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8 アビスの事情 1
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※本日三度目の投稿です。
テーブルの上にはいろんな料理が大皿に盛り付けてあって、エタニティが少しずつプレートに取り分けてくれたのでそれを口にしていく。
さすがに前の日の夜から食べていないので空腹が過ぎた。
いい匂いにつられてバクバクと口に運んでいると、ふとアビスの視線を感じて手が止まった。
「何?」
「いえ、凄く美味しそうに食べてて料理があっという間に消えるのに所作が綺麗だなと思って」
「あー、うん。俺は気付いてなかったけど、もしかしてこういうところに違和感があった?」
無意識に出てたのかな? 今世ではこんなマナー習うような生活してないもんな。
「まあ、それもあるかな。ノヴァって冒険者っぽくないよね。粗野な感じしないし端々で品がいいんだよね。ほら、食事のマナーだって完璧で誰に教わったの? ってくらい」
「もう今更だから言うけどさ、前世での俺はたぶん今と変わらないくらいの年齢で仕事をしてて、あんまり覚えてないけど仕事先でもこういう会食があるからちゃんと習ってたんだと思う」
詳しいことは思い出せないけど、経験したことが身体というか魂に染みついてるんだろう。
「そういうアビスも他の冒険者とはちょっと違うよな。アビスこそどこぞの御貴族様じゃないの?」
付け焼き刃じゃない、きちんとした身のこなし。それに専属侍従とか執事とかいるなんて絶対一般的じゃないよな。
そう思いながらお腹が落ち着いたのでグラスの水を口に含む。
「うん、そうだね。実は俺、この国の王族なんだ」
「──っぶっ!? ゴホッ!」
飲み込む寸前にポロッと世間話みたいに言われて思わず吹き出す。
「大丈夫!?」
「……っじゃない! ケホッ、おま、お前、え? マジで!?」
「マジで。現王の年の離れた弟なんだ。庶子だけどね」
そう言って笑うアビスを見てからエタニティを見ると無言で頷かれた。
え、マジ?
「俺ね、先王がお忍びで狩りに出かけた先の領主の娘との一夜の戯れで出来た子なんだって。まあ大っぴらには出来ないから認知はされなかったんだけど。そもそも俺は髪も目も母似だったし」
「……でも、じゃあ何で今頃?」
「まだ王が王太子だったときに俺を利用価値ありとする反王太子派みたいな輩がいて、それに気付いた母や祖父母が俺を孤児院に密かに預けたんだけど、それがバレちゃって」
どうやらアビスは母親と同じ薄茶色の髪と水色の瞳だったそうだが、孤児院に預けられてからわずか一年足らずで今の薄い金色の髪と紫色の瞳に変わっていったそうだ。
へぇ、そんなことあるんだ?
「この色は王家の血筋に出る色なんだって。だから反王太子派に目をつけられて攫われそうになったんで、先王が事態を重くみて俺を引き取り、認知した」
それが11歳のときだという。
「でも一年孤児院にいたって、この辺の孤児院は俺がいたところしかないよな。そんな歳の子、いたっけ?」
記憶を浚うが心当たりはない。俺が卒院したあとに来たのか?
「いたよ、当時は名前も違ってた。ミドルネームを名乗ってたし、髪も目も色は違ってたから」
「……え、──ちょっと待て、薄茶色の髪と水色の瞳の子は確か……シン?」
「正解」
「マジで!? あの、俺にいっつもくっ付いてた甘えん坊のヒョロッとした可愛い顔のシン!?」
「そうだよ。11年ぶりだね、ノヴァ」
どうりで俺の名前を知っていたわけだ。
テーブルの上にはいろんな料理が大皿に盛り付けてあって、エタニティが少しずつプレートに取り分けてくれたのでそれを口にしていく。
さすがに前の日の夜から食べていないので空腹が過ぎた。
いい匂いにつられてバクバクと口に運んでいると、ふとアビスの視線を感じて手が止まった。
「何?」
「いえ、凄く美味しそうに食べてて料理があっという間に消えるのに所作が綺麗だなと思って」
「あー、うん。俺は気付いてなかったけど、もしかしてこういうところに違和感があった?」
無意識に出てたのかな? 今世ではこんなマナー習うような生活してないもんな。
「まあ、それもあるかな。ノヴァって冒険者っぽくないよね。粗野な感じしないし端々で品がいいんだよね。ほら、食事のマナーだって完璧で誰に教わったの? ってくらい」
「もう今更だから言うけどさ、前世での俺はたぶん今と変わらないくらいの年齢で仕事をしてて、あんまり覚えてないけど仕事先でもこういう会食があるからちゃんと習ってたんだと思う」
詳しいことは思い出せないけど、経験したことが身体というか魂に染みついてるんだろう。
「そういうアビスも他の冒険者とはちょっと違うよな。アビスこそどこぞの御貴族様じゃないの?」
付け焼き刃じゃない、きちんとした身のこなし。それに専属侍従とか執事とかいるなんて絶対一般的じゃないよな。
そう思いながらお腹が落ち着いたのでグラスの水を口に含む。
「うん、そうだね。実は俺、この国の王族なんだ」
「──っぶっ!? ゴホッ!」
飲み込む寸前にポロッと世間話みたいに言われて思わず吹き出す。
「大丈夫!?」
「……っじゃない! ケホッ、おま、お前、え? マジで!?」
「マジで。現王の年の離れた弟なんだ。庶子だけどね」
そう言って笑うアビスを見てからエタニティを見ると無言で頷かれた。
え、マジ?
「俺ね、先王がお忍びで狩りに出かけた先の領主の娘との一夜の戯れで出来た子なんだって。まあ大っぴらには出来ないから認知はされなかったんだけど。そもそも俺は髪も目も母似だったし」
「……でも、じゃあ何で今頃?」
「まだ王が王太子だったときに俺を利用価値ありとする反王太子派みたいな輩がいて、それに気付いた母や祖父母が俺を孤児院に密かに預けたんだけど、それがバレちゃって」
どうやらアビスは母親と同じ薄茶色の髪と水色の瞳だったそうだが、孤児院に預けられてからわずか一年足らずで今の薄い金色の髪と紫色の瞳に変わっていったそうだ。
へぇ、そんなことあるんだ?
「この色は王家の血筋に出る色なんだって。だから反王太子派に目をつけられて攫われそうになったんで、先王が事態を重くみて俺を引き取り、認知した」
それが11歳のときだという。
「でも一年孤児院にいたって、この辺の孤児院は俺がいたところしかないよな。そんな歳の子、いたっけ?」
記憶を浚うが心当たりはない。俺が卒院したあとに来たのか?
「いたよ、当時は名前も違ってた。ミドルネームを名乗ってたし、髪も目も色は違ってたから」
「……え、──ちょっと待て、薄茶色の髪と水色の瞳の子は確か……シン?」
「正解」
「マジで!? あの、俺にいっつもくっ付いてた甘えん坊のヒョロッとした可愛い顔のシン!?」
「そうだよ。11年ぶりだね、ノヴァ」
どうりで俺の名前を知っていたわけだ。
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