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第四章 エルフの里編
森の賢者 その5
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「つっっっかれた---!!」
アルカスがクラビスの元へと戻って来たのは陽が傾いて空が薄ら赤くなってきた頃。
ヒイヒイ言いながら疲れた顔で降りてきた。
『まだ遊ぼうよ』
『次は何する?』
「・・・いやいや、もう無理! あのねえ、俺は普通の人族なの! 休んでご飯食べて寝ないと死ぬの!! 分かった?!」
『ええ-軟弱』
『人族、軟弱---!』
「さすがの俺でもぶっ続けはキツいって」
「その辺で勘弁して貰えないだろうか? アルカスは俺の大切なお嫁さんなんだ。俺に返して欲しいな」
クラビスの声に皆が反応した。
『え---そうなの?』
『じゃあ仕方ないね』
『オニーサンに返してあげる』
『またね』
『楽しかった!』
「うん、またね」
そういって去って行った精霊を見送って、クラビスの胸に飛び込む。
「ありがとう、クラビスのお陰でやっと解放された。お腹いっぱい減った。疲れた!」
「よしよし、お疲れ様。ウィステリア様の邸で夕御飯にしようか」
「やった! このまま抱っこして連れてって」
「喜んで」
やっぱり俺の旦那様はサイコーです!
そのままクラビスに運ばれた。もう全力でだらけた。
ウィステリアの家に着いたときは半分寝てたよね。
あまりのぐだぐだ具合にフェイが大笑いしていたけど。
「お前、この中で一番若いくせに体力ないな」
「フェイ達と一緒にすんな! やっとこレベル半分くらいなんだから仕方ないじゃん。精霊達と全力で追いかけっこしてみなよ!」
「そもそも視えないから無理」
むー!
正論で返されて黙った。
「でも何となくこの辺にいるなって感じはするかな。気配を感じる。視えないけど」
「・・・ああ。確かにフェイの側に一人居るな」
「うん、なんか楽しそう」
『この人好き』
「フェイの事、好きだって!」
「へえ? それは素直に嬉しいな」
『契約する』
「・・・契約するって言ってるけど・・・ウィステリア、それってどういう・・・?」
ウィステリアに聞いたら、精霊が視えるようになって尚かつその精霊の属性魔法が使えるようになるそうだ。
「エルフ以外でも稀に好かれる者がいての。せっかくだから契約しておけ。損にはならぬよ」
「ウィステリア様が言うなら」
『オッケー! じゃあ僕の名前を決めて呼んで-!』
「名前を決めて呼んで欲しいってさ」
「名前か・・・そもそも何属性なんだ?」
『光だよーん』
「光だよーん」
真似して言ったらフェイに白い目で見られた。解せん。
「じゃあ『ルカ』」
『いいよ-!』
「うわ、マジで視えた・・・・・・これからよろしくな、ルカ」
『よろしくなの。普段は姿を消してるから必要な時は呼んでね-!』
「分かった」
そう言うと精霊は姿を消した。
「よかったの」
フェイも精霊が視えるようになって嬉しいな。
なんか仲間外れっぽくていやだったんだ。
「とりあえず、夕餉にしようか。ウィステリア様、台所お借りしますね」
「好きなだけ使ってよいぞ。断らんでよいからの」
「ありがとうございます」
そうしてクラビスの手料理をたらふく食べたら疲れのせいか、うとうとしてしまって、お風呂も寝る支度も夢心地の間にクラビスが世話をしてくれて、ベッドで秒で寝た。
本当にクラビスが居ない生活は考えられないなぁ・・・・・・。
アルカスがクラビスの元へと戻って来たのは陽が傾いて空が薄ら赤くなってきた頃。
ヒイヒイ言いながら疲れた顔で降りてきた。
『まだ遊ぼうよ』
『次は何する?』
「・・・いやいや、もう無理! あのねえ、俺は普通の人族なの! 休んでご飯食べて寝ないと死ぬの!! 分かった?!」
『ええ-軟弱』
『人族、軟弱---!』
「さすがの俺でもぶっ続けはキツいって」
「その辺で勘弁して貰えないだろうか? アルカスは俺の大切なお嫁さんなんだ。俺に返して欲しいな」
クラビスの声に皆が反応した。
『え---そうなの?』
『じゃあ仕方ないね』
『オニーサンに返してあげる』
『またね』
『楽しかった!』
「うん、またね」
そういって去って行った精霊を見送って、クラビスの胸に飛び込む。
「ありがとう、クラビスのお陰でやっと解放された。お腹いっぱい減った。疲れた!」
「よしよし、お疲れ様。ウィステリア様の邸で夕御飯にしようか」
「やった! このまま抱っこして連れてって」
「喜んで」
やっぱり俺の旦那様はサイコーです!
そのままクラビスに運ばれた。もう全力でだらけた。
ウィステリアの家に着いたときは半分寝てたよね。
あまりのぐだぐだ具合にフェイが大笑いしていたけど。
「お前、この中で一番若いくせに体力ないな」
「フェイ達と一緒にすんな! やっとこレベル半分くらいなんだから仕方ないじゃん。精霊達と全力で追いかけっこしてみなよ!」
「そもそも視えないから無理」
むー!
正論で返されて黙った。
「でも何となくこの辺にいるなって感じはするかな。気配を感じる。視えないけど」
「・・・ああ。確かにフェイの側に一人居るな」
「うん、なんか楽しそう」
『この人好き』
「フェイの事、好きだって!」
「へえ? それは素直に嬉しいな」
『契約する』
「・・・契約するって言ってるけど・・・ウィステリア、それってどういう・・・?」
ウィステリアに聞いたら、精霊が視えるようになって尚かつその精霊の属性魔法が使えるようになるそうだ。
「エルフ以外でも稀に好かれる者がいての。せっかくだから契約しておけ。損にはならぬよ」
「ウィステリア様が言うなら」
『オッケー! じゃあ僕の名前を決めて呼んで-!』
「名前を決めて呼んで欲しいってさ」
「名前か・・・そもそも何属性なんだ?」
『光だよーん』
「光だよーん」
真似して言ったらフェイに白い目で見られた。解せん。
「じゃあ『ルカ』」
『いいよ-!』
「うわ、マジで視えた・・・・・・これからよろしくな、ルカ」
『よろしくなの。普段は姿を消してるから必要な時は呼んでね-!』
「分かった」
そう言うと精霊は姿を消した。
「よかったの」
フェイも精霊が視えるようになって嬉しいな。
なんか仲間外れっぽくていやだったんだ。
「とりあえず、夕餉にしようか。ウィステリア様、台所お借りしますね」
「好きなだけ使ってよいぞ。断らんでよいからの」
「ありがとうございます」
そうしてクラビスの手料理をたらふく食べたら疲れのせいか、うとうとしてしまって、お風呂も寝る支度も夢心地の間にクラビスが世話をしてくれて、ベッドで秒で寝た。
本当にクラビスが居ない生活は考えられないなぁ・・・・・・。
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