13 / 26
13 よく考えたら同棲・・・?
しおりを挟む
*久しぶりです。更新遅くなりました!*
あの後、家具屋さんで中古の家具を買い、雑貨屋さんで食器や台所用品を揃えた。
サナの洋服は宿の女将さんが息子さんのを大量に分けてくれたので、当分はそれで持ちそうだ。
どのぐらいの頻度で成長するか分からないから、体型に合わせてその都度買い足すことにした。
御礼を言って宿を引き払い、帰り際に食材を買ってから家に向かった。
「さあて、ここが暫く俺達の家だ」
「えと、ただいま!」
「っそうだな。ただいま。---お帰り、サナ」
「おっおかえりなちゃい」
うわー、なんか恥ずかしい!
ん?
なんかコレって新婚さんみたい・・・。
あ、結婚はしてないから同棲か・・・・・・。
---同棲---?!
「あうあう・・・」
「・・・だ、大丈夫か? どうしたんだ?」
「え、と、あにょ、しんこんさんみたいって」
「---しんこんさん・・・新婚さん・・・!!」
「でも、けっこんしちぇないかりゃ、どーせいかにゃっちぇ・・・?」
「どーせい・・・・・・同棲・・・・・・!」
ヒョウガがくわっと目を見開いた。
瞳孔が開ききってるよ?!
こわいよ!
「---同棲・・・・・・。いい響きだ。こんな人生とは無縁だと思っていたがいいものだな」
そういってサナをぎゅっと抱きしめた。
サナも嬉しくて抱きしめ返した・・・というかヒョウガのシャツの胸元をぎゅっとした。
「・・・はやくおとにゃににゃりたい」
サナはポツリと呟いた。
それを耳で拾ったヒョウガが顔を赤くしていたが、ぎゅっと抱きついていたサナは気付かなかった。
それから荷物をあちこち収納して、一息吐いたのは夕方に近い頃だった。
「おにゃかすいちゃー」
夢中で片付けてて御飯忘れてた。
「ああ、すっかり忘れてた! 屋台で買った物があるが、それでいいか? すまんな」
「へーき。こんど、ぼくがにゃにかちゅくるねえ」
僕だって簡単な料理くらい作れるよ。
・・・その前に食材と調味料の確認が必要だけど。
更に言えば、もう少し大きくならないとだけど!
「楽しみにしてる」
そういって優しく笑ったヒョウガさんにドキドキしつつ、あり合わせの料理を食べ・・・させて貰って、お腹いっぱいになると電池が切れた玩具のように、パタッと倒れるように寝落ちした。
そっとサナをベッドに寝かせて毛布をかける。
むにゃむにゃと口を動かして丸くなりもぞもぞしていたが、落ち着く場所を見つけたのかすーっと寝息だけが聞こえた。
「・・・可愛いサナ。そんなに焦って大きくならなくて良いんだけど、でも大きくなってほしい気もするし・・・難しいな」
番いの子供時代を見られる幸運はそうそう無いからな。
ついついアレコレ構ってしまう。
幸いな事にサナはこちらの常識に疎いから、それを当然のように受け入れて、あまり気にしないのだが。
もう少し育ったらその辺りの常識も教えてやらないとな。
番い意外にはする事もさせることも禁止だからな。
サナと出会って、自分が酷く独占欲の強い男だと思い知った。
まあ、サナにだけだが。
「よく食べてよく寝て、大きくなれよ」
---さて、今のうちにもう少し片付けておくか・・・・・・。
二人でゆっくり過ごす為にも面倒ごとははやく終わらせるに限る。
あの後、家具屋さんで中古の家具を買い、雑貨屋さんで食器や台所用品を揃えた。
サナの洋服は宿の女将さんが息子さんのを大量に分けてくれたので、当分はそれで持ちそうだ。
どのぐらいの頻度で成長するか分からないから、体型に合わせてその都度買い足すことにした。
御礼を言って宿を引き払い、帰り際に食材を買ってから家に向かった。
「さあて、ここが暫く俺達の家だ」
「えと、ただいま!」
「っそうだな。ただいま。---お帰り、サナ」
「おっおかえりなちゃい」
うわー、なんか恥ずかしい!
ん?
なんかコレって新婚さんみたい・・・。
あ、結婚はしてないから同棲か・・・・・・。
---同棲---?!
「あうあう・・・」
「・・・だ、大丈夫か? どうしたんだ?」
「え、と、あにょ、しんこんさんみたいって」
「---しんこんさん・・・新婚さん・・・!!」
「でも、けっこんしちぇないかりゃ、どーせいかにゃっちぇ・・・?」
「どーせい・・・・・・同棲・・・・・・!」
ヒョウガがくわっと目を見開いた。
瞳孔が開ききってるよ?!
こわいよ!
「---同棲・・・・・・。いい響きだ。こんな人生とは無縁だと思っていたがいいものだな」
そういってサナをぎゅっと抱きしめた。
サナも嬉しくて抱きしめ返した・・・というかヒョウガのシャツの胸元をぎゅっとした。
「・・・はやくおとにゃににゃりたい」
サナはポツリと呟いた。
それを耳で拾ったヒョウガが顔を赤くしていたが、ぎゅっと抱きついていたサナは気付かなかった。
それから荷物をあちこち収納して、一息吐いたのは夕方に近い頃だった。
「おにゃかすいちゃー」
夢中で片付けてて御飯忘れてた。
「ああ、すっかり忘れてた! 屋台で買った物があるが、それでいいか? すまんな」
「へーき。こんど、ぼくがにゃにかちゅくるねえ」
僕だって簡単な料理くらい作れるよ。
・・・その前に食材と調味料の確認が必要だけど。
更に言えば、もう少し大きくならないとだけど!
「楽しみにしてる」
そういって優しく笑ったヒョウガさんにドキドキしつつ、あり合わせの料理を食べ・・・させて貰って、お腹いっぱいになると電池が切れた玩具のように、パタッと倒れるように寝落ちした。
そっとサナをベッドに寝かせて毛布をかける。
むにゃむにゃと口を動かして丸くなりもぞもぞしていたが、落ち着く場所を見つけたのかすーっと寝息だけが聞こえた。
「・・・可愛いサナ。そんなに焦って大きくならなくて良いんだけど、でも大きくなってほしい気もするし・・・難しいな」
番いの子供時代を見られる幸運はそうそう無いからな。
ついついアレコレ構ってしまう。
幸いな事にサナはこちらの常識に疎いから、それを当然のように受け入れて、あまり気にしないのだが。
もう少し育ったらその辺りの常識も教えてやらないとな。
番い意外にはする事もさせることも禁止だからな。
サナと出会って、自分が酷く独占欲の強い男だと思い知った。
まあ、サナにだけだが。
「よく食べてよく寝て、大きくなれよ」
---さて、今のうちにもう少し片付けておくか・・・・・・。
二人でゆっくり過ごす為にも面倒ごとははやく終わらせるに限る。
121
お気に入りに追加
515
あなたにおすすめの小説


漆黒の瞳は何を見る
灯璃
BL
記憶を無くした青年が目覚めた世界は、妖、と呼ばれる異形の存在がいる和風の異世界だった
青年は目覚めた時、角を生やした浅黒い肌の端正な顔立ちの男性にイスミ アマネと呼びかけられたが、記憶が無く何も思い出せなかった……自分の名前すらも
男性は慌てたようにすぐに飛び去ってしまい、青年は何も聞けずに困惑する
そんな戸惑っていた青年は役人に捕えられ、都に搬送される事になった。そこで人々を統べるおひい様と呼ばれる女性に会い、あなたはこの世界を救う為に御柱様が遣わされた方だ、と言われても青年は何も思い出せなかった。経緯も、動機も。
ただチート級の能力はちゃんと貰っていたので、青年は仕方なく状況に流されるまま旅立ったのだが、自分を受け入れてくれたのは同じ姿形をしている人ではなく、妖の方だった……。
この世界では不吉だと人に忌み嫌われる漆黒の髪、漆黒の瞳をもった、自己肯定感の低い(容姿は可愛い)主人公が、人や妖と出会い、やがてこの世界を救うお話(になっていけば良いな)
※攻めとの絡みはだいぶ遅いです
※4/9 番外編 朱雀(妖たちの王の前)と終幕(最後)を更新しました。これにて本当に完結です。お読み頂き、ありがとうございました!

三度目の人生は冷酷な獣人王子と結婚することになりましたが、なぜか溺愛されています
倉本縞
BL
エルガー王国の王子アンスフェルムは、これまで二回、獣人族の王子ラーディンに殺されかかっていた。そのたびに時をさかのぼって生き延びたが、三回目を最後に、その魔術も使えなくなってしまう。
今度こそ、ラーディンに殺されない平穏な人生を歩みたい。
そう思ったアンスフェルムは、いっそラーディンの伴侶になろうと、ラーディンの婚約者候補に名乗りを上げる。
ラーディンは野蛮で冷酷な獣人の王子と噂されていたが、婚約者候補となったアンスフェルムを大事にし、不器用な優しさを示してくれる。その姿に、アンスフェルムも徐々に警戒心を解いてゆく。
エルガー王国がラーディンたち獣人族を裏切る未来を知っているアンスフェルムは、なんとかそれを防ごうと努力するが……。

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します

あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります

マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.

恐怖症な王子は異世界から来た時雨に癒やされる
琴葉悠
BL
十六夜時雨は諸事情から橋の上から転落し、川に落ちた。
落ちた川から上がると見知らぬ場所にいて、そこで異世界に来た事を知らされる。
異世界人は良き知らせをもたらす事から王族が庇護する役割を担っており、時雨は庇護されることに。
そこで、検査すると、時雨はDomというダイナミクスの性の一つを持っていて──

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる