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なくて七癖(sideリッカ)
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僕が首輪の呪縛から解き放たれてから半年近く経った。
今は龍人国の王宮の敷地内にある離宮でアッシュとのんびり過ごしているんだけど。
・・・・・・ちょっと困ってる事がある。
もう500年くらい飲まず食わずだったのを不憫に思ったのか、お義母様達からの食べ物の贈り物があり過ぎて、消費が間に合わないんだ。
アッシュから話して貰って、今の所はストップしているんだけど、いくら時間停止のバッグに入れてるといっても、もったいないお化けが出そう。
そこで僕は考えた!
料理して、特に体力勝負の騎士団辺りに食べて貰えばいいんじゃないかと!!
思い立ったが吉日、ということで、離宮の厨房に籠もりました。
え? アッシュはいつもはベッタリだけど、今日は一日騎士団の鍛錬に付き合うって事になって、朝から渋々出かけましたよ?
って誰に言ってるんだ。
ともかく、大量に作ってはしまい、また作ってはしまい・・・と料理しまくった。
お菓子も作りまくった。
・・・・・・大変だったので、ほとんど魔法でやっちゃった。下ごしらえとか圧力鍋的な?
そうして出来たモノを(バッグに入ってるが)持って、王宮へ歩いて行った。
広い廊下を歩いていたら、急に後ろに誰かが立った気配が。
ハッとする間もなく背負い投げをしてしまった。
条件反射で咄嗟に出てしまう。
長年の戦闘と元々のアバターのスペックで無意識に出る。
今の所は全く必要のない、なくて七癖ってヤツです。
もうね、殺気とかなくても投げたり回し蹴りしちゃう・・・。
ごめんなさい。
背後に立たないで。
お願い。
・・・で、思わず投げ飛ばしちゃったのは・・・・・・。
あれ? 騎士団長?!
「ご、ごめんなさい!」
例によって、顔には出ないが声は焦ってる。
駆け寄って手を貸して起き上がるのを手伝った。
「すみません。大丈夫です。しかし、王弟殿下から話を聞いてましたが凄いですね」
「・・・無意識に手が出てしまうので、背後には立たない方がいいですよ。
そう言ったんだけど。
嬉々として言った言葉に唖然とした。
「鍛錬に付き合って下さい!」
「は?」
戸惑っているうちに、あれよあれよと連れられて(どうせ行くつもりだったけど)鍛錬場に着いた。
当然アッシュも居るわけで。
「何でリッカが?! いやうれしいけど!!」
「? 成り行き、かな? なんか鍛錬に付き合って欲しいって」
何をするのか知らないけど。
「殿下! リッカ様の戦闘センスは素晴らしいです! ぜひとも手合わせ願いたい!」
「・・・さては癖が出たね? 投げちゃったんだね?」
アッシュがあちゃあって顔をした。
「・・・背後に気配を感じる間もなく? 体が勝手に投げてました。・・・・・・スミマセン」
生きるために仕方なかったとはいえ、もうね、この癖は直らないと思う。
結局、単に鍛錬場の中央に立って、ひたすら無意識に殴って蹴って投げ飛ばして。
皆の気が済む頃には暗くなってました。
食堂に移動して、本来の目的だった料理の消費をお願いして、自分達も食べてから。
アッシュに抱っこされて離宮に戻った。
肉体的な疲労よりも精神的な疲労が勝った。
お風呂に入って、イチャイチャして、ベッドでもイチャイチャして。
次の日の朝、アッシュが思い出したように。
「そういえば、リッカって俺と眠るときって、いっつも俺の胸に額をぐりぐり押しつけてるけど」
「・・・え?」
「それって癖なの?」
「え? 知らな・・・そん、え?」
そんなことしてる?!
「可愛いなっていつも思ってたんだけど」
コレってもう癖だよね?
