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65 初依頼報酬とか不穏な気配とか 3
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そういうわけで、今日も今日とてやって来ました、ラヴァのお店!
「邪魔するぞ」
「ラヴァー! ご飯ちょうだーい!」
準備中のプレートがかかった扉をノックもなしに当然のように開けるナハトと僕の催促の声が薄暗い店内に響き渡った。
「・・・・・・お前らな、もう少し遠慮というモノをだな・・・・・・。ハア、今更言っても仕方ないか」
溜め息を吐きながらちょっと待ってろと冷えたジュースを僕に赤ワインをナハトに出して料理を始めたラヴァ。
「ごめんね、ラヴァ。さっき討伐依頼で魔力けっこう使っちゃってお腹ペコペコなんだよ」
「ふーん。初依頼ってヤツか? ユラって腕がいいんだろう? なのにそんなに大変だったのか?」
ステーキを焼きながらチラリと僕達を見てそう言うラヴァに若干申し訳なさそうな気持ちになる。
うん。討伐のあとが大変だったんだよ。言わないけどね。
「まあ、大変っちゃ大変だったのかな? フォレストウルフの討伐でさぁ、最低五頭から。出来れば綺麗な状態で」
「あー・・・・・・群れないから見つけにくい魔獣だな。毛皮目的か? アレ? でも今ここにいるってことは依頼完了したってことか?」
ラヴァもやっぱりナハト達と同じで見つけにくいヤツな認識なんだね。
まあ一応完了はしてるんだけど。
「・・・・・・うん。今、解体作業場に預けてて、査定が終わるの待ってるところ。だからまだ報酬受け取り出来なくて、今日もナハトに出世払い」
「ははは、いくらでも払って貰え。でも五頭くらいならすぐに終わるだろう。その間に昼飯ってことか?」
あ、ごめん、合ってるけどちょっと違うんだな。
「待ち時間にお昼ご飯ていうのはそうなんだけど、夕方くらいまでかかるんだよ」
「・・・・・・解体作業場が混んでるのか?」
怪訝そうに言うラヴァにニコッと笑って応える。
「ううん。数が多すぎて」
「ああ、ユラならけっこう討伐できそうだもんな。何頭ぐらい殺ったんだ?」
「一二七頭」
僕がそう言ったらピタッと固まってしまったラヴァ。
ナハトは僕達の会話の間も黙々と赤ワインを飲んでいたが、ふとラヴァを見ずにぽそっと言った。
「焦げるぞ」
「───っおっと、そうだった! あっぶな! ていうか、何? 聞き間違い!? 俺の耳がおかしくなった!?」
慌ててフライパンの肉を確認してひっくり返すラヴァに苦笑しつつも否定する。
「ううん。おかしくない。合ってるよ。何かいっぱいいたんだよね」
そう言うとラヴァは険しい表情になった。
それを感じたらしいナハトが僕の言葉に補足した。
「安心しろ。ギルドには報告済みだ。今頃はダオラが大忙しだろうよ」
「・・・・・・まさかスタンピードの前兆か?」
ラヴァはフライパンを見つめながら険しい表情のまま呟く。
「どうだろうな。そこはギルドの調査待ちになるだろうが、少なくとも今すぐどうこうなるレベルではない」
「───そっか」
ナハトがそこまで言うのを聞いてやっと表情を和らげるラヴァに、僕も知らず肩に力が入っていたようでホッと力が抜けた。
「・・・・・・スタンピードってそんなに大変なことなんだ?」
ナハトに聞いてみた。僕のいた世界では物語やゲームの中の話だから今イチピンと来ない。
「ああ、そうか、ユラは知らないもんな。魔物の大量発生や大暴走で、小さな村や街はおろか、規模によっちゃあココみたいな大きな街も壊滅するようなヤツだ」
「そうだな。たくさん死人が出るし、生き残ったとしても復旧には時間も金も人手もかなり必要だろうな」
「・・・・・・うわぁ・・・・・・」
この世界の防衛戦がどういうモノか知らないけど、魔法があってもかなりヤバいってことか。
「だからまあ、ナハトの今すぐどうこうじゃないってのでちょっと安心した」
「ああ、うん。ナハトのコレまでの経験とかで裏付けされた話なら安心出来るよね」
反対にナハトがヤバいって言ったらソレこそこの世の終わりみたいな?
