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聞いてナイヨ?
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何かよく分からないうちに、僕はヒューズさんと婚約してこの辺境伯領に住むことになった。
よく分からないというか、ヒューズさんが僕に一目惚れしたらしく、さっきの「俺が必要」という台詞がそもそもプロポーズっぽかったらしい。
この世界は同性愛が普通にあって、男同士はもちろん女同士も結婚できるそうだ。
ヒューズさんは同性愛者で、男の人にしか惹かれないんだそうだ。
僕はといえば、ノンケで男だけどヒューズさんに嫌悪感は全く無くて、きっと最初から惹かれてしまってたんだろう。
優しくされて流されたのかもだけど、ヒューズさんの心からの言葉に確かに僕への愛情を感じたんだ。
・・・・・・僕ってチョロい?
でも別に良いんだ。
もう、僕はここで新しい人生を生きるって決めたんだから。
・・・でも・・・。
「僕は男なので、子供は産めないです。跡継ぎは望めないです、すみません」
そう言ったら、何と!
「心配ない。魔法で同性同士でも子は出来る」
---は?
ポカンと間抜け面したのは許して欲しい。
なにそれ。
さすが異世界って言えばいいの?!
「ルカの世界では、その、同性愛者とかは・・・」
ヒューズが(婚約者だから呼び捨てと言われた)心配そうに聞いてくるけど、婚約しといて今更だよね?
「僕の世界では少数派だけど、最近は社会的に認められる事が増えてきたし、僕自身は偏見は無いんだ。ただ、僕の世界には魔法なんてないから、子供を産めるのは女性だけ。だからビックリしただけで嫌悪感はないよ。大丈夫、ヒューズの事、好きだよ」
そういって笑ってあげたら、ホッとした顔をしていた。
それを可愛いって思う僕は本当にヒューズの事が好きなんだなぁ。
双方の名前を記入した婚約証明書を神殿に届けて、神官様と共に二人して神様の像の前でお祈りをする。
そうすると何故か証明書に神様の紋章が浮かび上がって、それで神様から許可が出たことになるという謎仕様。
たまに神様から許可がおりずに婚約出来ない人もいるらしい。
たいていは何かしら偽っていたり犯罪者だったりと悪い意味で。
政略結婚は?と聞いたら、そちらはよっぽど酷い条件での政略結婚でもなければ成立するらしい。
例えば権力や暴力で無理矢理とか、一方的なモノなどは、神が逆に天罰を与えるのだとか・・・こわっ!
そういう実績があるので、皆、普通に恋愛結婚や合意の上での婚約になるらしい。良かった。
神が身近な世界なんだね。
---神様、僕をここに連れて来てくれてありがとうございます。
思わずその場で目を瞑り、手を胸に当てて祈った。
それを見守っていたヒューズ達が固唾を呑んでいたことには気付かなかった。
よく分からないというか、ヒューズさんが僕に一目惚れしたらしく、さっきの「俺が必要」という台詞がそもそもプロポーズっぽかったらしい。
この世界は同性愛が普通にあって、男同士はもちろん女同士も結婚できるそうだ。
ヒューズさんは同性愛者で、男の人にしか惹かれないんだそうだ。
僕はといえば、ノンケで男だけどヒューズさんに嫌悪感は全く無くて、きっと最初から惹かれてしまってたんだろう。
優しくされて流されたのかもだけど、ヒューズさんの心からの言葉に確かに僕への愛情を感じたんだ。
・・・・・・僕ってチョロい?
でも別に良いんだ。
もう、僕はここで新しい人生を生きるって決めたんだから。
・・・でも・・・。
「僕は男なので、子供は産めないです。跡継ぎは望めないです、すみません」
そう言ったら、何と!
「心配ない。魔法で同性同士でも子は出来る」
---は?
ポカンと間抜け面したのは許して欲しい。
なにそれ。
さすが異世界って言えばいいの?!
「ルカの世界では、その、同性愛者とかは・・・」
ヒューズが(婚約者だから呼び捨てと言われた)心配そうに聞いてくるけど、婚約しといて今更だよね?
「僕の世界では少数派だけど、最近は社会的に認められる事が増えてきたし、僕自身は偏見は無いんだ。ただ、僕の世界には魔法なんてないから、子供を産めるのは女性だけ。だからビックリしただけで嫌悪感はないよ。大丈夫、ヒューズの事、好きだよ」
そういって笑ってあげたら、ホッとした顔をしていた。
それを可愛いって思う僕は本当にヒューズの事が好きなんだなぁ。
双方の名前を記入した婚約証明書を神殿に届けて、神官様と共に二人して神様の像の前でお祈りをする。
そうすると何故か証明書に神様の紋章が浮かび上がって、それで神様から許可が出たことになるという謎仕様。
たまに神様から許可がおりずに婚約出来ない人もいるらしい。
たいていは何かしら偽っていたり犯罪者だったりと悪い意味で。
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例えば権力や暴力で無理矢理とか、一方的なモノなどは、神が逆に天罰を与えるのだとか・・・こわっ!
そういう実績があるので、皆、普通に恋愛結婚や合意の上での婚約になるらしい。良かった。
神が身近な世界なんだね。
---神様、僕をここに連れて来てくれてありがとうございます。
思わずその場で目を瞑り、手を胸に当てて祈った。
それを見守っていたヒューズ達が固唾を呑んでいたことには気付かなかった。
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