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番外編
リオウの学園見学 その参
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大捕物の昼食後、午後の授業の見学に入る。
午後の授業は魔法と剣術を学年全体で合同で行うそうだ。。
高等科と同じように闘技場に移動する。
結界魔法で防御対策もバッチリ。
僕達は邪魔にならないように隅っこで見てようとしたんだけど・・・。
「せっかくですので、サクヤ様とスオウ様で模擬戦をして頂けませんか? きっと子供たちの励みになると思うんです」
と、先生から頼まれてスオウと顔を見合わせる。
「学園の方で許可が下りるならば構いませんが・・・」
「そう仰ると思ってすでに許可は頂いてあります! 問題ありません!」
コレには二人とも苦笑い。
「昼食時に許可をもぎ取ったな」
「間近で見られる絶好の機会だもんね」
どうやら先日の野外授業の噂を聞いていたらしい。まあ、キマイラの件は箝口令がしかれた訳ではないしね。
「じゃあ、お言葉に甘えてスオウ、ヤっちゃおうか」
『・・・言い方が卑猥』
「? 何?」
「いいや? ところで得物は?」
「そこらの模造剣じゃあ耐えられないから、自前の一択で」
「・・・ですって。先生、真剣でいいですよね?」
「だ、大丈夫なんです?」
真剣と聞いて先生、腰が引けてますが。
「自己責任ですが、その辺は心配ないです。当てませんし当たりません」
「は、はあ。分かりました」
「ヨシ。じゃあ防具をつけて俺は双剣」
「僕は当然ムラサメで」
生徒達と先生方(なんかめちゃくちゃ集まってきた)に離れて貰って、闘技場にガッチリ結界防御魔法をかける。
「先生、魔法も使っていいんですよね? 時間制限付きでいいですか?」
「あ、はい。それで構いませんが時間はどのぐらい・・・」
「10分で。何時でもいけるので合図して下さい」
「分かりました。では---始め!」
先生の合図の瞬間、二人の姿が消えたと思ったら瞬きのうちにキンッと金属の弾かれた音が連続で響いた。
生徒達はポカンとしている。
速すぎて見えないのだ。残響のように音が響くだけで、何が何やら。
凄い、しか出てこない。
それを見ていたリオウが闘技場に向かって声を上げた。
「兄様達! 速すぎて参考にならないので、速度を落として!!」
どうやらキチンと聞こえていたようで、すぐさまスピードを落とした。が、まだまだ速すぎるとリオウからのツッコミが続き、オッケーがでるまでスピードを落とした。
それでも騎士団員くらいの速度だったが。
うっかりガチめに打ち合ってしまったのを反省して、様々な剣技と魔法を取り混ぜて魅せるような模擬戦に切り替えた。
そうして10分経ち、模擬戦は終了。
生徒達や先生方からも質問攻めにあって、前半は質疑応答、後半は剣と魔法の実習となった。
講師のようになってしまったが、お互い楽しかったので、ヨシとしよう。
リオウも目をきらきらさせていて可愛かった。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ、実に有意義な時間でした。良かったら是非またいらして下さい」
「スオウ兄様、サクヤ兄様、今日はビックリしたけど凄く楽しかったです」
「うん、僕達も楽しかった。リオウが元気で学んでいるところが見られて良かった」
「精進しろよ」
「はい。じゃあ、また!」
そういってリオウと別れて門を出た。
「本当に楽しかった」
「いい気分転換になったな」
サクヤ達が帰った後、同級生達からもみくちゃにされながら聞かれたことに賢明に応えてサクヤ達の自慢をこっそりしまくったリオウだった。
「あ、スオウ兄様とサクヤ兄様は婚約者同士だから間違っても二人に邪な気持ちを持たないでね。・・・じゃないと、魔王が降臨するからね?」
クラスの皆が首を縦に振る。
皇帝陛下と大公様は現実に居る。
あのお二方はやはり兄弟だけあって良く似ているのだ。
触らぬ神にたたり無し・・・である。
「・・・っくしゅん!」
皇帝と大公が同時にくしゃみをしたとかしないとか・・・・・・。
午後の授業は魔法と剣術を学年全体で合同で行うそうだ。。
高等科と同じように闘技場に移動する。
結界魔法で防御対策もバッチリ。
僕達は邪魔にならないように隅っこで見てようとしたんだけど・・・。
「せっかくですので、サクヤ様とスオウ様で模擬戦をして頂けませんか? きっと子供たちの励みになると思うんです」
と、先生から頼まれてスオウと顔を見合わせる。
「学園の方で許可が下りるならば構いませんが・・・」
「そう仰ると思ってすでに許可は頂いてあります! 問題ありません!」
コレには二人とも苦笑い。
「昼食時に許可をもぎ取ったな」
「間近で見られる絶好の機会だもんね」
どうやら先日の野外授業の噂を聞いていたらしい。まあ、キマイラの件は箝口令がしかれた訳ではないしね。
「じゃあ、お言葉に甘えてスオウ、ヤっちゃおうか」
『・・・言い方が卑猥』
「? 何?」
「いいや? ところで得物は?」
「そこらの模造剣じゃあ耐えられないから、自前の一択で」
「・・・ですって。先生、真剣でいいですよね?」
「だ、大丈夫なんです?」
真剣と聞いて先生、腰が引けてますが。
「自己責任ですが、その辺は心配ないです。当てませんし当たりません」
「は、はあ。分かりました」
「ヨシ。じゃあ防具をつけて俺は双剣」
「僕は当然ムラサメで」
生徒達と先生方(なんかめちゃくちゃ集まってきた)に離れて貰って、闘技場にガッチリ結界防御魔法をかける。
「先生、魔法も使っていいんですよね? 時間制限付きでいいですか?」
「あ、はい。それで構いませんが時間はどのぐらい・・・」
「10分で。何時でもいけるので合図して下さい」
「分かりました。では---始め!」
先生の合図の瞬間、二人の姿が消えたと思ったら瞬きのうちにキンッと金属の弾かれた音が連続で響いた。
生徒達はポカンとしている。
速すぎて見えないのだ。残響のように音が響くだけで、何が何やら。
凄い、しか出てこない。
それを見ていたリオウが闘技場に向かって声を上げた。
「兄様達! 速すぎて参考にならないので、速度を落として!!」
どうやらキチンと聞こえていたようで、すぐさまスピードを落とした。が、まだまだ速すぎるとリオウからのツッコミが続き、オッケーがでるまでスピードを落とした。
それでも騎士団員くらいの速度だったが。
うっかりガチめに打ち合ってしまったのを反省して、様々な剣技と魔法を取り混ぜて魅せるような模擬戦に切り替えた。
そうして10分経ち、模擬戦は終了。
生徒達や先生方からも質問攻めにあって、前半は質疑応答、後半は剣と魔法の実習となった。
講師のようになってしまったが、お互い楽しかったので、ヨシとしよう。
リオウも目をきらきらさせていて可愛かった。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ、実に有意義な時間でした。良かったら是非またいらして下さい」
「スオウ兄様、サクヤ兄様、今日はビックリしたけど凄く楽しかったです」
「うん、僕達も楽しかった。リオウが元気で学んでいるところが見られて良かった」
「精進しろよ」
「はい。じゃあ、また!」
そういってリオウと別れて門を出た。
「本当に楽しかった」
「いい気分転換になったな」
サクヤ達が帰った後、同級生達からもみくちゃにされながら聞かれたことに賢明に応えてサクヤ達の自慢をこっそりしまくったリオウだった。
「あ、スオウ兄様とサクヤ兄様は婚約者同士だから間違っても二人に邪な気持ちを持たないでね。・・・じゃないと、魔王が降臨するからね?」
クラスの皆が首を縦に振る。
皇帝陛下と大公様は現実に居る。
あのお二方はやはり兄弟だけあって良く似ているのだ。
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「・・・っくしゅん!」
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