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第一章 フォレスター編
家庭教師でっす
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なんか俺、コッチの世界に戻った反動で半ば意識不明だっだっぽい。
昼御飯の後に倒れるように寝たのって、赤ちゃんが御飯の最中に寝落ちしちゃうようなモンかと思ってたよ。子供かって。
実は魔力が体に馴染もうとした結果、体が耐えられずに休息を求めたんだとか。
あれか、ワクチンの副反応か。
って事を家庭教師さんに言ったら、??な顔になって固まった。
スミマセン。分からないですよね。発言に気を付けます。
そう。家庭教師。
この間目を覚ましてから、大事をとって1週間。どうやら家族総出で家庭教師を探してきてくれた。俺に必要な知識を与えてくれる人を厳選したらしい。
魔法はクレイン兄ちゃんが教えてくれようとしたけど、王都に戻らなくちゃなので、却下。
仕事して下さい。
そんなこんなで、まず魔法の先生が来てくれました。
名前はフェイさん。ここ『イース』の街にある冒険者ギルド所属の魔導師さんで、Aランクの凄い人。ギルマスのお墨付き。
ちなみにここのギルマスもクラビスの親戚でした。ダルクさん。ザインさんの弟でした。クラビスのお父さんは三人兄弟ですって。
そう言えば、クラビスのお父さんにはまだお目にかかってないな。
そのうち紹介してくれるのかな?
なんてったって、よ、嫁だしな!
・・・・・・『息子さんを下さい』って言えばいいのか?
「ん?」
クラビスが首を傾げる。
はっ、違う違う。脱線した!
「ええと、フェイさん。フェイ先生? よろしくお願いします」
「呼び方は好きにして下さい。ふふふ、可愛らしいですね」
「あの、敬語でなくて大丈夫です。それと、俺、もういい大人なので、可愛いはないです」
「・・・・・・」
フェイが笑顔で固まった。
「・・・・・・大人?」
「はい(キリッ!)」
フェイがギギギ、といいそうな感じでクラビスの方を見た。
デジャブ。
クラビスが肩で笑っている。ヲイコラ!
「そう。もうじきハタチ」
「---クラビス?! お前ってヤツは! 分かってて!!」
・・・クラビスってS属性なのかも。
「でも、そんな年頃のご子息なんて、フォレスター家の身内にいたか?!」
「ははは、スマン。---アルカス様だ」
フェイさんがビックリした後、俺を見てクラビスを見て、
「・・・まさか、見つかったのか?!」
あれ?フェイさんもうちの関係者?
クラビスの知り合いかな?
「それならそうと・・・。フォレスター家のご子息の魔法教師と勝手に思ってたから、てっきりクロウ様のご子息だとばかり・・・」
「ん?」
そして聞き捨てならない言葉再び。
「クロウお兄ちゃんの子供って、俺の甥だよね?・・・・・・7歳だって聞いたけど」
「・・・・・・あ」
フェイが『やばっ』て顔をした。クラビスは笑いを堪え・・・きれてない。
「俺ってホントに幾つに見られてんの」
溜息しか出なかった。
そもそも、甥っ子は今は王都の学園に通っててココにはいないよ。
結局、今日は顔合わせぐらいだったので、雑談をして過ごした。
あっ、異世界から戻ってきたことも話しておいた。『俺の常識、非常識』だから、知らないと困るでしょ。
そうそう、フェイはやっぱりクラビス関係だった。
フェイはクラビスとよくパーティーを組んで討伐依頼を熟すが、基本ソロだそう。
「でも魔導師って、後衛のイメージ。呪文唱えてる間に攻撃されないように剣士とかタンクとか要るんじゃないの?」
「よく知ってるね。普通はそうだよ」
「うん、魔法って存在しなかったけど、物語やゲーム、ええと、娯楽の玩具みたいなので架空の不思議な力として出てきたから」
「へえ、凄いな」
年齢のくだりから、もうタメ口オッケーになったので、ガンガン話す。
「だから、フェイさんがソロって想像できなくて」
俺よりもちろん背は高いけど、見た目儚げ美人。腰までの長い銀髪に碧い瞳で、女っぽくはないけど、線が細いし。
「他の人は無理だけど、俺は基本無詠唱だからタイムラグないし、こう見えてもけっこうガッシリしているんだよ? 腹筋だって、けっこう割れてる。・・・見てみる?」
面白そうにシャツを捲り上げかけて、ピタッと止まった。何?
「・・・・・・冗談だって、クラビス。分かったから殺気をしまえ」
えっ?!
「・・・分かればよろしい」
「? 殺気?」
思わずクラビスを見たが全然分からなかった。
「狭量だな。お前、そんなんだったか?」
眉間の皺を指で揉みつつ、フェイが溜息を吐く。
「アルカスにだけだ。『嫁』だし」
「は?・・・・・・『嫁』? え? よめぇ?!」
「・・・・・・嫁です。ヨロシクオネガイシマス」
思わず片言になっちまったよ。
「はあ、もうお前ら何なの?! 新婚か蜜月かもうヤる事ヤったのか?!端から見たら犯罪臭な夫夫だなおい大丈夫か?!」
フェイがノンブレスで言い切った。お疲れっす!
そして一応、まだ清いカラダです!!
だって、暫く眠ってた上に、今もちょこちょこ、昼夜問わず寝落ちするから、そんな状況にならないし。
確かに、この世界でも未成年者への性犯罪は厳しく取り締まられている。
しかし俺は『合法ショタ』なのでオッケーです。同意の上で嫁だし!
・・・・・・自分で言ってて悲しい。
ヤメロ! そんな憐れみの目で俺を見るな、フェイさん!!
「・・・まあ、とりあえず常識をだな、閨も含めて学んでいかないと。それからゆっくり愛を確かめ合っていけばいいんじゃないか?」
とりあえず俺の仕事は魔法関係だし。聞かれれば答えるけどね。だって。
「じゃあ、とりあえず明日から座学を交えて勉強しようか」
そう言って帰って行った。
なんか疲れた・・・・・・。
「年齢のくだり、毎回やるの?」
「あはは、ゴメン。反応がよくってつい。あいつは幼い頃からの腐れ縁だから。たぶんこの後の先生は大丈夫だよ。前もって話してあるし」
「うへえ。えーと、次の先生は一般常識を教えてくれるんだっけ?」
言いながらソファにずりずり倒れて横になる。行儀悪いけど、許して。
「ん・・・クラビス、ゴメン。・・・・・・眠い。お腹空いたけど、眠くて・・・」
「ああ、大丈夫だよ。目が覚めたら食事をしようか」
「・・・う、ん・・・」
ダメだ、瞼がくっつく。
「・・・・・・」
「おやすみ」
いつものようにキスをされて、意識は途絶えた。
結局、目が覚めたのは午後のお茶の時間の頃で、次の先生との顔合わせは軽食を取りながらとなった。
「アルカスです。ヨロシクお願いします」
「ウィステリアと申します。よろしくお願い致します」
今度の先生も、フェイに負けず劣らず、美形さんだった。
クラビスより濃い、長い金髪に翡翠の瞳。何より耳が。
「エルフは初めてですか?」
「っあ、すみません、不躾でした!」
慌てて頭を下げる。先生に失礼だった。
てか、やっぱりエルフ。長い耳。ビックリした。
「構いませんよ。事情は伺っていますから。他にも獣人やドワーフもおりますよ。ただ、私は気にしませんが、他は気にされる方もいらっしゃるでしょうから、あまり凝視しないことをおすすめします」
お茶目にウインクして言った。
「はい。ありがとうございます」
そうして、お茶を飲みながら話をした。
先生はハイエルフなので、見た目はめちゃくちゃ若いけど、もう300年くらい生きているそうだ。
そしてお兄ちゃん達のみならず父さん達も教え子なんだって!
絶賛食事中の俺は相づちしか打てない(首を振るしか出来ない)ので、クラビスが代わりに質問をしてくれて、返事もしてくれた。俺の聞きたいことを聞いてくれて尚かつ適切な返事をする。
ホントに凄いなクラビス。至れり尽くせり、痒いところに手が届く。もうクラビスなしじゃ生きていけない体にされてる?!
クラビス、恐ろしい子!!
何て考えが分かったのか、素晴らしくいい笑顔をいただきました。
顔を真っ赤にした俺を見て、ウィステリアも温かい目をしてた。孫を見る目のようでした。
「じゃあ、またね」
そう言って頭を撫でてから帰って行った。
確かにウィステリアからしたら俺は孫どころかひ孫(物理的サイズも)だろう。
でもまあ、彼にならそんな扱いもイヤじゃないな。
心の中で『お爺ちゃん』と呼ぶことにした。
そう思ったのは、クラビスに秒でバレて大笑いされてしまった。
いいじゃん、別に。
夕御飯の後、日課になっている王都との定期連絡(伝達魔導具)で、父さん達に今日のことを話しているうちに唐突に寝落ちしたらしく、後で聞いたら、また大騒ぎしてお義姉ちゃんがゴスッとやったらしい。
学習しないね・・・。
俺も早く馴染んで、ぶっ倒れないようになりたいなあ・・・。
昼御飯の後に倒れるように寝たのって、赤ちゃんが御飯の最中に寝落ちしちゃうようなモンかと思ってたよ。子供かって。
実は魔力が体に馴染もうとした結果、体が耐えられずに休息を求めたんだとか。
あれか、ワクチンの副反応か。
って事を家庭教師さんに言ったら、??な顔になって固まった。
スミマセン。分からないですよね。発言に気を付けます。
そう。家庭教師。
この間目を覚ましてから、大事をとって1週間。どうやら家族総出で家庭教師を探してきてくれた。俺に必要な知識を与えてくれる人を厳選したらしい。
魔法はクレイン兄ちゃんが教えてくれようとしたけど、王都に戻らなくちゃなので、却下。
仕事して下さい。
そんなこんなで、まず魔法の先生が来てくれました。
名前はフェイさん。ここ『イース』の街にある冒険者ギルド所属の魔導師さんで、Aランクの凄い人。ギルマスのお墨付き。
ちなみにここのギルマスもクラビスの親戚でした。ダルクさん。ザインさんの弟でした。クラビスのお父さんは三人兄弟ですって。
そう言えば、クラビスのお父さんにはまだお目にかかってないな。
そのうち紹介してくれるのかな?
なんてったって、よ、嫁だしな!
・・・・・・『息子さんを下さい』って言えばいいのか?
「ん?」
クラビスが首を傾げる。
はっ、違う違う。脱線した!
「ええと、フェイさん。フェイ先生? よろしくお願いします」
「呼び方は好きにして下さい。ふふふ、可愛らしいですね」
「あの、敬語でなくて大丈夫です。それと、俺、もういい大人なので、可愛いはないです」
「・・・・・・」
フェイが笑顔で固まった。
「・・・・・・大人?」
「はい(キリッ!)」
フェイがギギギ、といいそうな感じでクラビスの方を見た。
デジャブ。
クラビスが肩で笑っている。ヲイコラ!
「そう。もうじきハタチ」
「---クラビス?! お前ってヤツは! 分かってて!!」
・・・クラビスってS属性なのかも。
「でも、そんな年頃のご子息なんて、フォレスター家の身内にいたか?!」
「ははは、スマン。---アルカス様だ」
フェイさんがビックリした後、俺を見てクラビスを見て、
「・・・まさか、見つかったのか?!」
あれ?フェイさんもうちの関係者?
クラビスの知り合いかな?
「それならそうと・・・。フォレスター家のご子息の魔法教師と勝手に思ってたから、てっきりクロウ様のご子息だとばかり・・・」
「ん?」
そして聞き捨てならない言葉再び。
「クロウお兄ちゃんの子供って、俺の甥だよね?・・・・・・7歳だって聞いたけど」
「・・・・・・あ」
フェイが『やばっ』て顔をした。クラビスは笑いを堪え・・・きれてない。
「俺ってホントに幾つに見られてんの」
溜息しか出なかった。
そもそも、甥っ子は今は王都の学園に通っててココにはいないよ。
結局、今日は顔合わせぐらいだったので、雑談をして過ごした。
あっ、異世界から戻ってきたことも話しておいた。『俺の常識、非常識』だから、知らないと困るでしょ。
そうそう、フェイはやっぱりクラビス関係だった。
フェイはクラビスとよくパーティーを組んで討伐依頼を熟すが、基本ソロだそう。
「でも魔導師って、後衛のイメージ。呪文唱えてる間に攻撃されないように剣士とかタンクとか要るんじゃないの?」
「よく知ってるね。普通はそうだよ」
「うん、魔法って存在しなかったけど、物語やゲーム、ええと、娯楽の玩具みたいなので架空の不思議な力として出てきたから」
「へえ、凄いな」
年齢のくだりから、もうタメ口オッケーになったので、ガンガン話す。
「だから、フェイさんがソロって想像できなくて」
俺よりもちろん背は高いけど、見た目儚げ美人。腰までの長い銀髪に碧い瞳で、女っぽくはないけど、線が細いし。
「他の人は無理だけど、俺は基本無詠唱だからタイムラグないし、こう見えてもけっこうガッシリしているんだよ? 腹筋だって、けっこう割れてる。・・・見てみる?」
面白そうにシャツを捲り上げかけて、ピタッと止まった。何?
「・・・・・・冗談だって、クラビス。分かったから殺気をしまえ」
えっ?!
「・・・分かればよろしい」
「? 殺気?」
思わずクラビスを見たが全然分からなかった。
「狭量だな。お前、そんなんだったか?」
眉間の皺を指で揉みつつ、フェイが溜息を吐く。
「アルカスにだけだ。『嫁』だし」
「は?・・・・・・『嫁』? え? よめぇ?!」
「・・・・・・嫁です。ヨロシクオネガイシマス」
思わず片言になっちまったよ。
「はあ、もうお前ら何なの?! 新婚か蜜月かもうヤる事ヤったのか?!端から見たら犯罪臭な夫夫だなおい大丈夫か?!」
フェイがノンブレスで言い切った。お疲れっす!
そして一応、まだ清いカラダです!!
だって、暫く眠ってた上に、今もちょこちょこ、昼夜問わず寝落ちするから、そんな状況にならないし。
確かに、この世界でも未成年者への性犯罪は厳しく取り締まられている。
しかし俺は『合法ショタ』なのでオッケーです。同意の上で嫁だし!
・・・・・・自分で言ってて悲しい。
ヤメロ! そんな憐れみの目で俺を見るな、フェイさん!!
「・・・まあ、とりあえず常識をだな、閨も含めて学んでいかないと。それからゆっくり愛を確かめ合っていけばいいんじゃないか?」
とりあえず俺の仕事は魔法関係だし。聞かれれば答えるけどね。だって。
「じゃあ、とりあえず明日から座学を交えて勉強しようか」
そう言って帰って行った。
なんか疲れた・・・・・・。
「年齢のくだり、毎回やるの?」
「あはは、ゴメン。反応がよくってつい。あいつは幼い頃からの腐れ縁だから。たぶんこの後の先生は大丈夫だよ。前もって話してあるし」
「うへえ。えーと、次の先生は一般常識を教えてくれるんだっけ?」
言いながらソファにずりずり倒れて横になる。行儀悪いけど、許して。
「ん・・・クラビス、ゴメン。・・・・・・眠い。お腹空いたけど、眠くて・・・」
「ああ、大丈夫だよ。目が覚めたら食事をしようか」
「・・・う、ん・・・」
ダメだ、瞼がくっつく。
「・・・・・・」
「おやすみ」
いつものようにキスをされて、意識は途絶えた。
結局、目が覚めたのは午後のお茶の時間の頃で、次の先生との顔合わせは軽食を取りながらとなった。
「アルカスです。ヨロシクお願いします」
「ウィステリアと申します。よろしくお願い致します」
今度の先生も、フェイに負けず劣らず、美形さんだった。
クラビスより濃い、長い金髪に翡翠の瞳。何より耳が。
「エルフは初めてですか?」
「っあ、すみません、不躾でした!」
慌てて頭を下げる。先生に失礼だった。
てか、やっぱりエルフ。長い耳。ビックリした。
「構いませんよ。事情は伺っていますから。他にも獣人やドワーフもおりますよ。ただ、私は気にしませんが、他は気にされる方もいらっしゃるでしょうから、あまり凝視しないことをおすすめします」
お茶目にウインクして言った。
「はい。ありがとうございます」
そうして、お茶を飲みながら話をした。
先生はハイエルフなので、見た目はめちゃくちゃ若いけど、もう300年くらい生きているそうだ。
そしてお兄ちゃん達のみならず父さん達も教え子なんだって!
絶賛食事中の俺は相づちしか打てない(首を振るしか出来ない)ので、クラビスが代わりに質問をしてくれて、返事もしてくれた。俺の聞きたいことを聞いてくれて尚かつ適切な返事をする。
ホントに凄いなクラビス。至れり尽くせり、痒いところに手が届く。もうクラビスなしじゃ生きていけない体にされてる?!
クラビス、恐ろしい子!!
何て考えが分かったのか、素晴らしくいい笑顔をいただきました。
顔を真っ赤にした俺を見て、ウィステリアも温かい目をしてた。孫を見る目のようでした。
「じゃあ、またね」
そう言って頭を撫でてから帰って行った。
確かにウィステリアからしたら俺は孫どころかひ孫(物理的サイズも)だろう。
でもまあ、彼にならそんな扱いもイヤじゃないな。
心の中で『お爺ちゃん』と呼ぶことにした。
そう思ったのは、クラビスに秒でバレて大笑いされてしまった。
いいじゃん、別に。
夕御飯の後、日課になっている王都との定期連絡(伝達魔導具)で、父さん達に今日のことを話しているうちに唐突に寝落ちしたらしく、後で聞いたら、また大騒ぎしてお義姉ちゃんがゴスッとやったらしい。
学習しないね・・・。
俺も早く馴染んで、ぶっ倒れないようになりたいなあ・・・。
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