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君に迫る日々

君の違和感【残り22,20,18,16日】

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2日後

歌詞の走り書きをアオイに見せて

2人で誉めて直してを繰り返していく


楽しくも過ぎていく時間に焦ってもいた


そして、この違和感…


ラーズ「………」

アオイ「ラーズ?どしたん?」

少し考え込んでいたようだ

アオイが覗き込む


ラーズ「いや…その…アオイ、なんかいつもと違うなって」

アオイ「へ?」


そうこれは、ほんの少しだけの違和感


いつも…とはいつのことかもわからない


アオイ「…どこが違うの?」

不思議そうな顔をして首を傾けて聞かれた

そりゃそうだ

どこが…か


前の、2度目の巻き戻りのときは焦っていっぱいいっぱいだったが

その前の日常の日々

アオイと過ごす時間は

アオイは本当に元気だった


まるで太陽のようで

何にでも「大丈夫だよ!」って声をかけてくれるような

そんな剥き出しの明るさだったが

今のアオイは少し違う気がした


ラーズ「…あんまり元気ない?」

心配するようにアオイを見た



アオイ「…すごいなぁラーズわ!」

よくわかるね!って尊敬の目を向けながらアオイは話した


アオイ「元気は元気なんだよ!ラーズと夢を追いかけられて嬉しいし!けど…」

続きを聞くのが少し怖くなる

しかし、今回はしっかり向き合うと決めたのだ


アオイ「喉がね…少し前から調子良くなくて」

しょぼん と喉を押さえて悲しい顔をしていた

この前の風邪が長引いているのかもしれない


アオイは責任感も強い

迷惑をかけまいと隠そうとしていたのだろう


ラーズ「ムリするなよ。歌の練習は治ってからでいいから」

うん。と悲しそうにアオイは返事をした

もっといい言葉がきっとあっただろう

もっと優しく心遣いのある

アオイなら何て言うだろうか

きっと心配をぶっ飛ばして明るい雰囲気にもっていく

それが私にもできたなら


ラーズ「アオイは!良く頑張ってるから!」

空回りしているのはわかっていながら、元気よく少し顔を赤くして言ってみた

かなりの勇気を出した


アオイ「…へへへっ。ラーズ無理しちゃって。ありがとう」


アオイが嬉しそうに笑う

それだけでいい

やり馴れないこともやってみてよかったと思う


アオイ「さて!元気注入完了!」


よし!と立ち上がり片手を天高くに掲げてアオイはやる気を出したようだ

そうやって少しずつ寄り添いながらアオイとの日々が過ぎていく


また2日また2日、2日後と…


しかし


その違和感は


少しずつ形を見せてきた


ゴホン ゴホン ゴホンッ

鈍い音が響く


ラーズ「アオイ…大丈夫か?」

見るからに調子の良くなさそうなアオイに聞く

アオイ「んー平気」


そんなはずはない

けど、それしか言えないのかもしれない


こわい

ほんとはうっすら気づいていた


巻き戻しの日々

その最後はアオイの死で終わる

そしてその理由は


毎回  変わる


1度目は地震による機材落下

2度目はアオイ自ら

3度目は?


これを防げば大丈夫って保証がないのだ

こわい


ゴホンッゴホン!!


アオイ「…ごめんね」

アオイは病院に行っているが理由はわからないらしい


あー神様

どうしてですか?

アオイは何かしましたか?

なぜこんな仕打ちをするのか

こんなに一生懸命のアオイに!


ラーズ「大丈夫だから、アオイの命が1番大事だから」

言って、これは少し重かったかもしれないと思った


でも心の底から出た言葉だった


しかしアオイからは思ってもみない返事がきた


アオイ「でも…命より大事なことがあるんだ」



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