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28 微*まさに現実逃避 1
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*後半からヌルくR18入ります。まだお触り程度ですが背後注意*
───つっっっかれたー!
ラヴァの店を出て、いざ食材と調理器具の買い出し! と意気込んだものの、行く先々で注目を浴び、主にナハトに声をかけてくる人達をあしらいながらの買い物は、本当に疲れた。
いや、抱っこ移動だったから体力的には全然平気だったけど、精神的疲労はどうにもならない。
元々表に出ない生活だったからあんまり気にならなかったけど、人の視線がこんなに煩わしいとは。
ちょっと舐めてたわ。
特にナハトに向く熱のこもった視線がもう、気持ち悪くてイヤで。自分に向かう嫌悪や嫉妬の視線なんかは無視できるのに。
まだその視線をナハトがガン無視で冷たい対応だったから我慢できたけど、コレってやっぱり嫉妬なのかな・・・・・・?
「・・・・・・はぁ・・・・・・」
「ユラ、疲れたな。何か食べるか?」
「・・・・・・んー、今はいいかな」
もやもやした気持ちに加えて疲れすぎて、そんな気分じゃないや。
「じゃあ、買ってきたものは適当にしまっておくからゆっくりしてるといい」
「あー・・・・・・うん。ありがとう」
ソファに行儀悪く寄りかかっていた僕は、ブーツを脱いでソファに横になった。
ナハトの身体に合わせて買ったであろうソファは、僕が寝転んでも全然足も出ないくらい大きくて嬉しいやら悔しいやら。
今更ながら、僕はここでは小さいんだなと再認識させられる。
「ああ、でもコレだけでも余裕でシングルベッドになるくらい、クッション効いてて気持ちい・・・・・・」
目を閉じれば、思ったよりも疲れていたのか、あっという間に睡魔に襲われた。
僕はそれに抗わずに身体の力を抜いた。
───濃い出来事がたくさんあったなぁ。
双子の誕生日パーティーからわずか一日足らずで僕の生活は一変した。
知らない世界、知らない人種、いつの間にか変わっていた自分のことも───。
ちょっとでいいから、全部忘れさせて欲しい。
───そう思って寝たのがいけなかったのだろうか?
意識が浮上する。
カーテンで閉めきられた薄暗い部屋に響く、ピチャピチャという水音。
何? 今、何時なんだろう?
気付いたら僕は、朝目覚めたナハトの部屋のベッドの上で深いキスをされていた。
「・・・・・・んっ・・・・・・ふ───っ」
唇ごと食まれて舌を絡め取られ、時折歯を立てられてチクリと痛みが襲う。それすらも、何一つ経験のない僕には気持ちよくて。
「・・・・・・あっ、ナ・・・・・・ハト・・・・・・何でぇ?」
「ん・・・・・・気持ちいいな、ユラ」
「───ぁ、違っ・・・・・・!」
───僕が言いたいのは、何でこういうことになってるのかってことでぇっ!
それなのに撫ぜる手に感じて言葉が続かない。
そう、僕の脇腹を撫ぜる手に、ようやく自分が何も身に着けていないことに気付いた。
脇腹だけじゃない。もう片方の手は首筋を滑っていき、鎖骨をなぞって、僕の胸の尖りをさわさわと撫ぜた。
「あっ」
「・・・・・・感じるんだ? もしかして初めてじゃないのか?」
「は、初めてに、決まって───ひ」
荒くなった息を整えながらそう言うと、急にぬるっとした感触がして肌が粟立った。
見るとナハトが僕の右胸の乳首をねっとりと舐めているのが見えた。
「───そういえば、俺の体液には媚薬の効果があったな」
「・・・・・・はっ!? なな、何そのエロい仕様!?」
───すっかり忘れてた、なんて呟いてるナハトをガン見した。
一体ナハトって何者なんだよ!?
