優しい庭師の見る夢は

エウラ

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62 お茶会の準備 1(sideゼクス&ノイン)

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どうやらギルミアもお茶会を了承してくれたようだ。

使用人から話を受けた執事長のスミスが伝えに来てくれた。

ノインと顔を見合わせ、にっこり笑う。
いや、ノインは顔はそのままだが。

「良かったな。ほら、ギルミアはあの時、隷属化されてて命令とはいえイツキを攫っちゃったし、アハトに防がれたとはいえ元景緑国王アレを助けるために動いたから、本人は元よりアハトももの凄く気にしてたと思うんだ」
『うんうん。凄く優しい子だったもんね。奴隷狩りにあうことになった隠れ里のエルフ元凶とか周りの奴隷商人ヤツとかもっと恨んで荒んだ性格になっててもおかしくないのに。あんなに小さいのに諦観してて、もう、痛々しくて・・・』

ゼクスの言葉にノインが雰囲気で喜怒哀楽を表現していた。

あまり感情が表に出ないギルミアの代わりに怒っているようだ。
そうかと思えば、ギルミアのあまりに子供らしくない、諦める事に慣れたような様子にシュン、とする。

「・・・まあ、幸いなことにほとんどを地下牢で過ごしていて、イツキほど酷い目にあっていなかったことは良かったかな」
『そーだね。子供だったこともあるのかもしれないけど、魔法の方に重きを置いた結果だろうなー。もちろん、ソレで罪が軽くなることはないんだけどね!』

景緑国の件は既に竜帝陛下に預けられているので公爵家としてどうこうは出来ないが、番いに関することは別なので、二人の番いに関係した輩の処罰にはガンガン手を出しているところだ。

「───その辺は一旦置いといて、茶会の為に時間の調整が必要だな。そうでなくとも、アハトが今番いギルミアにかかりきりで手が足りていない状況だから・・・」

───出来れば丸一日・・・はおそらく無理だからせめて半日・・・。

「・・・・・・はあ、休みが欲しい・・・」

ノインが儚くなってから、ひたすら仕事に打ち込んできた。
そうしている間は、ノインのいない寂しさを感じなくて済んだから。

ソレが【管理者】が精霊の森に現れたことからどんどんとモノクロだった景色に色が付いてきて・・・。
何の因果か、愛する番いノインと再び相まみえようとは・・・。

「───僭越ながら。旦那様のコレまでの仕事ぶりをずっと見て参りましたが、ほぼ年中無休で御座います。この辺りで休暇を取られてもよろしいかと」

側で話を黙って聞いていたスミスが不意にそう言ってきた。

そういえば、ずっと休みを取っていない。
───うん。
ここいらで少しくらい休んでも文句は言われないだろう、いや言わせない!

「ヨシ、陛下にサッサと休暇申請しよう。最速で休暇をもぎ取るぞ!」
『おー! もし渋られたらボクがしてやるからなー!』
「ソレは心強いな」

───ええ、肉体言語お話ですね?

執事長のスミスは、使用人の報告通りにノンノンが話していることに驚きもせず、ノンノンはやはり奥方様なのだと納得をしていた。


かくして、竜帝陛下をも巻き込むことになるお茶会の戦闘準備が開始されるのだった。





※お茶会って大変ですよねって話。
え?違う?






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