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516 カガシと薬師と錬金術師は混ぜるな危険 2
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「さて、周りの安全は確保したし。・・・・・・今更だけど、手伝い本当にいいの?」
チャリオンと絶賛蜜月中なんだよね? 俺、邪魔しちゃってない?
気になって一応確認すると、カガシは人のよさそうな笑みを浮かべた。
「ご心配いりません。夜はたくさん可愛がってあげてますし、彼も息抜きが必要でしょうし」
「・・・・・・そう」
そう照れも悪びれもせずに堂々と閨事情を暴露するのはアークとそっくりだぁ。
聞いた俺も悪いけど、この場にチャリオンがいたら赤面して絶句か大騒ぎだな。
そういえば蛇獣人って、アレが二つあって片方が打ち止めになってももう片方が元気だから、交代交代でヤれるから絶倫ってどこかで聞いたような・・・・・・?
・・・・・・うわぁ。チャリオン、ご愁傷様。あとで滋養にいいもの贈ってあげよう。まあ、カガシがいるから大丈夫だろうけど。
「何か?」
思わず微妙な顔になって見つめていたせいで、カガシににっこり問いかけられた。
いやいや何でもないよ!
「じゃあ、分析お願いしようかな?」
「分かりました」
「・・・・・・敬語じゃなくていいよ?」
どうも見た目自分より年上のカガシに敬語で話されるとムズムズ落ち着かないからそう言ったんだけど。
「いえ、もう癖なモノでこれが誰にでも普通なんでご勘弁を」
「ん、ならまあ好きにしていいや。はい、これが原液ね」
それなら強要はしない。自分が居心地悪いだけだからね。
だからさっさと媚薬の改良とばかりにカガシに手渡した。
「・・・・・・、・・・・・・ぇ・・・・・・は?」
すぐに鑑定したらしいカガシが、にっこり笑顔からスンッと真顔になり、戸惑う声を小さくあげて最終的に片手で顔を覆って項垂れた。
うん? どうしたの?
「・・・・・・ノアさん、これの元の素材と、更にその元になった素材も見せて貰えます?」
「うん? いいよ。はい、えっとこれとこれとこれね。で、これの材料が───」
カガシが疲れたように素材を見せて欲しいって言うので、俺はパパッと作業机に出していく。
まずは媚薬の材料の例の薬物とミドガルズオルムの酒と肝。次に例の薬物の元となった乾燥シメピとイエローアパタイト。
カガシは次々に置かれる素材をパッと鑑定していったらしい。興味津々という顔と困惑の顔が入り交じったなんともいえない表情で鑑定を終えると、深い溜息を吐いた。
眉間に珍しくシワが寄って、口は横一文字に閉ざされている。
そんな顔も出来たんだね。ニコニコの顔しか見ていないから新鮮だな、なんて考えていたら急にガバッと顔を上げた。
「うへっ!?」
驚いた俺が変な声を上げたことも気にせず、カガシは細い目をクワッと見開き俺を見つめて言った。
「ノアさん、とりあえずミドガルズオルムの肝を抜いてもう一度錬成して下さい」
「え? 肝? って、俺が思い付きで足しちゃったアレ?」
最初は加える気が全くなかった肝?
「思い付きで足したんですか!? 何故そんなこと思い付くんですか!! 相乗効果爆上がりでしょうがっ!!」
「ひえっ! あっえっ・・・・・・ええ!?」
そ、そうなんだ? 知らなかったよ。
タジタジになりながらカガシの言うがままに、ミドガルズオルムの肝を抜いた材料で錬成すると、名前こそ『月下美人(改)』となっていたが最初のモノよりも効果が落ちた媚薬が錬成された。
「・・・・・・おお、カガシ凄いねぇ」
俺は満面の笑みでそう褒めたんだが。
「・・・・・・俺が凄いのではなく、ノアさんがやらかしすぎるんですよ」
なんでアレコレとヤバいモノツッコもうとするのかな、とブツブツ言いながらも楽しそうではあったから、まあいいか。
チャリオンと絶賛蜜月中なんだよね? 俺、邪魔しちゃってない?