「そんな癖なら大歓迎だよ」
そう言って笑いながらキスをされて、そのままイチャイチャに突入後、やっぱり『ぐりぐりしてる』と言われて。
ま、いっか。
アッシュが喜ぶ癖なら七癖以上あってもいい、なんて僕も大概アッシュに惚れてるよね。
今は龍人国の王宮の敷地内にある離宮でアッシュとのんびり過ごしているんだけど。
・・・・・・ちょっと困ってる事がある。
もう500年くらい飲まず食わずだったのを不憫に思ったのか、お義母様達からの食べ物の贈り物があり過ぎて、消費が間に合わないんだ。
アッシュから話して貰って、今の所はストップしているんだけど、いくら時間停止のバッグに入れてるといっても、もったいないお化けが出そう。
そこで僕は考えた!
料理して、特に体力勝負の騎士団辺りに食べて貰えばいいんじゃないかと!!
思い立ったが吉日、ということで、離宮の厨房に籠もりました。
え? アッシュはいつもはベッタリだけど、今日は一日騎士団の鍛錬に付き合うって事になって、朝から渋々出かけましたよ?
って誰に言ってるんだ。
ともかく、大量に作ってはしまい、また作ってはしまい・・・と料理しまくった。
お菓子も作りまくった。
・・・・・・大変だったので、ほとんど魔法でやっちゃった。下ごしらえとか圧力鍋的な?
そうして出来たモノを(バッグに入ってるが)持って、王宮へ歩いて行った。
広い廊下を歩いていたら、急に後ろに誰かが立った気配が。
ハッとする間もなく背負い投げをしてしまった。
条件反射で咄嗟に出てしまう。
長年の戦闘と元々のアバターのスペックで無意識に出る。
今の所は全く必要のない、なくて七癖ってヤツです。
もうね、殺気とかなくても投げたり回し蹴りしちゃう・・・。
ごめんなさい。
背後に立たないで。
お願い。
・・・で、思わず投げ飛ばしちゃったのは・・・・・・。
あれ? 騎士団長?!
「ご、ごめんなさい!」
例によって、顔には出ないが声は焦ってる。
駆け寄って手を貸して起き上がるのを手伝った。
「すみません。大丈夫です。しかし、王弟殿下から話を聞いてましたが凄いですね」
「・・・無意識に手が出てしまうので、背後には立たない方がいいですよ。
そう言ったんだけど。
嬉々として言った言葉に唖然とした。
「鍛錬に付き合って下さい!」
「は?」
戸惑っているうちに、あれよあれよと連れられて(どうせ行くつもりだったけど)鍛錬場に着いた。
当然アッシュも居るわけで。
「何でリッカが?! いやうれしいけど!!」
「? 成り行き、かな? なんか鍛錬に付き合って欲しいって」
何をするのか知らないけど。
「殿下! リッカ様の戦闘センスは素晴らしいです! ぜひとも手合わせ願いたい!」
「・・・さては癖が出たね? 投げちゃったんだね?」
アッシュがあちゃあって顔をした。
「・・・背後に気配を感じる間もなく? 体が勝手に投げてました。・・・・・・スミマセン」
生きるために仕方なかったとはいえ、もうね、この癖は直らないと思う。
結局、単に鍛錬場の中央に立って、ひたすら無意識に殴って蹴って投げ飛ばして。
皆の気が済む頃には暗くなってました。
食堂に移動して、本来の目的だった料理の消費をお願いして、自分達も食べてから。
アッシュに抱っこされて離宮に戻った。
肉体的な疲労よりも精神的な疲労が勝った。
お風呂に入って、イチャイチャして、ベッドでもイチャイチャして。
次の日の朝、アッシュが思い出したように。
「そういえば、リッカって俺と眠るときって、いっつも俺の胸に額をぐりぐり押しつけてるけど」
「・・・え?」
「それって癖なの?」
「え? 知らな・・・そん、え?」
そんなことしてる?!
「可愛いなっていつも思ってたんだけど」
コレってもう癖だよね?
「そんな癖なら大歓迎だよ」
そう言って笑いながらキスをされて、そのままイチャイチャに突入後、やっぱり『ぐりぐりしてる』と言われて。
ま、いっか。
アッシュが喜ぶ癖なら七癖以上あってもいい、なんて僕も大概アッシュに惚れてるよね。
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