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第四章 エルフの里編
森の賢者 その6
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朝、スッキリと目が覚めた。
「おはよう、アルカス」
バッチリクラビスと目が合って唇にキスされた。
もう秒で頭、覚醒したね!
食堂に行くと、ウィステリアとフェイがいた。
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう。早かったな」
「うん、疲れてたからぐっすり寝たみたい」
テーブルについて、朝食を食べる。
「今日は例の、赤子の祝福をしに行くがアルカス達も来るのであろう?」
「えっ、お邪魔じゃない? いいの?!」
「もちろん。そもそもあんなに精霊に好かれているお主がいれば逆に喜ぶであろうな」
「行く行く! クラビス、早く食べて支度しよう!!」
「落ち着けって。こんな朝早くに押しかけるヤツいねえって。早くても昼前だろう」
それを聞いてアルカスがやっと落ち着いた。
「ごめんね、そうだよね。いやだって、赤ちゃん可愛いだろうなあ」
「アルカスって子供好き?」
「うん。施設にいたとき、下の子の面倒見てたし。小っちゃい子の方が純粋に俺を慕ってくれたし。俺、この目でけっこう気味悪がられたから・・・」
まあ、今はそんなことないから、皆好きだけど。
だからそんな顔をしないで笑って。
「子供好きなら、俺達の子供も早く作ろうか」
なんて真顔でブツブツ言わないで、クラビス!
まだ当分二人でいちゃいちゃしたいの!
ウィステリアとフェイが呆れた眼差しで見ていた。
結局、11時頃にその赤ちゃんのいるおうちに行くことになった。。
「ところで祝福って何するの?」
「今更だのう」
「アルカスらしい」
「ええ、フェイは知ってるの?!」
「知ってる」
な、何だってぇ---!
「そんなショックな顔をするな。何、エルフ語で祝詞をあげるだけだよ。まあ、何かと精霊の力が付く事もあるので、魔力の強い者がやるのが慣例だのう」
「へえ、じゃあやっぱりお爺ちゃんは凄いエルフなんだねえ」
「ほっほ。凄いか? アルカスに言われるとなんか嬉しいのう」
ほのほのしながらお邪魔させて貰った。
「サラン、スサナ。久しいの」
「ご無沙汰しております、ウィステリア様。この度は私どもの子の為にわざわざありがとうございます」
優しそうなエルフの夫婦だ。
「こんにちは、アルカスと言います。お邪魔します」
「クラビスとフェイと申します。お邪魔させて頂いてます」
「ご丁寧にありがとうございます。皆様の事は昨日の事で存じております。何もお構い出来ませんが・・・」
「あのあの、あとで赤ちゃん、抱っこさせて貰えたら嬉しいです!」
「まあまあ。構いませんよ。ひとまず中へどうぞ」
案内された部屋に行くと、天使がいた。
薄い金髪にアルカスのものよりも薄い翠の瞳。
めちゃくちゃ可愛い!
興奮気味のアルカスを宥めるように、ウィステリアが静かに祝詞をあげ始めた。
エルフ語だからか、意味は全く分からなかったが。
唱え終わった途端に赤ちゃんの周りに精霊が集まりだして、あっという間に赤ちゃんの姿が見えなくなった。
「凄い・・・こんなにたくさんの精霊が・・・」
「ある意味アルカスのせいじゃの」
「え? 俺? 何もしてないよ」
「昨日精霊達と遊んでおったろう。お主は精霊に愛されているからの」
少しして、精霊は消えた。
そしてどうやら、この子にはたくさんの精霊が力を貸したようだ。
「ありがとうございます! アルカスさん、約束通り、抱っこしてあげて下さい」
「あっ、ありがとうございます! うわあ、小さくて可愛い!」
抱き上げるその手には迷いがなく、子守り熟練者の乳母のようだ。
本人が慣れてると言うだけある。
クラビスがそれを眩しそうに見ていた。
アルカスが思わず、といった感じで額に口付けるとぽうっと光ってその光が吸い込まれた。
「ほあ?! 何々??」
「ふむ・・ああ、どうやらその赤子に光の加護が付いたようだな」
「はあ? 大丈夫なの? てか、何で?!」
「お主の『エストレラ神の加護』が気まぐれを起こしたのだろうて。寧ろいいことだの」
「ええぇ、そう?ならいいけど」
そういって赤ちゃんをお母さんに返して、おうちを後にした。
ちなみに、ご夫婦にはめちゃくちゃ喜ばれました。
それにしても、可愛かったなあ・・・。
「おはよう、アルカス」
バッチリクラビスと目が合って唇にキスされた。
もう秒で頭、覚醒したね!
食堂に行くと、ウィステリアとフェイがいた。
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう。早かったな」
「うん、疲れてたからぐっすり寝たみたい」
テーブルについて、朝食を食べる。
「今日は例の、赤子の祝福をしに行くがアルカス達も来るのであろう?」
「えっ、お邪魔じゃない? いいの?!」
「もちろん。そもそもあんなに精霊に好かれているお主がいれば逆に喜ぶであろうな」
「行く行く! クラビス、早く食べて支度しよう!!」
「落ち着けって。こんな朝早くに押しかけるヤツいねえって。早くても昼前だろう」
それを聞いてアルカスがやっと落ち着いた。
「ごめんね、そうだよね。いやだって、赤ちゃん可愛いだろうなあ」
「アルカスって子供好き?」
「うん。施設にいたとき、下の子の面倒見てたし。小っちゃい子の方が純粋に俺を慕ってくれたし。俺、この目でけっこう気味悪がられたから・・・」
まあ、今はそんなことないから、皆好きだけど。
だからそんな顔をしないで笑って。
「子供好きなら、俺達の子供も早く作ろうか」
なんて真顔でブツブツ言わないで、クラビス!
まだ当分二人でいちゃいちゃしたいの!
ウィステリアとフェイが呆れた眼差しで見ていた。
結局、11時頃にその赤ちゃんのいるおうちに行くことになった。。
「ところで祝福って何するの?」
「今更だのう」
「アルカスらしい」
「ええ、フェイは知ってるの?!」
「知ってる」
な、何だってぇ---!
「そんなショックな顔をするな。何、エルフ語で祝詞をあげるだけだよ。まあ、何かと精霊の力が付く事もあるので、魔力の強い者がやるのが慣例だのう」
「へえ、じゃあやっぱりお爺ちゃんは凄いエルフなんだねえ」
「ほっほ。凄いか? アルカスに言われるとなんか嬉しいのう」
ほのほのしながらお邪魔させて貰った。
「サラン、スサナ。久しいの」
「ご無沙汰しております、ウィステリア様。この度は私どもの子の為にわざわざありがとうございます」
優しそうなエルフの夫婦だ。
「こんにちは、アルカスと言います。お邪魔します」
「クラビスとフェイと申します。お邪魔させて頂いてます」
「ご丁寧にありがとうございます。皆様の事は昨日の事で存じております。何もお構い出来ませんが・・・」
「あのあの、あとで赤ちゃん、抱っこさせて貰えたら嬉しいです!」
「まあまあ。構いませんよ。ひとまず中へどうぞ」
案内された部屋に行くと、天使がいた。
薄い金髪にアルカスのものよりも薄い翠の瞳。
めちゃくちゃ可愛い!
興奮気味のアルカスを宥めるように、ウィステリアが静かに祝詞をあげ始めた。
エルフ語だからか、意味は全く分からなかったが。
唱え終わった途端に赤ちゃんの周りに精霊が集まりだして、あっという間に赤ちゃんの姿が見えなくなった。
「凄い・・・こんなにたくさんの精霊が・・・」
「ある意味アルカスのせいじゃの」
「え? 俺? 何もしてないよ」
「昨日精霊達と遊んでおったろう。お主は精霊に愛されているからの」
少しして、精霊は消えた。
そしてどうやら、この子にはたくさんの精霊が力を貸したようだ。
「ありがとうございます! アルカスさん、約束通り、抱っこしてあげて下さい」
「あっ、ありがとうございます! うわあ、小さくて可愛い!」
抱き上げるその手には迷いがなく、子守り熟練者の乳母のようだ。
本人が慣れてると言うだけある。
クラビスがそれを眩しそうに見ていた。
アルカスが思わず、といった感じで額に口付けるとぽうっと光ってその光が吸い込まれた。
「ほあ?! 何々??」
「ふむ・・ああ、どうやらその赤子に光の加護が付いたようだな」
「はあ? 大丈夫なの? てか、何で?!」
「お主の『エストレラ神の加護』が気まぐれを起こしたのだろうて。寧ろいいことだの」
「ええぇ、そう?ならいいけど」
そういって赤ちゃんをお母さんに返して、おうちを後にした。
ちなみに、ご夫婦にはめちゃくちゃ喜ばれました。
それにしても、可愛かったなあ・・・。
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