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14 二日酔いは状態異常無効化を無効化?
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※嘔吐する場面があります。食事中などの方はお気をつけ下さい。
朝、ぱっちりと目が覚めた。
・・・・・・はずもなく、酷い鈍痛が頭を襲う。
気持ち悪い。
二日酔いだ、これ。
辛うじて薄ら目を開けると、デジャヴ。
目の前に目を閉じて眠っている第一異世界人・・・。
あれぇ・・・?
おかしいなぁ・・・・・・。
昨夜、何したっけ?
・・・・・・ああ、お酒飲んで・・・・・・潰れたのか。
で、アルトが運んでくれたのかな?
・・・・・・何で一緒に寝てるんだろう?
全っ然覚えてない。
───睫毛、長っ!
綺麗な黒髪。
・・・・・・耳・・・触っても良いのかな?
異世界あるあるだとマズいんだよな・・・・・・。
でも触りたいな───。
そおっと手を伸ばして、もふ。
もふもふもふ・・・・・・。
ナニコレ気持ちいい───!!
一心不乱に撫でてたら、顔を真っ赤にしたアルトが目に入った。
ぷるぷる震えている。
あ、やっぱりマズいのね?
ごめんなさい。
そっと手を引っ込めた。
・・・・・・が。
もふりで忘れてた二日酔いがぶり返しました。
ヤバい!
トイレ───!
頭痛よりも吐き気がっ!!
吐く!
「おええぇ───」
駆け込んでギリ間に合った。
出るモン出たら幾らかスッキリ。
だが鈍痛は直らない・・・・・・。
「・・・・・・大丈夫か?」
「・・・・・・大丈夫・・・・・・に、見える?」
アルトが心配して声をかけてくれたが、マジ死にそう。
アルトが首を高速で横に振る。
いや、そんなに首を振って君は大丈夫なんかい?
ケロッとしてるね、羨ましい・・・。
俺をそっと抱えてリビングのソファに下ろしてくれる、スマートなアルト君。
「───はぁ・・・・・・薬、あったっけかな? 何を飲めば直る?」
アルトに聞けば、状態異常を直すポーションで直るらしい。
簡易的なところでは解毒薬だと。
───アルコールは毒か。
確かに過ぎれば毒だわな。
納得。
では早速解毒薬を・・・・・・あった。
毒みたいな土留色の解毒薬。
うえぇ、逆に悪化しそう。
「・・・それ、大丈夫なのか?」
心配そうに言うアルトに頷く。
俺特製の薬だぜ!
元気いっぱーつ!
「おええぇ───」
「ッカムイ?!」
アルトが慌てて近づいてきた。
「・・・まっず、めちゃくちゃまっず!!」
薬の類いは初めて飲んだが、ゲームじゃあ味なんてしなかったもんな・・・うん、改良しよう!
でも効き目は抜群だった!
頭痛よ、おさらば!!
「・・・・・・カムイ・・・・・・」
ジト目のアルトは見ないふり───。
あっ!!
「アルト、ベッドまで運んでくれてありがとう。あと、なんか俺やらかした? 何で一緒に寝てたの?」
「ああいや、うん。・・・・・・覚えてない?」
「ごめんね、全っ然覚えてない。もしかして引っ付いて離れなかった? 久し振りに人肌に触れたから、温かかったなあって・・・アルト?」
アルトは難しい顔をしたあと直ぐににこっとして言った。
「うん。俺に抱きついて離れなかった」
「・・・ぇ」
マジか───!!
一瞬でかーっと顔が赤くなったのが分かった。
いやだって、ほんっとに人肌なんて十何年振りだったし。
「───カムイ、可愛い」
「かかっ可愛い言うな!」
そういって部屋に着替えに戻った。
アルトも二階に上がったようだ。
うわ───恥ずかしい───!!!
わたわたと顔を真っ赤な林檎の実のようにして部屋に戻ったカムイを見やって、自分も二階の用意された部屋に戻った。
昨夜は使わなかったので綺麗なままだ。
朝イチで昨夜の事を父さんに話しておこう。
「───おはよう、父さん。まだ家? 朝早く悪いんだけど・・・」
軽く、あの後知ったカムイの事を話す。
思い起こすのは昨夜の悲痛な叫び。
父さんからは、調べてみると返事があった。
自分も着替えて下に下りると、カムイが朝食を並べているところだった。
「手伝うよ」
「ありがとう、じゃあ取り皿とカトラリー出してくれる?」
そういってコーヒーと紅茶を持ってきた。
「飲み物、好きな方飲んでね」
「ああ、ありがとう」
「・・・ふふ、なんか新婚さんみたい。俺達男同士だけどね」
「え、あ! うん・・・」
こんなに穏やかな家庭を持てたらどんなに良いだろう・・・。
ぼんやりと、カムイとの未来を描いてしまった。
これが俗に言う『一目惚れ』ってヤツなのか。
・・・そう言えばカムイに、この世界、同性愛も同性婚も一般的だって教えて無かったな・・・。
これも後で教えないと。
・・・嫌悪感とか無いといいな。
こんなに穏やかな朝は初めてだ。
何時もは朝早く起きて鍛錬をしているが。
今日はゆっくりと過ごせそうだな・・・。
朝、ぱっちりと目が覚めた。
・・・・・・はずもなく、酷い鈍痛が頭を襲う。
気持ち悪い。
二日酔いだ、これ。
辛うじて薄ら目を開けると、デジャヴ。
目の前に目を閉じて眠っている第一異世界人・・・。
あれぇ・・・?