僕が見ているのに気付いたナハトが僕に視線を合わせてニヤリと笑うと、今度は口に含んで舌で転がしだした。
「───っ!? なっ、あっ・・・・・・!」
自分で洗う以外に誰かに触られたこともない、ただの男の乳首を美味しそうに舐めたり吸ったりするナハトの絵面が視覚の暴力となって僕を興奮させる。
僕の陰茎が緩く勃ち上がってきているのが分かって、思わずもじっと足を擦り合わせてしまった。
それを見逃すはずがないナハトに、これまた誰にも触らせたことがない陰茎をそっと撫ぜられて・・・・・・。
「あっ・・・・・・! だめ、ナハト───!?」
「大丈夫、優しくしてやるから」
そう言ってどこから出したのか甘い香りのする潤滑油みたいなものを手に塗りたくって、僕の陰茎をさっきよりもしっかり掴んで扱き出した。
「───ぅあっ! ヤッ・・・・・・やめ・・・・・・っ」
ナニコレ、他人の手でされるのって、気持ちいい。絶対に嫌悪感しか湧かないと思ってたのに。
───ナハトだから?
くちゅくちゅと卑猥で粘着質な水音が僕の耳を犯す。
自分でやる自慰と違ってタイミングとか加減とか無茶苦茶だから、イキそうになると緩められて。
少ししてまたイイトコロをグリッと攻められるという繰り返しに、僕の方が折れた。
───だって、こんな行為は拷問訓練にも入ってなかった。こんな性的な刺激は初めてで、コレを我慢とか慣れろとか無理だってぇー!
「───っナハト・・・・・・お願い・・・・・・」
「・・・・・・うん?」
「イか、イかせて・・・・・・! もう、出したい」
「・・・・・・まだ我慢できるんじゃないの?」
恥を忍んでそう懇願したのに、ナハトはあろうことかそう言ってまた焦らす。
僕は身体の腹の奥に篭もった熱をどうにかしたくて、ふるふると首を横に振った。
その拍子に目尻に溜まっていた涙がぽろぽろと溢れたけど構うもんか。
「も、ムリ・・・・・・こんな、はじ、初めてで、気持ちいいのに、辛いって───!」
「───っ、そうだな。意地悪だった」
スマン、なんて呟きが聞こえたような気がしたけど、そのあとすぐに望んだ刺激が与えられて吐精した僕の意識は一瞬、トんだ。
*次話はガッツリR18予定。お待たせ致しました。
───つっっっかれたー!
ラヴァの店を出て、いざ食材と調理器具の買い出し! と意気込んだものの、行く先々で注目を浴び、主にナハトに声をかけてくる人達をあしらいながらの買い物は、本当に疲れた。
いや、抱っこ移動だったから体力的には全然平気だったけど、精神的疲労はどうにもならない。
元々表に出ない生活だったからあんまり気にならなかったけど、人の視線がこんなに煩わしいとは。
ちょっと舐めてたわ。
特にナハトに向く熱のこもった視線がもう、気持ち悪くてイヤで。自分に向かう嫌悪や嫉妬の視線なんかは無視できるのに。
まだその視線をナハトがガン無視で冷たい対応だったから我慢できたけど、コレってやっぱり嫉妬なのかな・・・・・・?
「・・・・・・はぁ・・・・・・」
「ユラ、疲れたな。何か食べるか?」
「・・・・・・んー、今はいいかな」
もやもやした気持ちに加えて疲れすぎて、そんな気分じゃないや。
「じゃあ、買ってきたものは適当にしまっておくからゆっくりしてるといい」
「あー・・・・・・うん。ありがとう」
ソファに行儀悪く寄りかかっていた僕は、ブーツを脱いでソファに横になった。
ナハトの身体に合わせて買ったであろうソファは、僕が寝転んでも全然足も出ないくらい大きくて嬉しいやら悔しいやら。
今更ながら、僕はここでは小さいんだなと再認識させられる。
「ああ、でもコレだけでも余裕でシングルベッドになるくらい、クッション効いてて気持ちい・・・・・・」
目を閉じれば、思ったよりも疲れていたのか、あっという間に睡魔に襲われた。
僕はそれに抗わずに身体の力を抜いた。
───濃い出来事がたくさんあったなぁ。
双子の誕生日パーティーからわずか一日足らずで僕の生活は一変した。
知らない世界、知らない人種、いつの間にか変わっていた自分のことも───。
ちょっとでいいから、全部忘れさせて欲しい。
───そう思って寝たのがいけなかったのだろうか?
意識が浮上する。
カーテンで閉めきられた薄暗い部屋に響く、ピチャピチャという水音。
何? 今、何時なんだろう?
気付いたら僕は、朝目覚めたナハトの部屋のベッドの上で深いキスをされていた。
「・・・・・・んっ・・・・・・ふ───っ」
唇ごと食まれて舌を絡め取られ、時折歯を立てられてチクリと痛みが襲う。それすらも、何一つ経験のない僕には気持ちよくて。
「・・・・・・あっ、ナ・・・・・・ハト・・・・・・何でぇ?」
「ん・・・・・・気持ちいいな、ユラ」
「───ぁ、違っ・・・・・・!」
───僕が言いたいのは、何でこういうことになってるのかってことでぇっ!
それなのに撫ぜる手に感じて言葉が続かない。
そう、僕の脇腹を撫ぜる手に、ようやく自分が何も身に着けていないことに気付いた。
脇腹だけじゃない。もう片方の手は首筋を滑っていき、鎖骨をなぞって、僕の胸の尖りをさわさわと撫ぜた。
「あっ」
「・・・・・・感じるんだ? もしかして初めてじゃないのか?」
「は、初めてに、決まって───ひ」
荒くなった息を整えながらそう言うと、急にぬるっとした感触がして肌が粟立った。
見るとナハトが僕の右胸の乳首をねっとりと舐めているのが見えた。
「───そういえば、俺の体液には媚薬の効果があったな」
「・・・・・・はっ!? なな、何そのエロい仕様!?」
───すっかり忘れてた、なんて呟いてるナハトをガン見した。
一体ナハトって何者なんだよ!?
僕が見ているのに気付いたナハトが僕に視線を合わせてニヤリと笑うと、今度は口に含んで舌で転がしだした。
「───っ!? なっ、あっ・・・・・・!」
自分で洗う以外に誰かに触られたこともない、ただの男の乳首を美味しそうに舐めたり吸ったりするナハトの絵面が視覚の暴力となって僕を興奮させる。
僕の陰茎が緩く勃ち上がってきているのが分かって、思わずもじっと足を擦り合わせてしまった。
それを見逃すはずがないナハトに、これまた誰にも触らせたことがない陰茎をそっと撫ぜられて・・・・・・。
「あっ・・・・・・! だめ、ナハト───!?」
「大丈夫、優しくしてやるから」
そう言ってどこから出したのか甘い香りのする潤滑油みたいなものを手に塗りたくって、僕の陰茎をさっきよりもしっかり掴んで扱き出した。
「───ぅあっ! ヤッ・・・・・・やめ・・・・・・っ」
ナニコレ、他人の手でされるのって、気持ちいい。絶対に嫌悪感しか湧かないと思ってたのに。
───ナハトだから?
くちゅくちゅと卑猥で粘着質な水音が僕の耳を犯す。
自分でやる自慰と違ってタイミングとか加減とか無茶苦茶だから、イキそうになると緩められて。
少ししてまたイイトコロをグリッと攻められるという繰り返しに、僕の方が折れた。
───だって、こんな行為は拷問訓練にも入ってなかった。こんな性的な刺激は初めてで、コレを我慢とか慣れろとか無理だってぇー!
「───っナハト・・・・・・お願い・・・・・・」
「・・・・・・うん?」
「イか、イかせて・・・・・・! もう、出したい」
「・・・・・・まだ我慢できるんじゃないの?」
恥を忍んでそう懇願したのに、ナハトはあろうことかそう言ってまた焦らす。
僕は身体の腹の奥に篭もった熱をどうにかしたくて、ふるふると首を横に振った。
その拍子に目尻に溜まっていた涙がぽろぽろと溢れたけど構うもんか。
「も、ムリ・・・・・・こんな、はじ、初めてで、気持ちいいのに、辛いって───!」
「───っ、そうだな。意地悪だった」
スマン、なんて呟きが聞こえたような気がしたけど、そのあとすぐに望んだ刺激が与えられて吐精した僕の意識は一瞬、トんだ。
*次話はガッツリR18予定。お待たせ致しました。
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