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舌(リヒャルト視点)*
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※リヒャルト視点。R-18。注・児童に対する性的虐待表現があります。
宿り木の下でキスをしていい、なんて慣習は嫌いだった。
十代前半の頃は無知だったので、知らずに同級生の女の子と通ってしまった。多分、向こうは誘ったつもりだったろう。よく分からないまま、僕は初めてのキスを体験した。
その時、唇以外の感触がした。動きを見せたそれは彼女の舌だったのだろう。すぐに離れていったけど、僕の中に後味の悪さが残った。
それ以降ずっと、キスをする気になれなかった。学園ではよく他の生徒は隠れてしていたけど。友人が確か言っていた。舌を絡めたキスが上手くなると気持ちよくなれると。女の子が舌を入れた意味は理解した。
けれど、僕は舌の動きが嫌でたまらなかった。自分でもよく分からないけど、嫌なのは分かった。友人たちは、僕はモテるのに奥手すぎてもったいないと哀れんでいたけれど、結局そのまま、学生時代は過ごした。
成人してからエレインに恋をして、僕のその価値観は百八十度変わってしまった。
まだ不慣れな十八歳の少女に、僕は夢中になった。欲望の赴くまま、彼女の唇を貪った。何度か繰り返すうちに、舌を絡めるようになった。彼女はぎこちなくそれに応えるようになる。嫌がる素振りは見せなかった。それでも心配で聞くと、顔を真っ赤にして頷いた。
今までの性への嫌悪が嘘のようだった。
むしろ、エレインの蕩けた顔が見たくて、キスに固執し過ぎたきらいがある。
しかし、ギーゼラに植え付けられた忌まわしいものは、心の奥底でひっそりと燻り続けていたのだった。
初夜の時、それは最悪な形で作用した。
エレインと僕の気分が最高潮で高まってきた時、その記憶は邪魔をした。何故か彼女の中に入りたくて仕方なくなると、血まみれ、涎まみれの女の顔が浮かんできて、下半身が萎えてしまった。
その理由は、治療が進むうちにつれて、判明してきた。
八歳の僕は、ギーゼラに拘束された。
ギーゼラは、結婚が決まって遠くに行くことが決まってしまい、僕の成長を待てなくなったらしい。ロベルトに精通させて代わりに使っていたけれど、それでは満足できなかった。
まだ小さい僕のものを、ギーゼラは手でしごきながら、先端をしゃぶった。わざと音を立てて舐めながらこちらを見ていた。ちろちろと蛇のように動くその赤い舌が、酷く気味悪く映った。そして、あいつは血まみれの手で更に強く握りしめ、血を塗りたくるようにして陽根を擦った。
気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
胃の腑から何かがこみ上げてきそうだった。おぞましい光景に、僕は気絶しそうなほど、息が苦しくなった。
気持ち悪い舌が、僕に襲い掛かってくる。でも、何も出来なかった。拘束された体は腕一本すら動かせない。
しかし、そんな屈辱的な扱いを受けても、僕の雄は刺激に反応して固くなり勃起してしまった。
ギーゼラの喜ぶ声が遠くに聞こえた。
その時から今までずっと、僕はこの悪夢に囚われていたことに気が付いた。
僕が、悪魔によって快楽を覚えさせられた屈辱のその時から。
宿り木の下でキスをしていい、なんて慣習は嫌いだった。
十代前半の頃は無知だったので、知らずに同級生の女の子と通ってしまった。多分、向こうは誘ったつもりだったろう。よく分からないまま、僕は初めてのキスを体験した。
その時、唇以外の感触がした。動きを見せたそれは彼女の舌だったのだろう。すぐに離れていったけど、僕の中に後味の悪さが残った。
それ以降ずっと、キスをする気になれなかった。学園ではよく他の生徒は隠れてしていたけど。友人が確か言っていた。舌を絡めたキスが上手くなると気持ちよくなれると。女の子が舌を入れた意味は理解した。
けれど、僕は舌の動きが嫌でたまらなかった。自分でもよく分からないけど、嫌なのは分かった。友人たちは、僕はモテるのに奥手すぎてもったいないと哀れんでいたけれど、結局そのまま、学生時代は過ごした。
成人してからエレインに恋をして、僕のその価値観は百八十度変わってしまった。
まだ不慣れな十八歳の少女に、僕は夢中になった。欲望の赴くまま、彼女の唇を貪った。何度か繰り返すうちに、舌を絡めるようになった。彼女はぎこちなくそれに応えるようになる。嫌がる素振りは見せなかった。それでも心配で聞くと、顔を真っ赤にして頷いた。
今までの性への嫌悪が嘘のようだった。
むしろ、エレインの蕩けた顔が見たくて、キスに固執し過ぎたきらいがある。
しかし、ギーゼラに植え付けられた忌まわしいものは、心の奥底でひっそりと燻り続けていたのだった。
初夜の時、それは最悪な形で作用した。
エレインと僕の気分が最高潮で高まってきた時、その記憶は邪魔をした。何故か彼女の中に入りたくて仕方なくなると、血まみれ、涎まみれの女の顔が浮かんできて、下半身が萎えてしまった。
その理由は、治療が進むうちにつれて、判明してきた。
八歳の僕は、ギーゼラに拘束された。
ギーゼラは、結婚が決まって遠くに行くことが決まってしまい、僕の成長を待てなくなったらしい。ロベルトに精通させて代わりに使っていたけれど、それでは満足できなかった。
まだ小さい僕のものを、ギーゼラは手でしごきながら、先端をしゃぶった。わざと音を立てて舐めながらこちらを見ていた。ちろちろと蛇のように動くその赤い舌が、酷く気味悪く映った。そして、あいつは血まみれの手で更に強く握りしめ、血を塗りたくるようにして陽根を擦った。
気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
胃の腑から何かがこみ上げてきそうだった。おぞましい光景に、僕は気絶しそうなほど、息が苦しくなった。
気持ち悪い舌が、僕に襲い掛かってくる。でも、何も出来なかった。拘束された体は腕一本すら動かせない。
しかし、そんな屈辱的な扱いを受けても、僕の雄は刺激に反応して固くなり勃起してしまった。
ギーゼラの喜ぶ声が遠くに聞こえた。
その時から今までずっと、僕はこの悪夢に囚われていたことに気が付いた。
僕が、悪魔によって快楽を覚えさせられた屈辱のその時から。
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