迷い子の月下美人

エウラ

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525 媚薬(改)の検証実験の結果(検証祭りを読み飛ばした方でもおおよそは分かるように書きます)と進捗状況確認

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「───以上が今のところここにいる薬師達が出来うる限りの検証実験結果です」

俺がアークに三日間抱き潰されたあと、割愛するが成り行きでにゃんこ会というメーレ達のお茶会に連れ込まれて赤裸々な閨事情を暴露していた日の翌日。

つまり『検証をするぞ』と言ってから四日目の午前となる今日。

最終的にカガシがまとめてくれた報告書を読んでみると、まぁ大まかにいくつか改善点がみられた。

その中で一番改善が必要なモノがやはり適量と持続時間。

「うん、ありがとう。しかしつい自分達の体格とかで適量を考えちゃってたけど、カガシ達のおかげでいい意味で勉強になったよ」
「まぁ、俺達はそういうののエキスパートと自負して仕事をしてますので。体調は人それぞれですし」

カガシの言うとおりだ。俺は今まで一人で好き勝手に作るだけだったからそういう経験がほぼない。

だからココは『餅は餅屋』でいこう。

「じゃあ、この媚薬の検証や適正な量なんかはカガシ主体で薬師達に任せていいかな?」
「俺は構いませんけど、ノアさんはソレでいいので?」
「うん。ココはほら、得手不得手があるからね。俺は作るのは得意だけど他の人相手に調整するのには向かないとつくづく思ったわけ」

だから得意分野のカガシ達に丸投げするよ。

「ソレがいい。じゃないと被害がとんでもなくなるからな」

アークがしみじみとそう言う。

「アレは俺がノア用に使うから、カガシは万人受けするように好きに改良してくれていい」
「・・・・・・そうですね。ええ、その方が何万倍も安心できますね。じゃあそうさせて貰います。皆も張り切って検証実験してくれますよ」

追加で言ったアークに頷いて、じゃあまた何かあればと薬師達の方に向かカガシを見て俺は溜め息を吐く。

「・・・・・・そんなにマズい?」
「まぁ───薬に関しちゃ暴走するとヤバいモンが量産されるからなぁ・・・・・・」
「う・・・・・・なるべく自制します」
「いやまぁ、うん、大概のことは俺が何とかするから、せめて事前に報連相をだな・・・・・・」
「───すれば大丈夫!?」

困ったようにそう言うアークに俺はガバッと顔をあげて被せるように叫んだ。それにアークはビクッとして曖昧に頷く。

「え、ああ・・・・・・うん、大丈夫・・・・・・か?」
「分かった! なるべく先に言うように気を付けるね!」
「そこはじゃないんかい」

アークのぼやきも聞き流して、俺は次に作るモノに思いを馳せた。

「ノア、ひとまず妄想の世界から帰ってこい」
「え? あ、ああごめん。何?」

ハッとしてアークに聞くと、どうやら獣人国から例の錬金術師達の事情聴取というか尋問が一応済んだらしい。
今分かっている情報をまとめて俺達に教えてくれるそうだ。

「え、いつの間に連絡取ってたの?」
「ああ、昨日ノアが少しメーレ達とお茶会してたろう? あのときにな、ちょっと」
「ああ、やることがあったって言ってたヤツ?」

そういえばお茶会のあとにアークのところに戻ってからそんなことを言ってたな、と思い至る。

「それな。どうやらヴァルハラ大公家の方に通信が入ったようで、父上が俺にも連絡してくれたんだよ。まぁ急ぎってわけじゃないから慌てなくていいんだが」
「なるほど。じゃあ義父様達と一緒に聞きに行く?」

わざわざ連絡をくれたってことはそのつもりなんだろう。

「そうなるな。だから父達の都合のいい日時に行くってことで調整中だって」
「分かった。こっちも今のところは何もないからしばらく予定を空けておこう」
「媚薬の件が一段落していてよかったな」
「は、ははは・・・・・・そうだね」

ニヤリと笑うアークにちょっと頬を引き攣らせてそう応えた俺だった。

はぁ、ヤッてる最中じゃなくてよかった。



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