14 / 42
14 二日酔いは状態異常無効化を無効化?
しおりを挟む
※嘔吐する場面があります。食事中などの方はお気をつけ下さい。
朝、ぱっちりと目が覚めた。
・・・・・・はずもなく、酷い鈍痛が頭を襲う。
気持ち悪い。
二日酔いだ、これ。
辛うじて薄ら目を開けると、デジャヴ。
目の前に目を閉じて眠っている第一異世界人・・・。
あれぇ・・・?
おかしいなぁ・・・・・・。
昨夜、何したっけ?
・・・・・・ああ、お酒飲んで・・・・・・潰れたのか。
で、アルトが運んでくれたのかな?
・・・・・・何で一緒に寝てるんだろう?
全っ然覚えてない。
───睫毛、長っ!
綺麗な黒髪。
・・・・・・耳・・・触っても良いのかな?
異世界あるあるだとマズいんだよな・・・・・・。
でも触りたいな───。
そおっと手を伸ばして、もふ。
もふもふもふ・・・・・・。
ナニコレ気持ちいい───!!
一心不乱に撫でてたら、顔を真っ赤にしたアルトが目に入った。
ぷるぷる震えている。
あ、やっぱりマズいのね?
ごめんなさい。
そっと手を引っ込めた。
・・・・・・が。
もふりで忘れてた二日酔いがぶり返しました。
ヤバい!
トイレ───!
頭痛よりも吐き気がっ!!
吐く!
「おええぇ───」
駆け込んでギリ間に合った。
出るモン出たら幾らかスッキリ。
だが鈍痛は直らない・・・・・・。
「・・・・・・大丈夫か?」
「・・・・・・大丈夫・・・・・・に、見える?」
アルトが心配して声をかけてくれたが、マジ死にそう。
アルトが首を高速で横に振る。
いや、そんなに首を振って君は大丈夫なんかい?
ケロッとしてるね、羨ましい・・・。
俺をそっと抱えてリビングのソファに下ろしてくれる、スマートなアルト君。
「───はぁ・・・・・・薬、あったっけかな? 何を飲めば直る?」
アルトに聞けば、状態異常を直すポーションで直るらしい。
簡易的なところでは解毒薬だと。
───アルコールは毒か。
確かに過ぎれば毒だわな。
納得。
では早速解毒薬を・・・・・・あった。
毒みたいな土留色の解毒薬。
うえぇ、逆に悪化しそう。
「・・・それ、大丈夫なのか?」
心配そうに言うアルトに頷く。
俺特製の薬だぜ!
元気いっぱーつ!
「おええぇ───」
「ッカムイ?!」
アルトが慌てて近づいてきた。
「・・・まっず、めちゃくちゃまっず!!」
薬の類いは初めて飲んだが、ゲームじゃあ味なんてしなかったもんな・・・うん、改良しよう!
でも効き目は抜群だった!
頭痛よ、おさらば!!
「・・・・・・カムイ・・・・・・」
ジト目のアルトは見ないふり───。
あっ!!
「アルト、ベッドまで運んでくれてありがとう。あと、なんか俺やらかした? 何で一緒に寝てたの?」
「ああいや、うん。・・・・・・覚えてない?」
「ごめんね、全っ然覚えてない。もしかして引っ付いて離れなかった? 久し振りに人肌に触れたから、温かかったなあって・・・アルト?」
アルトは難しい顔をしたあと直ぐににこっとして言った。
「うん。俺に抱きついて離れなかった」
「・・・ぇ」
マジか───!!
一瞬でかーっと顔が赤くなったのが分かった。
いやだって、ほんっとに人肌なんて十何年振りだったし。
「───カムイ、可愛い」
「かかっ可愛い言うな!」
そういって部屋に着替えに戻った。
アルトも二階に上がったようだ。
うわ───恥ずかしい───!!!
わたわたと顔を真っ赤な林檎の実のようにして部屋に戻ったカムイを見やって、自分も二階の用意された部屋に戻った。
昨夜は使わなかったので綺麗なままだ。
朝イチで昨夜の事を父さんに話しておこう。
「───おはよう、父さん。まだ家? 朝早く悪いんだけど・・・」
軽く、あの後知ったカムイの事を話す。
思い起こすのは昨夜の悲痛な叫び。
父さんからは、調べてみると返事があった。
自分も着替えて下に下りると、カムイが朝食を並べているところだった。
「手伝うよ」
「ありがとう、じゃあ取り皿とカトラリー出してくれる?」
そういってコーヒーと紅茶を持ってきた。
「飲み物、好きな方飲んでね」
「ああ、ありがとう」
「・・・ふふ、なんか新婚さんみたい。俺達男同士だけどね」
「え、あ! うん・・・」
こんなに穏やかな家庭を持てたらどんなに良いだろう・・・。
ぼんやりと、カムイとの未来を描いてしまった。
これが俗に言う『一目惚れ』ってヤツなのか。
・・・そう言えばカムイに、この世界、同性愛も同性婚も一般的だって教えて無かったな・・・。
これも後で教えないと。
・・・嫌悪感とか無いといいな。
こんなに穏やかな朝は初めてだ。
何時もは朝早く起きて鍛錬をしているが。
今日はゆっくりと過ごせそうだな・・・。
朝、ぱっちりと目が覚めた。
・・・・・・はずもなく、酷い鈍痛が頭を襲う。
気持ち悪い。
二日酔いだ、これ。
辛うじて薄ら目を開けると、デジャヴ。
目の前に目を閉じて眠っている第一異世界人・・・。
あれぇ・・・?
