【完結】暁の騎士と宵闇の賢者

エウラ

文字の大きさ
上 下
32 / 40

番外編 エヴァルド&アディス 1

しおりを挟む
※エヴァルド視点。アディスに魔力供給(口吻)した後からのアディスとセラータの告白からの番い休暇(長いわw)。脇CP抵抗ある方は読まなくても問題ありません。次話でガッツリえちします。




我が弟アルヴァとアディスの義息子セラータが番いになった。

あの合同訓練中の捕り物劇のあとにアディスが私の番いだったことが分かり、奇跡的に前世の記憶持ちだったアディスと心を通わせ合ったのにとなったあと。

今回の事件解決のあとにセラータと番うことを許可されていたようで、アルヴァはセラータと翌日から一週間の番い休暇に入った。
実際は帰った日からすでに番っていたそうだが。

その間、私やアディスはカーティス補佐官とソリューン騎士団長、パール団長補佐官と共に罪人達の尋問や事後処理で、寝る間もなく王城に缶詰状態で仕事を捌いていた。

五日後、やっと落ち着いて二日間の休暇をもぎ取ったアディスがドーン公爵家に向かうというので、私も久し振りに引っ付いて帰宅した。

両親にはアディスのことを魔法便で先に知らせてあった。
アディスの事情で私がダスク公爵家に婿入りすることになることも。
その辺りの話も詰めないといけない。

ちょうど巣篭もりが落ち着いたらしいアルヴァとセラータが寝室から出て来た。
昼食後にアディスとセラータが一旦ダスク公爵家に帰るというのをアルヴァと二人でべったりくっ付いて引き留めた・・・・・・があっさり帰ってしまった。

「似た者兄弟だね、お前達」

そう父上に笑われた。

その後、大した話し合いもなく私のダスク公爵家への婿入りとアルヴァの次期後継者が決まった。

「お互いがそれで幸せならいいんだ」
「そうよ。アレから貴方の笑った顔を見たのは何時振りかしら? 一度もなかったんじゃない?」
「今は溢れんばかりの笑顔で嬉しいよ」

そう言って笑った両親には感謝しかない。
誰か代わりの相手を・・・・・・などと一言も言わないでずっと見守ってくれていた。

その後、王城から件の輩の処遇が決まったとやって来た部下から詳しい内容が知らされた。
ダスク公爵家には明日、こちらから伝える旨を話して労いの言葉をかけて帰らせる。

今頃、あの二人は疲れてのんびり休んでいるだろう。それを邪魔するのは申し訳ない。
明日の朝遅い時間に窺うとしよう。


そして翌日、二人に詳しい内容を伝えたあと、私が婿入りしてアルヴァにセラータが嫁入りすることを話していると、アディスが思いもよらない話を始めた。

まさかの話に今度はセラータがカミングアウトしてその場の全員が思わずセラータを抱きしめた。あ、サイモンはさすがに壁になっていたよ。

こんな奇跡、あっていいのか───。



アレから番い休暇が明けたアルヴァ達二人と入れ替わりで私とアディスの番い休暇に入った。

私はもちろんだが、アディスの方でも休暇申請してくれていたことが分かり、お互いの気持ちが通じ合っていたのだと嬉しく思った。

「アディス、これから先も私とともにいてくれ」
「もちろん。私の愛しい番いあなた

改めて騎士の誓いのように跪き、左手を掬い上げて懇願すると、二つ返事で受けてくれた。
そしてどちらともなく顔を寄せて口付ける。

そのままアディスを抱き上げてベッドに腰掛けると、アディスの息も漏らすまいと深い口付けを繰り返した。

「・・・・・・んっ・・・・・・ふ」

アディスの艶っぽい吐息が漏れる。私は興奮して更に甘い口腔を嬲った。

「ふ、可愛いな」

口付けだけでトロンと蕩けた瞳のアディスを見つめながらそっとベッドに倒すと、薄い布のガウンをはだけて、アディスの胸の尖りをペロリと舐めた。

「んっ」
「ふふふ、敏感だね。アレかな? 記憶があるということは、私とのアレコレもちゃんと覚えているんだよね?」
「・・・・・・っ」
「じゃあ、心に引き摺られて身体も興奮して・・・・・・私を求めてくれてるってことだよね?」

私がそう言うと顔を赤くして目を逸らしたアディスに、昔もそうやって恥ずかしがったな、と思う。
小柄で成長が緩やかなところは昔と変わらないが、色味はだいぶ違う今世。
だが反応や無意識に出るクセは変わらない。
やはり魂に刻まれているのだろう。

「竜珠はすでにアディスの魂に馴染んでいるから問題ないとして、早くその身体に私の咬み痕を刻みつけなくてはね」
「・・・・・・今世では、この身体は未経験で真っ新だから・・・・・・優しくして?」

潤んだ瞳で自然と上目遣いになるのも昔のまま。
私はいつもコレに弱い。───ぐちゃぐちゃに啼かせたくなる。

「───っぐ。もちろんだよ。せっかくもう一度初夜を迎えられるんだ。大切に、とろとろに開発してあげるよ」
「・・・・・・っ」

情欲の色を隠そうともしない私を見て怯えて震えるアディスにペロリと舌舐めずりをした。
それでますます縮こまるアディスの耳元で囁く。

「だから、前みたいに愛らしく乱れておくれ。アディ」
「っ!」

私の下で更に顔を赤くして涙目のアディスは、不安と羞恥でいっぱいの顔だ。

大丈夫、壊さないように、大切に抱くから。
だからそんなに怯えないで。じゃないと・・・・・・。

───もっと怯えさせて酷くしてしまいそうだ。






※誤字脱字直しましたが、まだあったらスミマセン。気付いたら直します。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」 「恩? 私と君は初対面だったはず」 「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」 「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」 奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。 彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました

ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。 愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。 ***************** 「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。 ※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。 ※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。  評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。 ※小説家になろう様でも公開中です。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

【BL】こんな恋、したくなかった

のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】  人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。  ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。 ※ご都合主義、ハッピーエンド

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜

N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。 表紙絵 ⇨元素 様 X(@10loveeeyy) ※独自設定、ご都合主義です。 ※ハーレム要素を予定しています。

僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました

楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。 ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。 喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。   「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」 契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。 エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

処理中です...