56 / 76
53 吸血鬼の口吻 1
しおりを挟む
ラヴァの店でお昼ご飯を食べたあと。
街の屋台でいろんな料理を買い漁り、僕のアイテムボックスであるポーチ(大)にどんどん入れていく。
「非常食というか、ちょっと今夜はユラがゆっくり作って食べられなさそうだから・・・・・・」
「? それはどういう・・・・・・?」
ナハトの言葉に僕はキョトンとしたが、応える気はないのかナハトは僕をヒョイッと抱え上げると郊外の家にもの凄いスピードで走って戻った。
さすがSランクだけあって身体能力も凄いな、と言ったらこれでも日中は多少力が弱くなるんだって言われた。
まぁ、吸血鬼の真祖だって言ってもやっぱり夜に生きる種族だもんね。
でもそれって逆に言えば夜はめちゃくちゃ強いってことでしょ? 今でも弱小化してアレだけ強いのに本気モードのナハトはどれだけ強いんだろう?
───なんて思ったことが違う意味でフラグだったと思い知らされている僕。・・・・・・現在進行形で。
まさかこれから正式に番うなんて思ってもいなかった僕は、アレからずっとナハトにイカされている。
最初は魔力供給で抱かれるんだろうなと軽い気持ちでいた。
だからナハトに促されるままに風呂に入ってサッパリして、着替えもせずにタオルで身体を拭いただけでベッドに押し倒されても『やっぱりヤるんだな』と思っただけで。
でも一度中出しされて魔力がだいぶ回復したのを確認したナハトはいつもの赤紫色の瞳をルビーのように紅く煌めかせて言った。
「これから、前に言った『正式な番い』をしたいんだが・・・・・・」
「・・・・・・ああ最初のときに、そういえば奥まで挿入出来たら番うとか何とか言ってたっけ? 奥・・・・・・って、え? まさか結腸抜くとか?」
前に部隊の連中が下ネタでそんなことを言ってたような?
そんなの無理じゃんって思ってたけど───。
「・・・・・・マジ?」
ちょっと頬を引き攣らせてそう言うと、ナハトは真剣な表情で告げた。
「これからソコまで挿入して咬むから。───そうしたら俺と一生離れられなくなる。それでも・・・・・・いいか?」
真剣な表情の中に、少しの不安と寂しさ、罪悪感のような色が見え隠れしている。
ナハトは万単位の年月を生きる不老不死の存在だ。たぶん数え切れないほどの死と別れを見てきたはず。
その中で折り合いをつけ、独りで生きてきたのだろう。
───僕は正直、不老不死になりたいとか思わないけど、ナハトのために、ナハトを独りにしないためにそうなっても良いと思ってる。
・・・・・・いや違うな。
僕は自分が独りになりたくなくて、知ってしまった優しい手を離したくなくて、ナハトの話に乗るんだ。
だからこれは僕の我が儘でもあるから、ナハトがそんな辛そうな顔をしなくていいんだよ。
そう思ったことをぶっちゃけると、ナハトは苦笑し頷いた。いや本当の想いだからな!
「ありがとう。じゃあ、まずは奥まで挿入出来るように頑張ろうな」
「・・・・・・あ、うん・・・・・・そーだね・・・・・・」
にっこり笑って言うナハトに、ちょっとはやまった気がして若干後悔するのは全てのコトが済んでからだったのだが・・・・・・。
街の屋台でいろんな料理を買い漁り、僕のアイテムボックスであるポーチ(大)にどんどん入れていく。
「非常食というか、ちょっと今夜はユラがゆっくり作って食べられなさそうだから・・・・・・」
「? それはどういう・・・・・・?」
ナハトの言葉に僕はキョトンとしたが、応える気はないのかナハトは僕をヒョイッと抱え上げると郊外の家にもの凄いスピードで走って戻った。
さすがSランクだけあって身体能力も凄いな、と言ったらこれでも日中は多少力が弱くなるんだって言われた。
まぁ、吸血鬼の真祖だって言ってもやっぱり夜に生きる種族だもんね。
でもそれって逆に言えば夜はめちゃくちゃ強いってことでしょ? 今でも弱小化してアレだけ強いのに本気モードのナハトはどれだけ強いんだろう?
───なんて思ったことが違う意味でフラグだったと思い知らされている僕。・・・・・・現在進行形で。
まさかこれから正式に番うなんて思ってもいなかった僕は、アレからずっとナハトにイカされている。
最初は魔力供給で抱かれるんだろうなと軽い気持ちでいた。
だからナハトに促されるままに風呂に入ってサッパリして、着替えもせずにタオルで身体を拭いただけでベッドに押し倒されても『やっぱりヤるんだな』と思っただけで。
でも一度中出しされて魔力がだいぶ回復したのを確認したナハトはいつもの赤紫色の瞳をルビーのように紅く煌めかせて言った。
「これから、前に言った『正式な番い』をしたいんだが・・・・・・」
「・・・・・・ああ最初のときに、そういえば奥まで挿入出来たら番うとか何とか言ってたっけ? 奥・・・・・・って、え? まさか結腸抜くとか?」
前に部隊の連中が下ネタでそんなことを言ってたような?
そんなの無理じゃんって思ってたけど───。
「・・・・・・マジ?」
ちょっと頬を引き攣らせてそう言うと、ナハトは真剣な表情で告げた。
「これからソコまで挿入して咬むから。───そうしたら俺と一生離れられなくなる。それでも・・・・・・いいか?」
真剣な表情の中に、少しの不安と寂しさ、罪悪感のような色が見え隠れしている。
ナハトは万単位の年月を生きる不老不死の存在だ。たぶん数え切れないほどの死と別れを見てきたはず。
その中で折り合いをつけ、独りで生きてきたのだろう。
───僕は正直、不老不死になりたいとか思わないけど、ナハトのために、ナハトを独りにしないためにそうなっても良いと思ってる。
・・・・・・いや違うな。
僕は自分が独りになりたくなくて、知ってしまった優しい手を離したくなくて、ナハトの話に乗るんだ。
だからこれは僕の我が儘でもあるから、ナハトがそんな辛そうな顔をしなくていいんだよ。
そう思ったことをぶっちゃけると、ナハトは苦笑し頷いた。いや本当の想いだからな!
「ありがとう。じゃあ、まずは奥まで挿入出来るように頑張ろうな」
「・・・・・・あ、うん・・・・・・そーだね・・・・・・」
にっこり笑って言うナハトに、ちょっとはやまった気がして若干後悔するのは全てのコトが済んでからだったのだが・・・・・・。
623
お気に入りに追加
1,119
あなたにおすすめの小説

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み

婚約破棄を傍観していた令息は、部外者なのにキーパーソンでした
Cleyera
BL
貴族学院の交流の場である大広間で、一人の女子生徒を囲む四人の男子生徒たち
その中に第一王子が含まれていることが周囲を不安にさせ、王子の婚約者である令嬢は「その娼婦を側に置くことをおやめ下さい!」と訴える……ところを見ていた傍観者の話
:注意:
作者は素人です
傍観者視点の話
人(?)×人
安心安全の全年齢!だよ(´∀`*)
侯爵様の愛人ですが、その息子にも愛されてます
muku
BL
魔術師フィアリスは、地底の迷宮から湧き続ける魔物を倒す使命を担っているリトスロード侯爵家に雇われている。
仕事は魔物の駆除と、侯爵家三男エヴァンの家庭教師。
成人したエヴァンから突然恋心を告げられたフィアリスは、大いに戸惑うことになる。
何故ならフィアリスは、エヴァンの父とただならぬ関係にあったのだった。
汚れた自分には愛される価値がないと思いこむ美しい魔術師の青年と、そんな師を一心に愛し続ける弟子の物語。

【書籍化進行中】ヒヨコの刷り込みなんて言わないで。魅了の俺と不器用なおっさん
tamura-k
BL
気づいたら知らない森の中に居た緑川颯太(みどりかわそうた)は、通りかかった30代前半のイケオジ冒険者のダグラスに運よく拾ってもらった。
何もわからない颯太に、ダグラスは一緒に町に行くことを提案した。
小遣い稼ぎに薬草を摘みながら町を目指して歩いていたが、どうやら颯太にはとんでもないスキルがあるらしいと判明。
ええ?魅了??なにそれ、俺、どうしたらいいんだよ?
一回りも違う気の良いイケオジ・ダグラスと年下・ツンデレなりそこない系のソウタ。
それはヒヨコの刷り込みと同じってバカにすんな!
俺の幸せは俺が決めるもんだろう?
年の差がお好きな方へ。
※はRぽい描写あり
************
書籍化の声をかけていただきまして、現在進行中です。
決まりましたら改めてお知らせいたします。
また、発売予定の一カ月前にはアルファポリス様の規約により、こちらは全て削除いたします。
(ムーンノベルの方ではそのままです)

寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
【完結】竜を愛する悪役令嬢と、転生従者の謀りゴト
しゃもじ
BL
貴族の間で婚約破棄が流行し、歪みに歪んだサンドレア王国。
飛竜騎士団率いる悪役令嬢のもとに従者として転生した主人公グレイの目的は、前世で成し遂げられなかったゲームクリア=大陸統治を目指すこと、そして敬愛するメルロロッティ嬢の幸せを成就すること。
前世の記憶『予知』のもと、目的達成のためグレイは奔走するが、メルロロッティ嬢の婚約破棄後、少しずつ歴史は歪曲しグレイの予知からズレはじめる……
*主人公の股緩め、登場キャラ貞操観念低め、性癖尖り目、ピュア成分低めです。苦手な方はご注意ください。
*他サイト様にも投稿している作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる