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本編
86 魔導具研究所所長の独り言(研究員を添えて)
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「ありがとうございました」
「こちらこそ、本当にありがとうございます」
依頼完了のサインを貰ってほくほくのサクヤ達を見送ってから、所長であるオルビスは先ほどまでの出来事を振り返っていた。
かなり前に冒険者ギルドに出していて中々依頼を受けて貰えず塩漬けになってしまった、火竜の素材の納品。
それを受けて納品してくれると言うのだ。
最初に話を聞いたときはやっとかと、期待と不安が半々くらいだった。
どのくらい納品して貰えるのか。
どれか一つでもいい。
それくらい火竜は討伐が大変だ。
だが納品しにきた冒険者の一人がスオウ殿だと聞いて、少し気持ちが浮上した。
あのスオウ殿ならばそれなりにいけるのではないかと。
もう一人の冒険者は研究員も初見らしく知らない者だという。
まあ、会えば分かるだろうと応接室に足を運んでみれば・・・・・・。
「初めまして。サクヤと申します」
・・・・・・おおい!
聞いてないぞ、第2皇子殿下がSランク冒険者なんて?!
何で火竜討伐してるんですかスオウ殿なら分かりますがあなた皇族ですよね何で?!
内心は酷く混乱していたがそこは腐っても貴族。顔には微塵も出しません!
それよりも火竜です!
え---丸ごと?!
マジか!!
ヤバい脳内の言葉遣いがおかしくなった。
いやいやそれよりも無傷で丸ごとって!!
倉庫に出された火竜はそれはもう最高級な状態で。
研究員全員、狂喜乱舞していた。
その後、一度応接室に戻り書類にサインをした。
話をうかがうと、どうやら火竜を結界で囲ってからの窒息死との事。
見るとスオウ殿が諦めた顔をしていた。
・・・・・・コレが殿下の通常運転なんですね。
私は空気の読める貴族です。これ以上は突っ込みませんよ。
更に話を聞いていくと、どうやら殿下は魔導具に造詣が深いらしい。
しかも独学との事。
そういえば、お二方の腕に光る魔導具も凄まじい付与がついてますね!
ぱっと見じゃあ分かりませんが、かなり緻密な魔法陣が組み込まれています!
じっくり拝見したいです!
え、最重要機密ですか?
そうですか・・・・・・仕方ありません。
今度は大公閣下の許可を得て見学に来るそうです。
何と!
ええ、何時でも大歓迎ですよ。お待ちしております!
スオウ殿。蚊帳の外ですが、大丈夫ですか?
「それにしても、火竜、最高だな」
「待った甲斐がありましたね!」
「これからこういう素材はサクヤ殿に指名依頼しましょうよ、所長!」
和気あいあいと言っているが、そんなに簡単に頼める訳ないだろう。
「お前達は知らないだろうが、あの方はこの帝国の第2皇子殿下なんだぞ。いくら冒険者といえど気軽に指名依頼出来る方じゃない」
「---えええええ---?!」
まさかの皇族に研究員は大騒ぎだ。
ここには庶民も多いからな。
「皇族なんてお祝い事でもない限りお目にかかれないと思ってた!」
「いやいや、そもそもスオウ殿だって大公閣下の次男様なんだけど! 気さく過ぎてそんな感じしないけど」
確かに---なんて盛り上がっている。
でもまあ話した感じ、指名依頼受けてくれそうな気はするけどね。
次に訪れたら魔導具話に花を咲かせたいな。
「こちらこそ、本当にありがとうございます」
依頼完了のサインを貰ってほくほくのサクヤ達を見送ってから、所長であるオルビスは先ほどまでの出来事を振り返っていた。
かなり前に冒険者ギルドに出していて中々依頼を受けて貰えず塩漬けになってしまった、火竜の素材の納品。
それを受けて納品してくれると言うのだ。
最初に話を聞いたときはやっとかと、期待と不安が半々くらいだった。
どのくらい納品して貰えるのか。
どれか一つでもいい。
それくらい火竜は討伐が大変だ。
だが納品しにきた冒険者の一人がスオウ殿だと聞いて、少し気持ちが浮上した。
あのスオウ殿ならばそれなりにいけるのではないかと。
もう一人の冒険者は研究員も初見らしく知らない者だという。
まあ、会えば分かるだろうと応接室に足を運んでみれば・・・・・・。
「初めまして。サクヤと申します」
・・・・・・おおい!
聞いてないぞ、第2皇子殿下がSランク冒険者なんて?!
何で火竜討伐してるんですかスオウ殿なら分かりますがあなた皇族ですよね何で?!
内心は酷く混乱していたがそこは腐っても貴族。顔には微塵も出しません!
それよりも火竜です!
え---丸ごと?!
マジか!!
ヤバい脳内の言葉遣いがおかしくなった。
いやいやそれよりも無傷で丸ごとって!!
倉庫に出された火竜はそれはもう最高級な状態で。
研究員全員、狂喜乱舞していた。
その後、一度応接室に戻り書類にサインをした。
話をうかがうと、どうやら火竜を結界で囲ってからの窒息死との事。
見るとスオウ殿が諦めた顔をしていた。
・・・・・・コレが殿下の通常運転なんですね。
私は空気の読める貴族です。これ以上は突っ込みませんよ。
更に話を聞いていくと、どうやら殿下は魔導具に造詣が深いらしい。
しかも独学との事。
そういえば、お二方の腕に光る魔導具も凄まじい付与がついてますね!
ぱっと見じゃあ分かりませんが、かなり緻密な魔法陣が組み込まれています!
じっくり拝見したいです!
え、最重要機密ですか?
そうですか・・・・・・仕方ありません。
今度は大公閣下の許可を得て見学に来るそうです。
何と!
ええ、何時でも大歓迎ですよ。お待ちしております!
スオウ殿。蚊帳の外ですが、大丈夫ですか?
「それにしても、火竜、最高だな」
「待った甲斐がありましたね!」
「これからこういう素材はサクヤ殿に指名依頼しましょうよ、所長!」
和気あいあいと言っているが、そんなに簡単に頼める訳ないだろう。
「お前達は知らないだろうが、あの方はこの帝国の第2皇子殿下なんだぞ。いくら冒険者といえど気軽に指名依頼出来る方じゃない」
「---えええええ---?!」
まさかの皇族に研究員は大騒ぎだ。
ここには庶民も多いからな。
「皇族なんてお祝い事でもない限りお目にかかれないと思ってた!」
「いやいや、そもそもスオウ殿だって大公閣下の次男様なんだけど! 気さく過ぎてそんな感じしないけど」
確かに---なんて盛り上がっている。
でもまあ話した感じ、指名依頼受けてくれそうな気はするけどね。
次に訪れたら魔導具話に花を咲かせたいな。
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