(仮)攫われて異世界

エウラ

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53 吸血鬼の口吻 1

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ラヴァの店でお昼ご飯を食べたあと。

街の屋台でいろんな料理を買い漁り、僕のアイテムボックスであるポーチ(大)にどんどん入れていく。

「非常食というか、ちょっと今夜はユラがゆっくり作って食べられなさそうだから・・・・・・」
「? それはどういう・・・・・・?」

ナハトの言葉に僕はキョトンとしたが、応える気はないのかナハトは僕をヒョイッと抱え上げると郊外の家にもの凄いスピードで走って戻った。

さすがSランクだけあって身体能力も凄いな、と言ったらこれでも日中は多少力が弱くなるんだって言われた。
まぁ、吸血鬼の真祖だって言ってもやっぱり夜に生きる種族だもんね。
でもそれって逆に言えば夜はめちゃくちゃ強いってことでしょ? 今でも弱小化してアレだけ強いのに本気モードのナハトはどれだけ強いんだろう?

───なんて思ったことが違う意味でフラグだったと思い知らされている僕。・・・・・・現在進行形で。

まさかこれからなんて思ってもいなかった僕は、アレからずっとナハトにイカされている。

最初は魔力供給で抱かれるんだろうなと軽い気持ちでいた。
だからナハトに促されるままに風呂に入ってサッパリして、着替えもせずにタオルで身体を拭いただけでベッドに押し倒されても『やっぱりヤるんだな』と思っただけで。

でも一度中出しされて魔力がだいぶ回復したのを確認したナハトはいつもの赤紫色の瞳をルビーのように紅く煌めかせて言った。

「これから、前に言った『正式な番い』をしたいんだが・・・・・・」
「・・・・・・ああ最初のときに、そういえば奥まで挿入出来たら番うとか何とか言ってたっけ? 奥・・・・・・って、え? まさか結腸抜くとか?」

前に部隊の連中が下ネタでそんなことを言ってたような?
そんなの無理じゃんって思ってたけど───。

「・・・・・・マジ?」

ちょっと頬を引き攣らせてそう言うと、ナハトは真剣な表情で告げた。

「これからソコまで挿入して咬むから。───そうしたら俺と一生離れられなくなる。それでも・・・・・・いいか?」

真剣な表情の中に、少しの不安と寂しさ、罪悪感のような色が見え隠れしている。

ナハトは万単位の年月を生きる不老不死の存在だ。たぶん数え切れないほどの死と別れを見てきたはず。
その中で折り合いをつけ、独りで生きてきたのだろう。

───僕は正直、不老不死になりたいとか思わないけど、ナハトのために、ナハトを独りにしないためにそうなっても良いと思ってる。
・・・・・・いや違うな。
僕は自分が独りになりたくなくて、知ってしまった優しい手を離したくなくて、ナハトの話に乗るんだ。

だからこれは僕の我が儘でもあるから、ナハトがそんな辛そうな顔をしなくていいんだよ。

そう思ったことをぶっちゃけると、ナハトは苦笑し頷いた。いや本当の想いだからな!

「ありがとう。じゃあ、まずは奥まで挿入出来るように頑張ろうな」
「・・・・・・あ、うん・・・・・・そーだね・・・・・・」

にっこり笑って言うナハトに、ちょっとはやまった気がして若干後悔するのは全てのコトが済んでからだったのだが・・・・・・。










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