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第三章 辺境編
眠り姫のその裏で(sideアーサー達)
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アルカスが眠り姫となっている間。
アーサー達は色々と動いていた。
果ての森周辺の巡回に、領民への説明。
ギルドと連携してのこまめな調査など。
クラビスには最低限の声かけだけで済ませてギルドやアーサーとのやり取りはほとんどフェイがやっていた。
「すまんな、フェイ」
「いやいや、クラビスがあんなんだから仕方ないですって。ああなるともうクラビスはポンコツだからねえ・・・」
「そんなにか。にわかには信じられんが・・・」
「魔の一週間の再現・・・かなあ」
フェイがポツリと零す。
魔の・・・何だって?
「ああ、アレね。アルカス曰くの『ヤンデレ』というヤツ。凄かったの」
ウィステリアが思わずという感じで苦笑した。
「? 何だって?」
リリーが聞き返していたが、ようは『好きすぎて誰にも見せたくないってくらいの執着で、閉じ込めたくなる、監禁気質な事?』らしい。
以前一週間ほど倒れていたときに物凄いいい笑顔で一日中お世話をしていたそうだ。
今回もそれに近いものがあるだろうとのこと。
「諦めてスルーしたほうがいいので、他の人にも伝えといて下さい。アレは色々と衝撃的だった・・・」
げんなりしたフェイを見て何となく察した私は早速邸中の者に連絡をした。
そしてソレは当たった。
皆、クラビスの常に無い言動に挙動不審になり、二度見三度見した。
フェイとウィステリア殿は慣れているのか平然としているが、リリーを初めとした我らは動揺しっぱなしだった。
まさしく『おはようからおやすみまで』常に一緒。
一人で全て世話をしているらしい。
さすがというべきか、呆れるべきか・・・。
「アルカスが受け入れているからいいんだよ」
とはフェイの言。
じゃあいいのか、と当初の予定通りスルーに徹した。
その間、フォレスター家のグラキス殿とクロウ殿が突撃してきて賑やかになったり、伝達魔導具でイグニス将軍やクレイン副師団長が大騒ぎして転移魔法陣を使おうとしたり・・・・・・。
そんな中でも我が道を行くクラビスに皆がそろそろ慣れてきた頃・・・。
ちょうど10日が経った朝。
ほとんど開かずの間だったアルカスの寝室からクラビスが出て来た。
アルカスを縦抱っこして。
「---アルカス、起きたのか! おはよう」
「んあ? フェイ? ・・・おはよう・・・」
「何だ、まだ眠いか? いっぱい寝たろう? 体はどうだ?」
フェイが心配して矢継ぎ早に聞いてくるのを寝起きでぼけっとしているアルカスが聞いているが、頭が回らないので返事が出来ない。
代わりにクラビスが応える。
「眠いだけで体は大丈夫だ」
ソレを聞いて皆もホッとしたが、首をコテンとクラビスに預けた時にチラッと見えたアルカスの首筋の鬱血痕に気付いて、そう言うことかと皆、納得した。
おそらく昨夜には目覚めていたが、堪えきれなかったクラビスがアルカスを抱き潰したのだろう・・・・・・。
察したが、皆までは言わなかった俺達はえらいと思うぞ!
まあ、二人が幸せならそれでいいのだ。
独り身にはものすっごい毒だがな!
アーサー達は色々と動いていた。
果ての森周辺の巡回に、領民への説明。
ギルドと連携してのこまめな調査など。
クラビスには最低限の声かけだけで済ませてギルドやアーサーとのやり取りはほとんどフェイがやっていた。
「すまんな、フェイ」
「いやいや、クラビスがあんなんだから仕方ないですって。ああなるともうクラビスはポンコツだからねえ・・・」
「そんなにか。にわかには信じられんが・・・」
「魔の一週間の再現・・・かなあ」
フェイがポツリと零す。
魔の・・・何だって?
「ああ、アレね。アルカス曰くの『ヤンデレ』というヤツ。凄かったの」
ウィステリアが思わずという感じで苦笑した。
「? 何だって?」
リリーが聞き返していたが、ようは『好きすぎて誰にも見せたくないってくらいの執着で、閉じ込めたくなる、監禁気質な事?』らしい。
以前一週間ほど倒れていたときに物凄いいい笑顔で一日中お世話をしていたそうだ。
今回もそれに近いものがあるだろうとのこと。
「諦めてスルーしたほうがいいので、他の人にも伝えといて下さい。アレは色々と衝撃的だった・・・」
げんなりしたフェイを見て何となく察した私は早速邸中の者に連絡をした。
そしてソレは当たった。
皆、クラビスの常に無い言動に挙動不審になり、二度見三度見した。
フェイとウィステリア殿は慣れているのか平然としているが、リリーを初めとした我らは動揺しっぱなしだった。
まさしく『おはようからおやすみまで』常に一緒。
一人で全て世話をしているらしい。
さすがというべきか、呆れるべきか・・・。
「アルカスが受け入れているからいいんだよ」
とはフェイの言。
じゃあいいのか、と当初の予定通りスルーに徹した。
その間、フォレスター家のグラキス殿とクロウ殿が突撃してきて賑やかになったり、伝達魔導具でイグニス将軍やクレイン副師団長が大騒ぎして転移魔法陣を使おうとしたり・・・・・・。
そんな中でも我が道を行くクラビスに皆がそろそろ慣れてきた頃・・・。
ちょうど10日が経った朝。
ほとんど開かずの間だったアルカスの寝室からクラビスが出て来た。
アルカスを縦抱っこして。
「---アルカス、起きたのか! おはよう」
「んあ? フェイ? ・・・おはよう・・・」
「何だ、まだ眠いか? いっぱい寝たろう? 体はどうだ?」
フェイが心配して矢継ぎ早に聞いてくるのを寝起きでぼけっとしているアルカスが聞いているが、頭が回らないので返事が出来ない。
代わりにクラビスが応える。
「眠いだけで体は大丈夫だ」
ソレを聞いて皆もホッとしたが、首をコテンとクラビスに預けた時にチラッと見えたアルカスの首筋の鬱血痕に気付いて、そう言うことかと皆、納得した。
おそらく昨夜には目覚めていたが、堪えきれなかったクラビスがアルカスを抱き潰したのだろう・・・・・・。
察したが、皆までは言わなかった俺達はえらいと思うぞ!
まあ、二人が幸せならそれでいいのだ。
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