おかしいなぁ・・・・・・。
昨夜、何したっけ?
・・・・・・ああ、お酒飲んで・・・・・・潰れたのか。
で、アルトが運んでくれたのかな?
・・・・・・何で一緒に寝てるんだろう?
全っ然覚えてない。
───睫毛、長っ!
綺麗な黒髪。
・・・・・・耳・・・触っても良いのかな?
異世界あるあるだとマズいんだよな・・・・・・。
でも触りたいな───。
そおっと手を伸ばして、もふ。
もふもふもふ・・・・・・。
ナニコレ気持ちいい───!!
一心不乱に撫でてたら、顔を真っ赤にしたアルトが目に入った。
ぷるぷる震えている。
あ、やっぱりマズいのね?
ごめんなさい。
そっと手を引っ込めた。
・・・・・・が。
もふりで忘れてた二日酔いがぶり返しました。
ヤバい!
トイレ───!
頭痛よりも吐き気がっ!!
吐く!
「おええぇ───」
駆け込んでギリ間に合った。
出るモン出たら幾らかスッキリ。
だが鈍痛は直らない・・・・・・。
「・・・・・・大丈夫か?」
「・・・・・・大丈夫・・・・・・に、見える?」
アルトが心配して声をかけてくれたが、マジ死にそう。
アルトが首を高速で横に振る。
いや、そんなに首を振って君は大丈夫なんかい?
ケロッとしてるね、羨ましい・・・。
俺をそっと抱えてリビングのソファに下ろしてくれる、スマートなアルト君。
「───はぁ・・・・・・薬、あったっけかな? 何を飲めば直る?」
アルトに聞けば、状態異常を直すポーションで直るらしい。
簡易的なところでは解毒薬だと。
───アルコールは毒か。
確かに過ぎれば毒だわな。
納得。
では早速解毒薬を・・・・・・あった。
毒みたいな土留色の解毒薬。
うえぇ、逆に悪化しそう。
「・・・それ、大丈夫なのか?」
心配そうに言うアルトに頷く。
俺特製の薬だぜ!
元気いっぱーつ!
「おええぇ───」
「ッカムイ?!」
アルトが慌てて近づいてきた。
「・・・まっず、めちゃくちゃまっず!!」
薬の類いは初めて飲んだが、ゲームじゃあ味なんてしなかったもんな・・・うん、改良しよう!
でも効き目は抜群だった!
頭痛よ、おさらば!!
「・・・・・・カムイ・・・・・・」
ジト目のアルトは見ないふり───。
あっ!!
「アルト、ベッドまで運んでくれてありがとう。あと、なんか俺やらかした? 何で一緒に寝てたの?」
「ああいや、うん。・・・・・・覚えてない?」
「ごめんね、全っ然覚えてない。もしかして引っ付いて離れなかった? 久し振りに人肌に触れたから、温かかったなあって・・・アルト?」
アルトは難しい顔をしたあと直ぐににこっとして言った。
「うん。俺に抱きついて離れなかった」
「・・・ぇ」
マジか───!!
一瞬でかーっと顔が赤くなったのが分かった。
いやだって、ほんっとに人肌なんて十何年振りだったし。
「───カムイ、可愛い」
「かかっ可愛い言うな!」
そういって部屋に着替えに戻った。
アルトも二階に上がったようだ。
うわ───恥ずかしい───!!!
わたわたと顔を真っ赤な林檎の実のようにして部屋に戻ったカムイを見やって、自分も二階の用意された部屋に戻った。
昨夜は使わなかったので綺麗なままだ。
朝イチで昨夜の事を父さんに話しておこう。
「───おはよう、父さん。まだ家? 朝早く悪いんだけど・・・」
軽く、あの後知ったカムイの事を話す。
思い起こすのは昨夜の悲痛な叫び。
父さんからは、調べてみると返事があった。
自分も着替えて下に下りると、カムイが朝食を並べているところだった。
「手伝うよ」
「ありがとう、じゃあ取り皿とカトラリー出してくれる?」
そういってコーヒーと紅茶を持ってきた。
「飲み物、好きな方飲んでね」
「ああ、ありがとう」
「・・・ふふ、なんか新婚さんみたい。俺達男同士だけどね」
「え、あ! うん・・・」
こんなに穏やかな家庭を持てたらどんなに良いだろう・・・。
ぼんやりと、カムイとの未来を描いてしまった。
これが俗に言う『一目惚れ』ってヤツなのか。
・・・そう言えばカムイに、この世界、同性愛も同性婚も一般的だって教えて無かったな・・・。
これも後で教えないと。
・・・嫌悪感とか無いといいな。
こんなに穏やかな朝は初めてだ。
何時もは朝早く起きて鍛錬をしているが。
今日はゆっくりと過ごせそうだな・・・。
111
お気に入りに追加
491
あなたにおすすめの小説


飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
────────────
※感想、いいね、お気に入り大歓迎です!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる