25 / 80
24 アムリタの街 1
しおりを挟む
「じゃあまたあとで」
「何かあればいつでもどうぞ」
「ナハトさんが無理矢理迫ってきたら遠慮なく蹴り上げなさいねぇ。ドコとは言わないけど」
「オイコラ」
「はい、また」
ほのぼのとした会話をしながらエアリアル達と執務室で別れて、僕とナハトは冒険者ギルドを出た。
これから予定していた買い物に向かう。
一階ではもの凄い視線を感じたけど、僕はフードを深く被って無視していたから誰がどんな視線を送っていたのかは知らない。
ナハトはしっかりチェックしていたようだから別にいい。何かあればナハトが対処してくれるだろう。
「ねえナハト、どこに行くの?」
「最初に服屋だな。俺のを着ているユラも魅力的だが、そうなると誰にも見せたくないから家から出したくない。今日は仕方ないが、さすがに動きづらいだろう?」
・・・・・・サラッと今、変態チックなことを言ったな、ナハト。監禁はヤメロ。僕はスルーする。何も聞いてないよ。
「うん、やっぱり身体のサイズに合わせた服が欲しい。着替えも全然ないから」
「俺が選ぶよ。───その服を夜、俺が脱がして・・・・・・」
何やらブツブツと言っているナハトを怪訝に思いながら俺はお任せすることにした。
だってこっちの服のデザインとか品質とか全然分からないから。
まあナハトやエアリアル達を見ると、そこまで元の世界と乖離してはいないみたいだけどね。
ちなみに今もずっとナハトに抱き上げられて移動中だ。今日はもう諦めた。
でもさすがに筋力が落ちるから毎日は止めて貰おう。
大通りをナハトが通り過ぎるたびに歓声やざわめき、様々な視線が集まる。
・・・・・・そうか、最初に冒険者ギルドに向かったときは僕達にだけ防音魔法使ってたから静かだっただけで、いつもナハトはキャーキャー言われているんだな。
残念なイケメンでもイケメンはイケメンだもんな。・・・・・・羨ましくなんかないぞ。僕はこれでもカッコいい部類の男・・・・・・の、はず・・・・・・。
「アレ、ナハトさんじゃないか! 朝も見かけたけど、抱き上げてるその子、誰なんだい?」
不意に声がかかって、ナハトが足を止めた。
勇者だ、勇者がいる。こんな大注目の中を話しかけてくる勇者がいる!
ちなみに僕は今は周りを観察しながら全方位に神経を向けていたから、近付いてきた気配に驚きはしない。
「ああ、果物屋の店主か。・・・・・・彼は俺の番いだ」
「へえ、番い───番い!? アンタ、番いがいる種族だったのかい!? あたしゃ、てっきり人族かと・・・・・・」
「まあ・・・・・・。これからは食料を買いにちょくちょく来るだろうからよろしく頼む」
ナハトはついでとばかりに快活な果物屋のおばさんにそう言った。
・・・・・・そういえばナハトの種族って聞いていないな。何なんだろう。もっともどんな種族がいるのか全然分からないけど。
エアリアルは精霊族でダオラは龍人族って言ってたよね?
このおばさんは頭に犬みたいなケモ耳と後ろには尻尾らしきモノが見える。
・・・・・・犬の獣人? 獣人もいろんなタイプがあるのかな?
「あいよ、任しときな! 近所の店にも話しとくよ。えーと、番いの・・・・・・もしかしてまだ子供?」
「いえ、成人してます。あの、ユラと言います。よろしくお願いします」
そう言ってフードを少しずらして顔を見せた。じゃないと認識して貰えないだろうから。
するとポカンとしたおばさんがボソッと言った。
「・・・・・・エルフ?」
「え?」
「ナ、ナハトさん、アンタ・・・・・・番い・・・・・・エルフなのかい!?」
「・・・・・・まあそうだが」
厳密にはハイエルフだけど。
ナハトが執務室のときと違って無表情で応えていると、おばさんが慌てて叫んだ。
「いやアンタ、アンタがどんな種族か知らないが、早く番いになって魂を繋げないと大変だろう!?」
それを聞いた僕は意味が分からずに首を傾げた。
「番って、魂を繋ぐ? って何?」
ナハトに小声でそっと尋ねたら、ハッとして僕を見た。
「───ああ、家に帰ったら説明する。とりあえず必要なモノを買い揃えよう。すまない、店主。これで失礼する」
「あ、いぃえぇ! ごめんなさいね、邪魔しちゃって! またね」
「さようなら」
よく分からないままおばさん店主と別れて、当初の目的の場所である服屋に着いた。
・・・・・・僕にはよく分からないけど、たぶんこの店構えはけっこうな高級店ぽい。
ナハトは僕を抱き上げたまま大きな扉を開けて店内に入る。
すると出入り口付近に警備員ぽいガタイのいい男とビシッとスーツを来た店員らしい若い男、奥に店主だろうと思われる壮年の紳士がいるのが見えた。
やっぱり高級店じゃん。
ナハトにしがみ付いて後ろ向きになった僕は、いつもの癖で退路や警備員の配置をチェックしてしまい、そのせいで出入り口付近にいた厳つい警備の男の人と目が合った。
「いらっしゃいませ」
「う、あ・・・・・・はい」
一瞬驚き目を瞠ったその人は、すぐににっこり笑うとそう言った。
コミュ障の僕は無愛想に返事を返すしかなくて、ナハトの首に顔を埋めて額をぐりぐり押し付けた。
「ユラ?」
「んー、何でもない」
あんまりぐりぐりしてたからかフードが脱げてしまい、そのせいで警備の男の人も若い店員も店主らしい紳士もしばらくポカンとした、らしい。
僕はそのことに気付いてなかったけど、ナハトがわざとらしく咳払いをしたから、そうと気付いた。
「失礼致しました。ナハト様のご来店もお久しぶりですのにお連れ様とご一緒とは、初めてではございませんか? その、エルフの方は」
店主だと思われる紳士がハッとして謝罪して話を続けた。
ふーん、ナハトはここで服を買ってるのか。
ナハトの首元から顔をあげて一人店内を見回していると、ハタと気付く。
アレ、お連れ様のエルフ(正確にはハイエルフ)って僕のこと?
そういえば耳が長いくらいで自覚なしだった。
いやだって、二〇年人間として生きてきて急にハイエルフって言われても、どうしようもなくない?
僕が一人悶々としているとナハトが応えた。
「俺の番いだ。これからも顔を見ることもあるだろうからよろしく頼む。・・・・・・ユラ」
そっと床に下ろされて背中をポンポンされる。
あー、この流れはさっきのと同じだな。はいはい、自己紹介ね。
「ユラと申します。この街には来たばかりです。よろしくお願いします」
そう言ってお辞儀をする。
あ、お辞儀ってしない方がいいんだっけ?
慌てて頭をあげたら、紳士なおじさんがニコッとして自己紹介してくれた。
「丁寧なご挨拶ありがとうございます。ユラ様。この服飾店の店主でエドワード・スティンと申します」
そう言ってお辞儀をしたのでこちらでもお辞儀あるんだと分かってよかった。そんでもってやっぱり店主だった。
「店主、ユラの服を揃えたい。オーダーは時間がかかるから、ひとまず既製品でいくつか見繕って欲しい」
「畏まりました。ではまず、寸法を測らせて頂きますね」
どうぞこちらに、と言われてナハトについて歩いて行く。
向こうでもそうだったが、やっぱりオーダーメイドなんだな。でもっておそらくナハトはVIP扱いだよね?
Sランク冒険者ってだけじゃなくて、ナハト自身、何か身分のある人っぽいし。───ああいや、人じゃないのかも分からない。
・・・・・・今更、僕はナハトがどんな人物なのか知らなすぎることを自覚した。
なのにこの無意識に慕ってしまう安心感。
ナハト達がよく言う『番い』も今イチ分からない。夫婦という意味合い以上の意味がありそう。
小説なんかだと『運命の相手』としてよく聞く言葉だけど───。
あとで帰ったら説明するって言ってたし。
ともかく服だな、と気持ちを切り替えるのだった。
※エルフやハイエルフはとっても数が少なく自分達のコミュニティから出ることはほとんどないので、ユラの耳でエルフと分かり、容姿も相まって、お店にいた人は思わずガン見しちゃったわけです。
あと、ヤキモキしている方に。まだまだエロに到達しないんですが、このあと四話後くらい(長いわ)でチョロッと、そのあとガッツリ・・・・・・の予定です。もう書いてあります。お待ち下さい。
「何かあればいつでもどうぞ」
「ナハトさんが無理矢理迫ってきたら遠慮なく蹴り上げなさいねぇ。ドコとは言わないけど」
「オイコラ」
「はい、また」
ほのぼのとした会話をしながらエアリアル達と執務室で別れて、僕とナハトは冒険者ギルドを出た。
これから予定していた買い物に向かう。
一階ではもの凄い視線を感じたけど、僕はフードを深く被って無視していたから誰がどんな視線を送っていたのかは知らない。
ナハトはしっかりチェックしていたようだから別にいい。何かあればナハトが対処してくれるだろう。
「ねえナハト、どこに行くの?」
「最初に服屋だな。俺のを着ているユラも魅力的だが、そうなると誰にも見せたくないから家から出したくない。今日は仕方ないが、さすがに動きづらいだろう?」
・・・・・・サラッと今、変態チックなことを言ったな、ナハト。監禁はヤメロ。僕はスルーする。何も聞いてないよ。
「うん、やっぱり身体のサイズに合わせた服が欲しい。着替えも全然ないから」
「俺が選ぶよ。───その服を夜、俺が脱がして・・・・・・」
何やらブツブツと言っているナハトを怪訝に思いながら俺はお任せすることにした。
だってこっちの服のデザインとか品質とか全然分からないから。
まあナハトやエアリアル達を見ると、そこまで元の世界と乖離してはいないみたいだけどね。
ちなみに今もずっとナハトに抱き上げられて移動中だ。今日はもう諦めた。
でもさすがに筋力が落ちるから毎日は止めて貰おう。
大通りをナハトが通り過ぎるたびに歓声やざわめき、様々な視線が集まる。
・・・・・・そうか、最初に冒険者ギルドに向かったときは僕達にだけ防音魔法使ってたから静かだっただけで、いつもナハトはキャーキャー言われているんだな。
残念なイケメンでもイケメンはイケメンだもんな。・・・・・・羨ましくなんかないぞ。僕はこれでもカッコいい部類の男・・・・・・の、はず・・・・・・。
「アレ、ナハトさんじゃないか! 朝も見かけたけど、抱き上げてるその子、誰なんだい?」
不意に声がかかって、ナハトが足を止めた。
勇者だ、勇者がいる。こんな大注目の中を話しかけてくる勇者がいる!
ちなみに僕は今は周りを観察しながら全方位に神経を向けていたから、近付いてきた気配に驚きはしない。
「ああ、果物屋の店主か。・・・・・・彼は俺の番いだ」
「へえ、番い───番い!? アンタ、番いがいる種族だったのかい!? あたしゃ、てっきり人族かと・・・・・・」
「まあ・・・・・・。これからは食料を買いにちょくちょく来るだろうからよろしく頼む」
ナハトはついでとばかりに快活な果物屋のおばさんにそう言った。
・・・・・・そういえばナハトの種族って聞いていないな。何なんだろう。もっともどんな種族がいるのか全然分からないけど。
エアリアルは精霊族でダオラは龍人族って言ってたよね?
このおばさんは頭に犬みたいなケモ耳と後ろには尻尾らしきモノが見える。
・・・・・・犬の獣人? 獣人もいろんなタイプがあるのかな?
「あいよ、任しときな! 近所の店にも話しとくよ。えーと、番いの・・・・・・もしかしてまだ子供?」
「いえ、成人してます。あの、ユラと言います。よろしくお願いします」
そう言ってフードを少しずらして顔を見せた。じゃないと認識して貰えないだろうから。
するとポカンとしたおばさんがボソッと言った。
「・・・・・・エルフ?」
「え?」
「ナ、ナハトさん、アンタ・・・・・・番い・・・・・・エルフなのかい!?」
「・・・・・・まあそうだが」
厳密にはハイエルフだけど。
ナハトが執務室のときと違って無表情で応えていると、おばさんが慌てて叫んだ。
「いやアンタ、アンタがどんな種族か知らないが、早く番いになって魂を繋げないと大変だろう!?」
それを聞いた僕は意味が分からずに首を傾げた。
「番って、魂を繋ぐ? って何?」
ナハトに小声でそっと尋ねたら、ハッとして僕を見た。
「───ああ、家に帰ったら説明する。とりあえず必要なモノを買い揃えよう。すまない、店主。これで失礼する」
「あ、いぃえぇ! ごめんなさいね、邪魔しちゃって! またね」
「さようなら」
よく分からないままおばさん店主と別れて、当初の目的の場所である服屋に着いた。
・・・・・・僕にはよく分からないけど、たぶんこの店構えはけっこうな高級店ぽい。
ナハトは僕を抱き上げたまま大きな扉を開けて店内に入る。
すると出入り口付近に警備員ぽいガタイのいい男とビシッとスーツを来た店員らしい若い男、奥に店主だろうと思われる壮年の紳士がいるのが見えた。
やっぱり高級店じゃん。
ナハトにしがみ付いて後ろ向きになった僕は、いつもの癖で退路や警備員の配置をチェックしてしまい、そのせいで出入り口付近にいた厳つい警備の男の人と目が合った。
「いらっしゃいませ」
「う、あ・・・・・・はい」
一瞬驚き目を瞠ったその人は、すぐににっこり笑うとそう言った。
コミュ障の僕は無愛想に返事を返すしかなくて、ナハトの首に顔を埋めて額をぐりぐり押し付けた。
「ユラ?」
「んー、何でもない」
あんまりぐりぐりしてたからかフードが脱げてしまい、そのせいで警備の男の人も若い店員も店主らしい紳士もしばらくポカンとした、らしい。
僕はそのことに気付いてなかったけど、ナハトがわざとらしく咳払いをしたから、そうと気付いた。
「失礼致しました。ナハト様のご来店もお久しぶりですのにお連れ様とご一緒とは、初めてではございませんか? その、エルフの方は」
店主だと思われる紳士がハッとして謝罪して話を続けた。
ふーん、ナハトはここで服を買ってるのか。
ナハトの首元から顔をあげて一人店内を見回していると、ハタと気付く。
アレ、お連れ様のエルフ(正確にはハイエルフ)って僕のこと?
そういえば耳が長いくらいで自覚なしだった。
いやだって、二〇年人間として生きてきて急にハイエルフって言われても、どうしようもなくない?
僕が一人悶々としているとナハトが応えた。
「俺の番いだ。これからも顔を見ることもあるだろうからよろしく頼む。・・・・・・ユラ」
そっと床に下ろされて背中をポンポンされる。
あー、この流れはさっきのと同じだな。はいはい、自己紹介ね。
「ユラと申します。この街には来たばかりです。よろしくお願いします」
そう言ってお辞儀をする。
あ、お辞儀ってしない方がいいんだっけ?
慌てて頭をあげたら、紳士なおじさんがニコッとして自己紹介してくれた。
「丁寧なご挨拶ありがとうございます。ユラ様。この服飾店の店主でエドワード・スティンと申します」
そう言ってお辞儀をしたのでこちらでもお辞儀あるんだと分かってよかった。そんでもってやっぱり店主だった。
「店主、ユラの服を揃えたい。オーダーは時間がかかるから、ひとまず既製品でいくつか見繕って欲しい」
「畏まりました。ではまず、寸法を測らせて頂きますね」
どうぞこちらに、と言われてナハトについて歩いて行く。
向こうでもそうだったが、やっぱりオーダーメイドなんだな。でもっておそらくナハトはVIP扱いだよね?
Sランク冒険者ってだけじゃなくて、ナハト自身、何か身分のある人っぽいし。───ああいや、人じゃないのかも分からない。
・・・・・・今更、僕はナハトがどんな人物なのか知らなすぎることを自覚した。
なのにこの無意識に慕ってしまう安心感。
ナハト達がよく言う『番い』も今イチ分からない。夫婦という意味合い以上の意味がありそう。
小説なんかだと『運命の相手』としてよく聞く言葉だけど───。
あとで帰ったら説明するって言ってたし。
ともかく服だな、と気持ちを切り替えるのだった。
※エルフやハイエルフはとっても数が少なく自分達のコミュニティから出ることはほとんどないので、ユラの耳でエルフと分かり、容姿も相まって、お店にいた人は思わずガン見しちゃったわけです。
あと、ヤキモキしている方に。まだまだエロに到達しないんですが、このあと四話後くらい(長いわ)でチョロッと、そのあとガッツリ・・・・・・の予定です。もう書いてあります。お待ち下さい。
711
お気に入りに追加
1,133
あなたにおすすめの小説



前世である母国の召喚に巻き込まれた俺
るい
BL
国の為に戦い、親友と言える者の前で死んだ前世の記憶があった俺は今世で今日も可愛い女の子を口説いていた。しかし何故か気が付けば、前世の母国にその女の子と召喚される。久しぶりの母国に驚くもどうやら俺はお呼びでない者のようで扱いに困った国の者は騎士の方へ面倒を投げた。俺は思った。そう、前世の職場に俺は舞い戻っている。
異世界転生した俺の婚約相手が、王太子殿下(♂)なんて嘘だろう?! 〜全力で婚約破棄を目指した結果。
みこと。
BL
気づいたら、知らないイケメンから心配されていた──。
事故から目覚めた俺は、なんと侯爵家の次男に異世界転生していた。
婚約者がいると聞き喜んだら、相手は王太子殿下だという。
いくら同性婚ありの国とはいえ、なんでどうしてそうなってんの? このままじゃ俺が嫁入りすることに?
速やかな婚約解消を目指し、可愛い女の子を求めたのに、ご令嬢から貰ったクッキーは仕込みありで、とんでも案件を引き起こす!
てんやわんやな未来や、いかに!?
明るく仕上げた短編です。気軽に楽しんで貰えたら嬉しいです♪
※同タイトルの簡易版を「小説家になろう」様でも掲載しています。

尊敬している先輩が王子のことを口説いていた話
天使の輪っか
BL
新米騎士として王宮に勤めるリクの教育係、レオ。
レオは若くして団長候補にもなっている有力団員である。
ある日、リクが王宮内を巡回していると、レオが第三王子であるハヤトを口説いているところに遭遇してしまった。
リクはこの事を墓まで持っていくことにしたのだが......?

光と闇の子
時雨
BL
テオは生まれる前から愛されていた。精霊族はめったに自分で身籠らない、魔族は自分の子供には名前を付けない。しかしテオは違った。精霊族の女王である母が自らの体で産んだ子供、魔族の父が知恵を絞ってつけた名前。だがある日、「テオ」は消えた。
レイは生まれた瞬間から嫌われていた。最初は魔族の象徴である黒髪だからと精霊族に忌み嫌われ、森の中に捨てられた。そしてそれは、彼が魔界に行っても変わらなかった。半魔族だから、純血種ではないからと、蔑まれ続けた。だから、彼は目立たずに強くなっていった。
人々は知らない、「テオ」が「レイ」であると。自ら親との縁の糸を絶ったテオは、誰も信じない「レイ」になった。
だが、それでも、レイはただ一人を信じ続けた。信じてみようと思ったのだ。
BL展開は多分だいぶ後になると思います。主人公はレイ(テオ)、攻めは従者のカイルです。
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。

囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる