【完結】猫になれ!

エウラ

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*ネコだけどネコになっちゃった?!

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*前半R18。背後注意*




「おーい、トンじゃった? リナリア?」

「・・・・・・あとりうむ?」

ぺちぺち頬を叩かれ、焦点の合った琥珀色の瞳にアトリウムを映す。

綺麗なアイスブルーと銀色にへらりと笑う。

「・・・・・・カッコいいねぇ・・・アトリウムって」
「・・・どうした、急に?」
「キレイだねえ・・・アトリウム」
「---おーい? 話が噛み合わねえぞ。クソ、あの潤滑油、媚薬効果も多少あるっていうから試したのに、コイツにはヘンに効き過ぎてないか? あのヤロウ後でとっちめて・・・」
「あとりうむ?」
「あ、ああ悪い」
「なんかお腹、奥、ムズムズするの。奥、擦ってぇ?」
「---っ、アアもう!! 後で文句は無しな!!」
「うえっ?!」

ぼーっとしたまま思ったことを呟いていれば、アトリウムが怒ったような感じで腰を動かし始めた。

もはや生えてるようにしか見えない尾てい骨からの尻尾は、根元を扱くと、性感帯のようでグッと力が入ってビクビクする。

ぐちゅぐちゅと接合部からは水っぽい粘着質な音がひっきりなしに聞こえ、リナリアの口からは『気持ちいい』と言葉にならない喘ぎ声が聞こえた。

アトリウムの腰使いに初心者のリナリアは為す術もなく、翻弄され、色んな体位で攻め続けられ、遂に気絶して漸く終わったのはその日の夕方。

朝イチから昼ご飯抜きでずっとヤリまくっていたらしい。

僕が目覚めたのは次の日の朝。

気付いて起きようとしたら腰が痛くて抜けてて動けなかった。

魔塔にはアトリウムが連絡してくれたようで、二人揃って遅い朝ご飯タイム。

「あの、アトリウムは、その」
「俺も休んだ。やることあるからな」
「ソ、ソウデスカ」

---何で僕を抱いたの?と聞きそびれてしまった。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

お互い無言のまま、お茶を飲み干す。

「・・・・・・あ、あの、じゃあこれで・・・」

帰ろうと腰を浮かしたら尻尾を掴まれた。

「みぎゃっ!! 掴まないでよ、痛い痛い!」
「・・・・・・これ、どういう仕組みなんだ?」
「・・・え? そういえば、何で外れないんだろう?」
「え? 魔導具じゃないのか?」
「魔導具の、はず・・・だけど、僕の作った物じゃないから」

そういえば、説明書き付いてたよな?
ポケットから出したぐちゃぐちゃの紙切れを広げて読む。

「えーと、なになに? 『コレは魔導具ですが、装着した人が適合者だった場合は体に馴染んで一体化します。そうなると外れません。ちなみに、一体化すると人間の耳は消えてなくなります』」
「・・・・・・」
「・・・・・・僕の耳・・・」
「ないな、ケモ耳以外」
「・・・・・・何ですと---!!」

ない!
本当にない!
マジか---!!

ガックリ項垂れていると、アトリウムが続きを読み出した。

「『なお、猫神様の加護を持った人間しか適合しません。見た目じゃ分かりませんが、概ねに酔う傾向があります。適合者はケモ耳尻尾が可愛いだけで実害はありません。但し、ケモ耳尻尾は性感帯なので、恋人や伴侶以外の人には触らせないこと。製作者・猫神様の下僕』」
「---・・・・・・はあ?!」

なにそれなにそれ?!
てか、何でウチにあったし?!
でもってよく読まないでそんなのつけるなって僕のおバカ!!
・・・・・・あ、おバカだったわ。

「・・・・・・」

アトリウムの冷たい視線にガクブルのリナリアだった。

「・・・・・・はあ、まあ、おいおいそこは追及するとして」
「ひえ、あ、いや、スミマセン・・・」

じとっと睨まれた。
怖いよアトリウム。

「はいコレ、ココにサインして」
「え、はい。・・・コレでいい?」
「・・・・・・はあ・・・、いや、良いけど。お前さ、もう少し警戒心とか持てよ。よく読みもせずに言われるがままサインしてさあ」
「え?」
「『婚姻届』。コレで俺等は晴れて夫夫な。届出してきて」
「畏まりました。大至急手続きして参ります」
「へあ? ・・・・・・婚姻? 誰と誰が?」
アトリウムリナリアお前が」
「・・・・・・はああ---!!」

再びの叫びに自分の耳も思わず塞いでしまった。
ケモ耳性能良すぎ!!

「・・・・・・お前さ、ほんっと、馬鹿」



うう、否定できないのがつらみ・・・・・・。






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