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5 ドライアドってナニするの?
しおりを挟む「ところで精霊のギルドタグってどうやって作製するんだ? 俺は今まで見たことも聞いたことも無いんだが」
そう言って首を捻るウォーレンにミーティアが和やかに応えた。
「精霊は魔力の登録だけで大丈夫なんですよ。ココだけの話、一般的な血を垂らす行為は偽造防止を更に強くしているだけなんです」
内緒ですよ?とやんわり釘を刺された。
ただし目が笑っていない。
ソレなら最初から教えないでくれ。
思わずその原因となったギルマスに恨めしい視線を送ってしまった。
ギルマスはバツが悪そうにサッと目を逸らしたが。
「そういうわけで、ブランシュ。このタグに魔力を流して下さい。少しで大丈夫です」
『はぁい。ちょびっと・・・えいっ』
ブランシュがぽわんと魔力を流したらタグが光って消えた。
サブギルマスがジッと見て確認をしてからレイヴンに渡した。
「コレは本来はブランシュが持つモノですが、従魔ですし、何か失くしそうで怖いのでレイヴンが自分のタグと一緒に持っていて下さい。それでブランシュにはネックレスなり腕輪なり従魔の証になるモノを身に着けさせて」
すでにブランシュが信用できないと言っているようなモノだが・・・いや、コイツは絶対に失くすな・・・。
「・・・了解です。それで、ブランシュ。タグで色々と確認しても良いか?」
『どーぞどーぞ。私、見ても分かんないと思いますし?』
のほほんと応えるブランシュに溜息を吐くレイヴン。
「・・・少しは理解する努力をしろ」
『ええー? 分かんなくても別に生きていられるしぃ?』
全く困らなさそうな声と表情で返され、若干イラッときた。
ソレを見てウォーレンが苦笑している。
「・・・・・・苦労しそうだな、レイヴン?」
「・・・・・・まあ、精霊ですし・・・気紛れな質でもありますし・・・そのうち? 必要に迫られたら、たぶん・・・?」
ウォーレンの台詞にミーティアはフォローをしたが・・・もの凄く曖昧で断言出来てない。
「・・・・・・絶対、無理だな」
『えへへ・・・・・・?』
レイヴンはこめかみを押さえて、ブランシュは完全に他人事で理解しているのかいないのか・・・。
「まあ、良い。ブランシュ、タグにもう一度魔力を通せ。今度は『全情報開示』と念じろ。口で言っても良いが・・・」
『りょーかいでーす。ほいっ』
レイヴンの指示に気の抜ける返事を返してから、これまたユルい声でかけ声を発するブランシュ。
その瞬間、タグの情報がこの場にいる全員に可視化された。
『・・・・・・おおー。凄いですねぇ・・・』
のほほんと笑うブランシュだが、三人は違った。
「・・・・・・凄いというか・・・」
「・・・いや、凄いですよ。凄いんですけど・・・」
「・・・・・・今までの栄養不足の賜物か・・・」
「ちょっと、言葉のチョイスがオカシイですよ、レイヴン。賜物はマイナスの言葉に使うモンじゃないでしょ」
苦笑してツッコむミーティアだが、確かにコレは一理有るかな、と思った。
何しろ、飢餓状態が続いたおかげで生えて強化されたあろうスキルが山ほどあった。
あったんだが・・・。
「---やっぱりあったな」
「・・・ありましたね」
「・・・・・・いやコレ、俺のせいなのか?」
「元からあったのでしょうが、スキル解除出来たのはレイヴンのおかげでしょうね」
『えー? なぁに?』
ブランシュが覗き込むが、何がおかしいのか分かっていない。
「---『誘い受け』」
「・・・『床上手』」
ウォーレンとミーティアが挙げたスキル名。
他にも色々あったが、どうやら精力不足で解除されていないらしく、グレー表記のままで発動しないらしかった。
---いや、良いんだよ?
確かに誘われたし、床ってのじゃなくて青姦(ソレは仕方なく)だったが、めちゃくちゃ良かったし!!
だがしかし!!
「・・・・・・勘弁してくれ」
堂々と一番最初に載ってるスキルがコレかよ・・・!!
レイヴンはしまいに頭を抱えて項垂れた。
※まだまだ続くよ、スキル確認(笑)!!
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