男前で何が悪い!

エウラ

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52 御対面 2

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俺が羞恥でうがーっと頭を抱えているうちにどうやら王城の城門に着いたようで、門衛の誰何すいかする声が聞こえたあとに馬車の窓を覆っていたカーテンが軽く引かれた。

そこから門衛が覗いて俺達を確認をしてからビシッと敬礼をした。

「第三王子殿下の御帰還!」
「開門!」

何人かの人の声のあとに、重たい門が開く音がして馬車が動き出した。

「おおー、凄い。デカい。さすがお城って感じ!」

窓から覗くと、前世の中世ヨーロッパのお城みたいな建築様式だった。お伽話のようなお城で尖った塔とか幾つもある。
興奮してそう言うとロルフはなんてことないように言った。

「国の威厳を保つには必要なサイズだな」
「俺は華美で好かん」
「まあ、財力を示すためにはある程度必要だよね。他国に侮られないように」

ダートは派手なのが好きではないらしく、苦い顔で言い、スレッドも苦笑して言った。

「まあ、ゴテゴテ成金みたいなのは俺もイヤだ。趣味が悪いのは勘弁だな」
「趣味はいい・・・・・・と思うから大丈夫」

ロルフが若干、自信なさそうに言うので笑ってしまった。

「そういえば俺達って謁見し終えたら街の宿に泊まんの?」
「いや? おそらく王城内に部屋をあてがわれると思う」
「・・・・・・げっ、マジ?」

そういえばここってロルフの実家だよな、って思ってそう聞けば、ロルフにサラッと言われた。

「うん、マジ」

笑いながらダートが補足する。

「俺達もロルフに付いて帰ったときは何時も城に泊まってるし。そもそも前から部屋が用意されてるし」
「ええ? スレッドはともかくダートは実家あるよな? 帰んないの?」
「いやあ、何年も家にいないから居心地悪いし? それにロルフのストッパーだからくっ付いてないとなあ」
「貴族の生活が堅苦しいだけだろう。まあ滞在中は一応顔出しはしてるから、ダートは家族と別に不仲とかじゃないよ?」
「ならいいけど」

ガチで仲悪かったら気まずいもんな。

「ひとまず謁見してからその後は要相談か」

謁見だけで済めばいいなーなんて思ったのが悪かったと思う。たぶんコレがフラグだった。


アレから馬車を降りた俺達四人と一頭(元がグリフォンなのであえて一頭と数える)は、馬車の昇降場で待ち受けていた侍従長という人と近衛騎士達に連行されるように城内に案内された。

文字通り『逃がさないぞ』というように近衛騎士達が五人、周りを囲っている。

「・・・・・・ねえ、ルゥが帰ると何時もこうなの?」
「んなわけあるか。何時もはダートとスレッドと適当に自分の部屋に行ってのんびりしてる。たぶんセッカがいるからだ」

俺とロルフがこそこそと話をしていると何処かの部屋に着いたようで、近衛騎士が扉を開けると侍従長に問答無用で押し込まれた。

「こちらでお着替え下さい」
「───おい雑だな!」
「早くなさいませんと突撃されますよ?」
「え、何が!? 何に!?」
「ではごゆっくり」
「いやいや言ってることが矛盾!!」

侍従長がにっこり笑顔でトンチンカンな台詞を残して扉を閉めた。

「ぇええ? 早く着替えろって? なのにごゆっくり?」
「・・・・・・いや最後のアレはタダの定型文だろう。とにかく着替えないとマズい」
「だな。セッカとロルフは向こうの衝立で着替えろ。俺とスレッドは反対側で着替えてるから」
「手早くね!」
「へ? え?」
「セッカ、早く!」
「何なの、もう!?」

混乱したままの俺を置き去りにしてロルフ達三人はテキパキと動き出す。
俺はロルフに引き摺られて、衝立の向こうで呆然としているうちにさっき言ってたオーダーメイドの衣装を着付けされた。

ロルフも手慣れたように着替え、俺が衝立から顔を出した時に、扉の向こうが騒がしくなった。

「───ギリセーフ!」
「相変わらずだな」
「・・・・・・毎度のことながら困りますね」

何やら訳知り顔の三人にキョトンとする俺と、借りてきた猫のように大人しいコハク。
そういやコハク、全然喋ってないが、大丈夫なんか?

目を向けると相変わらず気まずそうに目を逸らすコハクに首を傾げたその時、バーンと扉が開いて俺は飛び上がってロルフにしがみ付いた。

───な、何事───!??






※人物設定にロルフの家族を追加したんですが、今日、登場までいきませんでした。すみません。次回は出ます!
結構誤字ってましたので修正しておきました。すみません。










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