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50 攫われた管理者 2(side影ドゥエ)
しおりを挟むイツキ殿が攫われた。
ソレも我等の目の前で。
何という失態。
その日、警護担当だったのはゼロとドゥエ。
ゼロのリスザルぬいぐるみは体長がおよそ50cmと、影のぬいぐるみの中でも大きいサイズなので、イツキ殿に付けるぬいぐるみはドゥエの小型のリスになった。
こっそり張り付いていてもイツキ殿は気付かない。
・・・いや、堂々としていても気にされないが。
その辺りは寛容というか鈍感というか・・・。
とにかく、いつも通りののんびりした空気の中、ソレは突然起こった。
ほんの一瞬、空間に揺らぎが生じてハッとする間もなく現れた少年。
何の感情もない虚無の瞳だった。
一瞬見えた首枷。
───隷属で感情を消されているのだろう。
シュルツ様の叫びに、瞬時にイツキ殿に付けたリスの居所を検索すると、案の定『景緑国』を示した。
ここ最近、ずっと密偵を送り込んできていた。
その度に捕まえて吐かせて時には始末して警告もしていたのだが、全く堪えてないようだ。
居場所を聞いたシュルツ様が今にも飛び出して行きそうな勢いだったが、ゼロがシュヴァルツ公爵閣下に緊急通信を入れており、その主からシュルツ様に釘を刺してからは歯痒い気持ちながらも堪えていた。
ソレからは迅速に事が進む。
皇帝陛下の緊急事態宣言、差し向ける兵力の選別、そして我が公爵家の影達の準備。
そして、我等イツキ殿専属の影警護に混じって当然のようにいるウサギ・・・通称『ノンノン』。
・・・このぬいぐるみ、本当に奥方様の魂が宿っているんじゃないだろうか。
ノンノンの行動がどう見ても亡き奥方様にそっくりなのだ。
その戦闘のスタイルやセンスは何処をとっても奥方様のモノで・・・。
当然、イツキ殿が故人の様子を知る由もなく、完全に偶然の産物なのだろうが・・・。
『転移の魔石』がエリクサーの材料の一つだと聞いてからは、ソレを知る我等全員が口には出さぬが納得もしていた。
『有り得る』と。
そんなこんなで一応顔合わせだと騎士団詰め所に現れれば、さすがにノンノンにざわめきが起こった。
そして主様、何でもない風にサラッとノンノンを紹介しないで下さい。
めっちゃ引かれてますよ。
そしてノンノン、軽い感じで挨拶しないで。
その仕草、完全に奥方様なんだが。
もしも話せたら『どーもっ!』って言いそう。
・・・・・・でもまあ、確かに顔合わせは必要だな。
知らずにノンノンを攻撃したら確実に殺られる。
そこは断言できる。
一騎当千を地で行く方だったから。
おそらく彼の国は地獄を見るだろう。
イツキ殿、待ってて下さい。
すぐにお助け致しますからね!
※短いです。遅くなりました。
ちょっと生活リズムが変わって、やや寝不足で頭が回りません😅
身体が慣れれば調子戻ると思うんですが、他作品とかも色々と不定期になってきてます。
気長にお付き合い下さい。
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