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67 可愛いは正義 再び!!
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※遅くなりました。
目覚めたら初めて見る部屋で思わず叫んだ樹希だったが、防音のしっかりした部屋のおかげで騒ぎにはならず。
何事も無かったようにシュルツに甲斐甲斐しく世話を焼かれていると、扉をノックする音が聞こえて、樹希はビクッとした。
---そうだった。
当たり前に世話をされてたからうっかり忘れてたけど、ココ、公爵家だった。
使用人さんとか普通にいるよね?
「イツキ、ちょっと待っててくれ」
「うん、大丈夫」
シュルツが一言断って扉に向かう。
少し話した後、扉を開いて招き入れると、使用人さんがワゴンを押して入ってきた。
「後は俺がするから戻って良いぞ」
「・・・畏まりました。お済みになりましたらベルを鳴らすか、廊下へワゴンをお出し下さい」
そう言って綺麗なお辞儀をするメイド服のお姉さんをぽけーっと見ていたら目が合ったので、ニコッと笑っておいた。
コミュ障でもこれくらいは出来るよ!
お姉さんは気持ち頬を赤らめて、樹希に軽くお辞儀をして去って行った。
大丈夫かな?
初めましてだったからどきどきしちゃったよ。
「---さあ、朝ご飯にしよう。その後、お風呂で磨いて着替えような」
「・・・・・・磨くって、何さ?」
「ふふふ」
「・・・・・・何、怖い」
「怖くないよ。さあ、おいで」
シュルツにそう言われてすっかり習慣になった膝上からの給餌行為。
何の疑問も持たずに座って、あーんをされて朝食を終える。
「オムレツ、ふわっふわ、トロトロ・・・美味しかった」
「それは良かった。料理長に一言言っておこう。きっと喜ぶよ」
うっとりする樹希に笑ってワゴンを廊下へと運ぶシュルツ。
その後は食休みということで、シュルツの部屋のテラスから見える庭を少し散策し、それからシュルツの宣言通りに浴室で隅から隅まで磨き上げられた。
「---もう、やりたくない・・・」
いつにも増して隅々まで洗われ、髪も香油で艶つやにされた。
「俺は毎日でもやりたいがな。でもまあ、あんまり綺麗にしちゃうと、嫉妬して閉じ込めて誰にも見せたくないな」
「えっと、ソレは勘弁かな?」
「分かってる。だが気持ちは何時でも独占欲と嫉妬に溢れているから、頼むから、俺以外のヤツにあまり心を砕かないで・・・イツキ」
そう言うシュルツの表情に何も言えなくなって、コクコクと頷く。
「僕にはシュルツだけだよ」
そう言うしか無かった。
実際、そうなんだから、嘘ではない。
そうこうしている内に、シュルツによってぱぱっと着替えさせられた樹希は昨日の試着の時の衣装である。
襟や袖、胸元のボタンの所にはふんだんにフリルが付いていて、膝上のハーフパンツ。
ジャケットは後ろが燕尾服のように長めでお尻を隠す丈でドレスのようにギャザーが寄せられていてひらひらとしている。
そして昨日は無かったニーハイソックスで、ハーフパンツとソックスの隙間は絶対領域・・・。
最後に、コレも昨日は無かった---。
「・・・・・・ヨシ、完璧・・・・・・!」
シュルツが慎重に樹希の頭にのせたのはドロップ・イヤーのウサ耳カチューシャ。
樹希の髪色に合わせてあるので、本物の耳の様である。
「・・・・・・コレ、本当に、大丈夫なの・・・?」
真っ赤になりながらそう言う樹希に、鼻血が出そうになっているシュルツ。
「・・・・・・大丈夫だ」
「・・・・・・」
僕って、19歳だったよね?
この歳でコレって・・・・・・恥ずかしいんですけど---っ!!
あまりの羞恥に涙目の樹希を見て、このまま監禁しようと思ったシュルツだった・・・。
※ショタコンじゃないよー!
イツキ限定だよー!
目覚めたら初めて見る部屋で思わず叫んだ樹希だったが、防音のしっかりした部屋のおかげで騒ぎにはならず。
何事も無かったようにシュルツに甲斐甲斐しく世話を焼かれていると、扉をノックする音が聞こえて、樹希はビクッとした。
---そうだった。
当たり前に世話をされてたからうっかり忘れてたけど、ココ、公爵家だった。
使用人さんとか普通にいるよね?
「イツキ、ちょっと待っててくれ」
「うん、大丈夫」
シュルツが一言断って扉に向かう。
少し話した後、扉を開いて招き入れると、使用人さんがワゴンを押して入ってきた。
「後は俺がするから戻って良いぞ」
「・・・畏まりました。お済みになりましたらベルを鳴らすか、廊下へワゴンをお出し下さい」
そう言って綺麗なお辞儀をするメイド服のお姉さんをぽけーっと見ていたら目が合ったので、ニコッと笑っておいた。
コミュ障でもこれくらいは出来るよ!
お姉さんは気持ち頬を赤らめて、樹希に軽くお辞儀をして去って行った。
大丈夫かな?
初めましてだったからどきどきしちゃったよ。
「---さあ、朝ご飯にしよう。その後、お風呂で磨いて着替えような」
「・・・・・・磨くって、何さ?」
「ふふふ」
「・・・・・・何、怖い」
「怖くないよ。さあ、おいで」
シュルツにそう言われてすっかり習慣になった膝上からの給餌行為。
何の疑問も持たずに座って、あーんをされて朝食を終える。
「オムレツ、ふわっふわ、トロトロ・・・美味しかった」
「それは良かった。料理長に一言言っておこう。きっと喜ぶよ」
うっとりする樹希に笑ってワゴンを廊下へと運ぶシュルツ。
その後は食休みということで、シュルツの部屋のテラスから見える庭を少し散策し、それからシュルツの宣言通りに浴室で隅から隅まで磨き上げられた。
「---もう、やりたくない・・・」
いつにも増して隅々まで洗われ、髪も香油で艶つやにされた。
「俺は毎日でもやりたいがな。でもまあ、あんまり綺麗にしちゃうと、嫉妬して閉じ込めて誰にも見せたくないな」
「えっと、ソレは勘弁かな?」
「分かってる。だが気持ちは何時でも独占欲と嫉妬に溢れているから、頼むから、俺以外のヤツにあまり心を砕かないで・・・イツキ」
そう言うシュルツの表情に何も言えなくなって、コクコクと頷く。
「僕にはシュルツだけだよ」
そう言うしか無かった。
実際、そうなんだから、嘘ではない。
そうこうしている内に、シュルツによってぱぱっと着替えさせられた樹希は昨日の試着の時の衣装である。
襟や袖、胸元のボタンの所にはふんだんにフリルが付いていて、膝上のハーフパンツ。
ジャケットは後ろが燕尾服のように長めでお尻を隠す丈でドレスのようにギャザーが寄せられていてひらひらとしている。
そして昨日は無かったニーハイソックスで、ハーフパンツとソックスの隙間は絶対領域・・・。
最後に、コレも昨日は無かった---。
「・・・・・・ヨシ、完璧・・・・・・!」
シュルツが慎重に樹希の頭にのせたのはドロップ・イヤーのウサ耳カチューシャ。
樹希の髪色に合わせてあるので、本物の耳の様である。
「・・・・・・コレ、本当に、大丈夫なの・・・?」
真っ赤になりながらそう言う樹希に、鼻血が出そうになっているシュルツ。
「・・・・・・大丈夫だ」
「・・・・・・」
僕って、19歳だったよね?
この歳でコレって・・・・・・恥ずかしいんですけど---っ!!
あまりの羞恥に涙目の樹希を見て、このまま監禁しようと思ったシュルツだった・・・。
※ショタコンじゃないよー!
イツキ限定だよー!
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