2 / 90
第一章 フォレスター編
ステータスオープン!! 言わねぇよ?!
しおりを挟む
目が覚めた。毛布に包まれていた。デジャブ。いや、テントの中だった。それだけ違った。
「えーと、神様が言うことには・・・」
俺は元々ここの人間。貴族・・・はどうでもいい。両親や家なんか知らないし、神様も情報くれなかったから、多分死んだことになってるんだろう。
お詫びに加護をくれたらしい。確認確認! いざ!!
『ステータスオープン』
・・・・・・口になんか出せるか! 恥ずか死ぬ!
頭で唱えれば目の前にこれまたあるあるな半透明な画面。
「何々?」
【名前:アルカス・フォレスター(コウキ・エンドウ)
年齢:19才 性別:男
魔法属性:光、水、風
魔法:治癒魔法、水魔法、風魔法、生活魔法、鑑定EX、隠蔽EX
称号:異世界より戻りし者、強運者
加護:エストレラ神の加護】
*()の名前は非表示。ステータスには反映されません。
---アルカスって、コッチの世界の名前か?
神様が何も言わなかったのって、これで捜せるよね?って事か。楽しやがったな?!
日本名は本当の名前ではないからコッチでは使えないって事か。まあ19年使った名前だけど、本当の両親がくれた名前には負けるな。
もう向こうに行くこともないし。別にいいや。
ところでコレって普通なのか全く分からないですけど? 神様。
そしてエストレラって名前なんですね? 説明雑っ!!
てか、俺って強運なんだ?
ある意味宝クジ一等当てたような?
悪運じゃねえの?!
だったら異世界にポイ捨て禁止!
・・・・・・・・・もうクラビスさんに見て貰ってどうするか決めよう。強運者を信じる!クラビスさんいい人っぽいし。
悶々と考えていたら、クラビスさんが声をかけてきた。
「大丈夫か? 朝飯食えるか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
毛布を片付けてテントから出ると、昨日と同じスープとパンを渡された。
「同じ物で悪いな。昨日もろくに食べなかったろう。お腹空いているだろう?食べよう」
「あの、昨日はすみませんでした。取り乱してしまって・・・」
「問題ない。・・・落ち着いたか?」
「はい」
朝からキラキラしい! 眩しい! 性格もイケメンか!
スープは具沢山で、お腹が膨れてしまった。普通に美味しかった。これなら食事には困らないかな。日本人って食に拘るし。
「ご馳走様でした」
「口に合ったようでよかった。じゃあ、昨日のこと、分かる範囲で聞いても?」
「はい、あの、その前に聞いてもいいですか?」
ステータスの話の前に確認しておかないと。
「何だ?」
「自分の能力って見ること出来るんですか? 自分のこと、よく分からなくて・・・。出来たら色々分かるかなあ、と」
クラビスさんはジッと俺を見て、少し考えてから口を開いた。
「可能だ。自分を見るなら『ステータス』で、これは他人には見えない。他人を見るのは『鑑定魔法』で。ただ、他人に鑑定魔法を使うのは、暗黙の了解で無断で見てはいけないんだ。相手に了承を得てからだ」
「なるほど。確かにマナー違反ですもんね。色々ばれちゃうだろうし」
「鑑定のレベルで見える物は違うけど、裸を覗き見するようなものだ」
おお、なるほど! そう言われるとヤバさが分かる。
「ステータスはオープンと言えば他人にも見せられるが、信頼出来る者にだけ見せるんだよ」
小さい子に言い聞かせるような言い方で俺に教えてくれるが。
ひょっとしてコレってあるあるなやつでは・・・。確かに俺ってば向こうでも童顔の部類だったが。いや、気にしたら負けだ!!
「では、ステータスを見せるので、一緒に確認してもらえますか?」
そう言ったら、クラビスさんが驚いた顔をして言った。
「俺の言葉を聞いてたか?信頼出来る者に」
「だからです。クラビスさんは絶対大丈夫です! そう思ってます。・・・もし悪い人だったとしても自己責任です!」
水の中に助けに来て、その後もずっと面倒を見てくれて。騙すならとっくに騙してると思う。
「大丈夫です」
俺と目を合わせて、折れないと分かったようだ。
「・・・分かった。では確認しよう。いいか?」
「はい、お願いします。ス、ステータスオープン」
恥ずかしくて噛んじゃったよ!
「えーと、神様が言うことには・・・」
俺は元々ここの人間。貴族・・・はどうでもいい。両親や家なんか知らないし、神様も情報くれなかったから、多分死んだことになってるんだろう。
お詫びに加護をくれたらしい。確認確認! いざ!!
『ステータスオープン』
・・・・・・口になんか出せるか! 恥ずか死ぬ!
頭で唱えれば目の前にこれまたあるあるな半透明な画面。
「何々?」
【名前:アルカス・フォレスター(コウキ・エンドウ)
年齢:19才 性別:男
魔法属性:光、水、風
魔法:治癒魔法、水魔法、風魔法、生活魔法、鑑定EX、隠蔽EX
称号:異世界より戻りし者、強運者
加護:エストレラ神の加護】
*()の名前は非表示。ステータスには反映されません。
---アルカスって、コッチの世界の名前か?
神様が何も言わなかったのって、これで捜せるよね?って事か。楽しやがったな?!
日本名は本当の名前ではないからコッチでは使えないって事か。まあ19年使った名前だけど、本当の両親がくれた名前には負けるな。
もう向こうに行くこともないし。別にいいや。
ところでコレって普通なのか全く分からないですけど? 神様。
そしてエストレラって名前なんですね? 説明雑っ!!
てか、俺って強運なんだ?
ある意味宝クジ一等当てたような?
悪運じゃねえの?!
だったら異世界にポイ捨て禁止!
・・・・・・・・・もうクラビスさんに見て貰ってどうするか決めよう。強運者を信じる!クラビスさんいい人っぽいし。
悶々と考えていたら、クラビスさんが声をかけてきた。
「大丈夫か? 朝飯食えるか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
毛布を片付けてテントから出ると、昨日と同じスープとパンを渡された。
「同じ物で悪いな。昨日もろくに食べなかったろう。お腹空いているだろう?食べよう」
「あの、昨日はすみませんでした。取り乱してしまって・・・」
「問題ない。・・・落ち着いたか?」
「はい」
朝からキラキラしい! 眩しい! 性格もイケメンか!
スープは具沢山で、お腹が膨れてしまった。普通に美味しかった。これなら食事には困らないかな。日本人って食に拘るし。
「ご馳走様でした」
「口に合ったようでよかった。じゃあ、昨日のこと、分かる範囲で聞いても?」
「はい、あの、その前に聞いてもいいですか?」
ステータスの話の前に確認しておかないと。
「何だ?」
「自分の能力って見ること出来るんですか? 自分のこと、よく分からなくて・・・。出来たら色々分かるかなあ、と」
クラビスさんはジッと俺を見て、少し考えてから口を開いた。
「可能だ。自分を見るなら『ステータス』で、これは他人には見えない。他人を見るのは『鑑定魔法』で。ただ、他人に鑑定魔法を使うのは、暗黙の了解で無断で見てはいけないんだ。相手に了承を得てからだ」
「なるほど。確かにマナー違反ですもんね。色々ばれちゃうだろうし」
「鑑定のレベルで見える物は違うけど、裸を覗き見するようなものだ」
おお、なるほど! そう言われるとヤバさが分かる。
「ステータスはオープンと言えば他人にも見せられるが、信頼出来る者にだけ見せるんだよ」
小さい子に言い聞かせるような言い方で俺に教えてくれるが。
ひょっとしてコレってあるあるなやつでは・・・。確かに俺ってば向こうでも童顔の部類だったが。いや、気にしたら負けだ!!
「では、ステータスを見せるので、一緒に確認してもらえますか?」
そう言ったら、クラビスさんが驚いた顔をして言った。
「俺の言葉を聞いてたか?信頼出来る者に」
「だからです。クラビスさんは絶対大丈夫です! そう思ってます。・・・もし悪い人だったとしても自己責任です!」
水の中に助けに来て、その後もずっと面倒を見てくれて。騙すならとっくに騙してると思う。
「大丈夫です」
俺と目を合わせて、折れないと分かったようだ。
「・・・分かった。では確認しよう。いいか?」
「はい、お願いします。ス、ステータスオープン」
恥ずかしくて噛んじゃったよ!
142
お気に入りに追加
789
あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】守護霊さん、それは余計なお世話です。
N2O
BL
番のことが好きすぎる第二王子(熊の獣人/実は割と可愛い)
×
期間限定で心の声が聞こえるようになった黒髪青年(人間/番/実は割と逞しい)
Special thanks
illustration by 白鯨堂こち
※ご都合主義です。
※素人作品です。温かな目で見ていただけると助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる