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本編
113 縦割り集会
しおりを挟む数日後、クラス別の縦割り集会-体育祭集会が開かれた。
クラス別に寮が違うので、この集会は各寮で行う。
寮は関係者以外立ち入れないので安心して話し合えるというわけだ。
その集会初日は一斉に行われ、後は必要に応じて各自の寮の管理人に確認と許可を取れば、何度でも集まって良いことになっている。
そして本日は栄えある第一回目の体育祭集会である。
今日は一日この集会に充てられるので寮内ということもあり、皆ラフな私服で集まった。
場所は寮内の広間だ。
ダンスホール並みの大きさで、実際そういうパーティーも開かれる事もあるそう。
・・・男子生徒しかいないのに。
お相手は意中の男子?
---それは置いておいて。
Sクラスの寮は生徒会が占めているので、何となく生徒会長が進行するのかと思いきや、ちゃんと学年別に実行委員が選ばれていて、その人達が司会進行、書記等を務めてくれた。
僕達一年のクラスは委員長のエルネスト君と副委員長のウィル君が実行委員を務める。
忙しいのにありがとう。
僕とスオウは後ろに座っている。
全体を見渡せる位置だ。
生徒会長達は正面右側に陣取っていて、左側が実行委員達。
---ところで、チラチラ視線が来るんだけど、何故?
「・・・サクヤの着物姿が珍しいんだろ。寮では普段着てるが他のヤツらにはあまり会わないからな。初めて見るヤツがほとんどだろうな」
「あー、なるほど。確かに皇国の着物ってあんまり見ないよね。僕も華恋母様が用意してくれてなきゃ、自分では洋服で良いと思ってたし。コッチは洋服が主流だもんね」
そういうサクヤは、簡素な浅葱色の着流しを着ている。
髪は下ろしてハーフアップにしているが、色気がダダ漏れである。
スオウは苦笑した。
相変わらず自己評価が低くて、着物を着たサクヤを見ていることに気付いていない。
---さて、今回の集会は一回目であり、詳しいことを知らない一年生の為に、前半は体育祭の内容説明に充てられる。
「まず、この学園での体育祭はどういうものか説明しよう」
そういって競技の説明が始まった。
「徒競走、障害物走、借り物競走が個人戦で、騎馬戦とリレーが団体戦。後、応援合戦も団体戦扱いで、どのくらい盛り上がったかの投票がある。コレは午後イチで各クラスが応援合戦をしたあとに最後のリレーまでの投票で決まるんだが、何処も趣向を凝らすから盛り上がるぞ」
「因みに、当然魔法や武器の使用は禁止だ。そもそもグラウンドは魔法無効化の魔導具で覆われるから使えなくなるがな」
生徒会長が付け足した。
純粋な運動能力と運が必要だ。
「それだけに、適材適所で挑まないとSクラスとか関係なく蹴落とされるから、本気で勝ちに行くぞ!」
「「「おお---!!」」」
皆、やる気満々だ。
僕も何となくソワソワしちゃうよ。
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