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本編
124 借り物のお題確認 3
しおりを挟む何とも言えない微妙な空気の漂う中、第2位の発表が始まった。
『はいはい! 気を取り直していきますよ! 第2位は3-Bのステージア・クリスタ君、お相手は同じく3-Bのフォルス・ラライ君です。お二人の関係は?』
実況者にそう聞かれて、クリスタは満面の笑みで応えた。
「ラライは俺の婚約者だ! 卒業後に俺の嫁になる!」
『えっ?! フォルス君が嫁?! え?え? 本当に?!』
「・・・はい。俺が、クリスタに嫁ぎます。嫁入りです」
生徒達がどよめいた。
それもそのはず、クリスタは細くて美少年って容姿で、ラライは逆にガッチリ。
ムキムキという感じではないが、細くもない。
見た目だけならラライの方が攻めだ。
『これは意外や意外・・・いやいや、当人同士が良いなら良いんです! はい、シチュエーションは・・・肩を抱き合いながら・・・オッケーです! 2位の20点とシチュエーション10点です!』
皆の温かい拍手に颯爽と手を振るクリスタは格好良かった。
そして照れるラライはなんか可愛かったです。
『ではではお待ちかね! 第1位の発表です! 1-Sのサクヤ君でお相手は同じく1-Sのオクタヴィア・スオウ君!! 皆さん、どきどきわくわくしてましたよ! ズバリ、サクヤ君にとってスオウ君はっ?!』
「僕にとってスオウは何者にも変えられない、大切で愛おしい唯一無二の最愛で、婚約者です。愛してます」
そう言い切った後、ドヤ顔をした。
「俺が命を賭けて愛し抜く存在だ。手ぇ出したら・・・・・・分かるよな?」
「・・・っサクヤ?」
スオウが、いつもと違うサクヤに気付いた。
コレは前世のサクヤが顔を出したな?
急に男前な発言になったサクヤに、実況者や他の生徒たちも唖然とした。
『---ええっと! 何やら男前なサクヤ君ですが、スオウ君、如何なんですか?!』
「あー、婚約者は本当です。俺の最愛です。死んでも離さないからな! お前らも手ぇ出すなよ!」
格好良くキメたつもりのスオウだが、ずっとお姫様抱っこの状態で宣言しても締まらない。
会場中、失笑が漏れた。
『はいはい!! ではシチュエーションですが、見ての通り、お相手をお姫様抱っこする、でした!! 最初から最後までブレずにスオウ君を抱きあげ続けているサクヤ君、さすがです! 一位の30点にシチュエーションの30点で、断トツのトップ!! はーい! 以上、借り物競走でした!! 選手の皆さん、借り物になった皆さんもお疲れ様でした---!!』
ソレを合図に皆がめいめいに帰っていく。
「・・・・・・サクヤ、下ろしてくれないか?」
何時までこの羞恥プレイやんの?!
「え? 生徒会のテントまで行くつもり。だってこんなこと、普通はやれないじゃん。楽しまなくちゃ!」
そういってサクヤはそのまま歩き出した。
---勘弁してくれ・・・・・・。
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