気になって一応確認すると、カガシは人のよさそうな笑みを浮かべた。
「ご心配いりません。夜はたくさん可愛がってあげてますし、彼も息抜きが必要でしょうし」
「・・・・・・そう」
そう照れも悪びれもせずに堂々と閨事情を暴露するのはアークとそっくりだぁ。
聞いた俺も悪いけど、この場にチャリオンがいたら赤面して絶句か大騒ぎだな。
そういえば蛇獣人って、アレが二つあって片方が打ち止めになってももう片方が元気だから、交代交代でヤれるから絶倫ってどこかで聞いたような・・・・・・?
・・・・・・うわぁ。チャリオン、ご愁傷様。あとで滋養にいいもの贈ってあげよう。まあ、カガシがいるから大丈夫だろうけど。
「何か?」
思わず微妙な顔になって見つめていたせいで、カガシににっこり問いかけられた。
いやいや何でもないよ!
「じゃあ、分析お願いしようかな?」
「分かりました」
「・・・・・・敬語じゃなくていいよ?」
どうも見た目自分より年上のカガシに敬語で話されるとムズムズ落ち着かないからそう言ったんだけど。
「いえ、もう癖なモノでこれが誰にでも普通なんでご勘弁を」
「ん、ならまあ好きにしていいや。はい、これが原液ね」
それなら強要はしない。自分が居心地悪いだけだからね。
だからさっさと媚薬の改良とばかりにカガシに手渡した。
「・・・・・・、・・・・・・ぇ・・・・・・は?」
すぐに鑑定したらしいカガシが、にっこり笑顔からスンッと真顔になり、戸惑う声を小さくあげて最終的に片手で顔を覆って項垂れた。
うん? どうしたの?
「・・・・・・ノアさん、これの元の素材と、更にその元になった素材も見せて貰えます?」
「うん? いいよ。はい、えっとこれとこれとこれね。で、これの材料が───」
カガシが疲れたように素材を見せて欲しいって言うので、俺はパパッと作業机に出していく。
まずは媚薬の材料の例の薬物とミドガルズオルムの酒と肝。次に例の薬物の元となった乾燥シメピとイエローアパタイト。
カガシは次々に置かれる素材をパッと鑑定していったらしい。興味津々という顔と困惑の顔が入り交じったなんともいえない表情で鑑定を終えると、深い溜息を吐いた。
眉間に珍しくシワが寄って、口は横一文字に閉ざされている。
そんな顔も出来たんだね。ニコニコの顔しか見ていないから新鮮だな、なんて考えていたら急にガバッと顔を上げた。
「うへっ!?」
驚いた俺が変な声を上げたことも気にせず、カガシは細い目をクワッと見開き俺を見つめて言った。
「ノアさん、とりあえずミドガルズオルムの肝を抜いてもう一度錬成して下さい」
「え? 肝? って、俺が思い付きで足しちゃったアレ?」
最初は加える気が全くなかった肝?
「思い付きで足したんですか!? 何故そんなこと思い付くんですか!! 相乗効果爆上がりでしょうがっ!!」
「ひえっ! あっえっ・・・・・・ええ!?」
そ、そうなんだ? 知らなかったよ。
タジタジになりながらカガシの言うがままに、ミドガルズオルムの肝を抜いた材料で錬成すると、名前こそ『月下美人(改)』となっていたが最初のモノよりも効果が落ちた媚薬が錬成された。
「・・・・・・おお、カガシ凄いねぇ」
俺は満面の笑みでそう褒めたんだが。
「・・・・・・俺が凄いのではなく、ノアさんがやらかしすぎるんですよ」
なんでアレコレとヤバいモノツッコもうとするのかな、とブツブツ言いながらも楽しそうではあったから、まあいいか。
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