天然美人魔性植物と強面冒険者のアレコレ(仮)

エウラ

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16 美人なブランシュ

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「さて、一息吐いたところ悪いが、ちょっと冒険者ギルドに行きたいんだが・・・」

レイヴンからの装飾品を身に着けてほわんとしていたブランシュにそう声をかけると、ブランシュがハッとした。

『あの、ギルマスさん達にもの事、知らせた方が良いですよね?』
「---ああ、まあそうなんだが、他にもちょっとな・・・。呼びつけられる前に行っとこうかと」
『・・・はあ、まあ了解です?』

良く分からない顔で頷くブランシュに、コレもさっき買ってきたフード付きの膝丈のコートを羽織らせる。

「じゃあ、コレで顔を隠してくれ。ブランシュはその、綺麗だから目立つ」
『・・・・・・え? 綺麗ですか? そう言えば、やたらと髪も肌も白いなとは思いましたけど』
「---自分の姿を知らないのか?」

レイヴンに問われて、ふむ、と指を顎に添えて俯き、記憶を探っているようなブランシュだったが、おい、そんなに昔の記憶なのか?とレイヴンがちょっと引いた頃にブランシュが顔を上げた。

『・・・・・・全く記憶に無いですね? 鏡も、森には無いですし、水辺・・・も近くにはありませんでしたし』
「・・・・・・そうか、そうだよな。当然か。・・・でもコレは自覚させないとマズいな。ヨシ、ブランシュ、洗面所に鏡があるから、よーく確認しろ。でもって自分が如何に人間離れした美人か自覚しておけ。でないと誰彼構わず速攻で襲われるぞ。・・・・・・主に性的に」
『へあっ?! どういう意味です・・・・・・か・・・』

レイヴンがそう言いながらブランシュを洗面所まで連れて行って鏡の前に立たせると、ブランシュは鏡に移ったモノに声を無くした。

『・・・・・・コレ、僕?』
「そうだ。真っ白い長い髪に翠の瞳、肌は透けるように白くて線も細い。儚げな見た目のドライアドの精霊だ」

レイヴンが容姿を説明しているが、その言葉はブランシュの耳を右から左に通り抜けていった。

---色味は確かに丸っきり違うが・・・。

『・・・コレ、死んだ時の僕の顔ですね・・・』
「---は?」

そう、僕は前世でも細くて小柄で中性的な顔だった。

『色は全然違いますけど。何なら前世ではレイヴンと同じ黒髪黒瞳でしたから、ここまで儚そうでは無かったと思いますけど・・・モテたことないし』
「・・・そう、なのか?」
『はい。僕の国では多少の濃淡の差はありましたけど、ほとんど黒髪黒瞳です。だからレイヴンを見るとホッとするんですよね、見慣れた色だから』

そう言って笑ったブランシュ。
・・・怖がられないなら良かったと、密かにホッとするレイヴン。
黒はクロウを思わせるから、割と嫌がられるので。

---そこは後でブランシュに説明するとして、問題はコッチだ。

例え前世でモテなくてもコッチではあらゆる輩に群がられるだろう。
前世感覚でいられたらとんでもない、無防備極まりない。

『・・・でも、コレでコッチじゃ美人の部類なのか・・・。んぇ? 今って言いました?! いやいやそんなの、もうレイヴンしか旦那様じゃないんだしダメダメ。絶対イヤです!!』

振り返ってレイヴンに向かってブンブンと首をもげそうなほど振った。
ソレを見てレイヴンは苦笑している。

「だから自覚しろと言った。俺が護ってやるが、本人が分かっていないとやりようが無いからな」
『絶対に!! レイヴンから離れません!! もう青姦強姦なんて二度とごめんですっ!!』

そう、力一杯叫ぶブランシュ。
・・・俺との青姦は仕方ないとしても、前世ではよほど酷かったのだろう。
そのせいで死んだという話だったし・・・。

---行けるモノならソイツを八つ裂きにしてやりたいが・・・。

まあ、キッカケはアレだが、俺以外はイヤだと認識して考えを改めたようで良かった。

「それでヨシ。まあ、サラマンダーの鱗に防御魔法や追跡魔法を付与してあるから、少しは安心して良い」
『あっありがとうございます』

嬉しそうに笑うブランシュを抱き上げて部屋を出るレイヴンだった。









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