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第一章 フォレスター編
ちょっとソコまでのはずが(sideクラビス)
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気絶したアルカスを抱えて、それこそ風のように邸に戻った。
門のところで先に連絡をしてあったにもかかわらず、当然のように邸中大騒ぎになったが、ひとまずアルカスをベッドに寝かせて、イグニス様とクレイン様、ウィステリア様にも伝達魔導具で連絡をする。
領主代理のクロウ様と夫人のグラキス様はすぐに会えて、ひとまず先に状況報告をした。
「そうか。急なレベルアップの可能性か。しかし、ホーンラビットだろう?」
ふむ、と顎に手をあててしばし考えるグラキス様。
「見た感じ、怪我も無く特に体に異常はなさそうだな」
クレイン様は先にアルカスの様子を見てきたようで、そう言った。
「それで、アルカス様はエストレラ神の加護を持っていたのを思い出しまして」
フェイがそう告げると、お二方もハッと気付いたようだ。
「その加護が作用した可能性があるかと」
「・・・なるほど。有り得ん話では無いな。ともかく、イグニス達もおそらく転移してくるだろうから、揃ったらまた話し合おう」
私も、様子を見てくると言って、グラキス様は席を立った。
程なく、思った通りイグニス様とクレイン様、ガラシアが転移して来た。挨拶もそこそこに皆してアルカスの部屋に向かう。
「今は眠っているだけですが、倒れる前は痛みを訴えておりました。耐えきれずに気を失ったようです」
「・・・そうか。先に聞いた話ではレベルアップの影響かもと?」
「エストレラ神の加護が関係ある可能性が・・・。とにかく、アルカスが目覚めてからの確認になりますが」
「何時目覚めそうか分からないか?」
クレイン様が尋ねてくるが、正直分からない。
「こういう状況は初めてで、如何とも・・・」
苦虫をかみつぶしたように言う。
「・・・大丈夫だ」
クレイン様が背中をポンポンと叩いて慰めてくれた。
門でケビンさんにも励まされたのに、俺がしっかりしなくちゃ・・・。
「ホント、お前はアルカス絡みだと弱いな。死ぬわけじゃ無いんだから。お前がそんなんだと、目が覚めたときに幻滅されて振られるぞ!」
フェイが軽口を叩く。それに少し気持ちを浮上させていった。
そして皆ひとまずサロンに行ってお茶を飲むか、となった頃にウィステリア様も来て、お茶をしながら再びの状況報告。
結局、情報の擦り合わせだけで、詳しいことはアルカス待ちとなった。
ウィステリア様も暫く滞在する事になり、フェイもこのまま泊まることになった。
晩餐の後は各自の部屋で休むが、俺はアルカスが目覚めるまで一緒に居たくて、アルカスの部屋に泊まった。
「何かあればすぐに連絡を」
そう言って皆は戻って行った。
静かだ。アルカスが起きていないだけでこんなにも・・・。
連れ帰ってきたときも、周りがあんなに大騒ぎしていたのにピクリともせずに、ベッドに寝かせる時もその後も、生きているのか、本当に息をしてるのか心配になるくらい。
今だって、俺がこんなに側にいて抱き込んで口付けているのに・・・。
何の反応も返さないアルカスに、まさかこのまま・・・なんて嫌な考えがよぎる。
「本当に、俺はアルカスに関してはポンコツだな」
自嘲気味に呟く。
こんな日が来るとは思わなかった。
君のせいで弱くなる。
でも君のために強くもなる。
「一生一緒にって約束したんだから、こんなことで手放す気はないよ」
もう一度抱き込み直し、ぬくもりを感じながら目を閉じた。
そうして次の日、お昼前に眩しそうに目覚めたアルカスに歓喜と不安を覚えた。
支度を手伝っていたときはうわの空だった。何か考え事をしていたようで、俺の視線に気付いていないようだった。
嫌な予感がする。
はたしてそれは的中した。
本人は頭の中で考えたつもりだったのだろうそれは、しかしハッキリと、食堂にいた者全てに聞こえていた。
さっきは、そんなことを考えていたのか。
違う、違うよ。どう言えば伝わる?
俺達は皆、君を待ってた。
大切なんだ。
愛する君にならこの命差し出せるほどに。
君が死ねと言うなら死ぬし、一緒に死んでと言えば一緒に死のう。
君が別れてと言ったら、ソレだけは出来ないかな。君を殺して俺も死のう。
だから。
お願い。君を愛する気持ちを、君が俺に向ける愛情を。
疑わないで・・・・・・。
泣きそうな顔で皆を見てから俺を見て、やっと安心した表情で涙を拭って笑ってくれた。
その後のステータスチェックでの称号に『クラビスの嫁』って。
え、神様にも認定された?!
神様公認・・・・・・?!
この後の俺の気持ちは押してはかるべし。
門のところで先に連絡をしてあったにもかかわらず、当然のように邸中大騒ぎになったが、ひとまずアルカスをベッドに寝かせて、イグニス様とクレイン様、ウィステリア様にも伝達魔導具で連絡をする。
領主代理のクロウ様と夫人のグラキス様はすぐに会えて、ひとまず先に状況報告をした。
「そうか。急なレベルアップの可能性か。しかし、ホーンラビットだろう?」
ふむ、と顎に手をあててしばし考えるグラキス様。
「見た感じ、怪我も無く特に体に異常はなさそうだな」
クレイン様は先にアルカスの様子を見てきたようで、そう言った。
「それで、アルカス様はエストレラ神の加護を持っていたのを思い出しまして」
フェイがそう告げると、お二方もハッと気付いたようだ。
「その加護が作用した可能性があるかと」
「・・・なるほど。有り得ん話では無いな。ともかく、イグニス達もおそらく転移してくるだろうから、揃ったらまた話し合おう」
私も、様子を見てくると言って、グラキス様は席を立った。
程なく、思った通りイグニス様とクレイン様、ガラシアが転移して来た。挨拶もそこそこに皆してアルカスの部屋に向かう。
「今は眠っているだけですが、倒れる前は痛みを訴えておりました。耐えきれずに気を失ったようです」
「・・・そうか。先に聞いた話ではレベルアップの影響かもと?」
「エストレラ神の加護が関係ある可能性が・・・。とにかく、アルカスが目覚めてからの確認になりますが」
「何時目覚めそうか分からないか?」
クレイン様が尋ねてくるが、正直分からない。
「こういう状況は初めてで、如何とも・・・」
苦虫をかみつぶしたように言う。
「・・・大丈夫だ」
クレイン様が背中をポンポンと叩いて慰めてくれた。
門でケビンさんにも励まされたのに、俺がしっかりしなくちゃ・・・。
「ホント、お前はアルカス絡みだと弱いな。死ぬわけじゃ無いんだから。お前がそんなんだと、目が覚めたときに幻滅されて振られるぞ!」
フェイが軽口を叩く。それに少し気持ちを浮上させていった。
そして皆ひとまずサロンに行ってお茶を飲むか、となった頃にウィステリア様も来て、お茶をしながら再びの状況報告。
結局、情報の擦り合わせだけで、詳しいことはアルカス待ちとなった。
ウィステリア様も暫く滞在する事になり、フェイもこのまま泊まることになった。
晩餐の後は各自の部屋で休むが、俺はアルカスが目覚めるまで一緒に居たくて、アルカスの部屋に泊まった。
「何かあればすぐに連絡を」
そう言って皆は戻って行った。
静かだ。アルカスが起きていないだけでこんなにも・・・。
連れ帰ってきたときも、周りがあんなに大騒ぎしていたのにピクリともせずに、ベッドに寝かせる時もその後も、生きているのか、本当に息をしてるのか心配になるくらい。
今だって、俺がこんなに側にいて抱き込んで口付けているのに・・・。
何の反応も返さないアルカスに、まさかこのまま・・・なんて嫌な考えがよぎる。
「本当に、俺はアルカスに関してはポンコツだな」
自嘲気味に呟く。
こんな日が来るとは思わなかった。
君のせいで弱くなる。
でも君のために強くもなる。
「一生一緒にって約束したんだから、こんなことで手放す気はないよ」
もう一度抱き込み直し、ぬくもりを感じながら目を閉じた。
そうして次の日、お昼前に眩しそうに目覚めたアルカスに歓喜と不安を覚えた。
支度を手伝っていたときはうわの空だった。何か考え事をしていたようで、俺の視線に気付いていないようだった。
嫌な予感がする。
はたしてそれは的中した。
本人は頭の中で考えたつもりだったのだろうそれは、しかしハッキリと、食堂にいた者全てに聞こえていた。
さっきは、そんなことを考えていたのか。
違う、違うよ。どう言えば伝わる?
俺達は皆、君を待ってた。
大切なんだ。
愛する君にならこの命差し出せるほどに。
君が死ねと言うなら死ぬし、一緒に死んでと言えば一緒に死のう。
君が別れてと言ったら、ソレだけは出来ないかな。君を殺して俺も死のう。
だから。
お願い。君を愛する気持ちを、君が俺に向ける愛情を。
疑わないで・・・・・・。
泣きそうな顔で皆を見てから俺を見て、やっと安心した表情で涙を拭って笑ってくれた。
その後のステータスチェックでの称号に『クラビスの嫁』って。
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