキャラかもしれんのですか。
あら、ふむ、ほうほう、むむ。とにかく何もかもが平凡、そういうことですわね? 可もなく不可もない容姿、魔力もほどほど、家族もキャラが立ってないと。どこにでも埋没できる存在感のなさ、突出することなき没個性、まさにモブキャラと……。軽々と同意するのは、はばかられますが……まぁ、そういうきらいがなきにしもあらず……と言えないこともないような……。
え? 二重否定ばかりでごまかさず、はっきり言って? えええー、そんなこと言われてもー、こればっかりは原作者様の気持ち次第ですしー、色んな悪役令嬢がいらっしゃいますしー、サーシャ様がモブキャラと決めつけるのは早計だと思いまーす。
まぁ、悪役令嬢でもモブキャラでも、転生生活を満喫なさればよいではありませんか。ええっ、下手に目立ってヒロインに目をつけられたらお先真っ暗だから、ひっそりと目立たぬように生きていくですって? そんなぁ、せっかくの異世界での新しい人生ですのに……。
はっ、そういえば、わたくし鑑定スキルを持っておりますのよ。試してみますわね。
鑑定! えー、申し上げます。サーシャ、女、転生者、スキル平凡……。う、鑑定は万能ではございませんでして……。とはいえ、スキルが平凡ということは、きっとその平凡さは何かの役に立つということですわ、おそらく……。
え? 本当ですか? スキルを活かしてがんばるのですか? えーっと、どのように……? ははぁ、なるほど、前世は社畜で、働けど働けどでじっと手を見る状態であったと。今度こそ、そこそこ裕福で、それなりに幸せな、普通の生活を送りたいと。……なんといじらしい……。
わたくしに何かできることはないでしょうかしら? わたくし今日なんの役にも立っておりませんわ……。
ええっ、話しを聞いてくれただけで十分、そんなぁ……。え、平凡がスキルと分かって安心した? 地震もなく疫病もなく、ただ平凡な毎日がどれほど貴重か噛み締めている? 平凡スキルがあるということは、波瀾万丈ではない、つつましい毎日を送れるということで、それは何より望んでいたこと? ……そうですか、そう言っていただけると……はい、もったいないお言葉でございます。
ありがとうございました。
0
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
王太子が悪役令嬢ののろけ話ばかりするのでヒロインは困惑した
葉柚
恋愛
とある乙女ゲームの世界に転生してしまった乙女ゲームのヒロイン、アリーチェ。
メインヒーローの王太子を攻略しようとするんだけど………。
なんかこの王太子おかしい。
婚約者である悪役令嬢ののろけ話しかしないんだけど。
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
悪役令嬢は、あの日にかえりたい
桃千あかり
恋愛
婚約破棄され、冤罪により断頭台へ乗せられた侯爵令嬢シルヴィアーナ。死を目前に、彼女は願う。「あの日にかえりたい」と。
■別名で小説家になろうへ投稿しています。
■恋愛色は薄め。失恋+家族愛。胸糞やメリバが平気な読者様向け。
■逆行転生の悪役令嬢もの。ざまぁ亜種。厳密にはざまぁじゃないです。王国全体に地獄を見せたりする系統の話ではありません。
■覚悟完了済みシルヴィアーナ様のハイスピード解決法は、ひとによっては本当に胸糞なので、苦手な方は読まないでください。苛烈なざまぁが平気な読者様だと、わりとスッとするらしいです。メリバ好きだと、モヤり具合がナイスっぽいです。
■悪役令嬢の逆行転生テンプレを使用した、オチがすべてのイロモノ短編につき、設定はゆるゆるですし続きません。文章外の出来事については、各自のご想像にお任せします。
※表紙イラストはフリーアイコンをお借りしました。
■あままつ様(https://ama-mt.tumblr.com/about)
追放された令嬢は英雄となって帰還する
影茸
恋愛
代々聖女を輩出して来た家系、リースブルク家。
だがその1人娘であるラストは聖女と認められるだけの才能が無く、彼女は冤罪を被せられ、婚約者である王子にも婚約破棄されて国を追放されることになる。
ーーー そしてその時彼女はその国で唯一自分を助けようとしてくれた青年に恋をした。
そしてそれから数年後、最強と呼ばれる魔女に弟子入りして英雄と呼ばれるようになったラストは、恋心を胸に国へと帰還する……
※この作品は最初のプロローグだけを現段階だけで短編として投稿する予定です!
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
【完結】本当の悪役令嬢とは
仲村 嘉高
恋愛
転生者である『ヒロイン』は知らなかった。
甘やかされて育った第二王子は気付かなかった。
『ヒロイン』である男爵令嬢のとりまきで、第二王子の側近でもある騎士団長子息も、魔法師協会会長の孫も、大商会の跡取りも、伯爵令息も
公爵家の本気というものを。
※HOT最高1位!ありがとうございます!
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる