66 / 90
第三章 辺境編
コカトリス対策案(結構グロい)
しおりを挟む
さてさて、戻って来ましたよ。アーサーの邸に。
早速クラビスがタブレットでギルドに連絡を入れる。
その間、俺はコカトリスの詳しい情報をウィステリア達に教えて貰う。ゲームや小説で名前くらいしか知らないし、俺の知ってるのとはちがうかもだし。
見た目はゲームみたいに雄鶏の頭と足を持ってて胴体と翼はドラゴン、尻尾が蛇っぽかった。
「そうだな。コカトリスはさっき見たから分かるかもだが、猛毒のガスを撒き散らすんだ」
「範囲が広くてな、ここなら安全だろうと思ったところにも届いちまう。その名の通り猛毒だから、ほんの少し吸っても、体に触れても吸収しちまうんだ。で、一瞬でコロリ」
「コロリ」
うわあ、こわっ!!
それじゃ解毒も間に合わない。
俺みたいに状態異常無効化とか毒無効とかのスキルが無いと無理とのこと。
「そんな猛毒でも自分は死なないんだ? 自分本体は毒無効持ってるのかな? なんかズルい!」
「・・・アルカスらしいな。今の所、コカトリスの猛毒を中和する薬もないから決死の覚悟で挑むか遠距離からの魔法くらいだな」
クラビスが連絡を終えたのか、話に加わった。
「うーん、じゃあさ、今、結界で囲ってるじゃない? あの中に魔法をブチ込めばいけるんじゃないかな。遠距離だから毒の心配もないし。そもそも結界から毒は漏れないけど」
この間、言ったじゃん。自重しないよって。
結界張った中で殲滅級の魔法を放つよって。
「今回は森だから、凍らせちゃおうか。ドラゴンの体って爬虫類ぽいから寒いの苦手そう。蛇も変温動物だから寒いと動きが鈍くなると思うよ?」
というわけで、アブソリュートゼロで決まりっと!
一人でうんうん納得していると、周りの皆が呆れたような目で見つめてきた。
何か?
俺がカクンと首を傾げると、皆が大袈裟に溜息を吐いた。
「・・・さすがはアルカスだな」
アーサーが片手で顔を覆って言う。
「うんうん、アルカスらしいね」
クラビスが和やかに頷く。
「おぬししか思いつかんの」
ウィステリアは誉めてる、のかな?
「アルカスしか出来ないって!」
リリーは自信満々だな。
「非常識が役に立ったな!」
フェイ、断言するな!
ちょっと、ソレって貶してるよね?
最後のソレ、絶対誉めてないよね?!
ジト目で皆を見回したのは仕方が無いと思うんだ。
そんな訳でちゃっちゃとやっつけちゃおうということになり、再びの果ての森!
探索で例の場所をチェックすると、結界の中にキチンと収まって暴れているみたい。
・・・・・・うん、猛毒の霧?靄?の毒々しい紫色でピラミッド型の結界の中は全く見えなかったけど、居るのは分かった。
その様子をさっきのように映像化して見せると、さすがに皆、ゲンナリとした。
騎士団の人達も顔色が悪い。
だよね。見ただけで死にそうだもんね。
「本当に、これで自分は平気とか訳分からん」
「やっつけた後、浄化して綺麗にしとこう!」
「賛成!」
さてさて、近くに行かなくても遠隔操作で魔法をぶち込めるので、いきますよ!
「じゃあね、いくよ!」
『アブソリュートゼロ!!』
映像はリアルタイムで流れてるから、魔法が放たれたのも見えてる。
ギョエエッ---!!
凄い断末魔が響いてビクッとした。
「アルカス、大丈夫」
「っうん」
直後、静寂が辺りを包み、映像の中のコカトリスが凍り付いて絶命しているのが分かった。
結界の中と周辺半径1キロを浄化するイメージで魔法を発動する。
上手くいったみたいで、毒は消えて清浄な空気になったようだ。
騎士団と共に慎重に目的地まで進み、結界の魔石を回収してからコカトリスを見た。
グリフォンも結界内だったから、同じようにコチコチに凍っていた。
ソレをクラビスが異空間収納バッグにしまっている間に、周辺の森の様子を確認する。
「この辺りに今は危険な魔物はいない。コカトリスがはばをきかせていたから当分心配はないだろうが、徐々に元の生態系に戻るはずだ」
「アルカスが広範囲の浄化をしたから猛毒は心配ないだろう。とにかく、今回はこれで終わりだな」
「はあー、はやく帰って休みた・・・・・・いっ・・・た!!」
「! アルカス!!」
「あああ!! 忘れてた! レベルアップの弊害!」
クラビスとフェイが焦って来たけど、それどころじゃない。
俺もすっかり忘れてた。
レベルアップ時の激痛、当分続くって。
今回はコカトリスなんて大物だもん、急激なレベルアップだろう。
何で忘れてたかな、俺!
ヤバいじゃん!
これ、ぜってー気絶コース・・・・・・。
ごめーん、クラビス・・・。
声にならない声で聞こえないだろうクラビスに謝った所で俺の意識はブラックアウトした。
早速クラビスがタブレットでギルドに連絡を入れる。
その間、俺はコカトリスの詳しい情報をウィステリア達に教えて貰う。ゲームや小説で名前くらいしか知らないし、俺の知ってるのとはちがうかもだし。
見た目はゲームみたいに雄鶏の頭と足を持ってて胴体と翼はドラゴン、尻尾が蛇っぽかった。
「そうだな。コカトリスはさっき見たから分かるかもだが、猛毒のガスを撒き散らすんだ」
「範囲が広くてな、ここなら安全だろうと思ったところにも届いちまう。その名の通り猛毒だから、ほんの少し吸っても、体に触れても吸収しちまうんだ。で、一瞬でコロリ」
「コロリ」
うわあ、こわっ!!
それじゃ解毒も間に合わない。
俺みたいに状態異常無効化とか毒無効とかのスキルが無いと無理とのこと。
「そんな猛毒でも自分は死なないんだ? 自分本体は毒無効持ってるのかな? なんかズルい!」
「・・・アルカスらしいな。今の所、コカトリスの猛毒を中和する薬もないから決死の覚悟で挑むか遠距離からの魔法くらいだな」
クラビスが連絡を終えたのか、話に加わった。
「うーん、じゃあさ、今、結界で囲ってるじゃない? あの中に魔法をブチ込めばいけるんじゃないかな。遠距離だから毒の心配もないし。そもそも結界から毒は漏れないけど」
この間、言ったじゃん。自重しないよって。
結界張った中で殲滅級の魔法を放つよって。
「今回は森だから、凍らせちゃおうか。ドラゴンの体って爬虫類ぽいから寒いの苦手そう。蛇も変温動物だから寒いと動きが鈍くなると思うよ?」
というわけで、アブソリュートゼロで決まりっと!
一人でうんうん納得していると、周りの皆が呆れたような目で見つめてきた。
何か?
俺がカクンと首を傾げると、皆が大袈裟に溜息を吐いた。
「・・・さすがはアルカスだな」
アーサーが片手で顔を覆って言う。
「うんうん、アルカスらしいね」
クラビスが和やかに頷く。
「おぬししか思いつかんの」
ウィステリアは誉めてる、のかな?
「アルカスしか出来ないって!」
リリーは自信満々だな。
「非常識が役に立ったな!」
フェイ、断言するな!
ちょっと、ソレって貶してるよね?
最後のソレ、絶対誉めてないよね?!
ジト目で皆を見回したのは仕方が無いと思うんだ。
そんな訳でちゃっちゃとやっつけちゃおうということになり、再びの果ての森!
探索で例の場所をチェックすると、結界の中にキチンと収まって暴れているみたい。
・・・・・・うん、猛毒の霧?靄?の毒々しい紫色でピラミッド型の結界の中は全く見えなかったけど、居るのは分かった。
その様子をさっきのように映像化して見せると、さすがに皆、ゲンナリとした。
騎士団の人達も顔色が悪い。
だよね。見ただけで死にそうだもんね。
「本当に、これで自分は平気とか訳分からん」
「やっつけた後、浄化して綺麗にしとこう!」
「賛成!」
さてさて、近くに行かなくても遠隔操作で魔法をぶち込めるので、いきますよ!
「じゃあね、いくよ!」
『アブソリュートゼロ!!』
映像はリアルタイムで流れてるから、魔法が放たれたのも見えてる。
ギョエエッ---!!
凄い断末魔が響いてビクッとした。
「アルカス、大丈夫」
「っうん」
直後、静寂が辺りを包み、映像の中のコカトリスが凍り付いて絶命しているのが分かった。
結界の中と周辺半径1キロを浄化するイメージで魔法を発動する。
上手くいったみたいで、毒は消えて清浄な空気になったようだ。
騎士団と共に慎重に目的地まで進み、結界の魔石を回収してからコカトリスを見た。
グリフォンも結界内だったから、同じようにコチコチに凍っていた。
ソレをクラビスが異空間収納バッグにしまっている間に、周辺の森の様子を確認する。
「この辺りに今は危険な魔物はいない。コカトリスがはばをきかせていたから当分心配はないだろうが、徐々に元の生態系に戻るはずだ」
「アルカスが広範囲の浄化をしたから猛毒は心配ないだろう。とにかく、今回はこれで終わりだな」
「はあー、はやく帰って休みた・・・・・・いっ・・・た!!」
「! アルカス!!」
「あああ!! 忘れてた! レベルアップの弊害!」
クラビスとフェイが焦って来たけど、それどころじゃない。
俺もすっかり忘れてた。
レベルアップ時の激痛、当分続くって。
今回はコカトリスなんて大物だもん、急激なレベルアップだろう。
何で忘れてたかな、俺!
ヤバいじゃん!
これ、ぜってー気絶コース・・・・・・。
ごめーん、クラビス・・・。
声にならない声で聞こえないだろうクラビスに謝った所で俺の意識はブラックアウトした。
77
お気に入りに追加
766
あなたにおすすめの小説
目覚めたらヤバそうな男にキスされてたんですが!?
キトー
BL
傭兵として働いていたはずの青年サク。
目覚めるとなぜか廃墟のような城にいた。
そしてかたわらには、伸びっぱなしの黒髪と真っ赤な瞳をもつ男が自分の手を握りしめている。
どうして僕はこんな所に居るんだろう。
それに、どうして僕は、この男にキスをされているんだろうか……
コメディ、ほのぼの、時々シリアスのファンタジーBLです。
【執着が激しい魔王と呼ばれる男×気が弱い巻き込まれた一般人?】
反応いただけるととても喜びます!
匿名希望の方はX(元Twitter)のWaveboxやマシュマロからどうぞ(^^)
転生したら本でした~スパダリ御主人様の溺愛っぷりがすごいんです~
トモモト ヨシユキ
BL
10000回の善行を知らないうちに積んでいた俺は、SSSクラスの魂として転生することになってしまったのだが、気がつくと本だった‼️
なんだ、それ!
せめて、人にしてくれよ‼️
しかも、御主人様に愛されまくりってどうよ⁉️
エブリスタ、ノベリズムにも掲載しています。
悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~
トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。
しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。
貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。
虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。
そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる?
エブリスタにも掲載しています。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
キスから始まる主従契約
毒島らいおん
BL
異世界に召喚された挙げ句に、間違いだったと言われて見捨てられた葵。そんな葵を助けてくれたのは、美貌の公爵ローレルだった。
ローレルの優しげな雰囲気に葵は惹かれる。しかも向こうからキスをしてきて葵は有頂天になるが、それは魔法で主従契約を結ぶためだった。
しかも週に1回キスをしないと死んでしまう、とんでもないもので――。
◯
それでもなんとか彼に好かれようとがんばる葵と、実は腹黒いうえに秘密を抱えているローレルが、過去やら危機やらを乗り越えて、最後には最高の伴侶なるお話。
(全48話・毎日12時に更新)
猫が崇拝される人間の世界で猫獣人の俺って…
えの
BL
森の中に住む猫獣人ミルル。朝起きると知らない森の中に変わっていた。はて?でも気にしない!!のほほんと過ごしていると1人の少年に出会い…。中途半端かもしれませんが一応完結です。妊娠という言葉が出てきますが、妊娠はしません。
王子様と魔法は取り扱いが難しい
南方まいこ
BL
とある舞踏会に出席したレジェ、そこで幼馴染に出会い、挨拶を交わしたのが運の尽き、おかしな魔道具が陳列する室内へと潜入し、うっかり触れた魔具の魔法が発動してしまう。
特殊な魔法がかかったレジェは、みるみるうちに体が縮み、十歳前後の身体になってしまい、元に戻る方法を探し始めるが、ちょっとした誤解から、幼馴染の行動がおかしな方向へ、更には過保護な執事も加わり、色々と面倒なことに――。
※濃縮版
異世界で王子様な先輩に溺愛されちゃってます
野良猫のらん
BL
手違いで異世界に召喚されてしまったマコトは、元の世界に戻ることもできず異世界で就職した。
得た職は冒険者ギルドの職員だった。
金髪翠眼でチャラい先輩フェリックスに苦手意識を抱くが、元の世界でマコトを散々に扱ったブラック企業の上司とは違い、彼は優しく接してくれた。
マコトはフェリックスを先輩と呼び慕うようになり、お昼を食べるにも何をするにも一緒に行動するようになった。
夜はオススメの飲食店を紹介してもらって一緒に食べにいき、お祭りにも一緒にいき、秋になったらハイキングを……ってあれ、これデートじゃない!? しかもしかも先輩は、実は王子様で……。
以前投稿した『冒険者ギルドで働いてたら親切な先輩に恋しちゃいました』の長編バージョンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる