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エウラ

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冒険者ギルドに集合!

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ギルマス? えーと、自己紹介ないのでもう(仮)でいいか。
ギルマス(仮)が雄叫びを上げている間にいつからいたのか、もう一人の人が警備の人達の長にあたる人を呼んでくれたらしい。

どうやらサイファみたいに転移してきてくれる模様。
ん? サイファと違って転移の魔導具っていうのを使ってくるの? 自力で転移魔法って実は難しくて魔力もいっぱい使う高度な魔法なの?

そういう豆知識を披露してくれたのがそのもう一人いたギルド職員さん。
この人はしっかり自己紹介してくれた。

「こんにちは、初めまして。ここファフニール国の王都の冒険者ギルドのサブギルドマスターをしておりますチハヤ・ソレッタと申します」
「こんにちは。丁寧なご紹介ありがとうございます。ラトナと申します。サイファの番いです」

さすがに抱っこ状態での挨拶は大人としてダメだと思うからちゃんと下ろして貰って挨拶をしたよ。

サブギルマスだというチハヤさんはほっそりした美人で、肩で切り揃えられた銀髪に翡翠色のぱっちり二重の瞳。

ぱっと見、どんな種族なのか分からない。そもそもこの世界の種族がどれだけあるのかも知らないから想像できない。
俺みたくケモ耳とかあれば何となく分かるけど、竜人だと見た目は人なんだよね。サイファ達みたく竜人なのかな?

「私の種族が気になりますか?」
「ぅえっ!? あっ、スミマセン、不躾でした」

じーっと見つめていたからか、微笑んでそう言われて、慌てて謝る。
ガン見してて失礼だったよね。

「ラトナ、大丈夫だ。彼は気にしていないよ」
「ええ、そうです。ラトナ様、私もサイファ様と同じ竜人ですよ。ついでに言うとギルマスも竜人です。ちなみに彼の名はシシーロ・ラモスといいます」

サイファがフォローしてくれて、チハヤが和やかに種族を教えてくれた。やっぱり竜人だった。
それでついでにギルマスのことも教えてくれた。

「竜人の国だから竜人が多いの?」
「まぁな。他種族もいるが、竜人の力に気圧されて弱い種族はあまり近寄らないから必然的に強者ばかり集まるんだ」
「なるほどねぇ。強すぎるのも考えものだね」

俺が疑問に思ったことを聞くと、サイファがそう教えてくれた。
強い者には強いなりの苦労があるんだね。

「だからこそ、ラトナ様のような可愛らしくてか弱そうな獣人などは寄り付きもしません。なのでサイファ様が羨ましいです」
「───あー、だから王様達もやたらと俺のこと構うのか・・・・・・」

こんなもふもふが触れる距離でいたら、そりゃあモフりたくなるよね?

「今、モフらせてやろうとか思っただろう? そんなこと俺が許可しないぞ。例え親兄弟でもだ」
「え、そんなに? 番いってそういうもん?」

俺がちょっと引いたらチハヤさんは首を傾げた。

「竜人は特に執着や嫉妬が凄まじいですが、獣人でも番いに対してはそれくらいありますよね?」
「・・・・・・あー、俺、ちょっと特殊で・・・・・・」

純粋な獣人とかと違うんだよね。それに異世界人だからか、そういう感覚がよく分からない。

ちょっと応え難くて濁したらサイファがあとを引き継いでくれた。

「そこも詳しく教えたいので巡回騎士団長と自警団長を呼んで貰ったんです」

その言葉に頷くチハヤさん。

「なるほど、そうでしたか。間もなくいらっしゃるので、ソファにかけてお待ち下さい。───ギルマス。いい加減落ち着きましたか?」
「っうわ! ああ・・・・・・スマン。ちょっと現実逃避を・・・・・・」

チハヤさんに頭をべしっと叩かれたギルマスのシシーロさんは、ハッと我に返ったようだ。よかった。このまま放置かと思ったよ。

「いやまさか、サイファ様の番い様がこんなお子様だとは思いもせず───」
「お子様? 俺ってお子様なの?」

ソファに腰掛けようとしていたが、シシーロさんの言葉に俺はコテンと首を傾げてサイファに確認した。
確かにこの世界では一年足らずだけど、幻獣の成長速度ならたぶんもう大人だし、何なら前世では三十路に足をツッコむ寸前だったし。

「いや? とっくに成人済みだろう?」
「だよねー? お子様にしないよね? してたらたぶん犯罪だよね? この世界でそういう認識あるのか知らんけど」
「ココでも普通に犯罪だ。稚児趣味だからといって性行為などしたら重犯罪だぞ」
「そうだよね!? ロリやショタはノータッチだよね! よかった、まともな世界でー!」

そんなやり取りをしてたらシシーロさんはポカンとしていた。

「・・・・・・エ? 未成年じゃないのか? ? すでに経験済み?」
「・・・・・・そりゃあねぇ」
「ちゃんと蜜月を過ごしているが?」
「───はぁあああああー!?」

ギルマス再びの雄叫びに耳を塞いだ俺は煩いと抗議しようとしたが───。

「煩いですよ、ギルマス!」
「相変わらず喧しいな!」

初めて聞く声に耳を塞いだまま振り向くと、簡易の装備を身に着けた騎士風の細マッチョな美丈夫と、同じく簡易の装備だが傭兵っぽい見た目のゴツいガチムチのイケメンが後ろに立っていた。

騎士風の人はウルフカットの金髪碧眼で、ガチムチの人は藍色の短髪に紫の瞳。二人ともサイファくらいの歳に見える。

「来ましたね。ラトナ様、騎士風の彼が巡回騎士団長のアレックス・カーフィルでゴツい方がリックス・リーヴァーといいます」

ポカンとしていたらチハヤさんが簡潔に紹介してくれた。俺も慌てて手を離して向かい合う。

「お初にお目にかかります。アレックス・カーフィルと申します」
「チハヤ殿、俺等の紹介雑! えーと初めまして。リックス・リーヴァーと申します!」

二人とも特に動揺もせず、和やかに挨拶してくれたのでホッとした。

「二人とも急にすまない。彼は俺の番いでラトナという」
「ラトナです。よろしくお願いします」

自己紹介のあと二人は軽く頭を下げた。サイファにポンポンと帽子の上から撫ぜられて、俺も挨拶してからペコリとお辞儀をした。





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