僕はちょっと笑えないなぁと、心の中で苦笑した。
「邪魔するぞ」
「ラヴァー! ご飯ちょうだーい!」
準備中のプレートがかかった扉をノックもなしに当然のように開けるナハトと僕の催促の声が薄暗い店内に響き渡った。
「・・・・・・お前らな、もう少し遠慮というモノをだな・・・・・・。ハア、今更言っても仕方ないか」
溜め息を吐きながらちょっと待ってろと冷えたジュースを僕に赤ワインをナハトに出して料理を始めたラヴァ。
「ごめんね、ラヴァ。さっき討伐依頼で魔力けっこう使っちゃってお腹ペコペコなんだよ」
「ふーん。初依頼ってヤツか? ユラって腕がいいんだろう? なのにそんなに大変だったのか?」
ステーキを焼きながらチラリと僕達を見てそう言うラヴァに若干申し訳なさそうな気持ちになる。
うん。討伐のあとが大変だったんだよ。言わないけどね。
「まあ、大変っちゃ大変だったのかな? フォレストウルフの討伐でさぁ、最低五頭から。出来れば綺麗な状態で」
「あー・・・・・・群れないから見つけにくい魔獣だな。毛皮目的か? アレ? でも今ここにいるってことは依頼完了したってことか?」
ラヴァもやっぱりナハト達と同じで見つけにくいヤツな認識なんだね。
まあ一応完了はしてるんだけど。
「・・・・・・うん。今、解体作業場に預けてて、査定が終わるの待ってるところ。だからまだ報酬受け取り出来なくて、今日もナハトに出世払い」
「ははは、いくらでも払って貰え。でも五頭くらいならすぐに終わるだろう。その間に昼飯ってことか?」
あ、ごめん、合ってるけどちょっと違うんだな。
「待ち時間にお昼ご飯ていうのはそうなんだけど、夕方くらいまでかかるんだよ」
「・・・・・・解体作業場が混んでるのか?」
怪訝そうに言うラヴァにニコッと笑って応える。
「ううん。数が多すぎて」
「ああ、ユラならけっこう討伐できそうだもんな。何頭ぐらい殺ったんだ?」
「一二七頭」
僕がそう言ったらピタッと固まってしまったラヴァ。
ナハトは僕達の会話の間も黙々と赤ワインを飲んでいたが、ふとラヴァを見ずにぽそっと言った。
「焦げるぞ」
「───っおっと、そうだった! あっぶな! ていうか、何? 聞き間違い!? 俺の耳がおかしくなった!?」
慌ててフライパンの肉を確認してひっくり返すラヴァに苦笑しつつも否定する。
「ううん。おかしくない。合ってるよ。何かいっぱいいたんだよね」
そう言うとラヴァは険しい表情になった。
それを感じたらしいナハトが僕の言葉に補足した。
「安心しろ。ギルドには報告済みだ。今頃はダオラが大忙しだろうよ」
「・・・・・・まさかスタンピードの前兆か?」
ラヴァはフライパンを見つめながら険しい表情のまま呟く。
「どうだろうな。そこはギルドの調査待ちになるだろうが、少なくとも今すぐどうこうなるレベルではない」
「───そっか」
ナハトがそこまで言うのを聞いてやっと表情を和らげるラヴァに、僕も知らず肩に力が入っていたようでホッと力が抜けた。
「・・・・・・スタンピードってそんなに大変なことなんだ?」
ナハトに聞いてみた。僕のいた世界では物語やゲームの中の話だから今イチピンと来ない。
「ああ、そうか、ユラは知らないもんな。魔物の大量発生や大暴走で、小さな村や街はおろか、規模によっちゃあココみたいな大きな街も壊滅するようなヤツだ」
「そうだな。たくさん死人が出るし、生き残ったとしても復旧には時間も金も人手もかなり必要だろうな」
「・・・・・・うわぁ・・・・・・」
この世界の防衛戦がどういうモノか知らないけど、魔法があってもかなりヤバいってことか。
「だからまあ、ナハトの今すぐどうこうじゃないってのでちょっと安心した」
「ああ、うん。ナハトのコレまでの経験とかで裏付けされた話なら安心出来るよね」
反対にナハトがヤバいって言ったらソレこそこの世の終わりみたいな?
僕はちょっと笑えないなぁと、心の中で苦笑した。
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