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本編
73 夏季休暇前の試験 その陸
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ガオウ兄様達、2学年のバトルロイヤルが始まった。
二人共武器のリーチが長いから、周りも警戒して中々近づけないようだ。先にその他をやっつけ始めた。
ガオウはすらっと太刀を抜いて構えると、近くにいた生徒から片っ端に倒していく。
やはり重さを感じさせない太刀捌きだ。
レックスも突いたり払ったりと、こちらも軽々と相手を場外へ落とす。
そして風紀委員も同じように危なげない様子であっという間に残りはガオウとレックス、風紀の5人合わせて7人になった。
共闘はなく、7人全員混戦状態になる。
そのうち1人、また1人と場外へ飛ばされて、今は風紀委員1人にガオウ達で3人。
激しい打ち合いをしていて足元がお留守になったのか誘導されたのか、レックスがいつの間にか舞台の際に追いやられていた。
そこに風紀委員が連撃をしたので受け止めきれずに場外へ落ちた。
「計算してたね」
「レックスさんには珍しくうっかりしてたな。悔しそうだ」
「ガオウ兄様、勝つかな?」
「あの風紀、副委員長だぜ。委員長の後継って話だ。相当だろう。厳しいかもな」
スオウの読み通り、重い一撃を食らったガオウが堪えきれずに場外へ飛ばされて終了になった。
「ああ、やっぱり」
「でも凄かったね。怪我とか大丈夫かな?」
「あれくらいなんて事ないよ。大丈夫」
ガオウ達が何やら話ながら戻ってきた。
さっきの反省をしているようだ。
「お疲れ様です」
「うん。あーあ、サクヤの前でかっこ悪いとこ見せたなあ」
バツが悪そうに頬を掻いてガオウが言った。
「そんなことないですって! 太刀捌き凄かったです! レックスさんも軽々と槍を振り回して格好良かったです」
「ホント? 嬉しい」
レックスもまんざらじゃなさそうだ。
「次は3年だ。生徒会長達が出るぞ。風紀委員長がいるから見物だ」
そう言われてスオウと再び舞台を見た。
生徒会長と会計、書記の双子に風紀委員長。
会長のアルフレッドはロングソード、会計のルークはダガーを両手に持っている。書記のルイスは・・・・・・鞭?!
「え、意外すぎるんですけど」
「・・・ルイスは武器を持つと人が変わるんだよ」
サクヤがびっくりして思わず言うと、ガオウが呆れたように教えてくれた。
何でも隠れ女王様気質で、特に鞭でしばくのが好きなんだとか。
どういう意味?
サクヤがちんぷんかんぷんになっているときにレックスとスオウは頭を抱えていた。
『ガオウの説明、絶対分かってないだろう』
『Sっ気があるって言っても通じないと思う』
『そもそも女王様の意味知らないと思うよ』
『ああ・・・普通に女の王様って』
『ガオウ兄さんも例えが悪い』
なんてポソポソ話していたら、サクヤがまた声を上げた。
「風紀委員長の武器、ハルバードだ! うわ、身近で使ってる人初めて」
扱い難しいのに・・・。
と、しきりに感心しているようだ。
確かに相当の熟練度がないと使えない。
普段は大剣だから、この試験の為に出してきたんだな。
「イルミナ、勝ちにきているな。コレは凄いものが見られるかも。サクヤ、よく見ておこうぜ!」
「そんなに?! うわあ、楽しみ!」
サクヤ達の思いが届いたのか、こちらをチラッと見てニヤリと不敵に笑うイルミナ。
ゾクリとした。
サクヤ達の戦闘狂の血がざわめいたようだった。
準備が整い、開始の合図が上がって真っ先に動いたのはイルミナだった。
中央付近にあえて陣取っていたイルミナはハルバードをぐるぐる回転させて竜巻のような風を起こした。
耐えきれずに数名が場外へ飛ばされた。
残りも外側へと押しやられていた。
そこへ素早い動きで接近し、ハルバードで軽く弾き飛ばす。
あっという間に残りわずかになった。
二人共武器のリーチが長いから、周りも警戒して中々近づけないようだ。先にその他をやっつけ始めた。
ガオウはすらっと太刀を抜いて構えると、近くにいた生徒から片っ端に倒していく。
やはり重さを感じさせない太刀捌きだ。
レックスも突いたり払ったりと、こちらも軽々と相手を場外へ落とす。
そして風紀委員も同じように危なげない様子であっという間に残りはガオウとレックス、風紀の5人合わせて7人になった。
共闘はなく、7人全員混戦状態になる。
そのうち1人、また1人と場外へ飛ばされて、今は風紀委員1人にガオウ達で3人。
激しい打ち合いをしていて足元がお留守になったのか誘導されたのか、レックスがいつの間にか舞台の際に追いやられていた。
そこに風紀委員が連撃をしたので受け止めきれずに場外へ落ちた。
「計算してたね」
「レックスさんには珍しくうっかりしてたな。悔しそうだ」
「ガオウ兄様、勝つかな?」
「あの風紀、副委員長だぜ。委員長の後継って話だ。相当だろう。厳しいかもな」
スオウの読み通り、重い一撃を食らったガオウが堪えきれずに場外へ飛ばされて終了になった。
「ああ、やっぱり」
「でも凄かったね。怪我とか大丈夫かな?」
「あれくらいなんて事ないよ。大丈夫」
ガオウ達が何やら話ながら戻ってきた。
さっきの反省をしているようだ。
「お疲れ様です」
「うん。あーあ、サクヤの前でかっこ悪いとこ見せたなあ」
バツが悪そうに頬を掻いてガオウが言った。
「そんなことないですって! 太刀捌き凄かったです! レックスさんも軽々と槍を振り回して格好良かったです」
「ホント? 嬉しい」
レックスもまんざらじゃなさそうだ。
「次は3年だ。生徒会長達が出るぞ。風紀委員長がいるから見物だ」
そう言われてスオウと再び舞台を見た。
生徒会長と会計、書記の双子に風紀委員長。
会長のアルフレッドはロングソード、会計のルークはダガーを両手に持っている。書記のルイスは・・・・・・鞭?!
「え、意外すぎるんですけど」
「・・・ルイスは武器を持つと人が変わるんだよ」
サクヤがびっくりして思わず言うと、ガオウが呆れたように教えてくれた。
何でも隠れ女王様気質で、特に鞭でしばくのが好きなんだとか。
どういう意味?
サクヤがちんぷんかんぷんになっているときにレックスとスオウは頭を抱えていた。
『ガオウの説明、絶対分かってないだろう』
『Sっ気があるって言っても通じないと思う』
『そもそも女王様の意味知らないと思うよ』
『ああ・・・普通に女の王様って』
『ガオウ兄さんも例えが悪い』
なんてポソポソ話していたら、サクヤがまた声を上げた。
「風紀委員長の武器、ハルバードだ! うわ、身近で使ってる人初めて」
扱い難しいのに・・・。
と、しきりに感心しているようだ。
確かに相当の熟練度がないと使えない。
普段は大剣だから、この試験の為に出してきたんだな。
「イルミナ、勝ちにきているな。コレは凄いものが見られるかも。サクヤ、よく見ておこうぜ!」
「そんなに?! うわあ、楽しみ!」
サクヤ達の思いが届いたのか、こちらをチラッと見てニヤリと不敵に笑うイルミナ。
ゾクリとした。
サクヤ達の戦闘狂の血がざわめいたようだった。
準備が整い、開始の合図が上がって真っ先に動いたのはイルミナだった。
中央付近にあえて陣取っていたイルミナはハルバードをぐるぐる回転させて竜巻のような風を起こした。
耐えきれずに数名が場外へ飛ばされた。
残りも外側へと押しやられていた。
そこへ素早い動きで接近し、ハルバードで軽く弾き飛ばす。
あっという間に残りわずかになった。
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