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第四章 エルフの里編
アルカス、精霊王に遭遇す
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さて、とりあえず当初の目的であった『ウィステリアの祝福』は済んだので、後は自由にしていいと言われた。
数日間滞在して帰るつもりなので、今のうちに気になるところを見て回ろうということになった。
精霊達と遊んでいた時に見えた湖が綺麗で、行ってみたかったのでクラビスと二人で行くことにした。
「夫夫水入らずでデートして来いよ」
そういってフェイは二人を見送った。
ウィステリアもほのほの笑って送り出した。
のんびり行こうと、クラビスと手を繋いで歩いていたが、身長差のせいか遅々として進まず、結局クラビスに抱っこされていた。
「ちくしょう、足のリーチが・・・・・・!!」
「俺は何時でも抱き上げたいから問題ない」
「くそう、爽やか笑顔でそう言われたら文句言えないじゃんか!」
ははは、と笑いながらあっという間に目的地に着いた。
なんか負けた気分。
湖はめちゃくちゃ澄んでいて、そんでもってめちゃくちゃ精霊が居た。
もうね、眩しすぎて湖が見えない。
思わず足を踏み外して湖にドボンと。
「アルカス?!」
クラビスが慌てて引き揚げてくれたけど、次の瞬間・・・・・・。
湖がぱああっと光って大きい人型の精霊?が現れた。
『あなたの落としたモノはこの金の剣ですか、それとも銀の剣ですか?』
「・・・・・・俺は自分が落ちたんであって、何も落としてませんけど」
『・・・・・・』
「・・・・・・」
コレってお伽話の金と銀の斧のヤツ・・・・・・?
何で??
『えう、あう・・・・・・ぅあっっっっ!!!』
「ひええ?!」
びっくりしたあ!
何、何なの?!
クラビスにしがみついていたら、えぐえぐ泣いてた精霊さんがおもむろに顔を上げた。
『・・・・・・私は世界樹の精霊王ですぅ。あなたに会いたくて頑張ったのに・・・・・・酷いいい!』
いやそれ、俺、悪くなくね?
ひとしきり泣いて気が済んだのか、ガラッと変わってにこにこしながら自己紹介をしてきた。
『改めまして、世界樹の精霊王です。我が子達がお世話になりました』
「アルカスです。こちらこそ、たくさん遊んで貰いました」
「クラビスです。お世話になっております」
「ところで、何か用ですか?」
アルカスが何気なく言った言葉にピシリと固まった精霊王。
クラビスは苦笑している。
『・・・・・・・・・・・・用が無いと会ってくれないのですか・・・・・・・・・・・・?』
悲壮な顔をした精霊王を見てアルカスが慌てて訂正した。
「いやいや、そんなの関係なく、会います! いや、何か用事があったのかと気になっただけで!」
『ありがとう---!』
ひしっと抱きつかれて、内心アルカスはほっとしていた。
アブね---!
精霊王、豆腐メンタル過ぎだろう!
数日間滞在して帰るつもりなので、今のうちに気になるところを見て回ろうということになった。
精霊達と遊んでいた時に見えた湖が綺麗で、行ってみたかったのでクラビスと二人で行くことにした。
「夫夫水入らずでデートして来いよ」
そういってフェイは二人を見送った。
ウィステリアもほのほの笑って送り出した。
のんびり行こうと、クラビスと手を繋いで歩いていたが、身長差のせいか遅々として進まず、結局クラビスに抱っこされていた。
「ちくしょう、足のリーチが・・・・・・!!」
「俺は何時でも抱き上げたいから問題ない」
「くそう、爽やか笑顔でそう言われたら文句言えないじゃんか!」
ははは、と笑いながらあっという間に目的地に着いた。
なんか負けた気分。
湖はめちゃくちゃ澄んでいて、そんでもってめちゃくちゃ精霊が居た。
もうね、眩しすぎて湖が見えない。
思わず足を踏み外して湖にドボンと。
「アルカス?!」
クラビスが慌てて引き揚げてくれたけど、次の瞬間・・・・・・。
湖がぱああっと光って大きい人型の精霊?が現れた。
『あなたの落としたモノはこの金の剣ですか、それとも銀の剣ですか?』
「・・・・・・俺は自分が落ちたんであって、何も落としてませんけど」
『・・・・・・』
「・・・・・・」
コレってお伽話の金と銀の斧のヤツ・・・・・・?
何で??
『えう、あう・・・・・・ぅあっっっっ!!!』
「ひええ?!」
びっくりしたあ!
何、何なの?!
クラビスにしがみついていたら、えぐえぐ泣いてた精霊さんがおもむろに顔を上げた。
『・・・・・・私は世界樹の精霊王ですぅ。あなたに会いたくて頑張ったのに・・・・・・酷いいい!』
いやそれ、俺、悪くなくね?
ひとしきり泣いて気が済んだのか、ガラッと変わってにこにこしながら自己紹介をしてきた。
『改めまして、世界樹の精霊王です。我が子達がお世話になりました』
「アルカスです。こちらこそ、たくさん遊んで貰いました」
「クラビスです。お世話になっております」
「ところで、何か用ですか?」
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クラビスは苦笑している。
『・・・・・・・・・・・・用が無いと会ってくれないのですか・・・・・・・・・・・・?』
悲壮な顔をした精霊王を見てアルカスが慌てて訂正した。
「いやいや、そんなの関係なく、会います! いや、何か用事があったのかと気になっただけで!」
『ありがとう---!』
ひしっと抱きつかれて、内心アルカスはほっとしていた。
アブね---!
精霊王、豆腐メンタル過ぎだろう!
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