18 / 43
17 レイヴンのお買い物事情振り返り 1
しおりを挟む
※本日二度目の更新です、注意。こちらからチェックした方は先に16話を読んで下さい。
他の小説の更新が今日出来ないので、代わりにこちらを倍でドン。
部屋を出て階下に行く。
今はちょうど午後4時くらいか。
ブランシュ用の装飾品を急かせて作らせたが、さすがにそれなりに時間がかかったのだ。
鍛冶屋のおやっさんは腕の良いドワーフで頑固者だ。
レイヴンとは顔馴染みとはいえ、そう易々と引き受けてはくれないかなと思っていたが、二つ返事でオッケーが出た。
「良いのか? 忙しいだろう?」
怪訝に思って聞き返すと、おやっさんはガハハッと笑って言った。
「良いってコトよ! 聞いたぜ。お前さん、ついに嫁を貰ったって?! しかももの凄い美人だってな。今、街中その噂で持ちきりよ! コレってその嫁への贈り物だろう? サラマンダーの鱗で自分の羽根のデザインだなんてよ、相当入れ込んでるなあ。何にせよ良いこった! だから今回は俺からのお祝いだ」
「・・・助かるが・・・もう街中、広まってんのか」
さもイヤそうに顔を顰めるレイヴンに追い撃ちをかけるおやっさん。
「お前さん、ココに来る前にもやらかしてたろ。宿に侵入した賊から嫁さん護ったっていうじゃないか。お熱いねえ」
「・・・マジか。・・・いやもう良い・・・とにかく頼んだ」
「おう、きっちり、だが最速で仕上げてやる。どうせ用事あるんだろう?」
「ああ、色々とアイツの買い物が」
「嫁への貢ぎ物かあ。甲斐性あるとこ見せねえとな! その間に仕上げとくから好きに行ってこい!!」
「・・・分かった。じゃあ後でな」
おやっさんとのそんな会話で少々疲れたレイヴンは、服屋でも同じように絡まれた。
双子のオネエ店長達にグイグイ言い寄られる。
「レイヴンさんってば、隅に置けないわね」
「一度、その美人妻連れて来て下さいよ。私達が色々とコーディネートしてあげるわよ」
ガッチリした男だが、綺麗に薄化粧していて口調もオネエのこの二人も美人の類いだ。
だがしかし近付きすぎだ。離れろ。
「いらん。俺が体型を把握しているから俺が選ぶ」
「「キャーッ!! 『体型を把握している』ですって! どんだけ抱いたのよ?! 良いから私達に白状なさい!!」」
煩いくらい反応して詰め寄ってくるオネエ店長達、ちょっとコワイぞ。
あまりの煩さに仕方なく白状する。
「・・・・・・抱き潰した。まだ寝てる」
「「ギャーッ!! マジで?! お嫁さん、良く死ななかったわねー!! ちょっとは加減しなさいよ!!」」
「---あー、暴走した気はする・・・」
絶対に言わないがブランシュのスキルがヤバすぎた。
オネエ店長達は顔を真っ青にして叫ぶ。
「貴方のあのブツで遠慮無しにヤッたら死ぬわよ!!」
「そこんとこ分かってるわよね?! それなのにヤッちゃったの?! まさか一晩中・・・?!」
「あー・・・少なくとも半日はヤってた、かな」
今更だなと思いそう言えば、二人とも膝から崩れ落ちた。
「---・・・・・・死ぬ。私なら死ぬわ」
「オネエちゃんでなくても死ぬわ! アレは凶器よ、百戦錬磨の手練れだって一回でアウトよ・・・・・・ソレを・・・・・・半日・・・・・・」
「・・・・・・お前ら、見たことあんのかよ? ヤッた事ねえよな?」
「そんなの、関係を持ったヤツらが言ってたからに決まってんじゃない!」
「皆、言ってるわよ! アレは人のモンじゃ無いって!!」
「・・・・・・そりゃ、俺は鴉だから」
苦笑してレイヴンが返すと、姉(兄?)がプツンとキレたようだ。
「屁理屈捏ねてんじゃねえ!! そういう意味じゃねえよ!! 獣人の中でもデカブツだって言ってんだろうがよ!!」
「オネエちゃん落ち着いて!! 口調が野郎に戻ってる!!」
「だってよ、コイツッ!!」
「わ、悪かったよ。とにかくアイツに衣類を一揃え頼む」
レイヴンが下手に出たせいか溜飲を下げたらしい店長。
何とか落ち着いたようだ。
「---・・・・・・はあ・・・。了解。で? 一揃えってコトは下着から何から全部って? 独占欲強いわねえ」
「あーいや、それもあるが、アイツ、マキシ丈のシャツ? ワンピース? 一枚しか着てなくてさ・・・」
「ん? シャツが一枚ってコトであってる?」
「---シャツ一枚だけしか着てない」
「・・・・・・他には?」
「ゼロ」
「「---ゼロ・・・」」
レイヴンの応えに一瞬固まってからおそるおそる聞き返す双子。
「・・・・・・まさかとは思うけど・・・ソレを脱いだら・・・?」
「素っ裸」
「「---ギャーッ!!」」
「だから一式頼むって」
「信じらんない! 変態!!」
「鬼畜よ鬼畜!! それでもSランク冒険者の旦那なのアンタ?! 可愛い嫁に貢ぐ気無いのね?!」
「人を変態鬼畜呼ばわりするな! 話を聞け!! 嫁と出逢ったときからそうだったんだよ!! だから今一式揃える為にココに買いに来てんだろうが!!」
店長達につられて思わず大声で叫ぶレイヴンは興奮でハアハアと息を切らせた。
戦闘時だってこうはならない。
店長達はレイヴンのあまりの剣幕に逆にスンッと冷静になった。
二人でしゃがんでレイヴンに背を向けてこそこそと話をする。
「そ、そうよね? よく考えればおかしいわよね。・・・て事は、お嫁さん、まさか今まで酷い目に・・・?!」
「有り得る・・・。そしてレイヴンさんがソレを助けたのね、きっと」
「ソレでお互い、一目惚れ的な?!」
「「キャーッ!!」」
「・・・・・・何を想像してんのか知らんが、いい加減、服を見せろ」
「「はあーい! バッチリ好みのを探してあげるわよ!」」
「ハア?」
急に張り切りだした双子に疲れた顔でついていくレイヴンだった。
そして漸く決まった一式を、組み合わせを替えて数セット揃えて購入し、やっと店をあとにした。
「今度は一緒に来てねー!」
「はいはい、またな・・・」
二人におざなりに返事をするレイヴン。
「あー・・・、疲れた。屋台で適当に飯買ってからおやっさんのところに行って・・・」
そう言いながら来た道を引き返すレイヴンだった。
※続きます。
他の小説の更新が今日出来ないので、代わりにこちらを倍でドン。
部屋を出て階下に行く。
今はちょうど午後4時くらいか。
ブランシュ用の装飾品を急かせて作らせたが、さすがにそれなりに時間がかかったのだ。
鍛冶屋のおやっさんは腕の良いドワーフで頑固者だ。
レイヴンとは顔馴染みとはいえ、そう易々と引き受けてはくれないかなと思っていたが、二つ返事でオッケーが出た。
「良いのか? 忙しいだろう?」
怪訝に思って聞き返すと、おやっさんはガハハッと笑って言った。
「良いってコトよ! 聞いたぜ。お前さん、ついに嫁を貰ったって?! しかももの凄い美人だってな。今、街中その噂で持ちきりよ! コレってその嫁への贈り物だろう? サラマンダーの鱗で自分の羽根のデザインだなんてよ、相当入れ込んでるなあ。何にせよ良いこった! だから今回は俺からのお祝いだ」
「・・・助かるが・・・もう街中、広まってんのか」
さもイヤそうに顔を顰めるレイヴンに追い撃ちをかけるおやっさん。
「お前さん、ココに来る前にもやらかしてたろ。宿に侵入した賊から嫁さん護ったっていうじゃないか。お熱いねえ」
「・・・マジか。・・・いやもう良い・・・とにかく頼んだ」
「おう、きっちり、だが最速で仕上げてやる。どうせ用事あるんだろう?」
「ああ、色々とアイツの買い物が」
「嫁への貢ぎ物かあ。甲斐性あるとこ見せねえとな! その間に仕上げとくから好きに行ってこい!!」
「・・・分かった。じゃあ後でな」
おやっさんとのそんな会話で少々疲れたレイヴンは、服屋でも同じように絡まれた。
双子のオネエ店長達にグイグイ言い寄られる。
「レイヴンさんってば、隅に置けないわね」
「一度、その美人妻連れて来て下さいよ。私達が色々とコーディネートしてあげるわよ」
ガッチリした男だが、綺麗に薄化粧していて口調もオネエのこの二人も美人の類いだ。
だがしかし近付きすぎだ。離れろ。
「いらん。俺が体型を把握しているから俺が選ぶ」
「「キャーッ!! 『体型を把握している』ですって! どんだけ抱いたのよ?! 良いから私達に白状なさい!!」」
煩いくらい反応して詰め寄ってくるオネエ店長達、ちょっとコワイぞ。
あまりの煩さに仕方なく白状する。
「・・・・・・抱き潰した。まだ寝てる」
「「ギャーッ!! マジで?! お嫁さん、良く死ななかったわねー!! ちょっとは加減しなさいよ!!」」
「---あー、暴走した気はする・・・」
絶対に言わないがブランシュのスキルがヤバすぎた。
オネエ店長達は顔を真っ青にして叫ぶ。
「貴方のあのブツで遠慮無しにヤッたら死ぬわよ!!」
「そこんとこ分かってるわよね?! それなのにヤッちゃったの?! まさか一晩中・・・?!」
「あー・・・少なくとも半日はヤってた、かな」
今更だなと思いそう言えば、二人とも膝から崩れ落ちた。
「---・・・・・・死ぬ。私なら死ぬわ」
「オネエちゃんでなくても死ぬわ! アレは凶器よ、百戦錬磨の手練れだって一回でアウトよ・・・・・・ソレを・・・・・・半日・・・・・・」
「・・・・・・お前ら、見たことあんのかよ? ヤッた事ねえよな?」
「そんなの、関係を持ったヤツらが言ってたからに決まってんじゃない!」
「皆、言ってるわよ! アレは人のモンじゃ無いって!!」
「・・・・・・そりゃ、俺は鴉だから」
苦笑してレイヴンが返すと、姉(兄?)がプツンとキレたようだ。
「屁理屈捏ねてんじゃねえ!! そういう意味じゃねえよ!! 獣人の中でもデカブツだって言ってんだろうがよ!!」
「オネエちゃん落ち着いて!! 口調が野郎に戻ってる!!」
「だってよ、コイツッ!!」
「わ、悪かったよ。とにかくアイツに衣類を一揃え頼む」
レイヴンが下手に出たせいか溜飲を下げたらしい店長。
何とか落ち着いたようだ。
「---・・・・・・はあ・・・。了解。で? 一揃えってコトは下着から何から全部って? 独占欲強いわねえ」
「あーいや、それもあるが、アイツ、マキシ丈のシャツ? ワンピース? 一枚しか着てなくてさ・・・」
「ん? シャツが一枚ってコトであってる?」
「---シャツ一枚だけしか着てない」
「・・・・・・他には?」
「ゼロ」
「「---ゼロ・・・」」
レイヴンの応えに一瞬固まってからおそるおそる聞き返す双子。
「・・・・・・まさかとは思うけど・・・ソレを脱いだら・・・?」
「素っ裸」
「「---ギャーッ!!」」
「だから一式頼むって」
「信じらんない! 変態!!」
「鬼畜よ鬼畜!! それでもSランク冒険者の旦那なのアンタ?! 可愛い嫁に貢ぐ気無いのね?!」
「人を変態鬼畜呼ばわりするな! 話を聞け!! 嫁と出逢ったときからそうだったんだよ!! だから今一式揃える為にココに買いに来てんだろうが!!」
店長達につられて思わず大声で叫ぶレイヴンは興奮でハアハアと息を切らせた。
戦闘時だってこうはならない。
店長達はレイヴンのあまりの剣幕に逆にスンッと冷静になった。
二人でしゃがんでレイヴンに背を向けてこそこそと話をする。
「そ、そうよね? よく考えればおかしいわよね。・・・て事は、お嫁さん、まさか今まで酷い目に・・・?!」
「有り得る・・・。そしてレイヴンさんがソレを助けたのね、きっと」
「ソレでお互い、一目惚れ的な?!」
「「キャーッ!!」」
「・・・・・・何を想像してんのか知らんが、いい加減、服を見せろ」
「「はあーい! バッチリ好みのを探してあげるわよ!」」
「ハア?」
急に張り切りだした双子に疲れた顔でついていくレイヴンだった。
そして漸く決まった一式を、組み合わせを替えて数セット揃えて購入し、やっと店をあとにした。
「今度は一緒に来てねー!」
「はいはい、またな・・・」
二人におざなりに返事をするレイヴン。
「あー・・・、疲れた。屋台で適当に飯買ってからおやっさんのところに行って・・・」
そう言いながら来た道を引き返すレイヴンだった。
※続きます。
69
お気に入りに追加
459
あなたにおすすめの小説
【R18】俺とましろの調教性活。
しゅ
BL
作者の趣味しか詰まってない。エロしかない。合法ショタっていいよね。
現実での合言葉は『YES!ショタ!ノータッチ!』
この話の舞台は日本に似てますが、日本じゃないです。異世界です。そうじゃなきゃ色々人権問題やらなにやらかにやら......。
ファンタジーって素晴らしいよね!!
作者と同じ性癖の方、是非お楽しみくださいませ。
それでは、どうぞよしなに。
奴の執着から逃れられない件について
B介
BL
幼稚園から中学まで、ずっと同じクラスだった幼馴染。
しかし、全く仲良くなかったし、あまり話したこともない。
なのに、高校まで一緒!?まあ、今回はクラスが違うから、内心ホッとしていたら、放課後まさかの呼び出され...,
途中からTLになるので、どちらに設定にしようか迷いました。
【完結】白い塔の、小さな世界。〜監禁から自由になったら、溺愛されるなんて聞いてません〜
N2O
BL
溺愛が止まらない騎士団長(虎獣人)×浄化ができる黒髪少年(人間)
ハーレム要素あります。
苦手な方はご注意ください。
※タイトルの ◎ は視点が変わります
※ヒト→獣人、人→人間、で表記してます
※ご都合主義です、あしからず
神獣の僕、ついに人化できることがバレました。
猫いちご
BL
神獣フェンリルのハクです!
片思いの皇子に人化できるとバレました!
突然思いついた作品なので軽い気持ちで読んでくださると幸いです。
好評だった場合、番外編やエロエロを書こうかなと考えています!
本編二話完結。以降番外編。
雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される
Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木)
読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!!
黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。
死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。
闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。
そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。
BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)…
連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。
拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
Noah
俺のスパダリはギャップがすごい 〜いつも爽やかスパダリが豹変すると… 〜
葉月
BL
彼女に振られた夜、何もかも平凡な『佐々木真司』は、何もかも完璧な『立花蓮』に、泥酔していたところを介抱してもらったと言う、最悪な状態で出会った。
真司は蓮に何かお礼がしたいと申し出ると、蓮は「私の手料理を一緒に食べていただけませんか?』と言われ…
平凡なサラリーマンもエリートサラリーマン。住む世界が違う二人が出会い。
二人の関係はどう変わっていくのか…
平凡サラリーマン×スパダリサラリーマンの、濃厚イチャラブストーリー♡
本編(攻め、真司)終了後、受け蓮sideがスタートします。
エロ濃厚な部分は<エロス>と、記載しています。
本編は完結作品です٩(๑´꒳ `๑٩)
他にも何点か投稿しているので、もし宜しければ覗いてやってください(❃´◡`❃)
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる