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3 目が覚めたら知らない部屋だった
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目が覚めたら知らない部屋だった。
うん。
ベタなセリフだけど、だって他に言い様がないんだもん。
昨日、眠る前に誰かが来たような気がするから、その人?の部屋なのかな。
たぶんカーテンから漏れてる光は朝日(もう昼?)だと思う。
今は誰もいないし、猫神様が言ってた〈ステータス〉の確認しようっと。
「ステータス」
うおっ、目の前に半透明なタブレットみたいな画面が出た。
えーと、何々?
【名前:サナ・ハヅキ(葉月沙那)
性別:男
年齢:0才(16才)
種族:猫又
称号:クレール神の加護、クレール神の愛し子、異世界転生者(称号特典で体力と魔力∞、状態異常無効)】
---うん?
・・・なんかツッコミ所がありすぎて思考が止まった。
てか、僕って0才なんだ。
アレか、体を作って貰ったからこの体での年齢かな?
なんか、加護と愛し子って言葉が・・・。
そのお陰で?チート仕様になってるんだな。
よく分かんないけど。
まあ、死なない程度に強ければいいや。
後はどのくらいで体に馴染むかだけど・・・。
今は考えても仕方ない。
ソレよりも、お腹空いた。
昨日はお昼過ぎにコッチに来たと思う。
それでにゃあにゃあ啼いて夜には力尽きて寝ちゃったからご飯食べてないんだよね。
でも僕はしがない子猫。
悲しいかな、ドアノブに足が届かない。
でもドアを爪でカリカリするのは躊躇う。傷になっちゃうし。
仕方ない。
ドアの近くで気付いて貰えるまでにゃあにゃあ啼く作戦で行こう。
そっとベッドから降りてドアの近く、扉が開いてもぶつからない場所を陣取って、いざ!
「お腹空いたよ-! 誰か-!」
ソレを7回くらいやったかな?
遂にドアが開いて、僕は入ってきた獣人さんを見上げた。
黒髪に丸い黒い耳、毛の短い黒い尻尾はシュンとしてて格好いい。
キリッとした眉毛に意思の強そうな琥珀色の瞳は僕の左目と同じ色だ。
20代半ばくらいかな?
美丈夫ってこういう人の事を言うんだなと、口をポカンと開けたままポケッと見上げていた。
しばらくお互い見つめ合って無言状態。
ぐううう・・・・・・。
僕のお腹が耐えきれなかった。
だってこの人の持ってるトレイから美味しそうな匂いがするんだよ!
さっきからお腹空いたって訴えてたんだから仕方ないじゃん!
「にゃーん・・・」
「ふっ、はは、悪い。腹減ったよな。コッチにおいで」
そういって小さなテーブルの上にトレイを置いてから僕を抱き上げた。
ゴツゴツとした大きい手が思いのほか優しくて心がほわんとした。
座った自分の膝に乗せてくれた。ちょうどいい高さだ。
おお!
トレイには美味しそうな煮込み料理がのっていた。さっきは下からで見えなかったけど、肉じゃがっぽい。味は分からないけど。
「詳しい話は後にしよう。先に腹ごしらえな」
そういってお兄さんが小皿に小さく切って取り分けてくれた。
・・・うーん。猫だからこのまま口づけて食べてもいいのかな?
そんな思いでお兄さんをジッと見つめると、何を思ったかスプーンであーんしてくれた。
いやそんな歳じゃないんだけど?アレでも猫では0才で?えええ、どれが正解?!
なんて混乱しているうちに口の中にはすでにご飯が・・・。
反射的に咀嚼して飲み込んだら一気に空腹感が襲ってきて、後はもう、何も考えず無心であーんされた。
ご飯うまうま!
でもこの猫はやっぱり小さいだけあって胃も比例してるのか、10匙も食べれば満腹になった。
それを見て残りをお兄さんが綺麗に平らげました。凄い。
トレイを避けて、行儀が悪いけど僕をテーブルに乗せてからお兄さんが話し出した。
「さて、まずは自己紹介をしよう。俺の名はヒョウガ。黒豹の獣人で冒険者だ。ちなみに年齢は25な。よろしく」
「よろしくです」
僕はぺこりとお辞儀をした。
たぶんこの人が神様が言ってた保護者って人かな?
うん。
ベタなセリフだけど、だって他に言い様がないんだもん。
昨日、眠る前に誰かが来たような気がするから、その人?の部屋なのかな。
たぶんカーテンから漏れてる光は朝日(もう昼?)だと思う。
今は誰もいないし、猫神様が言ってた〈ステータス〉の確認しようっと。
「ステータス」
うおっ、目の前に半透明なタブレットみたいな画面が出た。
えーと、何々?
【名前:サナ・ハヅキ(葉月沙那)
性別:男
年齢:0才(16才)
種族:猫又
称号:クレール神の加護、クレール神の愛し子、異世界転生者(称号特典で体力と魔力∞、状態異常無効)】
---うん?
・・・なんかツッコミ所がありすぎて思考が止まった。
てか、僕って0才なんだ。
アレか、体を作って貰ったからこの体での年齢かな?
なんか、加護と愛し子って言葉が・・・。
そのお陰で?チート仕様になってるんだな。
よく分かんないけど。
まあ、死なない程度に強ければいいや。
後はどのくらいで体に馴染むかだけど・・・。
今は考えても仕方ない。
ソレよりも、お腹空いた。
昨日はお昼過ぎにコッチに来たと思う。
それでにゃあにゃあ啼いて夜には力尽きて寝ちゃったからご飯食べてないんだよね。
でも僕はしがない子猫。
悲しいかな、ドアノブに足が届かない。
でもドアを爪でカリカリするのは躊躇う。傷になっちゃうし。
仕方ない。
ドアの近くで気付いて貰えるまでにゃあにゃあ啼く作戦で行こう。
そっとベッドから降りてドアの近く、扉が開いてもぶつからない場所を陣取って、いざ!
「お腹空いたよ-! 誰か-!」
ソレを7回くらいやったかな?
遂にドアが開いて、僕は入ってきた獣人さんを見上げた。
黒髪に丸い黒い耳、毛の短い黒い尻尾はシュンとしてて格好いい。
キリッとした眉毛に意思の強そうな琥珀色の瞳は僕の左目と同じ色だ。
20代半ばくらいかな?
美丈夫ってこういう人の事を言うんだなと、口をポカンと開けたままポケッと見上げていた。
しばらくお互い見つめ合って無言状態。
ぐううう・・・・・・。
僕のお腹が耐えきれなかった。
だってこの人の持ってるトレイから美味しそうな匂いがするんだよ!
さっきからお腹空いたって訴えてたんだから仕方ないじゃん!
「にゃーん・・・」
「ふっ、はは、悪い。腹減ったよな。コッチにおいで」
そういって小さなテーブルの上にトレイを置いてから僕を抱き上げた。
ゴツゴツとした大きい手が思いのほか優しくて心がほわんとした。
座った自分の膝に乗せてくれた。ちょうどいい高さだ。
おお!
トレイには美味しそうな煮込み料理がのっていた。さっきは下からで見えなかったけど、肉じゃがっぽい。味は分からないけど。
「詳しい話は後にしよう。先に腹ごしらえな」
そういってお兄さんが小皿に小さく切って取り分けてくれた。
・・・うーん。猫だからこのまま口づけて食べてもいいのかな?
そんな思いでお兄さんをジッと見つめると、何を思ったかスプーンであーんしてくれた。
いやそんな歳じゃないんだけど?アレでも猫では0才で?えええ、どれが正解?!
なんて混乱しているうちに口の中にはすでにご飯が・・・。
反射的に咀嚼して飲み込んだら一気に空腹感が襲ってきて、後はもう、何も考えず無心であーんされた。
ご飯うまうま!
でもこの猫はやっぱり小さいだけあって胃も比例してるのか、10匙も食べれば満腹になった。
それを見て残りをお兄さんが綺麗に平らげました。凄い。
トレイを避けて、行儀が悪いけど僕をテーブルに乗せてからお兄さんが話し出した。
「さて、まずは自己紹介をしよう。俺の名はヒョウガ。黒豹の獣人で冒険者だ。ちなみに年齢は25な。よろしく」
「よろしくです」
僕はぺこりとお辞儀をした。
たぶんこの人が神様が言ってた保護者って人かな?
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