おかしいなぁ・・・・・・。
昨夜、何したっけ?
・・・・・・ああ、お酒飲んで・・・・・・潰れたのか。
で、アルトが運んでくれたのかな?
・・・・・・何で一緒に寝てるんだろう?
全っ然覚えてない。
───睫毛、長っ!
綺麗な黒髪。
・・・・・・耳・・・触っても良いのかな?
異世界あるあるだとマズいんだよな・・・・・・。
でも触りたいな───。
そおっと手を伸ばして、もふ。
もふもふもふ・・・・・・。
ナニコレ気持ちいい───!!
一心不乱に撫でてたら、顔を真っ赤にしたアルトが目に入った。
ぷるぷる震えている。
あ、やっぱりマズいのね?
ごめんなさい。
そっと手を引っ込めた。
・・・・・・が。
もふりで忘れてた二日酔いがぶり返しました。
ヤバい!
トイレ───!
頭痛よりも吐き気がっ!!
吐く!
「おええぇ───」
駆け込んでギリ間に合った。
出るモン出たら幾らかスッキリ。
だが鈍痛は直らない・・・・・・。
「・・・・・・大丈夫か?」
「・・・・・・大丈夫・・・・・・に、見える?」
アルトが心配して声をかけてくれたが、マジ死にそう。
アルトが首を高速で横に振る。
いや、そんなに首を振って君は大丈夫なんかい?
ケロッとしてるね、羨ましい・・・。
俺をそっと抱えてリビングのソファに下ろしてくれる、スマートなアルト君。
「───はぁ・・・・・・薬、あったっけかな? 何を飲めば直る?」
アルトに聞けば、状態異常を直すポーションで直るらしい。
簡易的なところでは解毒薬だと。
───アルコールは毒か。
確かに過ぎれば毒だわな。
納得。
では早速解毒薬を・・・・・・あった。
毒みたいな土留色の解毒薬。
うえぇ、逆に悪化しそう。
「・・・それ、大丈夫なのか?」
心配そうに言うアルトに頷く。
俺特製の薬だぜ!
元気いっぱーつ!
「おええぇ───」
「ッカムイ?!」
アルトが慌てて近づいてきた。
「・・・まっず、めちゃくちゃまっず!!」
薬の類いは初めて飲んだが、ゲームじゃあ味なんてしなかったもんな・・・うん、改良しよう!
でも効き目は抜群だった!
頭痛よ、おさらば!!
「・・・・・・カムイ・・・・・・」
ジト目のアルトは見ないふり───。
あっ!!
「アルト、ベッドまで運んでくれてありがとう。あと、なんか俺やらかした? 何で一緒に寝てたの?」
「ああいや、うん。・・・・・・覚えてない?」
「ごめんね、全っ然覚えてない。もしかして引っ付いて離れなかった? 久し振りに人肌に触れたから、温かかったなあって・・・アルト?」
アルトは難しい顔をしたあと直ぐににこっとして言った。
「うん。俺に抱きついて離れなかった」
「・・・ぇ」
マジか───!!
一瞬でかーっと顔が赤くなったのが分かった。
いやだって、ほんっとに人肌なんて十何年振りだったし。
「───カムイ、可愛い」
「かかっ可愛い言うな!」
そういって部屋に着替えに戻った。
アルトも二階に上がったようだ。
うわ───恥ずかしい───!!!
わたわたと顔を真っ赤な林檎の実のようにして部屋に戻ったカムイを見やって、自分も二階の用意された部屋に戻った。
昨夜は使わなかったので綺麗なままだ。
朝イチで昨夜の事を父さんに話しておこう。
「───おはよう、父さん。まだ家? 朝早く悪いんだけど・・・」
軽く、あの後知ったカムイの事を話す。
思い起こすのは昨夜の悲痛な叫び。
父さんからは、調べてみると返事があった。
自分も着替えて下に下りると、カムイが朝食を並べているところだった。
「手伝うよ」
「ありがとう、じゃあ取り皿とカトラリー出してくれる?」
そういってコーヒーと紅茶を持ってきた。
「飲み物、好きな方飲んでね」
「ああ、ありがとう」
「・・・ふふ、なんか新婚さんみたい。俺達男同士だけどね」
「え、あ! うん・・・」
こんなに穏やかな家庭を持てたらどんなに良いだろう・・・。
ぼんやりと、カムイとの未来を描いてしまった。
これが俗に言う『一目惚れ』ってヤツなのか。
・・・そう言えばカムイに、この世界、同性愛も同性婚も一般的だって教えて無かったな・・・。
これも後で教えないと。
・・・嫌悪感とか無いといいな。
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何時もは朝早く起きて鍛錬をしているが。
今日はゆっくりと過ごせそうだな・・・。
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