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19 決闘後の密談 2(sideナハト)
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「・・・・・・で、話は戻るけど、本当に奴隷紋はなかったんだね?」
エアリアルが仕切り直す。俺はもう一度記憶を浚い、応える。
「見えるところにはな。・・・・・・これは俺の推測だが、ユラはおそらく違法に奴隷にされていたと思う」
「そうだね。私もそう思うよ」
「それで聖域の湖にきたときに違法だった奴隷紋が浄化されて消えたんじゃないか?」
聖域に入った時点でなかったことになったんじゃないか。そうでなければ奴隷紋がないことの理由がつかない。
「・・・・・・ああ。違法だから奴隷紋は悪しきモノと認識されて聖域に弾かれ、純潔な魂のユラの身体だけ受け入れられた。そういうことか?」
「そう言われればそうと思えるが、じゃあ未だに【奴隷】という言葉が消えないのは何故だ?」
確かに、通常の奴隷でも奴隷紋が消された時点で奴隷から解放されるはずだから、職業からも消えているはずだ。
「・・・・・・もしかして、精神が奴隷のままなのかも」
「え?」
俺はふと気付いたことを話した。
「ユラは物心つく前からアサシンの訓練を受けていたと言っていた。それは今に至るまでおそらく休む間もなく」
「───っ洗脳か」
エアリアルも気付いたようだ。
自我が芽生えた頃にはすでにユラは奴隷で、主人の命令は絶対だと、殺しをすることは当然のことだと刷り込まれていただろう。
最初に出逢った湖でも、執務室でエアリアルを襲おうとしたときも、さっきの決闘でさえ殺気もなく、淡々と作業を熟すような感覚だった。
「心に染みついて消えない奴隷としての呪縛か」
「・・・・・・いっそのこと、記憶喪失にでもなっててくれたら違ったかもしれないのに」
「どうしたら、心を取り戻してやれるのか・・・・・・」
三人で考えるが、いい手が浮かばない。
───これはやはり・・・・・・。
「俺がユラを愛しまくって、そんなイヤな記憶を思い出せないくらい構い倒していれば、きっといつか───!」
拳を握って力強く叫ぶと、エアリアルとダオラは呆れた顔をした。
「やはりアホだな」
「愛しまくってって、どう愛するの? まだえっち出来ないよね?」
「いやお前も脳ミソカスかよ。何ですぐに下半身にいくんだよ。愛する方法なんて他にいくらでもあるだろうが!」
エアリアルがイラッとした顔で口汚くダオラにツッコんだ。しかしダオラは全く気にせず爆弾発言をした。
「えー? 私、童貞処女だからそういうのに興味津々なんですよ。かくいうアンタだって同類でしょうが」
そう言われたエアリアルはこめかみに青筋立てて叫ぶ。
「煩い。精霊族やエルフ族は元々性欲が薄いんだよ! 相手がいなきゃ欲情もしないんだから仕方ないだろう!」
「ソレを言ったら龍人だって運命の番い以外に欲情しないんだから、この歳で童貞処女なのも仕方ないでしょう?」
お互い難儀な種族だよねーってケラケラ笑っていたダオラがふと呟いた。
「・・・・・・ナハトはどっちなんだろう?」
エアリアルが怪訝そうに聞いた。
「どっちって?」
「童貞なのか処女なのか」
いや、話の論点がズレてきてないか? と呟いたあとエアリアルが真顔で言った。
「心底どっちでもいい」
「ま、そっかー、そーだよねぇ」
そんな会話に思わずツッコむ俺。
「お前ら、下世話な話ばっかしてるんじゃない!」
「あ、聞いてたんだ」
「聞こえてたんだー」
エアリアルとダオラが笑って言う。イヤお前ら俺のこと知りたいんだろう?
だから俺は二人に宣言してやった。
「俺だって童貞処女だ!」
なのに二人はといえば、とっくに興味を失っていたらしい。
「別に本人には聞いてない」
「言えてるー」
そんな二人の反応に、だが構わずに更に告げる俺。
「俺の初めては全部ユラに捧げる所存だ」
「はいはい、どうでもいいよ。他所のカップルの閨事情なんて聞いても楽しくない」
「私も早く番い見つけてえっちしたいなー」
更におざなりな返答が返ってきて、結局話の着地点が分からなくなった。何の話をしてたんだっけ?
あ、そうだ。つまり、ユラを囲って俺だけを視界に入れるように愛しまくって思考をドロドロに解かしてしまえばいいんだってことだ。
「いや違うでしょ。・・・・・・うん? 間違ってもいないのか?」
「はっはっは、病んできてるなあ」
このおかしな状態は、ユラが自力で俺のスキルを解いて目覚めるまでしばらく続いたのだった。
───奴隷紋はあとで改めてよく見よう。今夜はお風呂でユラを隅から隅まで洗って磨き上げてチェックしよう、そうしよう。
寝ぼけまなこで俺を見つめて微笑むユラを見ながらそう思った。
※三人が三人ともおかしくなってる。特にナハトが一番ヤバいヤツになってる。
オカシイナ・・・・・・?
エアリアルが仕切り直す。俺はもう一度記憶を浚い、応える。
「見えるところにはな。・・・・・・これは俺の推測だが、ユラはおそらく違法に奴隷にされていたと思う」
「そうだね。私もそう思うよ」
「それで聖域の湖にきたときに違法だった奴隷紋が浄化されて消えたんじゃないか?」
聖域に入った時点でなかったことになったんじゃないか。そうでなければ奴隷紋がないことの理由がつかない。
「・・・・・・ああ。違法だから奴隷紋は悪しきモノと認識されて聖域に弾かれ、純潔な魂のユラの身体だけ受け入れられた。そういうことか?」
「そう言われればそうと思えるが、じゃあ未だに【奴隷】という言葉が消えないのは何故だ?」
確かに、通常の奴隷でも奴隷紋が消された時点で奴隷から解放されるはずだから、職業からも消えているはずだ。
「・・・・・・もしかして、精神が奴隷のままなのかも」
「え?」
俺はふと気付いたことを話した。
「ユラは物心つく前からアサシンの訓練を受けていたと言っていた。それは今に至るまでおそらく休む間もなく」
「───っ洗脳か」
エアリアルも気付いたようだ。
自我が芽生えた頃にはすでにユラは奴隷で、主人の命令は絶対だと、殺しをすることは当然のことだと刷り込まれていただろう。
最初に出逢った湖でも、執務室でエアリアルを襲おうとしたときも、さっきの決闘でさえ殺気もなく、淡々と作業を熟すような感覚だった。
「心に染みついて消えない奴隷としての呪縛か」
「・・・・・・いっそのこと、記憶喪失にでもなっててくれたら違ったかもしれないのに」
「どうしたら、心を取り戻してやれるのか・・・・・・」
三人で考えるが、いい手が浮かばない。
───これはやはり・・・・・・。
「俺がユラを愛しまくって、そんなイヤな記憶を思い出せないくらい構い倒していれば、きっといつか───!」
拳を握って力強く叫ぶと、エアリアルとダオラは呆れた顔をした。
「やはりアホだな」
「愛しまくってって、どう愛するの? まだえっち出来ないよね?」
「いやお前も脳ミソカスかよ。何ですぐに下半身にいくんだよ。愛する方法なんて他にいくらでもあるだろうが!」
エアリアルがイラッとした顔で口汚くダオラにツッコんだ。しかしダオラは全く気にせず爆弾発言をした。
「えー? 私、童貞処女だからそういうのに興味津々なんですよ。かくいうアンタだって同類でしょうが」
そう言われたエアリアルはこめかみに青筋立てて叫ぶ。
「煩い。精霊族やエルフ族は元々性欲が薄いんだよ! 相手がいなきゃ欲情もしないんだから仕方ないだろう!」
「ソレを言ったら龍人だって運命の番い以外に欲情しないんだから、この歳で童貞処女なのも仕方ないでしょう?」
お互い難儀な種族だよねーってケラケラ笑っていたダオラがふと呟いた。
「・・・・・・ナハトはどっちなんだろう?」
エアリアルが怪訝そうに聞いた。
「どっちって?」
「童貞なのか処女なのか」
いや、話の論点がズレてきてないか? と呟いたあとエアリアルが真顔で言った。
「心底どっちでもいい」
「ま、そっかー、そーだよねぇ」
そんな会話に思わずツッコむ俺。
「お前ら、下世話な話ばっかしてるんじゃない!」
「あ、聞いてたんだ」
「聞こえてたんだー」
エアリアルとダオラが笑って言う。イヤお前ら俺のこと知りたいんだろう?
だから俺は二人に宣言してやった。
「俺だって童貞処女だ!」
なのに二人はといえば、とっくに興味を失っていたらしい。
「別に本人には聞いてない」
「言えてるー」
そんな二人の反応に、だが構わずに更に告げる俺。
「俺の初めては全部ユラに捧げる所存だ」
「はいはい、どうでもいいよ。他所のカップルの閨事情なんて聞いても楽しくない」
「私も早く番い見つけてえっちしたいなー」
更におざなりな返答が返ってきて、結局話の着地点が分からなくなった。何の話をしてたんだっけ?
あ、そうだ。つまり、ユラを囲って俺だけを視界に入れるように愛しまくって思考をドロドロに解かしてしまえばいいんだってことだ。
「いや違うでしょ。・・・・・・うん? 間違ってもいないのか?」
「はっはっは、病んできてるなあ」
このおかしな状態は、ユラが自力で俺のスキルを解いて目覚めるまでしばらく続いたのだった。
───奴隷紋はあとで改めてよく見よう。今夜はお風呂でユラを隅から隅まで洗って磨き上げてチェックしよう、そうしよう。
寝ぼけまなこで俺を見つめて微笑むユラを見ながらそう思った。
※三人が三人ともおかしくなってる。特にナハトが一番ヤバいヤツになってる。
オカシイナ・・・・・・?
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