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49.ヒルデガルド様

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 ようこそいらっしゃいませ、ヒルデガルド様。わたくしエリザベートと申しますわ。

 はい、豚骨ラーメンに煮卵とチャーシュー追加で、飲み物はビールですね。かしこまりました。

 まぁ、ハイディー様のご友人でいらっしゃるの? ハイディー様はお元気でいらっしゃいまして? お茶会業務から解放されたのかしら? あら、お茶会業務からは解放されたけれど、有能さを買われて新規事業の話が次々持ち込まれ、かえって忙しくなられて? まぁ、それは大変ですわねぇ。えぇ、ご両親がまだまだ引退しないと奮起なさって? そう、それならなんとかなりますかしらねぇ。


 あらまぁ、ヒルデガルド様もお仕事が目白押しなんですの? 何をなさって? えぇ、お掃除? あぁ、昔からお掃除が大好きでいらっしゃって、屋敷をピカピカに磨き上げるだけでは物足りなくて、家政婦ギルドを作られたの? まあまあ、なんという手腕でしょうか、驚嘆いたしましたわ。


 まぁ、派遣会社の仕組みを使って? 女性の雇用を大幅に増やしたと、陛下からお褒めの言葉を? ご立派ですわ。


 ほほほ、忙しくても、変装して色々な貴族の家に掃除しに行ってらっしゃるのね。ふふふ、そうですわね、好きな掃除ができないようでは、本末転倒ですものねぇ。


 あらまあ、そうこうしているうちに、貴族の裏情報が入るようになられて? そうですわねぇ、屋敷のどこにでも入り込める間諜派遣会社のようなものですわねぇ。


 はぁ、こういう裏情報をどうすればいいか分からず、持て余されているのですね? えーっと、お父上にご相談なさっては? ええ、チラッとほのめかしたら、知りたくないし関わりたくない、手に負えんと泣かれた……。まぁ、お父上はのんびりノホホンさんなのですね? 旦那様は? あら、仕事が忙しくて結婚どころではない? まぁ、異世界とは思えない働きマンぶりですわねぇ……。

 
 なるほど、掃除だけできればいいのに、余計な裏情報が入るおかげで、楽しく働けないと……。それは問題ですわねぇ、どなたか押し付けられる有能な方がいらっしゃればいいのですが……。


 あ、いたわ。

 ほほほ、いるではありませんか、うってつけの人材が。ほら、有能で、公正で、性格がよくて、誰からも好かれて、世界に愛されている。


 ヒロイン一択。



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