【完結】ねこネコ狂想曲

エウラ

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10 僕の今後の生活は・・・?

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「可愛い---!」

って悶えてるいい年したおじさん?達にちょっと引いてると、ヒョウガさんがツッコんでくれた。

「ギルマス達、落ち着いて下さい!」
「はっ! すまん。ここ暫く癒しが足りてなかったからつい・・・とりあえず座ってくれ」
「苦しそうだからコートも脱いでいいよ。大丈夫、ここは防音結界機能付きの部屋だから心配ないよ。訳あって着てるんでしょ?」
「あいあと、ごじゃいまふ」
「フフ、可愛いねえ」

そういって皆にはお茶を、僕には果物のジュースをくれた。
おお、桃の香り・・・色がどぎついピンクなのは異世界仕様。

一口飲むと濃厚な桃の味だ!
うまうま!!

必死に飲んでる間に三人で何やら内緒話みたいに集まって喋っていた。



「それでですね、この子はサナと言います。他言無用で頼みますが、神の愛し子なのはご存知でしょうが、彼は元異世界人で16才だったそうです。そして猫又です」
「ええ?! 情報過多! しかしそれはまた稀少な・・・だからコートを」
「ええ、耳はともかく尻尾は隠さないと一発でバレます。それに急成長すると周りから変な目で見られそうで・・・。後、こっちが本題なんですが」

ちょっと躊躇いがちに言う。

「・・・何だ? まだ何かあるのか?」

ギルマスが促した。

「・・・サナは、俺のです」
「「---はあ?!」」
「ぴゃっっっ」

急に大きな声がしてびくうっと飛び跳ねた。尻尾もぶわっと膨らんじゃった。
危うくコップを落とすところだった。

「っすまない、驚いたか、悪かったな」

ヒョウガさんが慌てて背中を摩ってくれて、徐々に尻尾も元に戻った。

そうして撫でられていたら、ビックリのドキドキが違う意味のドキドキに変わった気がする。

何だろう、この感じ・・・?

思わずヒョウガさんを見つめていると、ヒョウガさんの顔がだんだん赤くなってきて・・・。

「・・・ひょおがたん?」
「---っ何でもない」
「・・・・・・あのヒョウガがねえ」
「いつも冷静な男がねえ・・・」

ギルマス達がにまにましてる。

「?」
「と、とにかく、そう言うわけなので、暫く、宿暮らしでなく安全な一軒家を借りて住もうかと」
「いっけんや?」
「・・・そう。いつも気を張って過ごすのはきついだろう? 何、俺の稼ぎはかなりのモノだから心配ないぞ」
「そうそう、彼はずっと独りだから貯め込んでるよ!」

サナが少し考えた後、閃いたように言った。

「じゃあ、出世払いしゅっしぇばらいじぇ!」
「「---ぶほっ!!」」
「・・・ドコでそんな言葉覚えたんだ。・・・って、ああ、元16才だっけな・・・」

ツボに入ったギルマス達と遠い目をしたヒョウガさんを見ながら、何がよくなかったのかなと考えているうちに、話は済んだようです。

「ちょっと不動産を当たってみますが、お二人も何処か良い物件があれば教えて下さい。決まるまでは定宿ですからよろしくお願いします」
「分かった。探してみるよ。気を付けてな」
「また来てね、サナちゃん!」
「まちゃね-!」

そして癒しサナは去って行った。

「それにしても、番いとはねえ・・・」
「でもまぁ、納得。〈天啓〉もこの為だったのかも」
「違いねえ」

ギルマス達は2人になった部屋でほのぼのと笑っていた。


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