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12 きっかけ 3(sideアビス)(少し加筆してます)
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ノヴァと同じ冒険者になって一緒に過ごす。
その願いは呆気なく打ち砕かれた。
ノヴァが卒院して認識阻害魔法が切れた。
俺の髪と目はたちまち目立ち、そこを狙われた。
水面下で俺を見守っていた国王陛下の影が間一髪で拐かしを防いでくれたが、やはり危険だということで俺の認知をして第二王子として公に発表された。
そして俺は辺境の街から王都に移動し、王城で王族としての教育を受けることになった。
普通はもっと小さいときから習うことも、幸いなことに飲み込みの早かった俺はどんどん吸収し身につけていった。
今にしてみれば異母兄が立太子済みでよかったと思う。俺のハイスペックを知って表立って言う者はいなかったが、色々と下世話な噂はちらほら出ていたから。
『もっと早く見つけていれば、あるいは……』だの『一介の領主の娘風情の血筋が』だの、いい意味でも悪い意味でも囁かれてうんざりだった。
もちろん第二王子として公表されるときに王位継承権は放棄しているし王太子も俺が権力に全く興味がないことを分かっているので揉めることはなかった。
俺は玉座に興味はない。俺が興味があるのはノヴァだけ。
そのノヴァには彼の卒院以降、会えていない。
俺が第二王子だったことも知っているのかすら分からなかった。
俺は王城で知識を蓄え、剣と魔法の腕を磨いた。そして異母兄の王太子が国王に即位してすぐに素性を隠して冒険者登録をした。もちろん父や兄王から許可を得て、ギルマスとサブギルマスにも話を通してある。
王族だとバレないように認識阻害魔法を自身にかけてシンのときの色に変えて。
冒険者になるのは俺がノヴァに会いたいという気持ちもあったが、実際はノヴァの保護が目的だった。
俺の情報や孤児院での生活の調査を踏まえて東の島国の国王に連絡を取ると、驚くべきことにノヴァは生まれてすぐに誘拐されて行方不明の第一王子だという。
しかもその王族は皆、黒髪黒目で前世の記憶持ちだと。
──そういえば前にノヴァが言っていたな。
『今世での恩返しだよ。これくらいしか覚えてないから』って。あれはそういうことだったのか。
そういうわけで冒険者登録の許可を取ったわけだが、条件として護衛を一人つけること、他にも王家の影をつけることという内容が決まった。
護衛を務めるのは俺の剣の師匠の一番弟子で兄弟子のキースだった。彼なら気の置けない関係だから気楽に過ごせそうだ。
辺境の街へ向かい、そこの冒険者ギルドでキースと二人で同時に登録をした。
これでノヴァと同じ場所で同じ冒険者になったわけだ。
しかし初顔で初心者の俺達がCランクのノヴァと接触するのは目立つからとそれなりのランクになるまで待つことになり、キースとペアでどんどんランクを上げていくうちにキースはAランクに、なぜか俺はSランクになっていた。
それに比例してノヴァとは距離が離れていった。
なぜだ。解せん。
何度となく近くに寄ってみたりもしたが、ノヴァは俺があのときのシンだと気付いていないようだった。
忘れられてしまったのだろうか。わざわざ認識阻害魔法を少し改変してノヴァにだけは変化したあとの王家の色である金髪紫目に見えるようにしたのに。
まあ、今や俺の方が背もぐっと高くてそれなりにガッチリしてるし、それにあれから11年経ってるし?
溜め息を吐きつつ常にコッソリとノヴァのあとをつけ回すように行動していたからか、キースには『ガチでストーカーじゃん』と爆笑されたが。
……そうか、ストーカーか。
ちょっと凹んだ俺をトリニティとエタニティが無表情で憐れみの目を向けてくる。
執事のエヴァンスも呆れたように見る。
俺に味方はいないのか?
──あの日、すっかりストーカーと化した俺が雷雨の中の洞窟でノヴァを抱き潰してお持ち帰りした日。
事情を知ったエタニティにこれでもかというほど説教をされ、エヴァンスにもノヴァが起きるまで接触禁止を言い渡され、キースには『とうとうヤっちまったか!』と大爆笑された。
トリニティも冷たい目で俺を一瞥したあとエヴァンスと一緒にノヴァの世話を焼いている。
説教をされているときに一度ノヴァが目覚めたらしいが、ノヴァの身体を労ってもう一度眠らせたらしい。
『ええー、顔を見たかった──』
『何アホなことを言ってんです、このダメ主は。誰のせいでお疲れだと思っていやがるんですか、体格差体力差を考えやがれ。それにあの方は初心者だろうが。暴走すんなですよ』
『……俺も童て──いえ、ハイ、俺のせいです、すみません』
エタニティもトリニティもガチギレすると言葉遣いがおかしくなる。だからマジでヤバいっていうのは分かった。
これは俺が我慢できずにやらかした結果なので素直に謝る。
『分かったらその情けない顔を風呂に入って綺麗にしてきて下さい。かの方が次に目覚めたら説明するんでしょう?』
『っ! ああ、そうする』
エタニティがやれやれという感じでそう告げたのを合図に説教タイムは終わり。
こうして諸々を片付けてようやくノヴァと話をすることが出来たのだった。
その願いは呆気なく打ち砕かれた。
ノヴァが卒院して認識阻害魔法が切れた。
俺の髪と目はたちまち目立ち、そこを狙われた。
水面下で俺を見守っていた国王陛下の影が間一髪で拐かしを防いでくれたが、やはり危険だということで俺の認知をして第二王子として公に発表された。
そして俺は辺境の街から王都に移動し、王城で王族としての教育を受けることになった。
普通はもっと小さいときから習うことも、幸いなことに飲み込みの早かった俺はどんどん吸収し身につけていった。
今にしてみれば異母兄が立太子済みでよかったと思う。俺のハイスペックを知って表立って言う者はいなかったが、色々と下世話な噂はちらほら出ていたから。
『もっと早く見つけていれば、あるいは……』だの『一介の領主の娘風情の血筋が』だの、いい意味でも悪い意味でも囁かれてうんざりだった。
もちろん第二王子として公表されるときに王位継承権は放棄しているし王太子も俺が権力に全く興味がないことを分かっているので揉めることはなかった。
俺は玉座に興味はない。俺が興味があるのはノヴァだけ。
そのノヴァには彼の卒院以降、会えていない。
俺が第二王子だったことも知っているのかすら分からなかった。
俺は王城で知識を蓄え、剣と魔法の腕を磨いた。そして異母兄の王太子が国王に即位してすぐに素性を隠して冒険者登録をした。もちろん父や兄王から許可を得て、ギルマスとサブギルマスにも話を通してある。
王族だとバレないように認識阻害魔法を自身にかけてシンのときの色に変えて。
冒険者になるのは俺がノヴァに会いたいという気持ちもあったが、実際はノヴァの保護が目的だった。
俺の情報や孤児院での生活の調査を踏まえて東の島国の国王に連絡を取ると、驚くべきことにノヴァは生まれてすぐに誘拐されて行方不明の第一王子だという。
しかもその王族は皆、黒髪黒目で前世の記憶持ちだと。
──そういえば前にノヴァが言っていたな。
『今世での恩返しだよ。これくらいしか覚えてないから』って。あれはそういうことだったのか。
そういうわけで冒険者登録の許可を取ったわけだが、条件として護衛を一人つけること、他にも王家の影をつけることという内容が決まった。
護衛を務めるのは俺の剣の師匠の一番弟子で兄弟子のキースだった。彼なら気の置けない関係だから気楽に過ごせそうだ。
辺境の街へ向かい、そこの冒険者ギルドでキースと二人で同時に登録をした。
これでノヴァと同じ場所で同じ冒険者になったわけだ。
しかし初顔で初心者の俺達がCランクのノヴァと接触するのは目立つからとそれなりのランクになるまで待つことになり、キースとペアでどんどんランクを上げていくうちにキースはAランクに、なぜか俺はSランクになっていた。
それに比例してノヴァとは距離が離れていった。
なぜだ。解せん。
何度となく近くに寄ってみたりもしたが、ノヴァは俺があのときのシンだと気付いていないようだった。
忘れられてしまったのだろうか。わざわざ認識阻害魔法を少し改変してノヴァにだけは変化したあとの王家の色である金髪紫目に見えるようにしたのに。
まあ、今や俺の方が背もぐっと高くてそれなりにガッチリしてるし、それにあれから11年経ってるし?
溜め息を吐きつつ常にコッソリとノヴァのあとをつけ回すように行動していたからか、キースには『ガチでストーカーじゃん』と爆笑されたが。
……そうか、ストーカーか。
ちょっと凹んだ俺をトリニティとエタニティが無表情で憐れみの目を向けてくる。
執事のエヴァンスも呆れたように見る。
俺に味方はいないのか?
──あの日、すっかりストーカーと化した俺が雷雨の中の洞窟でノヴァを抱き潰してお持ち帰りした日。
事情を知ったエタニティにこれでもかというほど説教をされ、エヴァンスにもノヴァが起きるまで接触禁止を言い渡され、キースには『とうとうヤっちまったか!』と大爆笑された。
トリニティも冷たい目で俺を一瞥したあとエヴァンスと一緒にノヴァの世話を焼いている。
説教をされているときに一度ノヴァが目覚めたらしいが、ノヴァの身体を労ってもう一度眠らせたらしい。
『ええー、顔を見たかった──』
『何アホなことを言ってんです、このダメ主は。誰のせいでお疲れだと思っていやがるんですか、体格差体力差を考えやがれ。それにあの方は初心者だろうが。暴走すんなですよ』
『……俺も童て──いえ、ハイ、俺のせいです、すみません』
エタニティもトリニティもガチギレすると言葉遣いがおかしくなる。だからマジでヤバいっていうのは分かった。
これは俺が我慢できずにやらかした結果なので素直に謝る。
『分かったらその情けない顔を風呂に入って綺麗にしてきて下さい。かの方が次に目覚めたら説明するんでしょう?』
『っ! ああ、そうする』
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