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46 精霊王と密談(sideエアリアル)
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空気を読んだユラが都合よくいい訳をしてナハトを連れて出て行ったあと。
執務室に残った私達と精霊王達は膝を突き合わせて話を始めた。
「それでは精霊王様方に私達の知り得る情報をお伝えしましょうか」
そう言うとブレンが渋い顔で言った。
『うむ。何やらキナ臭い情報のようだな』
『さっき目配せしてユラを部屋から出してたわね』
ティアも気付いていたようだ。いや、精霊王全員が分かっていたらしいな。
「ええ。これから話す事柄は精霊王様方を不快にさせ、なおかつ激怒させることになるでしょう」
そう前置きをする。
「ですがここで暴走されてはさすがに冒険者ギルドもタダでは済みませんので、感情的にはならないで下さい」
「地下鍛錬場のユラ君にも悟られるでしょうし、危険が及ぶかもしれませんので、くれぐれも自制をお願いいたします」
私に続いてダオラも釘を刺した。
いや本当に、この方々が暴走したら下手をすればアムリタの街が更地になるからな。
『・・・・・・む、善処しよう』
『話によるけど、我慢するわ』
「・・・・・・」
微妙に心配だが仕方ない。
そう思いながらユラのステータスの情報やユラのタグのこと、ユラのこれまでの言動などを事細かに説明していく。
───案の定、奴隷や暗殺者のところですでに空気がピリピリと痛い。
話し終える頃には殺気立った精霊王達の圧で息苦しくなった。
「・・・・・・っ精霊王様方、抑えて下さい」
何とかそう言うと、ハッとして殺気を消してくれた。
『済まぬ、つい』
『いや、聞くに堪えない情報で我を忘れそうになったわ』
「いえ、私達も聞いたときには同じようなものでしたから。ただ、クロノス様の言っていたことが真実であれば、私達には手の出しようがないので───」
そう。どれほど怒りを向けようと相手はこの世界にはいないということになる。
私達はこの怒りをぶつける先を失ったのだ。
『本当に口惜しいな』
『・・・・・・でも帰ってきてくれたんだし。今はユラを甘やかして幸せにすることに全力を注ごうぜ』
『そうそう。過去よりも今、そしてその先の未来よ!』
『うんうん。どうにもならないことに時間を割くより、ユラと一緒に過ごす方が何万倍も有意義で幸せ』
などなど、めいめいに思いを口に出すと、最終的にはユラと共に歩むことを最優先にしたようだ。
「それは私達も賛成です」
『うむ。では我らは一度戻ろうか。他の精霊達にもユラの出自を口止めせねば』
『ユラがいいと言うまで、悪いがノスタルジア達に真実は話せない。我らはユラを、愛し子を第一に動くからな』
「そうですね。よろしくお願いします」
そうして精霊王達は執務室から去って行った。それぞれ聖域にでも帰ったのだろう。
まあユラが喚べばすぐに現れそうではあるが、ユラの魔法がとんでもないことになりそうだからな。今は来ないで欲しい。
───あのあとダオラと再び地下鍛錬場に向かった私は、ナハトと二人だけの世界を作るユラを見たあと、ボコボコだった地面と壁を確認して、そう思った。
ダオラも渋い顔をしていたので、たぶん同じことを思っていると思う。
執務室に残った私達と精霊王達は膝を突き合わせて話を始めた。
「それでは精霊王様方に私達の知り得る情報をお伝えしましょうか」
そう言うとブレンが渋い顔で言った。
『うむ。何やらキナ臭い情報のようだな』
『さっき目配せしてユラを部屋から出してたわね』
ティアも気付いていたようだ。いや、精霊王全員が分かっていたらしいな。
「ええ。これから話す事柄は精霊王様方を不快にさせ、なおかつ激怒させることになるでしょう」
そう前置きをする。
「ですがここで暴走されてはさすがに冒険者ギルドもタダでは済みませんので、感情的にはならないで下さい」
「地下鍛錬場のユラ君にも悟られるでしょうし、危険が及ぶかもしれませんので、くれぐれも自制をお願いいたします」
私に続いてダオラも釘を刺した。
いや本当に、この方々が暴走したら下手をすればアムリタの街が更地になるからな。
『・・・・・・む、善処しよう』
『話によるけど、我慢するわ』
「・・・・・・」
微妙に心配だが仕方ない。
そう思いながらユラのステータスの情報やユラのタグのこと、ユラのこれまでの言動などを事細かに説明していく。
───案の定、奴隷や暗殺者のところですでに空気がピリピリと痛い。
話し終える頃には殺気立った精霊王達の圧で息苦しくなった。
「・・・・・・っ精霊王様方、抑えて下さい」
何とかそう言うと、ハッとして殺気を消してくれた。
『済まぬ、つい』
『いや、聞くに堪えない情報で我を忘れそうになったわ』
「いえ、私達も聞いたときには同じようなものでしたから。ただ、クロノス様の言っていたことが真実であれば、私達には手の出しようがないので───」
そう。どれほど怒りを向けようと相手はこの世界にはいないということになる。
私達はこの怒りをぶつける先を失ったのだ。
『本当に口惜しいな』
『・・・・・・でも帰ってきてくれたんだし。今はユラを甘やかして幸せにすることに全力を注ごうぜ』
『そうそう。過去よりも今、そしてその先の未来よ!』
『うんうん。どうにもならないことに時間を割くより、ユラと一緒に過ごす方が何万倍も有意義で幸せ』
などなど、めいめいに思いを口に出すと、最終的にはユラと共に歩むことを最優先にしたようだ。
「それは私達も賛成です」
『うむ。では我らは一度戻ろうか。他の精霊達にもユラの出自を口止めせねば』
『ユラがいいと言うまで、悪いがノスタルジア達に真実は話せない。我らはユラを、愛し子を第一に動くからな』
「そうですね。よろしくお願いします」
そうして精霊王達は執務室から去って行った。それぞれ聖域にでも帰ったのだろう。
まあユラが喚べばすぐに現れそうではあるが、ユラの魔法がとんでもないことになりそうだからな。今は来ないで欲しい。
───あのあとダオラと再び地下鍛錬場に向かった私は、ナハトと二人だけの世界を作るユラを見たあと、ボコボコだった地面と壁を確認して、そう思った。
ダオラも渋い顔をしていたので、たぶん同じことを思っていると思う。
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